まず以下の表で都道府県別の保育士の平均年収ランキングをまとめてみました。
低賃金のイメージが高い保育士に関して、上記のような疑問を抱く人は多いです。
そこで、この記事では都道府県別、年齢別、経験年数別、さまざまな方向から保育士の給料の詳細をお伝えします。
また、給料アップの方法も紹介しているた、今後の働き方について参考にしてください。
保育士の給料・手取りの平均
保育士として働いていると「自分の給料は周囲と比べて安いのではないか?」「ほかの保育士さんはどれくらい給料をもらっているのだろう?」と思うかもしれません。
2020年度(令和2年)厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、社会保険料や住民税、所得税などを控除する前の「決まって支給する現金給与額」は24.98万円、賞与は74.74万円、平均年収にすると約374万円という結果が出ています。
保育士の平均月給額は約25万円、手取り額に換算すると約20万円前後です。
ここでは、以下6つの平均年収について確認します。
- 正社員保育士の平均年収は約328万円
- パート保育士の平均時給は1,034円
- 保育士と幼稚園教諭はどちらの年収が高い?
- 公立保育所と私立保育所で保育士の収入は変わる?
- 男性保育士の給料は?
- 保育士の資格なしだと給料は変わる?
正社員保育士の平均年収は約320万円
「求人ボックス」によると、常勤として働く保育士の給料の相場は、平均年収にして約320万円というデータがあります。
なぜ保育士の平均年収が低いのかは以下の理由です。
原因 | 詳細 |
---|---|
労働条件の厳しさと報酬の不釣り合い | 保育士は子どもたちの教育と育成という社会的に重要な仕事を担っているが、その労働条件は厳しく、長時間労働や過度なストレス、高い責任感などが求められる。それに対する報酬が相対的に低いため、平均年収が低い。 |
公的資金の制限 | 保育園は公的な補助金で運営されることが多く、その予算は地方自治体や国の予算に大きく依存する。これにより、賃金の大幅な増加が難しくなる。 |
保育士不足と保育園の増加 | 保育士の需要が高まり、その一方で人手不足が深刻化している。しかし、保育士を増やすための予算は十分に確保されておらず、結果的に賃金が上がらない状況が続いている。 |
職業の性別イメージと社会的評価 | 日本では、伝統的に保育士の職業は女性の仕事とされ、低賃金というイメージがある。これは男性が多く働く職業と比べて、社会的な評価や賃金が低くなりやすい傾向にある。 |
保育士の平均年収はほかの職種と比較しても低く、途中で辞めたいと感じる人も多いでしょう。
なぜ保育士の給料が低いのか、あらかじめ確認することが大切です。
保育士の給料事情を詳しく知りたい方は以下の動画も参考にしてくださいね。
パート保育士の平均時給は1,034円
「求人ボックス」によると、パート・アルバイト保育士の平均時給は1,034円というデータがあります。
パートタイムの保育士が正社員と比べて給料が低い理由はシンプルに「パート」という働きが理由になります。
給料が低くとも、どちらがライフスタイルにあっているのか次第で、パートを選ぶしかない人もいるでしょう。
念の為、正社員とパートの違いで給料に生じる部分を以下の表にまとめました。
原因 | 詳細 |
---|---|
労働時間 | パートタイムの労働者は通常、正社員に比べて労働時間が短いため、収入も比例して少なくなる。 |
雇用形態 | パートタイムの雇用形態では、正社員に比べて労働者への投資(トレーニング、スキル開発など)が少ないため、企業は賃金を低く設定することが多い。 |
福利厚生 | 正社員は通常、健康保険、厚生年金、雇用保険などの社会保障の対象となるが、パートタイムの労働者はこれらの社会保障の恩恵を受けることが少ない。これらは労働者の総収入に大きく影響する。 |
役割と責任 | 正社員は通常、パートタイムの労働者よりも多くの責任を持ち、更なるスキルや専門知識を必要とする。これらの要素は賃金に反映され、正社員の方が高給取りとなることが多い。 |
保育士と幼稚園教諭はどちらの年収が高い?
保育士と幼稚園教諭の給料は、どちらも違いがありません。
保育士の平均年収が約356万円程度であるのに対し、幼稚園教諭の平均年収は約360万円です。
ボーナスに関してもどちらも平均70万円のため、月収にも大きな差はありません。
一方、保育園は長期休暇がないためまとまった休みがとれず、保育士と幼稚園教諭の間には年収の差こそないですが、休みに関して差があります。
公立保育所と私立保育所で保育士の収入は変わる?
