この記事の結論
この記事で分かること
- 夜間コースを開講している教室は限られます。130時間のうち演習が約75時間あり、実技は通学が必要なためです。
- 夜間がなくても働きながら取れます。土日コース、週1回コース、短期集中、通信併用——選択肢は4つあります。
- 教室選びで最も重要なのは「振替受講ができるか」です。介護の現場は急なシフト変更が起こります。ここを確認せずに申し込むと詰みます。
- 「全部オンラインで取れる」という案内には注意してください。実技演習を通学なしで完結する形は一般的ではありません。
- 夜勤のある職場の方は、短期集中より週1回のほうが続きます。連続受講は夜勤明けと重なると欠席が増えます。
「日中は仕事だから、夜間コースで取りたい」
「探しても夜間の教室が見つからない」
「働きながらは無理なのかな」
先に事実をお伝えします。初任者研修の夜間コースを開講している教室は、数が限られます。お住まいの地域に見つからないことも珍しくありません。
理由ははっきりしています。カリキュラムは130時間で、うち演習が約75時間。実技は通学が必要です。ベッドを使った移乗や入浴介助の練習は、夜の時間だけで組みにくいのです。
ただし「夜間がない=働きながら取れない」ではありません。この記事では、夜間にこだわらずに働きながら取る4つの方法と、教室選びで外してはいけない確認項目を整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月26日確認)
・介護職員初任者研修のカリキュラム:10科目・130時間(講義約55時間/演習約75時間)
・演習(実技)は通学による受講が必要とされています
開講形式・日程・費用・振替の扱いは実施機関により異なります。カリキュラムは制度改正により変わることがあります。受講の前に、必ず各教室およびお住まいの都道府県の案内をご確認ください。
結論|夜間にこだわらないほうが、選択肢は広がります
| 方法 | 期間の目安 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 夜間コース | 教室による | 平日日勤で、通える範囲に開講がある方 | 開講している教室が限られます |
| 土日コース | 2〜4か月程度 | 平日勤務の方。最も見つけやすい選択肢 | 土日出勤がある職場だと調整が必要 |
| 週1回コース | 3〜4か月程度 | 夜勤がある方。間隔があるので調整しやすい | 期間が長くなります |
| 短期集中コース | 1か月程度 | まとまった休みが取れる方 | 連続受講。夜勤明けと重なると欠席が増えます |
| 通信+通学の併用 | 教室による | 講義を自宅で進めたい方 | 演習は通学が必要です |
夜勤のある職場の方には、短期集中より週1回をおすすめします。連続で通うコースは、夜勤明けや急なシフト変更と重なったときに欠席が増え、振替が追いつかなくなります。
なぜ夜間コースが少ないのか|130時間の内訳を見ると分かります
| 区分 | 時間の目安 | 受講の形 |
|---|---|---|
| 講義 | 約55時間 | 通信で受けられる部分があります |
| 演習(実技) | 約75時間 | 通学が必要です |
| 合計 | 130時間(10科目) | — |
演習は設備と講師が必要です
実技演習では、介護用ベッド、車いす、入浴設備などを使って練習します。受講生同士でペアを組み、介助する側とされる側を交代しながら進める形です。
この形式を夜の2〜3時間だけで組もうとすると、75時間を消化するのに膨大な回数が必要になります。結果として、夜間のみで完結するコースは成立しにくくなります。
「全部オンラインで取れる」という案内には注意してください
| よくある誤解 | 実際 |
|---|---|
| すべてオンラインで完結する | 実技演習を通学なしで完結する形は一般的ではありません |
| 通信講座だけで修了できる | 講義部分は通信で受けられる場合がありますが、演習は通学が必要です |
| どの教室でも通信対応している | 対応の範囲は教室により異なります |
「オンライン対応」と書かれていたら、何時間分がオンラインで、通学が何日必要かを必ず確認してください。ここを曖昧にしたまま申し込むと、想定していた通学日数と大きくずれます。
最も重要な確認項目は「振替受講ができるか」です
介護の現場では、急な欠員によるシフト変更が起こります。受講中に1回も休まずに通える保証はありません。
| 確認すること | なぜ重要か |
|---|---|
| 振替受講ができるか | できない教室だと、修了できなくなる可能性があります |
| 振替の回数に上限があるか | 上限を超えると対応してもらえないことがあります |
| 振替に追加費用がかかるか | 総額が変わります |
| 他の教室・他の日程でも受けられるか | 選択肢が多いほど安心です |
| 受講できる期間に期限があるか | 長期化すると期限に引っかかることがあります |
申し込む前に、この一言を聞いてください。
「仕事の都合で欠席してしまった場合、振替受講は可能でしょうか。回数の上限や追加費用はありますか。他の日程・他の教室でも振り替えられますか」
受講料の安さより、この答えのほうが結果を左右します。
教室を選ぶときに比較する7項目
- 自分のシフトに合う開催形式があるか(夜間/土日/週1/短期集中)
- 振替受講の可否・回数・追加費用——最重要です
- 通える範囲に会場があるか——演習は通学が必要。交通費も総額に含めて考えてください
- 通信で受けられる範囲——通学日数が変わります
- 受講料にテキスト代が含まれるか
- 修了試験に不合格だった場合の再試験の扱い
- 割引・分割払い、教育訓練給付制度の対象かどうか
勤務先の資格取得支援を使うときに確認すること
受講料の補助、受講日を勤務扱いにする、シフトの調整——これらの制度を持つ法人は多くあります。
「資格取得支援制度について伺いたいのですが、①費用は全額補助でしょうか、一部でしょうか ②受講日は勤務扱いになりますか ③シフトの調整はしていただけますか ④取得後に一定期間の勤務が条件になっていますか。ある場合、返還の対象額と期間を教えてください」
