この記事の結論

この記事で分かること

  • 介護職員の平均給与額は月338,200円(令和6年度介護従事者処遇状況等調査/月給制・常勤)。前年同月比で13,960円増えています。
  • ただしこの金額は基本給+手当+一時金を含んだ額です。平均基本給等は253,810円で、差の約8万円は手当と賞与の按分です。
  • サイトによって金額が違うのは、調査ごとに測っているものが違うからです。「どの調査の、どの定義の数字か」を見ないと比較になりません。
  • 「介護福祉士なら8万円もらえる」ではありません。処遇改善加算の配分に関する話で、全員が対象になるものではありません。
  • 給料を上げる方法で最も確実なのは、加算の区分が高い事業所へ移ることと資格取得です。夜勤を増やす方法は長続きしません。

「介護の給料って、結局いくらなの?」
「調べるたびに金額が違って分からない」
「自分の給料は平均より低いんだろうか」

数字からお伝えします。介護職員(月給制・常勤)の平均給与額は月338,200円です。令和6年度介護従事者処遇状況等調査の結果で、前年同月比13,960円の増加でした。

ただし、この数字だけを見て「自分は低い」と判断しないでください。338,200円は「基本給+手当+一時金の按分」を合計した額です。同じ調査での平均基本給等は253,810円。差の約8万円は、各種手当と賞与にあたる部分です。

そしてサイトによって金額がバラバラなのは、調査ごとに測っているものが違うからです。この記事では、その読み分け方から整理します。

この記事で参照した公開情報(2026年8月26日確認)
・厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査
 └ 介護職員(月給制・常勤)平均給与額 338,200円(前年同月比 +13,960円)
 └ 平均基本給等 253,810円(前年同月比 +11,130円)/非常勤 196,060円
 └ 平均給与額=基本給(月額)+手当+一時金(4月〜9月支給金額の1/6)
 └ 対象:介護職員等処遇改善加算I〜Vを取得している事業所
・2024年度(令和6年度)介護報酬改定(処遇改善加算の一本化)

統計は調査年度により変わります。金額は平均値であり、地域・法人・施設種別・経験年数により大きく異なります。個別の給与については、お勤め先または応募先にご確認ください。

結論|338,200円の中身を分けて見てください

項目金額中身
平均給与額(月給制・常勤)338,200円基本給+手当+一時金の按分
平均基本給等253,810円基本給にあたる部分
差額約84,000円夜勤手当・資格手当などの各種手当と、賞与の按分
非常勤の平均給与額196,060円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」。対象は介護職員等処遇改善加算I〜Vを取得している事業所です。

自分の給与と比べるときの注意

給与明細の「差引支給額(手取り)」と338,200円を比べても意味がありません。338,200円は額面で、しかも賞与の一部が月あたりに按分されて含まれています。

比べるなら、自分の「基本給」と253,810円、または「基本給+手当+賞与÷12相当」と338,200円です。

なぜ調査によって金額が違うのか|3つの読み分け

ここを知らないと、いくら調べても混乱します。

調査何を測っているか対象
介護従事者処遇状況等調査基本給+手当+一時金の按分処遇改善加算を取得している事業所
賃金構造基本統計調査職種分類ごとの給与(定義が別)産業全体(職種で分類)
民間の求人サイトの集計掲載求人の提示額そのサイトの掲載求人

「どの調査の、どの定義か」を見てください

同じ「介護職の平均給料」でも、賞与を含むか、手当を含むか、対象事業所が限定されているかで、金額は数万円単位で変わります。

数字だけを比べて一喜一憂するより、自分の求人票の内訳を見るほうが実用的です。この記事の後半では、その見方をお伝えします。

給与の内訳|基本給と手当を必ず分けて見る

項目性質注意点
基本給毎月固定。賞与や退職金の算定基礎になることが多いここが低いと、賞与も退職金も低くなります
夜勤手当夜勤の回数に比例夜勤を減らすと消えます
資格手当資格の有無で固定介護福祉士が最も大きいことが多い
処遇改善加算の配分事業所の加算区分と配分方法による基本給か手当か賞与か、で意味が変わります
役職手当役職に就いた場合責任も増えます
処遇改善以外の各種手当通勤・住宅・扶養など法人により有無が分かれます