厚生労働省が発表した「平成28年度賃金構造基本統計調査」によると、年間で230万円の差があることがわかります。
比較した結果を以下の表にまとめました。
保育園の種類 | 年収 | 月収 |
---|---|---|
公立保育園 | 約550万円 | 約32万円 |
私立保育園 | 約320万円 | 約22万円 |
公立と私立では年収や月収に差があります。
できるかぎり稼ぎたいと考えている人は、公立の保育園に入社するのがおすすめです。
男性保育士の給料は?
男性保育士と女性保育士は、給料の違いが以下のとおりです。
男性 | 女性 |
---|---|
約400万円 | 約373万円 |
男性保育士は、女性保育士よりも年収が高めとなっています。
しかし、厚生労働省が発表した「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、全職種から考えられる男性の平均年収は約540万円のため、全職種から考えると平均年収は低めです。
また、地域や勤続年数、条件によっても年収は大きく異なります。
保育士の資格なしだと給料は変わる?
保育士の資格なしでも保育に関係する保育補助に携わることができます。
保育補助は、保育士のサポートがメインのため、子どもの前に出て仕事をすることはありません。
保育士のように担任を持つことがないため、給料も全体的に低めに設定されています。
時給換算にすると1,000円~1,200円が相場となっており、手取りも15万円を下回る可能性もありますが、地域によってさまざまです。
保育士の給料の推移
現在も低賃金がささやかれる保育士業界ですが、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータを元に、ここ数年の給与の推移を以下の表にまとめました。
年度 | 決まって支給される現金給与額 | 年間賞与など |
---|---|---|
2017年 | 22.9万円 | 66.25万円 |
2018年 | 23.93万円 | 70.77万円 |
2019年 | 24.45万円 | 70.06万円 |
上記のように、保育士の給料は少しづつではあるものの上昇傾向にあることがわかります。
上昇傾向にはあるものの、いまだに保育士の給料は低いといわれているのも事実です。
今後、さらに上がっていくことを期待しましょう。
年代別保育士の給料
保育士に限ったことではありませんが、年齢を重ねていくことにより昇給していくため年々給料が上がっていく場合が多いです。
保育士の年代別の月収、年収を2020年(令和2年)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づいて解説します。
20代保育士の給料(月収・年収)
2020年(令和2年)20代保育士の平均月収は、約22.54万円、平均年収は330.8万円という結果が出ています。
保育士全体の平均よりも月額2万円以上低く、勤続年数を上げることで平均月収が増えます。
平均年収は330万円と若干低めですが、新卒の給料とそこまで変わりありません。
しかし、ボーナスなどの賞与額が一般企業よりも低いこともあるため、注意が必要です。
30代保育士の給料(月収・年収)
2020年(令和2年)30代保育士の平均月収は、約25.5万円、平均年収は378.9万円です。
保育士全体よりも少し上回っていることから、30代後半は平均よりも高い給料となることが予測できます。
しかし、一般企業に勤めている30代と比較すると、年収は低めとなっています。
キャリアアップによって年収が上がっていくシステムではない点に注意しましょう。
40代保育士の給料(月収・年収)
2020年(令和2年)40代保育士の平均月収は、約26万円、平均年収は394.8万円となっています。
保育士全体の平均よりも月額約1万円、年収にすると約20万円のアップです。
一般企業に勤めている40代と比較しても年収は低く、月収に関しても低いです。
手取りにすると22万円程度のため、別の職場へ転職する人も増えます。
50代保育士の給料(月収・年収)
2020年(令和2年)50代保育士の平均月収は、約28.4万円、平均年収は435.9万円という結果が出ています。
50代になると、日本の平均年収に近づきますが、キャリアとして考えるとほかの職場への転職は難しくなるころです。
50代になると役職のある立場にもなるため、役職がある保育士は年収が高くなることもあります。
一般企業と比較すると年収は低い面もありますが、20代と比べると年収は高くなる傾向です。
保育士の都道府県別給料ランキング
保育士業界全体を見ると給料の引き上げがされていますが、地域によって差があるのが現状です。
以下の表は保育士の都道府県別給料をまとめたものです。
保育士(男女計) | きまって支給する現金給与額 | 年間賞与、その他特別給与額 | 保育士の平均年収 |
---|---|---|---|
北海道 | 21.96万円 | 53.03万円 | 316.55万円 |
青森県 | 24.57万円 | 86.98万円 | 381.82万円 |
岩手県 | 21.6万0円 | 83.79万円 | 342.99万円 |
宮城県 | 23.72万円 | 58.19万円 | 342.83万円 |
秋田県 | 20.81万円 | 62.07万円 | 311.79万円 |
山形県 | 20.69万円 | 68万円 | 316.28万円 |
福島県 | 21.64万円 | 40.9万円 | 300.58万円 |
茨城県 | 23.57万円 | 83.24万円 | 366.08万円 |
栃木県 | 29.14万円 | 85.27万円 | 434.95万円 |
群馬県 | 21.13万円 | 71.89万円 | 325.45万円 |