④が最も重要です。「取得後◯年以内に退職した場合は費用を返還」という取り決めがある事業所があります。悪いことではありませんが、知らずに進めて後から辞めにくくなるのは避けたいところです。金額と期間を、就業規則または書面で確認してから申し込んでください。
働きながら通い切るための3つのコツ
| コツ | 理由 | |
|---|---|---|
| 1 | 申し込む前に、全日程をシフトと突き合わせる | 「たぶん行ける」で始めると途中で崩れます |
| 2 | 上司に受講開始前に伝えておく | シフト調整の協力を得やすくなります |
| 3 | その日の内容を、当日中に振り返る | 修了試験の対策は、これで足りることが多くなります |
上司への伝え方
「介護職員初任者研修を受講しようと考えています。◯月から◯月まで、毎週◯曜日の日中に通う形になります。シフトのご相談をさせていただけますでしょうか。取得後は訪問系のサービスにも対応できるようになりますので、力になれればと思っています」
「自分のために取る」ではなく「取ったあと職場にどう役立つか」を添えると、協力を得やすくなります。
取得すると何が変わるか
| 変わること | 内容 |
|---|---|
| 訪問介護に従事できる | 無資格では訪問介護に従事できません。ここが最大の違いです |
| 資格手当 | 対象となる事業所が多くなります(金額は事業所により異なります) |
| 実務者研修の科目免除 | 受講料が下がり、介護福祉士までの総額に効きます |
| 認知症介護基礎研修 | 受講の対象から外れます |
| 求人の選択肢 | 応募できる求人の幅が広がります |
受講を決める前に、現場を見ておく方法もあります
130時間と受講料をかける前に、「そもそも自分に介護が合うのか」を確かめたいという方もいると思います。
無資格でも、施設介護であれば働けます(訪問介護は資格が必要です)。先に現場に入ってから資格を取る、という順番も選べます。
スキマかんごでは、介護助手・看護助手を含む1日単位ではたらける単発のお仕事と、掲載施設へ直接応募できる求人をご案内しています。「1日だけ現場を見てから、資格を取るか決める」という進め方ができます。担当者からの営業連絡はありません。
よくある質問
初任者研修に夜間コースはありますか?
開講している教室はありますが、数は限られます。カリキュラムは130時間で、うち演習が約75時間あり実技は通学が必要なため、夜間だけで完結させるのが難しいためです。お住まいの地域に夜間コースがない場合も珍しくありません。土日コースや週1回コースなど、他の選択肢もあわせて探すことをおすすめします。
働きながらでも初任者研修は取れますか?
取れます。方法は4つあります。①土日コース②週1回コース(3〜4か月程度)③短期集中コース(1か月程度、まとまった休みが取れる場合)④講義部分を通信で受け、演習だけ通学する形。自分のシフトに合う形式を選べるかが、続けられるかを左右します。
夜勤がある職場で働いていますが、通えますか?
通えますが、コース選びが重要になります。短期集中コースは連続で通うため、夜勤明けと重なると欠席が増えます。夜勤のある方は、週1回コースなど間隔のあるコースのほうが続きやすい傾向があります。あわせて振替受講の可否も必ず確認してください。
全部オンラインで取得できる講座はありますか?
実技演習を通学なしで完結する形は一般的ではありません。130時間のうち講義部分(約55時間)は通信で受けられる場合がありますが、演習(約75時間)は通学が必要とされています。「全部オンライン」という案内を見かけたら、演習の扱いを必ず確認してください。
欠席したらどうなりますか?
実技演習を欠席した回は、振替受講が必要になるのが一般的です。ただし振替の可否、回数の上限、追加費用の有無は教室によって異なります。介護の現場では急なシフト変更が起こりやすいため、申し込む前に必ず確認してください。ここが最もつまずきやすい点です。
どのくらいの期間で修了できますか?
短期集中で1か月程度、週2回で2か月程度、週1回で3〜4か月程度が目安です。働きながらの場合は週1回が現実的なペースになります。ただし受講できる期間に期限が設けられている教室もあるため、長期化しそうな場合は事前に確認してください。
勤務先に資格取得の支援制度はありますか?
多くの法人が制度を持っています。受講料の補助、受講日を勤務扱いにする、シフトの調整といった形です。ただし「取得後◯年以内に退職した場合は費用を返還する」という取り決めが設けられていることがあります。金額と期間を、就業規則または書面で確認してから申し込んでください。
受講前に介護の仕事を体験できますか?
できます。無資格でも施設介護であれば働けるため、先に現場に入ってから資格を取るという順番も選べます(訪問介護は資格が必須です)。1日単位の単発勤務であれば、合わないと分かった場合もその日で終えられます。130時間と受講料をかける前に、現場を見ておく方法です。
まとめ|「夜間があるか」より「振替できるか」で選んでください
- 夜間コースを開講している教室は限られます。演習が約75時間あり、通学が必要なためです
- 夜間がなくても働きながら取れます。土日・週1回・短期集中・通信併用の4つから選べます
- 夜勤のある方は、短期集中より週1回のほうが続きます
- 「全部オンライン」という案内は、演習の扱いを必ず確認してください
- 教室選びで最も重要なのは振替受講の可否・回数・追加費用です
- 勤務先の支援制度を使う場合は、返還条件を書面で確認してください
夜間コースを探して見つからず、そこで止まってしまう方がいます。しかし本当に見るべきは「夜間かどうか」ではなく「自分のシフトで通い切れるか」です。
申し込む前に、全日程を手元のシフトと突き合わせてください。そして「振替できますか」の一言を、必ず聞いてください。この2つで、途中で断念する確率が大きく下がります。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
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