「月給28万円」の危うさ

求人票に「月給28万円」とあった場合、次の2つはまったく別物です。

①基本給25万円+各種手当3万円(夜勤なしでも28万円)
②基本給20万円+夜勤手当4回分5万円+その他3万円(夜勤を減らすと23万円)

②の場合、体力的に夜勤を減らした瞬間に大きく下がります。そして基本給が低いぶん、賞与も退職金も低くなります。

処遇改善加算|あなたの給与に反映されていますか

介護職の給与を語るうえで、いま最も影響が大きいのがこの仕組みです。

2024年度に3つの加算が一本化されました

従来の「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」が「介護職員等処遇改善加算」に一本化され、加算率が引き上げられました。

ポイント内容
加算の目的介護職員の賃金改善に充てること
加算率事業所が取得している区分により変わります
配分の方法基本給・手当・賞与のいずれか。事業所が決めます
算定要件キャリアパス要件、月額賃金改善要件、職場環境等要件

同じ職種でも、事業所によって差が出ます

加算の区分が違えば、同じ介護福祉士でも給与が変わります。そして配分の形によっても、体感が変わります。

配分の形あなたへの影響
基本給に上乗せ毎月の手取りが安定して増える。賞与・退職金の算定基礎も上がります
毎月の手当として支給手取りは増えますが、賞与・退職金の算定基礎に含まれないことがあります
賞与にまとめて反映月々の手取りは変わらないため、想定より少なく感じます

面接では、この質問をしてください。
介護職員等処遇改善加算は、どの区分を取得されていますか。加算分は月々の給与にどのような形で反映されていますか(基本給・手当・賞与のいずれか)
この1問で、給与の実態がかなり見えます。

「介護福祉士に8万円」の正しい意味

よくある理解実際
介護福祉士なら誰でも8万円もらえるそのような制度ではありません
資格を取れば自動的に支給される事業所の加算区分と配分方法によります
処遇改善の仕組みの中で、経験・技能のある職員について一定水準以上の改善を行う職員を設定するという考え方が背景にあります

「資格を取れば全員に8万円」ではなく、事業所の中での配分の話です。期待して転職すると、想定と違うことになります。

なぜ「介護の給料は安い」と言われるのか|構造の問題です

ここは事実に基づいて説明します。

構造意味すること
収入の多くが介護報酬という公定価格で決まる事業所が自由に価格を上げられません
介護報酬は3年ごとの改定で見直される事業所の収入は制度改定に左右されます
人件費比率が高い事業構造収入が増えないと人件費に回す原資も増えません
だから国が処遇改善加算という別枠を設けているこの加算の取得状況が、給与の差になります

一般の企業のように「売価を上げて人件費に回す」という調整がしにくい——これが構造的な理由です。だからこそ、同じ介護職でも、加算をきちんと取得して職員に配分している事業所を選べるかどうかが効いてきます。

手取りはいくらになるか

手取りは、額面から所得税・住民税・社会保険料を差し引いた額です。

差し引かれるもの備考
健康保険料・介護保険料(40歳以上)加入している保険により料率が異なります
厚生年金保険料
雇用保険料
所得税扶養の状況により変わります
住民税お住まいの自治体により異なります。前年の所得が基準です

目安としては額面の75〜85%程度になることが多いとされますが、扶養の状況・自治体・加入している保険によって変わります。正確な金額は給与明細または各制度の窓口でご確認ください。

※税・社会保険料の額は個別の状況により異なります。この記事の数値は一般的な目安です。

給料を上げる6つの方法|効果と現実性

方法効果現実性注意点
1処遇改善加算の区分が高い事業所へ移る大きい高い配分方法もあわせて確認
2介護福祉士を取得する大きい中(実務経験3年+実務者研修)ケアマネへの道にもつながります
3役職に就く大きい低〜中ポストの数が限られます
4夜勤の回数を増やす大きい高い体力との引き換え。長く続きません
5訪問介護など手当のつく分野へ移る資格が必須。オンコールの有無を確認
6単発勤務を組み合わせる高い本業の副業規定を必ず確認