埼玉県 | 24.85万円 | 65.93万円 | 364.13万円 |
千葉県 | 28.25万円 | 94.86万円 | 433.86万円 |
東京都 | 27.76万円 | 65.37万円 | 398.49万円 |
神奈川県 | 26.95万円 | 79.21万円 | 402.61万円 |
新潟県 | 21.68万円 | 62.84万円 | 323万円 |
富山県 | 23.38万円 | 67.1万0円 | 347.66万円 |
石川県 | 23.71万円 | 74.32万円 | 358.84万円 |
福井県 | 22.79万円 | 93.91万円 | 367.39万円 |
山梨県 | 21.89万円 | 70.29万円 | 332.97万円 |
長野県 | 23.29万円 | 65.84万円 | 345.32万円 |
岐阜県 | 23.36万円 | 95.33万円 | 375.65万円 |
静岡県 | 24.72万円 | 85.52万円 | 382.16万円 |
愛知県 | 25.69万円 | 95.34万円 | 403.62万円 |
三重県 | 23.07万円 | 78.53万円 | 355.37万円 |
滋賀県 | 26.09万円 | 56.22万円 | 369.3万0円 |
京都府 | 27.07万円 | 75.01万円 | 399.85万円 |
大阪府 | 25.39万円 | 80.62万円 | 385.3万0円 |
兵庫県 | 26.53万円 | 74.31万円 | 392.67万円 |
奈良県 | 23.41万円 | 79.82万円 | 360.74万円 |
和歌山県 | 22.05万円 | 55.9万0円 | 320.5万0円 |
鳥取県 | 23.11万円 | 77.33万円 | 354.65万円 |
島根県 | 22.28万円 | 67.19万円 | 334.55万円 |
岡山県 | 23.11万円 | 47.96万円 | 325.28万円 |
広島県 | 21.67万円 | 100.35万円 | 360.39万円 |
山口県 | 21.25万円 | 92.09万円 | 347.09万円 |
徳島県 | 23.39万円 | 54.61万円 | 335.29万円 |
香川県 | 22.13万円 | 90.42万円 | 355.98万円 |
愛媛県 | 21.36万円 | 63.44万円 | 319.76万円 |
高知県 | 24.12万円 | 79.83万円 | 369.27万円 |
福岡県 | 24.02万円 | 67.63万円 | 355.87万円 |
佐賀県 | 22.11万円 | 63.07万円 | 328.39万円 |
長崎県 | 23.82万円 | 87.02万円 | 372.86万円 |
熊本県 | 22.08万円 | 75.56万円 | 340.52万円 |
大分県 | 22.41万円 | 73.44万円 | 342.36万円 |
宮崎県 | 24.04万円 | 91.18万円 | 379.66万円 |
鹿児島県 | 22.61万円 | 74.55万円 | 345.87万円 |
沖縄県 | 23.14万円 | 59.64万円 | 337.32万円 |
どの地域で働きたいのかによって年収は異なるため、ある程度把握しておくことも大切です。
保育士の給料が高い県は?
地域によって大きく給料の差があり、とくに都心部は給与が高い傾向にあります。
都心部の社会保険、住民税、所得税などを控除した手取り額を紹介します。
東京の保育士給料の手取り額
東京都の決まって支給する現金給与額は、27.7万円という結果から、手取り額は約23万円前後となります。
平均給料より約2万円高い金額となっていることがわかります。
基本的に東京は給料が高い傾向にあるため、保育士も例外なく給料が高いです。
しかし、物価なども高いため、利用できる生活費は少ない傾向にあります。東京の給料が高い理由はこちら
東京の年収が他の都道府県と比べて高い理由は以下の表の通りです。
要素 | 理由 |
---|---|
経済の中心地 | 東京は日本の経済、政治、文化の中心地であり、多くの大企業や外資系企業が本社を置いている。そのため、高い給与を提供する求人が多く存在する。 |
業種の違い | 高収入を得ることが可能な業種(例えば金融、IT、広告業界など)が東京に集中している。これらの業種は特に高額な報酬を提供する傾向がある。 |
生活費 | 東京は物価が高く、生活費が他の都道府県よりも高いため、それに見合う給与が支払われる。これは企業が優秀な人材を引き寄せ、保持するための一つの方法である。 |
競争力 | 東京は競争が激しく、企業間で優秀な人材を引き寄せるためには、高い給与や福利厚生を提供する必要がある。 |
大阪の保育士給料の手取り額
大阪府の決まって支給する現金給与額は、25.3万円という結果から、手取り額は約21万円前後となります。
平均給料より少し高い金額であり、大阪は東京と同様に交通の便がよく、全体的に給料の高い地域です。
また、人も多く子どもの数もあるため、保育士の需要は高い傾向にあります。
一方、待機児童の数も多いため、保育士の需要と供給が間に合っていない部分がある点にも注意しましょう。
福岡の保育士給料の手取り額
福岡県の決まって支給する現金給与額は、24万円という結果から、手取り額は約20万円前後となります。
平均給料とほぼ同じ金額となっているところが特徴です。
平均給料と同じではありますが、年代があがるごとに昇給するとは限りません。
昇給するためには役職に就く必要もあります。
地方保育士の給料の実態
近年、人員不足が問題となり給料の引き上げが進んでいる保育士ですが、地方で働く保育士の給与額はまだまだ低いのが現状です。
地方保育士はどのくらい給与月額が安いのか解説します。
地方保育士は給料が安い?
