ケアマネージャー,給料

ケアマネージャーの平均年収385万円!給料事情を徹底解剖

※当サイトは記事広告による収益を得ています。適切なサービスが受けられるよう広告リンクを設置していますので、気になったらリンク先をチェックしてみてください。

近年ケアマネージャーの合格率は15~20%で推移しています。2018年度の試験では合格率はなんと10.1%。例年よりも低く、今やケアマネ試験は難関試験です。

そんな中、医療・介護・福祉の現場で経験を積み、試験に合格した方たち。気になるのはケアマネージャーの給料ですよね。今より上がるのか下がるのか、それとも変わらず? 

働き方・場所・経験年数によって給料は変わります。せっかくなら経験を生かして納得したお給料で勤務したいですよね。この記事でケアマネージャーの給料事情を徹底解説します。

オススメ転職サイトオススメポイント


レバウェル介護
無資格・未経験の方も
積極的にサポート!

公式サイトを見る
※介護転職サイトランキングはこちら

ケアマネージャーの給料を大解剖

ケアマネの平均年収は約385万円

厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」から算出したケアマネの平均年収は、385万4000円です。月収に換算すると約32万円です。

参考したデータの詳しい内訳は次の通りです。

ケアマネの平均年収は約385万円
  • 平均年齢:48.9歳
  • 勤続年数:8.9年
  • 労働時間:165時間
  • 超過勤務:5時間/月
  • 月額給与:269,200円
  • 年間賞与:623,600円

出典:平成30年賃金構造基本統計調査、職種別第1表より

48~49歳でケアマネとして8~9年目。常勤で月26万円といったイメージですね。

【企業規模別】ケアマネの給与を比較

ケアマネージャーの給料は、勤務する企業(施設)の規模によって変わるのでしょうか。実際に従業員数からケアマネの年収を比較しました。

企業規模10〜99人100〜999人1000人以上
勤続年数8.8年9.3年7.8年
平均年齢50.6歳48.2歳47.0歳
月間給与280,800円261,300円268,800円
年間賞与550,500円694,400円541,500円
平均年収3,920,100円3,830,000円3,767,100円

この数字をみると、小規模のほうが年収がやや高めです。これは小規模施設のほうが、勤続年数・平均年齢が高いことが原因です。

つまり企業の規模によって、ケアマネージャーの平均年収に大きな差は出ないと考えてよいでしょう。

【年齢別】ケアマネの給与を比較

年齢によって給料は変わるのでしょうか。

年齢男性女性
25~29歳256,800円237,200円
35~39歳287,900円241,200円
45~49歳315,100円260,700円
55~59歳284,400円273,800円
60~64歳31,500円250,900円
65~69歳213,700円244,600円
参考:平成30年賃金構造基本統計調査

ケアマネの給料は、年齢が上がるにつれて徐々に上がることが分かります。

ケアマネージャーになるには、他資格で一定の経験年数が必要です。また5年以上勤務すると、主任ケアマネージャーの受験資格が得られます。このようにケアマネは、実績や経験が重視されています。

つまりケアマネは、経験年数・勤続年数が上がるにつれて、給料が上がるといえます。

60~69歳で給料が下がっているのは、”勤務時間や超過勤務が下がっていて、残業代が支払われていない”などの影響でしょう。

【番外編】男女別に比較したケアマネの給料

男女別にケアマネの給与を比較してみると、ケアマネージャーの給料は男性、女性で差があり、男性のほうが給料が高い傾向にあることがわかります。

他職種と比較したケアマネの給与

介護の職種の中で、ケアマネの給与はどのくらいの水準なのでしょうか。他職種とケアマネの給与を比較した結果は次の通りです。

介護従事者等の平均給与額の状況(月給・常勤の者、職種別)

平成30年9月平成29年9月差(平成30年−平成29年)
介護職員300,970円290,120円10,850円
看護職員372,070円364,880円7,190円
生活指導員
支援相談員
321,080円312,390円8,690円
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
機能別訓練指導員
344,110円334,500円9,610円
介護支援専門員350,320円342,770円7550円
事務職員307,170円300,120円7,050円
調理員254,450円249,450円5,000円
管理栄養士
栄養士
309,280円301,300円7,980円
参考:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

