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介護士の給料が安い3つの理由&給料アップの5つのポイントを大解説

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低賃金として知られる介護職ですが、皆さんは介護士の給料が低い理由をご存知ですか?

実は介護士の給料が低いことには、現役介護士にはどうすることもできない3つの理由があります。

今回は介護士の給料が低い理由に加え、介護職の将来性、そして介護士が給料を上げるための5つのポイントを解説します。

介護士は給料が低いから…」と諦めるのではなく、給料アップのために自分に何ができるかを知り、活かしてみてください。

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【介護士の平均年収は361万円】介護の給料が安い3つの理由

厚生労働省のデータによると、介護士の平均給料はひと月あたり300,970円で、年収に換算すると361万1,640円となります(月収×12カ月)。

平均月収平均年収
(月収×12ヶ月)
介護士全体300,970円361万1,640円
参照:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

また医療・福祉業界全体でみても、他業種と比べて平均年収が低いことが分かります。

業種別平均年収(一例)

業種平均年収
製造業311万4,000円
情報通信業386万円
卸売業・小売業332万3,000円
医療・福祉293万7,000円
参照元:平成30年賃金構造基本統計調査の概況

「医療・福祉」には医療・福祉に関する全ての職業が含まれるため、介護職だけの数字ではありません。しかし他業種と比べて平均年収が低いことがお分かりいただけるでしょう。

では、なぜこの業界は給料が低いのか、ここからは介護職の給料が低い原因を解説していきます。

介護職の給料の低さには、次の3つの原因があります。

介護士の給料が低い3つの理由
  1. 介護士の給料に充てる介護報酬額が少ない
  2. 経営者の内部留保が多い
  3. 専門性が低い

理由1:介護士の給料に充てる介護報酬額が少ない

現在の日本では、介護報酬額が低く設定されています。介護士の給料は、介護保険が適用されるサービスを提供した介護施設を対象に、国から支払われる対価(=介護報酬)が財源の一部となっています。

つまり”介護報酬”として施設に入る金額が少ないことが、介護士の給料の低さにつながると考えられます。

理由2:経営者の内部留保が多い

経営者の内部留保も、介護士の低賃金の原因となる場合となります。

内部留保とは、企業の経営者が社内で貯蓄することを意味します。万が一介護保険制度が変更されたり、何らかのトラブルが発生した場合でも、施設はスタッフに給料を払い、経営を継続する必要があります。そのため、内部留保としてお金を貯めておくことは必要です。

しかし内部留保が多ければ、その分介護士への還元率も下がるため、結果的に給料が低くなります。

筆者の勤めていた施設でどのくらい内部留保があったかは分かりません。しかし県内でも比較的知名度の高い、複数の施設を持つ大きな運営元だったため、万が一に備えて「内部留保の額も大きかったのでは?」と思います。

理由3:専門性が低い

介護の仕事は、無資格や未経験でも始めることができます。なぜなら介護の仕事の多くが、食事・入浴・着替えなど生活に身近な業務が多いからです。裏を返せば、誰にでもできる・専門性が低い職業だとも言えます。

もちろん介護の仕事に専門性がない訳ではありません。筆者も介護福祉士として働く中で、認知症に関する様々な知識・対応の仕方・介護技術などを学びました。

しかし医師・看護師・管理栄養士などのように、資格がなければ働けない職業に比べると、給料が低くなることとも事実です。つまり、こうした専門性の低さが低賃金につながっていると考えられます。


ここまで介護士の給料が低い3つの理由を解説しました。

介護士の給料が低い3つの理由
  1. 介護士の給料に充てる介護報酬額が少ない
  2. 経営者の内部留保が多い
  3. 専門性が低い

【介護職はどうなるの?】介護職の将来性

ここからは介護職の将来性について考えてみましょう。

結論から言うと、介護職は今後も無くならない将来性のある仕事です。

日本は世界的に見ても超高齢社会です。少子高齢化が加速し、今後もさらに高齢化率が高まると予想されています。

少子高齢化には、年金制度の崩壊や医療費の高騰、働き手の不足などさまざまな課題があり、特に働き手の不足は死活問題でもあります。

人材の確保ができずに倒産する企業や後継者が足りずに衰退する業界も出てくるかもしれません。またAIの発達により、人の代わりにロボットを活用することで人材不足を補う企業も増えてきました。

しかし少子高齢化に伴って需要が高まる産業もあります。その代表例が介護職です。

高齢者が増えれば増えるほど介護サービスの需要は高まり、介護士が必要になります。

介護業界にもAI技術は取り入れられていて、筆者の働いていた施設でも機械を用いて利用者さんの入浴をサポートする機械浴が設置されていました。

とはいえ、介護は人を相手にした仕事のため、全業務をAIに置き換える訳にはいきません。だからこそ、これから少子高齢化が進んで働き手が不足しようとも、介護の仕事はなくならないと言えるのです。

また介護士の低賃金を解決するため、平成24年には「介護職員処遇改善加算」という制度が創設されました。

介護職員処遇改善加算とは、介護士がキャリアアップできる仕組み作りや、職場環境を改善するために計画・実行した施設を対象に、各自治体が介護職員の給料を上げるための報酬を支給する制度です。