給料が安い地域は以下の5つの都道府県であることがわかりました。
都道府県 | 決まって支給する現金給与額 |
---|---|
北海道 | 21.96万円 |
山形県 | 20.69万円 |
群馬県 | 21.13万円 |
新潟県 | 21.68万円 |
山口県 | 21.25万円 |
保育士全体の決まって支給する現金給与額の平均は24.98万円であるため、上記の地方保育士の給料は平均よりも4〜5万円も低いことがわかります。
地方は物価も安く全体的に給料が低い傾向です。
また、地方のなかでも市町村によって給料に差があるため、比較的給料の高い士に就職するのもおすすめです。
【地方保育士年収例】北海道
地方保育士の給料は安い傾向にありますが、年収にするとどれくらい差が出てくるのか北海道を参考にしながら見ていきます。
決まって支給する現金給与額 | 年間賞与など | 年収 | |
---|---|---|---|
全国平均 | 24.98万円 | 74.74万円 | 374万円 |
北海道 | 21.96万円 | 53.03万円 | 317万円 |
賞与においても平均より約20万円安いことがわかります。
北海道に限らず、地方の保育士は全体的に給料が低い傾向です。
年収にすると全国と約60万円近くの差が出ていることから、地方で働く保育士の低賃金の問題が浮き彫りとなっています。
保育士の平均勤続年数とは
保育士の平均勤続年数は7.7年です。
保育現場では、7年前後で活躍する保育士が多いことがわかります。
実際に、勤続年数が7年を超えると平均月収も上がっていくため、給料を上げたい場合は保育士を継続することが秘訣です。
しかし、保育士は重労働なので途中で断念してしまう人も少なくありません。
経験年数別保育士の給料
保育士は、経験年数によっても給料は変わってきます。
経験を積むことによってどのように給料が上昇していくのかを2020年(令和2年)の厚生労働省 「賃金構造基本統計調査」に基づいて、以下8項目について解説していきます。
1年目保育士の給料
保育士1年目の平均給与月額は、20.8万円です。
全体の平均は24.98万円のため、4万円ほど安いところからのスタートとなります。
手取り額にすると16万円程度のため、少ないと感じる人もいるかもしれません。
新卒1年目でも同じように少ない月収のため、同じように考えることもできます。
2年目保育士の給料
保育士2年目の平均給与月額は、およそ21.2万円ほどでしょう。
全体の平均は24.98万円のため、まだまだ相場には届かないのが現状です。
2年目以降の給料は決定的なデータが無いため、曖昧な表現となっています。
1年目と2年目の間にそこまで大きな差はありません。
3年目保育士の給料
保育士3年目の平均給与月額は、およそ21.6万円ほどです。
初任給から約1万円の昇給が予想できますが、給料が低いことを理由に辞める人も増えていきます。
一般企業であると、3年目は昇給する時期でもありますが、保育士の場合は給料が変わらないこともあるでしょう。
働く職場によっても異なるため、給料を上げたい場合は待遇を考え直すこともおすすめです。
4年目保育士の給料
保育士4年目の平均給与月額は、およそ22.1万円ほどといわれています。
4年目で新卒と同程度の給料となるため、転職する人も増えていきます。
保育士で4年間働いた後でも、一般職への転職は可能です。
給料に満足できない人は、別の職場への転職を考える時期ともいえるでしょう。
5年目保育士の給料
保育士5年目の平均給与額はおよそ22.6万円ほどです。
初任給から約2万円の昇給が予想できますが、5年目を機に辞める人も多いです。
一方、保育士としては5年のキャリアがあるため、保育士の仕事に慣れてくる時期でもあります。
役職に就くために頑張りはじめる時期でもあるため、続けるか辞めるかの2択に迫られる時期です。
6年目保育士の給料
保育士6年目の平均給与額はおよそ23万円ほどであり、手取りにしてやっと20万円到達するかしないかの額となります。
新卒で6年目を迎える場合年齢は30近く、ほかの職種の同年代の給料と比較しても、若干低めの設定です。
30代として考えると給料に満足いかない人もいるでしょう。
給料が上がらないことをきっかけに辞める人も多いです。