介護に関係する職種の中で一番給料が高いのは、看護師です。看護師は利用者の医療行為や緊急時にも率先して対応する必要があるため、給料は高いです。

ケアマネの給料は、看護師に次ぐ、介護職の中でも2番目の水準でした。

ケアマネになるには、介護支援専門員の資格が必要です。また試験も合格率が10.1%(2018年度)と、資格取得難易度が高い職種になります。加えて経験も必要な職種でもあるので、他の職種よりも給料の水準が高くなります。

最近では介護人材の不足から、看護師・介護福祉士とケアマネージャーを兼務している人も多くいます。

居宅介護VS施設ケアマネの給与比較

ケアマネには2つの種類があります。

1つ目は、事務所から利用者の自宅へ訪問して申請書の作成、会議へ参加、ケアプランの作成や評価などを行う「居宅介護」。もう1つは、介護保険施設・有料老人ホーム・グループホームなどの施設でケアマネの業務をする「施設介護」です。

ケアマネとして職を選ぶ際に、多くの方が疑問に持つのが、「居宅介護と施設介護ではどちらの方が給料が高いか?」です。

結論からいうと、施設ケアマネのほうが、給料が高くなる傾向にあります。(※各事業所によって違いは生じます。)

なぜなら施設ケアマネは、ケアマネの仕事以外にも、他の介護職員に混じり介護業務を行っているからです。

例えば、介護保健施設でケアマネ業務をする場合は、ケアプラン作成だけではなく、介護業務も兼任しています。

またグループホームのケアマネは、件数の上限が18名程度となるため、ケアマネ業務と介護業務を兼務することが多くあります。夜勤やケアマネ兼管理者としてオンコールの対応もあります。

施設ケアマネは単純なケアマネ業務だけではなく、時には現場に出て介護職員を助けたり、人手が足りない時には夜勤をする必要があるため、その分給料は居宅ケアマネよりも高くなることが多いです。

ケアマネージャーの給与Q&A

ここからケアマネの給料に関して、よくある疑問をQ&A形式で解説していきます。

Q:ケアマネは自分が担当している利用者が多いほうが給料が高くなりますか?

A:完全歩合制を取り入れている事業所であれば、利用者が多いほうがケアマネの給料は高くなります。

ただ完全歩合制は「労働基準法」の基準を満たさない可能性があり、固定給の事務所や施設がほとんどです。

ケアマネの報酬は介護保険から発生していて、加算などで変動はありますが、要介護者1件およそ1万円です。

居宅介護支援事務所のケアマネは、”常勤で一人標準取扱件数として35名まで”とされています。要支援者も合わせると39名まで担当できます。ただ40名以上になると、減算の対象となります。なぜならケアマネージメントの質が保てない可能性があるからです。

居宅介護支援事務所の場合、担当できる最大である39名まで担当することで、事業所に入る報酬は高くなります。事業所が潤うことで、間接的にケアマネ自身の給料に反映される可能性はあります。

Q:その利用者の介護度が高いほうがお給料は高くなるのですか?

A:ケアマネの給料は介護保険から発生しています。介護度が上がるごとに報酬も上がります。ただその差は3000円程度と大幅には変わりません。

介護報酬は、要介護認定を受けた利用者が介護サービスを受けることで、報酬が発生する仕組みです。

居宅介護支援(ケアマネージメント)の介護報酬のイメージ

「居宅介護支援費」とは?

要介護者が居宅サービスなどを適切に利用できるように作成する「居宅サービス計画費」+「医療との連携、労力を要するケアマネジメントや事業所の体制に対する加算・減算」

1ヶ月あたり居宅介護支援費は、次の通りです。

要介護1・2要介護3・4・5
居宅介護支援費Ⅰ1042単位/月1352単位/月
居宅介護支援費Ⅱ521単位/月677単位/月
居宅介護支援費Ⅲ313単位/月406単位/月
参考:厚生労働省「居宅介護支援」

地域によって単価は変わりますが、介護度が上がるほど報酬が上がります。1単位10円として、要介護1、2であれば10,420円、要介護3~5であれば13,520円といった具合です。

