介護職員初任者研修の受講料は、一般的に5万〜10万円ほど。決して安くはありません。でも、条件が合えば、初任者研修は無料で取得できます。この記事では、初任者研修を無料にする4つの方法を、それぞれの条件・メリット・デメリットまで正確に比較します。「自分はどれが使えるか」がはっきりわかり、そして意外と見落とされがちな無料の落とし穴(違約金など)まで解説します。損をせず、賢く資格を取りましょう。
まず結論。初任者研修を無料にする主な方法は4つ。①民間スクールの就職応援制度(修了後にそのスクール系列に就職)、②ハローワークの職業訓練(求職中の方向け)、③自治体の資格取得支援事業、④勤務先の資格取得支援。あなたが「求職中か」「働いているか」「就職の意思があるか」で、選ぶべき方法が変わります。
この記事の目次
初任者研修を無料にする4つの方法
介護は人材不足が課題のため、国・自治体・スクール・介護事業所が、それぞれ費用負担を軽くする制度を設けています。主な無料化の方法は次の4つです。
| 方法 | 対象 | 費用 |
|---|---|---|
| ①スクールの就職応援制度 | 修了後に系列で働く意思がある人 | 実質無料(就職が条件) |
| ②ハローワーク職業訓練 | 主に求職中の人 | 受講料無料(テキスト代は実費) |
| ③自治体の支援事業 | 地域の事業所で働く意思がある人 | 無料〜一部助成(地域による) |
| ④勤務先の支援制度 | すでに介護施設で働いている人 | 全額〜一部を職場が負担 |
どれも「タダより高いものはない」の逆で、多くは「介護の仕事に就く・続ける」ことが前提。逆にいえば、介護で働くつもりの人にとっては、使わない手はない制度です。初任者研修そのものについては 初任者研修とは をどうぞ。
①民間スクールの就職応援制度
もっとも自由度が高く、就職率も高いのがこれ。そのスクールが紹介する介護施設に就職することを条件に、受講料が無料(またはキャッシュバック)になる制度です。
- メリット:土日コースや短期コースなど日程を選べる。就職サポートもセット。すぐ働きたい人に向く
- 条件の例:「対象教室で受講」「紹介求人で週3日(週20時間)以上働ける」「6ヶ月以内に勤務開始」など
- デメリット:就職先がスクールの紹介に限られる。就職しないと違約金が発生する契約もある(後述)
「介護で働くと決めていて、日程の自由さも欲しい」人に、いちばんおすすめの方法です。
②ハローワークの職業訓練
求職中の方向けの公的制度。ハロートレーニング(職業訓練)の介護コースを受講すれば、受講料が無料になります。2種類あります。
| 種類 | 対象 | 給付 |
|---|---|---|
| 公共職業訓練(離職者訓練) | 雇用保険の受給資格がある人 | 雇用保険の基本手当など |
| 求職者支援訓練 | 雇用保険を受給できない人 | 条件を満たせば月10万円の給付金 |
メリット:受講料無料に加え、条件を満たせば月10万円の生活支援給付金を受け取りながら学べる。就職の斡旋も受けられます。
デメリット:①選考(筆記・面接)があり、必ず受講できるとは限らない、②期間が約3ヶ月で平日昼のみ、③常時開講ではなく希望時期に始められないことも、④テキスト代(5千〜2万円程度)は自己負担、⑤手続きで何度もハローワークに通う必要がある。「すぐ働きたい」人には不向きです。
③自治体の資格取得支援事業
都道府県・市区町村が、地域の介護人材確保のために実施している制度です。たとえば東京都では、東京都福祉人材センターが「初任者研修等資格取得支援事業」を行い、条件を満たせば無料で受講できます(職場体験の修了・求職登録などが条件)。
内容は自治体によってさまざまで、無料のところもあれば、受講料の一部を助成するところもあります。名称・対象・金額・申請期間・条件はバラバラなので、お住まいの自治体の窓口で必ず確認してください。年度ごとに申込時期と修了期限が決まっている点にも注意です。
④勤務先の資格取得支援
すでに無資格で介護施設に勤めている、あるいはこれから就職する方向け。職場が受講料の全額・一部を負担してくれる制度です。「働きながら資格を取ってほしい」という施設は多く、提携スクールの割引がある職場もあります。
まずは今の職場(またはこれから応募する職場)に、資格取得支援制度があるか確認してみましょう。働きながら取る方法は こちらの記事 をどうぞ。
あなたに合う方法【タイプ別】
| あなたの状況 | おすすめの方法 |
|---|---|
| 介護で働くと決めていて、日程も自由に選びたい | ①スクールの就職応援制度 |
| 求職中で、生活費の支援も受けたい | ②ハローワーク職業訓練(求職者支援訓練) |
| ひとり親家庭など、特定の条件に当てはまる | ③自治体の支援(自立支援教育訓練給付金など) |
| すでに介護施設で働いている | ④勤務先の資格取得支援 |
無料の「落とし穴」に注意
「無料」には条件がつきもの。後悔しないために、次の点を必ず確認してください。
- スクールの就職応援制度の違約金:「修了後◯ヶ月以内に指定の介護施設に就職すること」が無料条件のことが多く、就職しないと数万円〜10万円程度の違約金が発生する契約も。必ず契約書を確認しましょう
- ハローワークの給付金停止:出席率が8割未満だったり「就職意志がない」と判断されると、給付金の支給停止や返還の対象になることがあります
- テキスト代などの実費:「受講料無料」でも、テキスト代・健康診断代などが自己負担のことがあります
- 自治体の申請期間:年度ごとに申込・修了の期限があります。時期を逃さないように
よくある質問
Q. 働きながらでも無料で取れますか?
取れる可能性があります。勤務先の資格取得支援や、スクールの就職応援制度が使えます。ハローワークの職業訓練は主に求職中の方が対象ですが、一部の制度は在職中でも利用できる場合があるので、窓口で確認しましょう。
Q. ハローワークの職業訓練は必ず受けられますか?
いいえ。筆記・面接の選考があり、定員もあるため、希望しても受講できないことがあります。「就職の可能性が高まるか」も審査されます。
Q. 就職応援制度で就職しなかったらどうなりますか?
契約によっては違約金(数万円〜10万円程度)が発生します。申し込み前に契約書で条件を必ず確認してください。
Q. 本当に一切お金はかからない?
受講料が無料でも、テキスト代や健康診断代などの実費がかかる場合があります。自己負担が一切ないかどうかは、事前に確認しましょう。
まとめ
- 初任者研修を無料にする方法は4つ(スクールの就職応援・ハローワーク・自治体・勤務先)
- 多くは「介護で働く・続ける」ことが前提。介護志望なら使わない手はない
- 求職中ならハローワークで月10万円の給付金を受けながら学べる(選考あり)
- すぐ働きたいならスクールの就職応援制度が自由度・就職率とも高い
- 違約金・給付金停止・実費など「無料の落とし穴」は事前に必ず確認を