7年目保育士の給料
保育士7年目の平均給与額はおよそ23.8万円ほどでしょう。
6年目とそこまで変化はありません。
7年働いても月収は23万円ほどであり、手取り額にすると20万円を切ります。
一般職への転職を考える人も増えるでしょう。
8年目保育士の給料
保育士8年目の平均給与額はおよそ24.5万円ほどでしょう。
8年続けたあたりから、平均と並ぶのが一般的です。
新卒から働いていた場合、30歳を超える時期です。
手取りで20万円となる月収であり、満足する人も増えていきます。
そのほか条件別の保育士の給料
勤続年数や地方だけではなく、勤務形態や役職でも保育士の給料は異なります。
勤務形態による違い
正社員やパートなどの勤務形態によって保育士の給料は異なります。
正社員でフルタイムで働く場合、平均年収は340万円です。
一方、パートの場合、時給900円~1,200円が相場とされています。
ライフスタイルにあわせて勤務形態を選ぶことになりますが、勤務形態によっては年収に大きな差もでるため注意しましょう。
役職による違い
内閣府ホームページに掲載されている「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】」によると、施設長や主任保育士と一般保育士の間には以下のとおり平均年収が異なることがわかります。
役職 | 年収 |
---|---|
施設長 | 約640万円 |
主任保育士 | 約500万円 |
保育士 | 約340万円 |
また、私立幼稚園や公立幼稚園でも給料は大きくことなるため、働く職場での差も確認することが大切です。
働く条件は人によって異なるでしょう。
給料で選ぶか立地で選ぶかさまざまですが、自分にとって待遇のよい場所を選ぶことをおすすめします。
保育士の初任給はいくら?
保育士が働く現場にはさまざまな場所があり、保育をおこなう施設は、公立の「保育所」と私立の「保育園」に分けられます。
保育所は公立なので公務員として働くことが一般的ですが、保育園は民間事業となるため、給料形態も変わってきます。
2019年度(令和元年)の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータによると、私立保育園の初任給は20.3万円であり、手取り額にすると16万円程度です。
保育士の初任給で手取り額が20万円超えることは少ないと考えたほうがよいでしょう。
保育士の仕事一覧
保育士は、乳幼児から小学校入学前の子どもを預かり、仕事などで忙しい保護者にかわり子育てをするのがメインの仕事です。
おもに、保育士は以下の仕事をしています。
- 食事のサポートをする
- 社会性を身につけさせる
- 子どもの健康管理をする
- 発表会や運動会の準備をする
- お昼寝などのサポートをする
ほかにも、保育士には保護者とのコミュニケーションなども必要です。
子どもだけではなくさまざまな仕事が保育士に任せられています。
保育士みたいな仕事で給料が高い仕事はある?
保育士みたいな仕事を続けながら給料が高い仕事に興味がある人もいるでしょう。
保育士関連で給料が高い仕事がないか、以下2つの観点から確認します。
保育系で給料が高い仕事
保育士から転職は考えていても、保育士関連の仕事を諦めたくない人には、以下の職業がおすすめです。
- 公務員保育士
- 夜間保育士
- 院内保育士
- 保育士資格が活かせるキャリアアドバイザー
- ベビーシッター
- 産婦人科
保育士の資格を活かして、給料の高い職業へ転職することもできます。
保育士を目指している人の多くが子どもと触れ合うことが好きな人が多いです。
保育士を辞めても子どもと接しながら、保育士よりも年収を高めることもできるため、確認しましょう。
保育系・保育士で年収800万円以上の仕事
保育士の平均年収は約300万円程度です。
そのため、年収800万円を超えることはできません。
どうしても年収800万円を超えたい場合は、保育士以外での副業をする必要があります。
保育士の資格を活かして、保育に関連する以下の副業をすることで年収800万円を目指すことも可能です。
- 保育に関するライター
- 保育情報を教えるYoutuber
保育士の給料はなぜ安い?