最も確実なのは1と2です

4の「夜勤を増やす」は即効性がありますが、根本的な解決になりません。体力的に続けられなくなったとき、収入が元に戻るためです。

一方、1と2は一度上がると下がりません。資格手当は夜勤の有無に関係なく付き、加算の区分が高い事業所は経営が安定していることが多くなります。

夜勤手当の実際|いくら変わるのか

夜勤の回数年間の差(1回5,000〜8,000円の場合)
月4回年間およそ24万〜38万円
月2回に減らす年間およそ12万〜19万円
夜勤をやめるゼロになります

夜勤手当の額は事業所により大きく異なります。上記は仮の単価による計算例です。

デイサービスや訪問介護に移ると夜勤がなくなるため、この分の収入は消えます。体力を優先するか収入を優先するか、「時間と体力をお金で買う」という判断になります。

施設種別で給与はどう違うか

職場夜勤収入の傾向身体的負担
特別養護老人ホームあり夜勤手当の分だけ高め重い
介護老人保健施設あり高め中〜重い
有料老人ホームあり施設により幅が大きい
グループホームあり標準
デイサービスなし低め軽い
訪問介護原則なし時給は高め。実質時給は移動時間の扱い次第

訪問介護の時給が高く見えるのは、1件あたりの拘束時間が短いためです。ただし移動時間は労働時間にあたり賃金の支払い対象とされているため、そこが支払われるかどうかで実質時給が変わります。

転職で給与を上げるときに確認する5項目

  1. 基本給はいくらか——賞与・退職金の算定基礎になります
  2. その月給に夜勤手当が何回分含まれているか——夜勤を減らしたときの下がり幅が分かります
  3. 処遇改善加算はどの区分で、給与にどう反映されているか——基本給・手当・賞与のいずれか
  4. 賞与の直近の支給実績は何か月分か——規定と実績は別です
  5. みなし残業が含まれるか、何時間分か——含まれるとその分の残業代は出ません

聞きにくいと感じる方へ。この前置きで足ります。
長く働きたいと考えていますので、給与の内訳を確認させていただけますでしょうか
労働条件の確認は当然のことです。これらに答えられる施設ほど、労務管理が整っています。

今後どうなるか|処遇改善は引き上げの方向です

処遇改善加算の加算率は、引き上げられる方向で推移しています。たとえば訪問介護の処遇改善加算率は2026年6月から17.0%〜28.7%へ引き上げられました(それまでは14.5%〜24.5%)。

動き働き手への意味
処遇改善加算の一本化と加算率の引き上げ賃金改善に充てられる原資は増える方向
2024年度改定で訪問介護の基本報酬は引き下げ事業所の経営体力に差が出やすくなっています
人材不足の継続採用の需要そのものは弱まっていません

つまり「業界全体で上がる」より「事業所によって差がつく」方向です。だからこそ、加算の区分と配分方法を確認して職場を選ぶことの重要性が上がっています。

スキマかんごでは、介護助手・看護助手を含む1日単位ではたらける単発のお仕事と、掲載施設へ直接応募できる求人をご案内しています。「本業を続けながら収入を少し増やす」という使い方もできます。担当者からの営業連絡はありません。※本業の副業規定は必ず事前にご確認ください。

よくある質問

介護士の平均給料はいくらですか?

令和6年度介護従事者処遇状況等調査によると、介護職員(月給制・常勤)の平均給与額は338,200円で、前年同月比13,960円の増加でした。この「平均給与額」は基本給(月額)+手当+一時金(4月〜9月支給額の1/6)で計算されています。平均基本給等は253,810円、非常勤の平均給与額は196,060円です。なお対象は介護職員等処遇改善加算I〜Vを取得している事業所です。

サイトによって金額が違うのはなぜですか?

調査によって測っているものが違うためです。介護従事者処遇状況等調査は「基本給+手当+一時金の按分」を平均給与額としており、対象は処遇改善加算を取得している事業所に限られます。一方、賃金構造基本統計調査は職種分類が異なり、集計の定義も別です。金額を比べるときは「どの調査の、どの定義か」を確認してください。

介護士の1か月の手取りはいくらですか?

