介護のキャリアアップの王道、ケアマネジャー(介護支援専門員)。「自分は受験できるの?」「あと何年で受けられる?」。ケアマネ試験は誰でも受けられるわけではなく、法定資格の保有と、実務経験5年以上かつ900日以上という受験資格が定められています。この記事では、受験資格の要件を正確に解説し、実務経験の数え方、受験までの流れ、そして2027年に予定される受験資格の緩和まで、これから目指す方に必要な情報をまとめます。
まず結論。ケアマネ試験の受験資格は、①対象の国家資格(看護師・介護福祉士など21種)を持ち、その業務に通算5年以上かつ900日以上従事、または②生活相談員などの相談援助業務に5年以上かつ900日以上従事。この「5年かつ900日」の両方を満たすことが必須です。そして重要な最新情報として、2027年度にこの要件が緩和される可能性があります(後述)。
この記事の目次
ケアマネの受験資格【2パターン】
ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)を受けられるのは、次のいずれかを満たす人です。
- パターン①:法定資格ルート
医療・介護・保健の国家資格(21種)を持ち、その資格に基づく業務に通算5年以上かつ900日以上従事した人 - パターン②:相談援助業務ルート
生活相談員・支援相談員・相談支援専門員などの相談援助業務に通算5年以上かつ900日以上従事した人
試験の目的は、介護サービスを利用する人の権利保護と安全確保。だからこそ「法定資格を持っているか」「相談援助の経験があるか」が受験資格として設けられています。介護福祉士や看護師として現場経験を積んだ方は、パターン①に該当します。
対象となる国家資格21種
パターン①の対象となる法定資格は、次の21種です。ご自身の資格が含まれるか確認してください。
| 分野 | 対象資格 |
|---|---|
| 医療 | 医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師 |
| リハビリ | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士 |
| 福祉 | 社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士 |
| その他 | 義肢装具士・歯科衛生士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士(管理栄養士含む) |
介護職の方の多くは介護福祉士を取得してからこのルートに乗ります。看護師・准看護師の方も対象です。
「5年以上かつ900日以上」の数え方
ここが受験資格でいちばんつまずきやすいポイントです。「期間5年以上」と「日数900日以上」の両方を満たす必要があり、どちらか一方だけではダメです。
- 期間5年以上:資格取得後、その資格に基づく業務に従事した期間が通算で5年以上
- 日数900日以上:実際に働いた日数が通算で900日以上
- 通算でOK:複数の職場での経験を合算できます。ただし、その場合は前の職場それぞれに「実務経験証明書」を書いてもらう必要があります
- 試験前日まで有効:申込時点で要件を満たしていなくても、試験前日までに満たす見込みなら「実務経験見込証明書」で受験できます
注意したいのが、複数の職場を合算する場合。前職が遠方だと、実務経験証明書の郵送・返送に時間がかかります。受験を決めたら、早めに証明書の作成を依頼しましょう。
受験資格がない人が最短で目指すルート
「今は無資格だけど、ケアマネを目指したい」という方へ。介護職からの王道ルートはこうです。
- 介護職員初任者研修を取る:介護の入り口。→ 初任者研修とは
- 実務者研修を取る:介護福祉士受験に必須。初任者研修修了なら一部免除
- 実務経験3年+実務者研修で介護福祉士を取得
- 介護福祉士として5年以上かつ900日以上働く
- ケアマネ試験を受験
このルートだと、無資格スタートから最短でおよそ8年。長く感じるかもしれませんが、一段ずつ資格を取りながら給与も上げていける、堅実な道です。ただし、後述の2027年緩和が実現すれば、この年数が短くなる可能性があります。
受験までの流れと必要書類
- 受験資格を確認する:自分がどのルートに該当するか。不明なら都道府県の試験実施団体に問い合わせを
- 受験要項(願書)を入手する:各都道府県の社会福祉協議会などで配布・郵送・ダウンロード
- 必要書類を準備する:受験申込書、実務経験(見込)証明書、証明写真など。証明書は勤務先に依頼が必要で時間がかかります
- 受験手数料を支払う:都道府県により異なる(1万円台)
- 受験票を受け取る:9月中旬以降。氏名・会場を確認
受験地は「現在勤務している都道府県」で決まります。住所地ではないので注意。転居予定がある方は、どちらで受けるか事前に確認しましょう。
試験概要(日程・形式・合格率)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施時期 | 年1回、例年10月中旬〜下旬の日曜日 |
| 申込期間 | 例年6月ごろ(都道府県により異なる) |
| 試験形式 | マークシート方式(五肢択一)・全60問・120分 |
| 出題分野 | 介護支援分野25問+保健医療福祉サービス分野35問 |
| 合格基準 | 各分野で正答率70%前後(難易度で調整) |
| 合格率 | 近年は20〜32%程度(年により変動) |
なお、2015年に保有資格による科目免除は廃止されました。以前は看護師などが一部科目を免除されていましたが、現在は全員が全科目を受験します。試験対策や難易度については ケアマネ試験の難易度の記事 でくわしく解説しています。
2027年、受験資格が緩和される見込み
これから目指す方に大きく関わる最新情報です。厚生労働省は、ケアマネジャーの人材不足を背景に、受験資格の緩和を検討しています。
検討されている主な変更点:
・実務経験年数の短縮(現行の5年から3年へという案)
・受験資格の対象となる国家資格の拡大
2027年度の介護保険法改正にあわせて導入される可能性がありますが、まだ確定ではありません。現行制度は引き続き有効なので、受験予定の方は厚生労働省や都道府県の最新発表を必ず確認してください。
緩和が実現すれば、より多くの人が、より早くケアマネを目指せるようになります。動向を追いながら、計画的に準備を進めましょう。
よくある質問
Q. 無資格・未経験からケアマネになるには何年かかりますか?
介護職からの王道ルートで最短約8年です(初任者研修→実務者研修→介護福祉士→実務5年)。2027年の受験資格緩和が実現すれば、短縮される可能性があります。
Q. 実務経験は複数の職場を合算できますか?
できます。ただし各職場から実務経験証明書を発行してもらう必要があります。前職が遠方だと時間がかかるので、早めに依頼しましょう。
Q. 看護師ですが、科目免除はありますか?
ありません。2015年に廃止されました。現在は保有資格に関係なく、全員が全60問を受験します。
Q. 申込時点で5年に達していませんが、受験できますか?
試験前日までに要件を満たす見込みなら、「実務経験見込証明書」を提出して受験できます。
まとめ
- ケアマネの受験資格は①法定資格21種+実務5年かつ900日、または②相談援助業務5年かつ900日
- 「5年以上」と「900日以上」の両方が必須。複数職場の合算は証明書が必要
- 無資格からの王道は初任者研修→実務者研修→介護福祉士→実務5年で最短約8年
- 試験は年1回10月、全60問。2015年に科目免除は廃止
- 2027年度に受験資格が緩和される見込み(5年→3年案)。最新情報の確認を