保育士の給料が安いのには、以下5つの理由があります。
保育園保育士の給料の仕組みとは?
私立の認可保育園の財源は、公的な補助金と保護者から支払われる保育料です。
補助金の多くが税金で支払われており、保育料は保護者の収入によって各自治体が決定し、そのなかから利益を算出します。
財源の決定権は国や政府にあるため、保育園の経営者が勝手に増やすことは基本的にはできません。
決まったお金のなかで運営されているため、大幅な給料アップができなかったり園によって待遇や福利厚生に差があるのが現状です。
仕事量と見合わないから
男性保育士も増えては来ましたが、保育士業界はまだまだ女性社会です。
30代女性の一般平均年収は387万円といわれており、30代保育士の平均年収も約387万円という結果が出ているため、周囲の女性と比べても保育士の給料と一般職との給料にはほとんど差がないことがわかります。
それでも、保育士の給料が安いと思うのは、給料とは到底見合わない仕事量の多さや責任の重さでしょう。
保育士の仕事内容は子どもの命を預かるうえに、保護者対応や行事進行などさまざまなことに対応しなくてはならないため、「こんなに働いたのにこれだけ?」とがっかりしてしまうこともあるでしょう。
歴史的に安くされていたから
日本では、保育の仕事は子育ての延長と考えられていた時期がありました。
育児の専門的分野について深く考えられておらず、その結果安く設定されていた時期が長かったそうです。
実際は、保育の仕事は非常に専門的な知識が必要であり、決して子育ての延長ではありません。
最近は保育士の仕事の重要性が理解されはじめているため、今後さらに給料が上がる可能性もあります。
園児が減っているから
内閣府で掲載されている「人口・経済・地域社会をめぐる現状と課題」でも、日本は近年少子化といわれており、生まれてくる子供の数は減っています。
そのため、預けられる園児の数も少なく、それに伴い保育士の給料が減っているのも事実です。
しかし、子供の数が減ったからといって仕事量が減るわけではありません。
保育士の数も少ないために、保育士1人あたりの仕事量は今も増えているのが現状です。
補助金が増えないから
保育園は、国が保育園に補助金を出し、その補助金を元手に保育園が運営をしています。
そのため、補助金を増やせば保育士の給料を上げてもよいのではと疑問を抱える人も多いですが、保育園にわたる補助金は税金です。
税金を使って補助金を増やすことができないため、保育士の給料が上がりにくい仕様となっています。
また、保護者が安心して預けることができるようにするためにも、保育料を上げることもできず、保育士の給料は低いままです。
保育士の給料は問題だらけ!保育士の給料はなぜ上げるべき?
保育士の給料が低いままだと、多くの問題が発生します。
なぜ保育士の給料は上げるべきなのか、以下2つの理由を確認しましょう。
離職する人が多いから
社会福祉施設等調査から計算すると、保育士の離職率は全体を見ると8.7%程度といわれてます。
保育士は離職率が高いといえますが、一般的な離職率は11.1%ともいわれているため、全体的に考えると離職率は低めともいえるでしょう。
しかし、保護者や子どもとの密接なかかわりあいやコミュニケーションも必要となるため、辞めたいと感じる人も多いです。
離職率だけで見れば低いといえますが、辞めたくなる仕事量や仕事内容のため、給料を上げることで離職率を高めない動きも必要となります。
待機児童が増加しているから
人手不足のため、待機児童も増えています。
近年は専業主婦ではなく共働きをしている世帯も増えており、早く母親が社会復帰するためにも保育園も必要です。
しかし、保育園を必要としている親に対して保育士や保育園の数が足りず、待機児童が増えています。
待機児童を減らすためにも、保育士の給料を上げることが求められるでしょう。
保育士の給料は改善されている?保育士給料改定について
近年では、保育士の人員不足が原因となり、保育士の給料を見直す動きが活発化しています。
保育士同様、人手不足で悩む介護業界においても同様に賃上げが進んでおり、今後も給料が上がることが期待されています。
2022年保育士の給料が9000円アップ
2022年2月より「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業 」として、政府から月額9,000円の賃上げを目的として補助金を支給されることが発表されました。
ただ、こちらは園が申請しないと支給されないため、支給された心当たりがない場合は保育園側に確認が必要となります。
そして、この制度は2022年2月から2022年9月までが実施期間となっています。
2022年10月以降も収入を3%程引き上げる措置を予定しているようなので、今後の動きに注目です。
保育士の給料は2023年でも上がる?岸田政権での今後は?