このような政策を通じて国や自治体も介護士の給料アップを図っているため、介護職は将来的にもさらなる待遇向上が期待できると言えます。

介護職員処遇改善加算は、現場で介護業務に携わっている人が対象です。したがって、無資格者でも介護士として勤務していれば支給の対象となります。

ただ自治体から支払われた金額を”どの介護士の給料にいくら上乗せするか”は、各施設の裁量に任されています。そのため、支給対象の介護士の中でも金額差が生じる可能性があります。

介護職員処遇改善加算は、給料明細の「処遇改善手当」「処遇改善加算」などの項目にも掲載されるため、支給額が知りたい人は確認してみてください。

このように、現在は給料の低い介護士の仕事ですが、介護職員処遇改善加算のように介護士の給料を上げるための政策も進んでいるため、今後はさらなる給料アップが期待できるでしょう。つまり介護職は非常に将来性のある職業だと言えるのです。

統計では日本の高齢者の割合は、今後次のようになると算出されています。

西暦高齢者の割合
2025年人口の30%
2060年人口の40%以上
参考:総務省

【超高齢者社会】介護士に将来性があると言える3つの理由』では、総務省や厚生労働省の統計資料を元に、より具体的な介護業界の動向を解説しています。

給料を上げるための5つのポイント

最後に、少しでも給料を上げるためのポイントをご紹介します。押さえておきたいポイントは次の5つです。

ポイント1:資格を取得する

介護士の給料は、保有資格によって異なります。無資格の平均給与額は252,490円ですが、資格を取得すれば給与を上げることができます。

資格平均給与額(ひと月あたり)無資格者との差
無資格252,490円
初任者研修273,920円+21,430円
実務者研修288,060円+35,570円
介護福祉士313,920円+61,430円
ケアマネジャー350,320円+97,830円
参照元:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

このように資格を取得すれば、数万円も平均給料が上がります。経験を積みながら資格を取得していくのがおすすめです。

ポイント2:夜勤勤務を増やす

労働基準法により、22~5時までの7時間は”深夜割増賃金”として時給を25%上げることが定められています。そのため数日を夜勤にするだけでも、時給が上がり、収入を増やすことができます。

また日勤をしない夜勤のみの”夜勤専従スタッフ”として働くと、時給がすべて25%アップするため、給料が上がります。

例えば、時給1,200円の人が夜勤を増やした場合、次のようになります。

基本給の場合との差
基本給
(時給)
1,200円———-
夜勤手当を
含んだ時給
1,500円
(1,200円×1.25)
+300円
22~5時までの
合計報酬
10,500円
(1,500円×7時間)
+8,400円

このように夜間帯は時給が高くなるため、効率良く稼ぐことが可能です。

ポイント3:派遣介護士として働く

派遣介護士は、パート・アルバイトに比べて、時給が高い傾向にあります。具体的に、東京都の介護士の派遣とパート・アルバイトの平均時給を比べてみましょう。

平均時給パート・アルバイトとの差
パート・アルバイト1,162円———-
派遣介護士1,621円+459円
※2020年3月28日現在
参照元:平均時給チェックタウンワーク

このようにパート・アルバイトよりも派遣介護士として働く方が、同じ勤務時間でも収入を増やすことができます。

ポイント4:役職を目指す

役職に就くことも給料を上げる1つの方法です。

介護施設には、施設全体の責任者である施設長や管理者以外にも、各フロアのフロアリーダーがいます。これらの役職に就くと、毎月の給料に役職手当が加算されるため、収入アップが期待できます。

役職への昇格は、人事部や上司からの指名による場合がほとんどです。しかし「リーダーを目指している!」「将来は役職に就いて働きたい!」など日頃から熱意をアピールしておくと、昇格できる可能性もあります。

ポイント5:勤続年数を増やす

月々の給料は、勤続年数が長ければ長いほど高くなります。同じ施設で長く働き続けると、次のように継続年数に応じて給料を上げることができます。

勤続年数平均給与額(ひと月あたり)勤続年数1年との差
1年270,740円———-
2年278,550円+7,810円
3年282,700円+11,960円
4年284,300円+13,560円
5年295,450円+24,710円
10年以上334,140円+63,400円
参照元:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

また原則として『勤続年数10年以上・介護福祉士』を満たすスタッフを対象に、『月収8万円以上アップ』または『年収440万円以上にアップ』のいずれかの策が取られる「特定処遇改善加算」という仕組みもあります。

介護福祉士資格を所有していることは必須条件ですが、必ずしも勤続10年以上である必要はありません。最終判断は各施設に委ねられているため、経験やスキルが認められれば、勤続年数が10年未満でも給料が上がることもあります。

経験やスキルを評価してもらうためにも、できるだけ長く勤務することを意識するとよいでしょう。


これまで解説した内容をまとめてみましょう。

給料アップのポイント給料アップの主な理由
資格を取得する資格手当が付く
夜勤勤務を増やす夜勤手当が付く
派遣介護士として働くパート等に比べて平均時給が高い
役職を目指す役職手当が付く
勤続年数を増やす年数に応じて昇給する

まとめ

いかがでしたか?今回は、介護士の給料が低い理由・介護職の将来性・給料を上げるための5つのポイントをまとめてご紹介しました。

他の業界と比べて給料が低い介護職ですが、今後ますます需要が高まり将来性のある仕事でもあります。

今回ご紹介したポイントを参考にしながら、長く活躍する介護士を目指してみてください。