ケアマネジャー（介護支援専門員）の年収は約430万円！今後の処遇改善や年収を上げる方法

結論、ケアマネジャー（介護支援専門員）の平均年収は約430万円です。（令和4年度時点）

国税庁の調査によると、令和4年の全国の平均年収は458万円といわれているため、ケアマネジャー（介護支援専門員）の年収は全国的にも平均程度といえます。

また、医療職との比較では、看護師の年収と同等レベルの年収水準で、ケアマネジャーの年収は高いといえます。_{（厚生労働省 「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」）}

この記事では、ケアマネジャーの平均年収、年収アップを実現する方法、ケアマネジャーになる方法を解説します。

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ケアマネジャー（介護支援専門員）の平均年収はいくら？

医療業界へ就職・転職を考える際、「ケアマネジャー（介護支援専門員）の平均年収はどれくらい？」と気になる人も多いです。

結論、ケアマネジャー（介護支援専門員）の平均年収は約430万円です。

しかし実際には、経験年数や働き方によって給与額は異なります。そこでこの章ではケアマネジャーの平均年収、男女別・雇用形態別・施設別の平均年収を解説します。

ケアマネジャーを目指したい人や就職・転職を検討している人は、ぜひ参考にしましょう。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の平均年収は430万円

厚生労働省が発表した「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、常勤ケアマネジャー（介護支援専門員）の平均給与は361,770円です。

つまり、ケアマネジャー（介護支援専門員）の年収は約430万円です。

国税庁が調査した「令和4年分民間給与実態統計調査」で、全業界の平均給与は458万円と発表されています。

この結果からもわかるように、ケアマネジャーの平均給与は比較的全国平均に近いといえます。

男女別のケアマネジャー（介護支援専門員）の平均年収

ケアマネジャー（介護支援専門員）の男女別の平均年収は以下のとおりです。

男性ケアマネジャーは30代半から年収400万円台に突入し、50歳を迎える時には500万円近くまで年収が上がります。

一方、女性は20〜30代が200〜300万円台、40代から400万円台になり年収ピークは50代前半です。

ケアマネジャーは経験値を上げて役職に就く職員が多いので、年齢に応じて給料が上がる傾向にあります。

雇用形態別のケアマネジャー（介護支援専門員）の平均年収

パート・アルバイトで働くケアマネジャー（介護支援専門員）の給与は以下のとおりです。

上記の平均給与をもとに年収を計算すると、常勤ケアマネジャーが約345万円、非常勤ケアマネジャーが約171万円です。

全業界の平均給与458万円と比較するとどちらも低い年収ではありますが、時給に換算すると常勤が約1,700円、非常勤は約1,600円です。

どちらも時給1,500円以上なので、パート・アルバイトの雇用形態でこの時給はかなり高い給与水準といえます。

施設別のケアマネジャー（介護支援専門員）の平均年収

施設別の平均年収は以下のとおりです。

介護施設は夜勤などもあるため、平均年収が高い傾向にあります。

介護施設と訪問介護事務所の年収差は約40〜60万円なので、稼ぎたい人は介護施設、日勤のみで体力負担を減らした働きたい人は事務所がおすすめです。

ケアマネジャー（介護支援専門員）と医療職全般の給与水準を比較

ケアマネジャー（介護支援専門員）と医療職全般の給与比較は以下のとおりです。

ケアマネジャーと看護職員はほぼ同じくらい給与水準が高い職種ということがわかります。

また、 全体的に資格が必要な職種は年収が高く、無資格でも働ける職種は年収が低い傾向です。

しかし、ケアマネジャーと介護職を兼任するなど、働き方次第で年収は変えられるので、上記の年収はあくまで参考程度に考えましょう。

ケアマネジャー（介護支援専門員）で年収1000万円は可能？

介護業界は給与水準が低いイメージを持たれがちですが、高収入を得ているケアマネジャー（介護支援専門員）は存在します。

ケアマネジャー（介護支援専門員）として働き、年収1000万円を稼ぐことは可能なのかを解説します。

ケアマネで年収1000万円は難しい

結論、ケアマネジャー（介護支援専門員）だけで年収1000万円を稼ぐのは難しいです。

「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、常勤で働くケアマネジャー（介護支援専門員）の平均給与は361,770円でした。

