こんな悩みを抱えていませんか?
この記事では、「保育士の転職理由をどう考えるべきか?」、「理由を聞かれた際にどう伝えるべきか」について解説しています。
最後まで読むことで、保育士の転職理由はどう考えるべきなのかがイメージできるでしょう。
保育士の転職理由の最適な例文も参考にして上手に転職することを目指しましょう。
保育士のきっかけとなる転職理由は? 保育士の転職理由をケース別に解説!
保育士は、「人間関係が複雑で残業も多い」と離職する人も多くいます。
どのような理由で転職をするのか、具体的な理由を紹介します。
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転職理由 | 説明 |
---|---|
低給与 | 業務の責任と対価が釣り合わないと感じる |
労働環境 | サービス残業が多い、休憩が取れないなど |
人間関係 | スタッフ間や上司との関係が良くない |
キャリアアップ | 専門スキルや資格を活かせる場がない |
勤務時間 | シフトが不規則でプライベートが確保できない |
育児との両立 | 勤務形態が育児と合わない |
施設の方針 | 保育方針や運営方針に合わない |
働きがい | 自分の仕事に対する評価が低い、やりがいを感じない |
地域・施設移動 | 住居を変えたため、またはパートナーの転勤など |
健康問題 | 体調不良や疲れからくる健康上の理由 |
給料が低い
ここ数年では処遇改善が進んではいますが、ほかの職種と比べるとまだまだ給料が低いのが保育士の現状です。
同年代と比べると「自分の給料の低さにがっかりした」というケースもあります。
また子どもの命を預かる責任の重さから、到底今の給料に見合わないと思うのも辞めたくなる理由です。
職場の人間関係
保育士は女性の比率が高いため、人間関係が複雑化しやすいです。
保育観や仕事の方向性が違うと、意見がぶつかり合うことも珍しくありません。
また、保育園では年間を通してクラス担任をすることが多いため、1年間ずっと同じメンバーで仕事をしなければなりません。
組む相手と一旦こじれてしまうと、1年間気まずい雰囲気のまま過ごすことになるため精神的にも疲れてしまう人が多いです。
仕事量が多い
保育士は、ただ子どもたちと遊んでいるだけではなく、掃除、配膳、製作物、行事の準備、連絡帳の記載、配布物の作成など数え切れない業務をこなさなければなりません。
そのなかで、子どもの安全に配慮しながら保育をすすめて行かなければならないため、あまりの忙しさに昼食が食べれなかったり、トイレに行く暇もない場合があります。
労働時間が長い
多くの保育園は開園時間のなかでシフト制となっている園がほとんどです。
そのため、自分の勤務時間が終わっても子どもはいるしほかの保育士は働いています。
「どうしても人手が足りないから残業して」とそのまま保育に入らなければならないこともしばしばあります。
また、行事前は準備に追われて帰れないこともあります。
シフト上では8時間勤務となっていますが、現状はそれ以上に拘束時間が長いのも辞めたくなる要因です。
健康上の問題
子どもたちが集団生活をする保育園では、年間を通してさまざまな感染症が流行します。
常に子どもと行動をともにする保育士は、咳やくしゃみからカゼをもらったり排泄物の処理で感染症が移ることがよくあります。
また、保育士は子どもと目線を合わせるため常に中腰になるので、腰痛に悩む人も少なくありません。
保育士面接で転職理由を聞かれたらどう答える?