2022年2月から、月額平均9,000円の値上げがされていました。
2023年になってからも、処遇改善等加算Ⅲとして公定価格に組み込まれているため、値上げは継続するといわれています。
保育士の給料は上がらないといわれていますが、日本全体で改善されている傾向です。
今後もさらに給料が上がるのではないかと、期待されています。
保育士の給料をあげるには?処遇改善加算手当について知っておく
保育士の給料を上げる方法として、処遇改善加算手当を利用する方法があります。
いくつか条件がありますが、月額最大4万円支給される場合もあるため、給料アップを目指す場合には必ず確認しておきましょう。
処遇改善加算手当について詳しく解説します。
処遇改善手当とは
近年保育士の人員不足が問題視され、厚生労働省により処遇改善加算手当が国から加算されるようになりました。
処遇改善加算手当には以下の2種類があります。
- 処遇改善加算I 職場の保育士の平均勤続年数や、園内での研修や労働環境を改善させることにより手当が加算される
- 処遇改善加算II キャリアアップ研修に参加することで、役職に付きにくかった若手や中堅保育士に手当が加算される
ただこれらは、政府が保育士不足や保育の質の改善や賃金改善のために行なっている取り組みなので、園が申請していないと国から加算される手当はもらえません。
※対象は認可保育園のみ
参考資料:保育士・幼稚園教諭等を対象とした処遇改善(令和4年2月~9月)について
自分の職場では処遇改善の制度を利用しているのか確認してみるとよいでしょう。
保育士の給料が5,000円上がる!キャリアアップ研修
収入アップを目指すならまずは「職務分野別リーダー」になることを目標としましょう。
処遇改善加算Ⅱのキャリアアップ研修には、「職務分野別リーダー」の研修があり、経験年数が3年以上の保育士は受講できます。
研修を受けることにより、新たな知識を習得し技術の向上ややりがいに繋がるとともに、分野別リーダーになると月5,000円〜の役職手当が支給されます。
職務分野別リーダーの研修内容には以下のようなものがあります。
- 乳児保育
- 幼児保育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー
- 保険衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
- 保育実践
保育士の給料が4万円上がる!副主任保育士・専門リーダー
職務分野別リーダーを経験すると、月にして最大4万円支給される副主任保育士や専門リーダーの手当が貰えます。
保育士専門リーダーになる条件で一般的なのは以下の3つです。
- 経験年数7年以上
- 4分野以上の職務分野別リーダーの研修を修了
- 職務分野別リーダーを経験
保育士の給料を上げるためには、さまざまな資格や経験を積み重ねることが重要です。
少しでも上げるために、挑戦してみましょう。
保育士の給料を上げる方法とは?
保育士の給料を上げるには、以下2つの方法があります。
役職者を目指す
給料を上げたい場合は、役職者を目指すのがおすすめです。
施設長や主任保育士になれば、年収も倍に上がります。
しかし、施設長は経営の知識なども必要なため、保育士から目指すのは難しいでしょう。
まずは、主任保育士を目指すことで給料を上げることができます。
待遇のよい場所に転職する
待遇のよい場所に転職し、給料をあげましょう。
保育士の給料は、保育園や幼稚園など職場によって異なります。
今働いている職場よりも給料が高い保育園があるのであれば、そこに転職するのがおすすめです。
また、保育園以外でも保育士を募集している職場があるため、待遇のよい場所を探して転職しましょう。
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職場別の保育士の給料に違いはある?