年収に換算すると約430万円になり、年収1000万円まで570万円も差があります。

そのため、ケアマネジャーだけで年収1000万円を狙うのは難しいといえます。

ケアマネで年収1000万円を目指すなら独立一択！

ケアマネジャー（介護支援専門員）だけで年収1000万円を目指すなら、独立して居宅介護支援事務所を開業するのがおすすめです。

居宅介護支援事務所とは、介護が必要な人に自立した日常生活を送れるよう、ケアプランの作成やサービス調整をおこなう事務所です。

居宅介護支援事務所の管理者兼主任ケアマネジャーとして働けば、年収1000万円を実現できる可能性があります。

ただし、主任ケアマネジャーになるには実務経験や研修を受ける必要があるため、独立したい人は計画的に進めましょう。

ケアマネジャー（介護支援専門員）が年収アップを実現する方法

ケアマネジャー（介護支援専門員）が年収アップを実現するには次の7つの方法がおすすめです。

今の職場の給料に悩んでいる人やもっと稼ぎたいと考えている人は、ぜひ参考にしましょう。

介護職と兼任して夜勤に入る

ケアマネジャー（介護支援専門員）は介護職と兼任して介護施設で働けます。

介護施設のなかには夜勤がある事業所もあり、介護職員として夜勤に入ることで夜勤手当や深夜手当で年収アップを目指せます。

深夜手当の割り増し額は法律によって制限がありますが、夜勤手当は職場の裁量によって決められていることが多いです。

そのため、介護職と兼任して夜勤に入り稼ぎたい人は、事前に夜勤手当額を確認しておくのがおすすめです。

介護福祉士になる

ケアマネジャー（介護支援専門員）が年収アップを目指すなら、介護福祉士の資格を取得するのがおすすめです。

介護福祉士は専門的な介護知識や技術を証明するもので、取得することで職場内での評価が上がったり、日常業務で活かせられます。

また、介護福祉士として実務経験を積むことで、ケアマネジャーとしての業務に役立つスキルが身につき、キャリアの幅を広げられるメリットもあります。

ただし、介護福祉士になるためには実務経験や研修を修了する必要があるため、事前に受験方法を確認しておきましょう。

主任ケアマネジャー（介護支援専門員）を取得する

主任ケアマネジャーとは、ケアマネジャーのなかでも一定の経験・スキルを持っていることを証明するケアマネジャーの上位資格です。

仕事内容は主に新人教育や介護保険サービス・医療機関との連携、相談対応などです。

チームリーダーや指導的立場としての役割があり、介護サービス事業者との連携体制の構築や地域介護の課題・発見・解決に導く役割も担っています。

そして、主任ケアマネジャーは基本給以外に資格手当がもらえるので、年収アップを見込めます。

管理職に就く

管理職に就くと役職手当が支給されるので年収アップできます。

ただし、業務範囲が広がったり責任が重い仕事を任されることもあるので、精神的ストレスを感じやすくなることがデメリットです。

しかし、マネジメントスキルを活かしたり、裁量権を持って働けるので仕事にやりがいを感じやすくなる側面もあります。

年収を上げつつキャリアステップも実現したい人は、管理職に就くことを目指しましょう。

同じ職場に長く勤める

同じ職場に長く勤めてキャリアを積むことで、年収アップを狙えます。

介護施設・事業所によっては、一定の勤続年数がある職員に昇給制度を設けているからです。

昇給するためには日ごろの勤務態度や実績、周囲からの評価、勤続年数など、さまざま条件を検討して昇給が決定します。

同じ職場に長く勤めることで昇給制度を利用しやすくなり、勤続年数が長いほど退職金も上がる傾向にあるので、総合的に見ても長く働くことは年収アップに効果的です。

高給の職場に転職する

今の職場で昇給や資格手当アップなどが見込めない場合は、高給の職場に転職しましょう。

「いつか年収が上がるかも」と職場に期待するより、給料が高い職場を見つけて転職するほうが実現性が高いです。

さらに、高給の職場に転職することで自分のスキルやキャリアを見直すきっかけにできます。

そのため、まずは自分の希望給与に近い職場を探してみて、いい職場が見つかってから転職を検討するのがおすすめです。

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独立する

ケアマネジャー（介護支援専門員）のなかには独立してフリーで働く人も多いです。

そして、自身で居宅介護支援事務所を開業すれば状況次第で、年収が上がる可能性があります。

居宅介護支援事務所は、主任ケアマネジャーの資格を持つ人が1人でもいれば開業が可能です。

また、独立は年収アップだけでなく、ライフスタイルに合わせた自由な働き方を実現しやすくなるので、ワークライフバランスを重視したい人にもおすすめです。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の将来性や今後の需要

少子高齢化が進むなか、ケアマネジャー（介護支援専門員）の将来性や需要に不安や疑問を持つ人も多いです。

今後もケアマネジャーの需要はあるのか、介護報酬改訂による年収への影響を解説します。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の需要は今後も増加する

高齢化の影響で医療業界の人手不足が深刻化しているため、ケアマネジャー（介護支援専門員）の需要は今後も増加します。

一人ひとりに合わせたケアプランの構築が必要なケアマネジャーの仕事は、専門性が問われる分野です。

そのため、介護業界にとって必要不可欠な存在といえます。

また、技術の発達やAIなどの普及で介護職の需要が不安視されていますが、利用者の気持ちや生活に寄り添ったプラン作成や丁寧なヒアリングは人間でないと難しいです。

介護報酬改定によるケアマネジャー（介護支援専門員）の年収への影響

2024年度介護報酬改定によって、介護報酬が1.59%引き上げられることが決定しました。

1.59%のうち0.98%は介護職員の処遇改善にあてられることになっており、給料が上がる介護職員が増えると予想されます。

しかし、処遇改善による分配は介護職員が優先されるので、ケアマネジャー（介護支援専門員）が大きく恩恵を受ける可能性は低いです。

そのため、介護報酬改定による年収アップはあまり期待せず、自分でできることから年収アップを狙いましょう。

ケアマネジャー（介護支援専門員）になる方法

ケアマネジャー（介護支援専門員）になる方法を解説します。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の仕事内容