また同じ要介護度でも、ケアマネ1人当たりの利用者の人数が40件を超えると支援費が大幅に下がってしまいます。利用者が40件以上60件未満だと居宅介護支援費Ⅱ、60件以上だと居宅介護支援費Ⅲを適用されます。

その他、初回ケアマネジメントに対する加算や、利用者の状態変化によるマネジメントなどが行われた場合に加算がつきます。

現職ケアマネによると、介護度よりは、加算が付いたほうが報酬を上がるとのこと。ただその分業務が増えます。

加算には、次のようなものがあります。

居宅介護支援費にかかる加算の概要(参考)

加算名算定単位数
特定事業所加算(Ⅰ)500単位/月
特定事業所加算(Ⅱ)300単位/月
初回加算 300単位/月
医療連携加算 150単位/月
退院・退所加算(Ⅰ)400単位
退院・退所加算(Ⅱ)600単位

Q:ケアマネが独立した場合はどうなるのですか?

ケアマネは本来、”利用者がどのようなサポートがあれば本人らしく過ごせるか”をマネージメントできる、とてもやりがいのある仕事です。

ただ現在ケアマネ単体での仕事では、あまり成り立ちにくいのが現状です。なぜならケアマネの報酬は介護保険によるため、大きく伸びにくいからです。

また併設する施設や訪問介護事業所があれば、自社のサービスを使ってもらうことで、報酬を上げられる可能性もあります。しかし独立となるとそうはいきません。個人で事務所も用意する必要があります。

もちろん仕事をすればある程度までは報酬は上がりますが、休日や祝日などどの程度までやるのか。

また以前のように、件数を多く持ちすぎることもできません。1人当たり件数は40件程度です。夜間の体制が必要になる場合もあります。

どの分野にも言えることですが、独立した場合は、自分のプライベート時間との線引きが難しい場合が多いです。

ケアマネとして給与をUPするための4つの方法

最後に、ケアマネとして給料を上げるための4つの方法を解説していきます。

”今ケアマネとして給料に悩んでいる人”、”これからケアマネとしてキャリアップしたい人”に役に立つ内容です。ぜひ最後までご覧ください。

転職する

1つ目の方法が、他の事業所に転職する方法です。

現在高齢化社会に伴って、高齢者施設や訪問介護サービスなどの需要は高まっています。様々な企業が介護分野に参入しており、介護分野以外での実績のある企業もあります。

そんな中、経験のある介護職員はどの企業からも求められています。経営がしっかりしている会社に転職し、入職時に自己アピールすることで、給料が上げる可能性があります。

勤続して昇給

現在の職場が働きやすく、やりがいを感じる方は、無理に転職する必要はありません。毎年昇給している施設・事業所であれば、給料アップを望めます。

また厚生労働省のデータでも、平成28年より平成29年のほうが、基本給が3,330円上がっているというデータもあります。

ただその職場の経営状況にもよるので、短期間で大幅にアップはしないのが難点です。

主任ケアマネ(主任介護支援専門員)になる

経験を積み資格を得ることで、給料を上げることができます。

主任ケアマネ(主任介護支援専門員)は、2006年に新しく誕生したケアマネのリーダー的な存在です。専任の介護支援専門員として通算5年以上(60ヵ月)の勤務が必要で、その他決められた研修を受ける必要があります。

主任ケアマネは、知識や経験が豊富であることを証明してくれる資格です。転職時のアピールになるので、現職で給料の交渉をするのも一手です。

施設の管理者として勤務する

直接利用者のケアマネジメントを行うことはなくなりますが、思い切って管理者として勤務する、という方法もあります。

ケアマネ資格を持った管理者を募集している施設は多くあります。管理者として介護職をまとめるため責任の重い仕事ですが、その分給料も上がります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ケアマネの平均年収は385万円。月給32万円でしたね。ケアマネージャーの働き方は様々あり、経験年数や事業所の利益によって給料も変わります。

この高齢化社会、在宅医療が進められていく中、ケアマネの存在は欠かせません。医療・介護・福祉とそれぞれの強みを持ったケアマネが活躍しています。今後、より仕事の責任に見合った給料となることを期待したいですね。