政府による賃上げや、処遇改善加算手当はどの職場においても平等に貰えますが、基本給やボーナスは施設によって異なります。
周囲と比べて収入が低いと感じる場合には、転職を視野に入れるとよいでしょう。
施設別の給料形態について、内閣府の令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果を元に詳しく説明します。
公務員保育士の給料表
公立保育所は国が管理する施設なので、働く保育士は公務員扱いになります。
公立保育士の給料は以下の表のとおりです。
役職 | 公立保育士の給料 |
---|---|
施設長 | 62.4万円 |
主任保育士 | 56.2万円 |
保育士 | 30.3万円 |
保育補助(無資格者) | 14.9万円 |
施設長や主任保育士と役職が上がるにつれ、給料も大幅に上がっているため、長い目でみると金額があがっていくのが最大のメリットです。
ただ、公立保育園で働くためには保育士試験に合格する必要があります。
私立保育園保育士の給料表
私立保育園保育士の給料は、以下の表のとおりです。
役職 | 私立保育士の給料 |
---|---|
施設長 | 56.6万円 |
主任保育士 | 42.2万円 |
保育士 | 30.2万円 |
保育補助(無資格者) | 22.4万円 |
上記の「公務員保育士の給料表」と比べると、保育士として働くうえでの金額にはさほど違いがありません。
しかし、施設長や主任保育士となると収入に大きな差が出てくることがわかります。
私立認定保育園の給料表
私立認定保育園の給料は以下の表のとおりです。
役職 | 私立認定保育園の給料 |
---|---|
園長 | 55.6万円 |
副園長 | 42.7万円 |
主任保育士 | 37.6万円 |
保育士 | 27.9万円 |
保育補助(無資格者) | 21.3万円 |
「公立保育所」と比べると、施設長である園長の給料は年収にして2万円近くも変わってくることがわかります。
「私立保育園」と比較しても、保育士の給料が年間約20万円低い結果となりました。
ただ、幼稚園型の認定保育園の場合、長期休暇が取得できる場合もあるのがメリットです。
小規模保育園の給料表
小規模保育園の給料は以下の表のとおりです。
役職 | 小規模保育園の給料 |
---|---|
管理者 | 34.3万円 |
主任保育士 | 30.3万円 |
保育士 | 28.7万円 |
保育補助(無資格者) | 23.5万円 |
ほかの施設と比べても全体的に給料が低いことがわかります。
ただ、小規模保育園は子どもの人数が最大20人前後です。
ほかの施設と比べて少人数の園児と過ごすため、負担が軽い傾向にあります。
事業所内保育園の給料表
事業所内保育園の給料は以下のとおりです。
役職 | 事業所内保育園の給料表 |
---|---|
管理者 | 34.2万円 |
主任保育士 | 26.6万円 |
保育士 | 23.8万円 |
上記の「小規模保育園の給料表」と同様、ほかの施設と比べると給料が低めであることがわかります。
ただ、事業所内保育園は保育園を経営する会社の従業員の子どもの保育をおこなうため、比較的少人数かつ会社が休みの場合は休園となるため大型連休の取得も可能です。
働きやすさだけみれば、事業所内保育園は好条件といえます。
保育士は儲かる?給料アップが見込める職種
保育士は保育園で働く以外にもさまざまな場所で活躍ができ、なかでも時給がよいとされる職種を3つ紹介します。
ベビーシッター
「indeed職種別・年収給与情報」によると、ベビーシッターの平均時給は、1,617円です。
保育士「パート保育士の相場」の平均時給相場は、1,034円なので6万円近く高いことがわかります。
ベビーシッターの給料が高い理由は以下の3つです。
- 保育施設ではなく一般企業が経営するため、給料形態を会社側が決められる
- 1人で業務をおこなうため、責任が思い
- 利用者の自宅など、保育施設以外での業務となるため神経を使う
ベビーシッターは土日や夜に仕事が入る家庭が多く使うため、需要があります。
ベビーホテル
ベビーホテルは、「20時以降の保育」「お泊り」「半数以上が一時預かり」という条件を満たしている施設です。
なかには24時間営業のところもあります。
夜勤込みの働きかたとなるため時給が高く給与アップが見込める転職先です。
保育園ではない場所での働き方を目指す場合は、確認してみましょう。
院内保育
院内保育とは、医療施設に併設された保育園で病院内で働く医療従事者の子どもを預かる施設です。
夜勤をする保護者もいるため、24時間開園している場合もあります。
病院同様、途切れない保育をおこなう必要があるため、保育時間が長く夜間休日の勤務もあり一般保育園より給料が高くなります。
働く時間が長い一方、給料も高いため、どの条件を好条件と考えるかによって働きたいと思うかどうかが異なるでしょう。
保育士の給料が上がる見込みのある資格
保育士資格は国家資格ですが、同時に取得しておくと給料アップが見込める資格は、以下3つがあります。
- リトミック指導者
- 運動保育士
- 食育スペシャリスト
どれも公的な資格ではないため、取得していても必ず給料が上がるものではありません。
ただ、近年の保育現場では、音楽や体操の専門家を呼んで指導をお願いする保育園が増えています。
保育士資格以外の専門性のある資格は強い武器となるでしょう。
保育士の給料で生活できる?保育現場の未来
まだまだ低賃金のイメージが強い保育士業界ですが、政府も賃上げに対して具体的な策を示すなど、保育士に対する対応が変わってきています。
また、現在は両親共働き世帯が多く、社会における保育園の必要性が高まっているため、今後も給料アップには十分期待できる職業です。
今は給料が低いと思っていても、長年続けることで昇給する上に役職に付ける可能性も広がるため、今の給料だけを見て保育士を辞めるのは少しもったいないかもしれません。
保育士の需要は高まるばかりなので、職場を変えたり転職を考えたりなどして、給料を上げていきましょう。