手取りは、額面から所得税・住民税・社会保険料を差し引いた額です。扶養の状況、居住する自治体、加入している保険によって変わるため、一律にはお答えできません。目安としては額面の75〜85%程度になることが多いとされますが、正確な金額はお勤め先の給与明細または各制度の窓口でご確認ください。

介護福祉士に8万円支給されるのはいつからですか?

「介護福祉士なら誰でも8万円もらえる」という制度ではありません。介護職員等処遇改善加算の仕組みの中に、経験・技能のある介護職員について一定水準以上の処遇改善を行う職員を設定するという考え方があり、その文脈で語られている数字です。実際にいくら反映されるかは、事業所が取得している加算の区分と配分方法によります。

介護職で1番稼げるのはどこですか?

施設種別では、夜勤のある入所系の施設や訪問看護と連携する事業所などで、手当を含めた収入が高くなる傾向があります。職種では施設長・管理者が最も高くなる傾向がありますが、求人数は限られます。ただし「稼げる」の中身が夜勤手当である場合、体力的に長く続けられるかを含めて判断してください。

なぜ介護の給料は安いと言われるのですか?

介護サービスの収入の多くが介護報酬という公定価格で決まっており、事業所が自由に価格を上げられない構造があるためです。一般の企業のように売価を上げて人件費に回すという調整がしにくくなっています。この構造への対応として、国は処遇改善加算という仕組みで賃金改善を進めています。

処遇改善加算とは何ですか?

介護職員の賃金改善に充てることを目的とした加算です。2024年度から3つの加算が「介護職員等処遇改善加算」に一本化され、加算率が引き上げられました。事業所が取得している区分によって加算率が変わり、その分が職員の賃金改善に配分されます。同じ職種でも、区分が違えば給与に差が出ます。

給料を上げる方法で最も効果があるのは何ですか?

確実性が高いのは2つです。①処遇改善加算の区分が高い事業所へ移ること②介護福祉士などの資格を取得すること。夜勤を増やす方法は即効性がありますが、体力的に長く続けられないため根本的な解決になりにくい面があります。役職に就く方法は効果が大きい一方、ポストの数が限られます。

転職で給料を上げるとき、何を確認すればいいですか?

5つあります。①基本給はいくらか②その月給に夜勤手当が何回分含まれているか③処遇改善加算はどの区分で、給与にどう反映されているか(基本給・手当・賞与のいずれか)④賞与の直近の支給実績は何か月分か⑤みなし残業が含まれるか、何時間分か。総額だけを見ると、実態が見えません。

今後、介護職の給料は上がりますか?

処遇改善加算の加算率は引き上げられる方向で推移しています。たとえば訪問介護の処遇改善加算率は2026年6月から17.0%〜28.7%へ引き上げられました。ただし実際に給与に反映されるかは、事業所が加算を取得し、どう配分するかによります。求人選びの際に加算の区分と配分方法を確認することが重要です。

まとめ|平均額より「自分の給与の内訳」を見てください

  • 介護職員(月給制・常勤)の平均給与額は月338,200円(令和6年度介護従事者処遇状況等調査)。前年同月比+13,960円です
  • ただしこれは基本給+手当+一時金の按分。平均基本給等は253,810円です
  • サイトで金額が違うのは、調査ごとに測っているものが違うからです
  • 「月給28万円」は、基本給25万か基本給20万+夜勤手当5万かで意味がまったく違います
  • 給料を上げる方法で最も確実なのは、加算区分の高い事業所へ移ることと資格取得です
  • 「介護福祉士なら8万円」ではありません。事業所の加算区分と配分方法によります

平均給与額と自分の給与を比べて落ち込む方が多いのですが、比べるべきは平均額ではなく、自分の給与明細の内訳です。基本給がいくらで、手当が何でできているか。ここが分かると、どこを変えれば上がるかが見えます。

そして転職で給与を上げたいなら、求人票の「月給◯万円」ではなく、基本給・夜勤手当の回数・処遇改善加算の区分と配分方法を必ず確認してください。この3つで、実態のほとんどが分かります。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

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