ケアマネジャー（介護支援専門員）の主な仕事内容は以下のとおりです。

• 利用者の生活環境・必要な介護支援のヒアリング
• ケアプランの作成
• 介護サービスの手配
• ケアプランの適性を関するモニタリング
• 家族や介護関係者との連携
• 介護保険サービスの提供
• 生活保護申請の補助
• 配食サービスの紹介

このほかにも利用者と家族との仲を取り持ったり、高齢者に地域活動への参加を促す役割もあります。

医者や看護師のような医療スキルは必要ありませんが、傾聴力や高いコミュニケーション能力が求められる仕事です。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の種類

ケアマネジャー（介護支援専門員）の種類は次の2つです。

働く環境は異なりますが、仕事内容はほぼ同じです。

また、施設ケアマネジャーの仕事は1日の流れが決まっていますが、居宅ケアマネジャーは利用者ごとにスケジュールを組むので、比較的自由度が高い特徴があります。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の資格を取得

ケアマネジャー（介護支援専門員）になるには、各都道府県で実施される「 介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。

受験者数は毎年4〜5万人近くにまで達し、受験資格を満たすのが難しい試験といわれています。

試験合格後は介護支援専門員実務研修を受ける必要があり、研修時期は各都道府県によって異なるためよく確認しましょう。

研修を修了したら都道府県に登録し、晴れてケアマネジャーとして働けるようになります。

介護支援専門員実務研修受講試験の概要

介護支援専門員実務研修受講試験の概要は以下のとおりです。

試験は毎年10月ごろに実施されるので、受験申込みの締め切り時期などはよく確認しておきましょう。

また、出題科目は以下のとおりです。

試験の難易度

介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は毎年10〜20%です。

問題が難しいこともさることながら、解答が五肢複択式なので、比較的難易度が高い試験といえます。

過去5年間の合格率は以下のとおりです。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の年収に関するよくある質問

ケアマネジャー（介護支援専門員）の年収に関するよくある質問に回答します。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の手取りはどれくらい？

一般的にケアマネジャー（介護支援専門員）の手取りは給与総額の8割前後です。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の平均給与は361,770円なので、月の手取り額は約29万円です。

ただし、上記の平均給与には賞与なども含まれるので、実際にはもう少し低い可能性があります。

また、給与や賞与、手当などは職場によって差があるため目安として参考にしましょう。

ケアマネジャー（介護支援専門員）が年収500万円を目指すのは難しい？

ケアマネジャー（介護支援専門員）が年収500万円を目指すことは可能です。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の平均給与361,770円から算出した年収は約430万円、年収500万円まであと70万円なので実現するのは難しくありません。

ただ、ケアマネジャーだけでプラス70万円を稼ぐのは大変なので、ケアマネジャー以外の専門資格を取得するのがおすすめです。。

ダブル資格を持つことで仕事の幅を広げられるだけでなく、資格手当ももらえるので年収500万円を実現しやすくなります。

ケアマネジャー（介護支援専門員）が廃止されることはある？

ケアマネジャー（介護支援専門員）の仕事は介護を必要する人にケアプランを作成したり、介護サービスの調整する仕事です。

介護サービスを受ける前の重要な準備をケアマネジャーが担っていることもあり、ケアマネジャーが廃止されることはありません。

ケアマネジャーが廃止されるのでは？と噂されている理由として、受験資格を満たすのが難しかったり試験の難易度によるものだと考えられます。

介護保険制度の根幹が覆らない限り、ケアマネジャーの仕事がなくなることはないに等しいです。

40代からケアマネを目指すことは可能？

40代からでもケアマネは目指せます。

ただ、ケアマネジャー（介護支援専門員）になるためには介護業界での実務経験が必須です。

具体的には介護福祉士や社会福祉士などの福祉関連資格を持っている場合は実務経験3年以上、看護師・保健師・理学療法士などの場合は実務経験5年以上が必要です。

そのため、介護業界や医療業界で働いたことがない人が、いきなり40代からケアマネを目指すのは厳しいです。

まとめ

ケアマネジャー（介護支援専門員）は専門性の高い仕事なので、今後も需要は高くなると予想されます。

また、医療職全般の給与と比較しても看護職に並ぶほど給与水準が高い傾向にあるため、年収が低すぎることで悩む心配はありません。

ただし、ケアマネジャーだけで年収500万円以上を目指す場合は、ダブル資格の取得を目指したり独立を検討するのがおすすめです。

まずは、ケアマネジャーとしてどのような職場環境・年収で働きたいかを考え、理想的な働き方を見つけましょう。