転職活動をするなかで、もっとも力を入れたいのが面接です。
面接では、履歴書を元に話を進めるため、転職理由を聞かれることも十分に想定できます。
転職理由の内容で、「また同じ理由で辞めてしまわないか」を見極められるので、採用側にとっては重要なポイントです。
転職理由は正直に前向きな理由を述べる
面接中に転職理由を聞かれた場合には、ごまかそうとせずに誠意を持って伝えましょう。
ただ、正直に人間関係や労働条件など個人的な不満やネガティブな転職理由をストレートに言ってしまうと、本人に改善の意識が足りないと思われるかもしれません。
「貴園の保育方針が、自分のしたい保育と重なりこちらで経験を積みたいと思った」など転職がプラスと捉えられる受け答えを考えておきましょう。
面接官が「また同じ理由で辞めてしまわないか」と不安に思わないような転職理由を考える際には、前向きかつ具体的な理由を挙げることが重要です! 以下に、そのような転職理由を3つご紹介します。
【前向きかつ具体的な転職理由の例文】 例文1.「前の職場では基本的な保育のスキルは身につけられたものの、更に専門的なスキルを学びたいと感じ、転職を考えました。この施設では、特定のプログラムや教育方法が取り入れられていると聞き、そちらで学べると考えたため応募しました。」 例文2.「前職では主に現場の保育業務に従事していましたが、長期的には管理職や専門職に興味があります。この施設ではキャリアアップのための研修やプログラムが充実していると聞き、自身の目標に合った場所と考えました。」 例文3.「前の職場は非常に教育的な側面で充実していましたが、コミュニティとしての側面にやや欠けていたと感じています。この施設では、地域社会と連携してさまざまな活動をしていると聞き、そうした環境で働くことに大きな働きがいを感じるため応募しました。」
最適な保育士転職の理由例文は?【パターン別】
保育士が転職理由を聞かれた場合の回答例文をパターン別に紹介します。
給料が低いときの理由の場合
お金がすべてではないのはわかりますが、給与は仕事をするうえで大きなモチベーションになります。
ただ、あまりにも給料が低いことをストレートに伝えてしまうとよい印象を与えません。
給料を「評価」と、言い回しを変えることで、「自分の頑張りを認めて欲しい」という気持ちが伝わりやすくなります。
前職では、経験や能力に応じて評価してもらえる制度がなく、自己評価となってしまうため常に不安がありました。 今後、モチベーションの維持が難しいと判断したため退職を選びました。 こちらの保育園では、能力の向上にあわせた評価制度が整っているとお聞きしました。 自分の経験が目に見える形で評価してもらえることに高い意識を持って仕事をし、さらなるスキルアップが目指せると考えたため、応募に至りました。
職場の人間関係が理由の場合
人間関係は、多くの保育士さんが悩む問題です。
すなわち、どこの園でも起こりうることです。
「人間関係がうまく行かなかった」とストレートに伝えてしまうと、「採用しても上手くやっていけるのか?」と採用側も不安に思います。
人間関係の改善を心掛け周囲に寄り添ってみたものの、修復ができなかったことを伝えましょう。
以前の保育園では、園長と現場で働く保育士の考え方にズレが生じており、周囲に相談し保育士間で意見をまとめて園長に提出するといった改善策にも乗り出しましたが、解決することはできませんでした。 疑問を持ちながら保育をするのは、子ども達のためにもよくないと思い退職の意向を固めました。 前職では、人間関係でつまずいた際には、自分の意見だけではなく周囲の意見も慎重に聴くことの大切さを学んだため、経験を活かしてよりよい雰囲気づくりに貢献したいです。
仕事量が多いことが理由の場合
保育の仕事は多岐に渡るため、どこの園でも多忙なのが想像できます。
「忙しかった」という転職理由では、本人の努力が足りなかったと捉えかねられません。
自分でも効率化をはかったうえで、園側にも問題があったことを入れるとよいでしょう。
前職では、周囲に仕事を振り分け業務の効率化を図りましたが、常勤保育士が非常に少なく、責任の重い仕事が集中してしまう傾向にありました。 業務の多さから、丁寧な保育が難しくなり、このままでは長く働けないと思い退職を決意しました。 こちらの園では、求人票の内容から効率的な業務が可能と想像し、より子どもたちとの時間を大切にできると思い応募に至りました。
労働時間が長いが理由の場合
ただ単に、労働時間が長かったことを伝えると「本人の要領が悪かっただけ」と捉えられるケースがあります。
勤務時間内に仕事を終わらせる努力はしたが、人手不足など職場側に根本的な原因があったことを伝えましょう。
前の保育園では、順番に事務作業をおこなったり、勤務時間内に仕事を終える努力をしましたが、人員不足が改善されず残業をせずに業務を補うことができませんでした。 こちらの園では、日々の保育のなかでの遊びの延長で行事や制作物の展示をおこなっておられ、ゆとりをもって保育ができるのではないかと感じました。
