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弱冠21歳ながら奈良県にて合同会社NARBRE(ナーブル)を経営し、訪問介護事業所を経営する片山海斗さん。
今回は彼が19歳の時に介護業界で起業をした経緯から、現在の事業内容、今後の展望まで余すことなく取材をしました。
※コロナの影響のためWEBで取材を敢行
特養で虐待の現場を目撃
引用:Vol.40 片山 海斗(Narbre代表・介護職/19歳) | ウブマグ
中学校を卒業し17歳から奈良県の従来型特養に務めた片山さん。
その現場にて日常的同僚が高齢者を虐待する様子を目撃する。
ある日片山さんが担当をしていた96歳の利用者Oさん(仮名)が病気で亡くなってしまう。
前日にOさんが虐待されていたことを知っていた片山さんは、虐待をしていた職員に詰め寄るも拭えない思いが全身を包む。
片山さん Oさんの虐待を防ぐことができなかったのは自分の責任。なんでこんなことをするのか。全身が震え立つような思いがした。
自分を変えよう。介護業界から虐待を無くそうとOさんの棺桶の前で決意をした。
Oさんの死から、片山さんは介護についてもう一度勉強をし、正面から向き合うことを決意する。
「高齢者介護の現場から虐待をなくしたい」
引用:Vol.40 片山 海斗(Narbre代表・介護職/19歳) | ウブマグ
高齢者介護の現場から虐待をなくしたいと決意した片山さんは介護を1から勉強をし始める。
介護業界の歴史から介護保険法の成り立ち、介護保険の仕組みまで、本やインターネットを利用して必死に勉強を始める。
片山さん 中卒である自分が介護業界のことを語っても説得力がない。元々中卒で勉強を一切ろくにしてこなかった自分だが、必死に勉強を始めました。
そんなある日、フランスの介護の手法である「ユマニチュード」をYouTubeで発見する。
ユマニチュードこそが、今の日本の介護現場に必要なことだと感じた片山さんはユマニチュードの現場を見るために、フランスに留学を決意する。
ユマニチュードとは
「ケアをする人とは何か」「人とは何か」を問う哲学と、言語・非言語によるコミュニケーション技法に基づいた、立位補助、食事介助、清拭、入浴、更衣などの実践的な技術で構成されたフランス生まれのメソッドのこと。
すでに10カ国で導入されており、その効果はときに劇的であることから『奇跡・魔法』と称されることも。
しかし、母子家庭で留学費用を捻出できなかった片山さんはクラウドファンディングにて資金を募ることを決意。
資金集め・介護業界でのコネクションづくりのためにFacebookに登録をする。
片山さん 資金集めのためにFacebookに登録をし、介護関係者に自分の思いを伝えるためにひたすらメッセージを送信しました。数千人の方々とメッセージを交わしました。
片山さんは、Facebookやリアルな場所での出会いを通じ、まずは自分の施設から虐待を無くすことを決意する。
「自分が納得をする介護がしたい」と起業を決意
Facebookやリアルな場所で介護関係者と話をし、自分の施設をまずは改善することを決めた片山さん。その後1人1人の利用者さんと向き合い現場を改善する日々を過ごす。
しかし、なかなか現場は改善されず、虐待も無くならない。
片山さん 自分が働きかけていても、なかなか職場の環境は改善されませんでした。悔しい日々が続きました。と同時に、他の施設はどうなんだろう?という思いも芽生えました。
仕事の休みを使い近畿圏を中心に、他の介護事業を累計200箇所見学をしました。介護の勉強をし他施設を見学し自身も現場に立つ中で『理想の介護とは何か?』を考える日々が続きました。
「理想の介護とは何か?」
なかなか職場が改善されない片山さんに「理想の介護とは何か?」という一言が頭の中で駆け巡ります。
上司や同僚、施設長、経営陣に働きかけても良くならない。そうであるならば、「自分が納得できる介護を自分たちで作れば良い」と思い立ち、片山さんは起業を決意します。
業務改善コンサルティングをして開業資金150万円を捻出し、20歳の日、合同会社NARBREを設立、訪問介護事業所を経営し始めます。
今後の事業展開&将来の夢
今後の事業展開について片山さんは語る。
片山さん 今後の事業展開としては、まずは他の現場の「職場改善コンサルティング」を2020年8月に展開する予定です。
「職場改善コンサルティング」を通じて自分たちで培ったノウハウを、他施設にコンサルをし他施設の職場改善をサポートしたいと思っています。
まずは8月に「職場改善コンサルティング」として他施設に対し、コンサルティングを行う。
そして施設経営者としての展望を語る。
片山さん 施設経営者としては、将来的にデイサービスと有料の一体の施設を開設したい。それは利用者さんの最後までを支援し続けたいから。
弱冠21歳。片山さんの介護業界での挑戦は続く。