健康上の問題が理由の場合
保育士さんは体力勝負の仕事なので、「体調を崩したから」と伝えられると採用側も「すぐに体調を崩して休むのでは?」と不安を抱くかもしれません。
自分にとって無理のない勤務体制なことに魅力を感じたことを伝えましょう。
以前勤務していた保育施設ではシフトが不規則で、それが私の健康に影響を与えてしまいました。 そのため医師のアドバイスに従い、より規則的な勤務時間が確保できる職場を探すことにしました。 幸い、現在は健康状態が安定しており、医師からも職務に差し支えないと診断を受けています。 この施設では勤務時間やシフトが一定であると聞き、私の状況に合った職場環境だと考えています。
志望動機の書き方の注意点
履歴書の志望動機の書き方も工夫をすると、印象がよくなるため注意しましょう。
転職理由はポジティブに書く
転職先の採用する側にとって最も気になるのが、なぜ前職を辞めたかという退職理由です。
なかでも履歴書は面接に至る前に目を通すので、そこで印象が悪いと面接にたどりつけません。
「人間関係が上手く行かなかった」「業務量が多く追いつかなかった」など、もしかしたら本人に否があったと捉えられるような退職理由は絶対に避けましょう。
自分のスキルアップのために、退職を選んだことが伝わると好印象です。
志望動機は自分が貢献できることを書く
「体力には自信がある」「手先が器用」というように、自身が得意とする分野をしっかりアピールするのがコツです。
自分に自信があることを志望動機に繋げられると、採用側からも「高い能力を発揮してくれそう」と好印象になります。
【パターン別】志望理由の書き方例文
退職理由の伝えかたと同様に、志望動機も採用に関わる大きなポイントです。
シチュエーション別に書き方の例文を紹介するため、履歴書作成に悩む場合は必見です。
一般企業から保育士へ転職する場合
保育士は子どもと遊ぶだけが仕事ではないため、さまざまな能力が求められます。
一見、保育士と関係ないと思いがちですが「これまでの経験を存分に活かせる」ということなので、自分が得意とする分野をしっかりとアピールしましょう。
前職では営業に携わってきたため、高いコミュニケーション能力を培うことができました。 他人に物事を丁寧に伝えたり、自分の意見を簡潔にまとめて伝えるのを得意としています。 子どもや保護者、保育士間との意思の疎通に経験を活かしたく、応募に至りました。
他園に転職する場合
保育士間の転職では、保育に関する具体的なエピソードを入れると、信憑性が増します。
また、保育を通じて自分がこの先どうしていきたいのかがわかると、よりよいでしょう。
前職は、行事に力を入れている園だったため子どもと伸び伸びと過ごす時間が少なく感じていました。 本年は子ども一人ひとりと親密に関わり成長を促す保育ができるのではないかと感じたため、応募に至りました。
保育士から一般企業に転職する場合
保育士から一般企業に転職する場合は、保育士で培った能力が転職先でもしっかり発揮できることを伝えましょう。
ポイントは、「保育士ならではの経験やスキル」を強みとしてアピールすることです。
保育士では、大人数の子どもを同時にみながらも一人ひとりに合った配慮をする能力が求められるため、細やかな気配りと瞬時の対応能力に長けています。 マニュアルどおりに仕事をこなすだけではなく、状況判断も積極的におこなっていきたく、本社の考えが自身には合っていると考え応募に至りました。
面接官に転職理由を聞かれたときの答え方
履歴書の自己PRや志望動機などは頭の中で整理しながら作成できますが、面接時に咄嗟に質問されるとうまく答えられないというケースも多いです。
さまざま質問をされるのを予測し、面接対策をしておきましょう。
よくある面接官からの質問を紹介します。
なぜ保育士になろうと思ったか?
昔から小さい子どもが好きで、保育士に憧れの気持ちを持っていました。 前職では、徹底的にお客様の立場から物事を考えることを意識していたため、子どもの目線に合わせた保育がしたいと思いました。
なぜ弊園を選んだのか?
大規模園の前職では、たくさんの子ども達と関われる楽しさを感じると同時に、一人ひとりに寄り添うことの難しさを感じておりました。 小規模保育園での経験はございませんが、個々を大切にできる保育をモットーとする本園の方針に魅力を感じました。
なぜ保育士を辞めたのか?
保育士の仕事も大変魅力を感じておりましたが、なかでも物事の企画提案を得意としています。 その力をさらに発揮できる職場で、新たに挑戦したいと思い退職を決意致しました。
転職理由を明確に準備しておけば自信を持って臨める!
転職活動をするうえで、転職理由を深掘りされるのはなんとなく気まずいかもしれません。
ただ、退職理由を詳しく聞かれるのは、自分に興味を持ってもらえているとプラスに捉えられます。
面接で焦らないためにも、転職理由を明確にしておくことで自信を持って受け答えができるでしょう。
転職は、現状を改善したいという向上心のあらわれでもあるため、前向きな姿勢で挑みましょう。