この記事の結論
この記事で分かること
- 看護師の推定年収は524万7,200円(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」)。平均年齢42.1歳・勤続9.8年の数字です。
- 月36万5,900円のうち3万2,700円は、夜勤手当や残業代にあたる超過労働給与額です。夜勤を減らせばこの平均には届きません。
- 調査の定義上、これらは所得税等を控除する前の額で、手取りではありません。
- 記事によって「33万円」「36万円」と数字が違うのは、所定内給与額ときまって支給する現金給与額のどちらを引いているかの差です。
- 企業規模による差は賞与に出ます。1,000人以上と10〜99人で年間43万円以上の開きがあります。
- 年齢のピークは50〜54歳の577万7,000円。20〜24歳の440万1,400円とは約137万円の差です。
「看護師の平均年収は524万円って本当?自分はそんなにもらっていない」
「同じ看護師なのに、なんでこんなに差があるの?」
「この金額って、手取り?それとも額面?」
結論から書きます。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」による看護師の推定年収は524万7,200円です。ただしこれは、平均年齢42.1歳・勤続9.8年の看護師の数字で、しかも所得税等を控除する前の額です。
さらに大事な点があります。月額の36万5,900円のうち3万2,700円は、夜勤手当や残業代にあたる「超過労働給与額」です。つまり夜勤を減らせば、この平均には届かなくなります。「平均より低い」と感じる方の多くは、ここで比べる相手を間違えています。
この記事では、看護師の求人情報サービスを運営する立場から、524万円という数字が何を指しているのか、内訳はどうなっているのか、そして自分の年収と比べるには何を見ればよいのかを、調査の定義から順に整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」(概況は令和8年3月24日公表)。看護師:きまって支給する現金給与額 36万5,900円/所定内給与額 33万3,200円/年間賞与その他特別給与額 85万6,400円/推定年収 524万7,200円/平均年齢 42.1歳/勤続年数 9.8年(企業規模計10人以上)
・同調査の定義:「所定内給与額」とは、きまって支給する現金給与額のうち超過労働給与額(①時間外勤務手当 ②深夜勤務手当 ③休日出勤手当 ④宿日直手当 ⑤交替手当)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額
・同調査の時期:令和7年6月分の賃金と、賞与は原則として令和6年1月〜12月の1年間
・日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」:新卒看護師の初任給(手当込み)は大卒 29万2,527円/高卒+3年課程 28万5,078円
統計は調査年により改定されます。金額は調査時点の全国平均であり、個別の給与を示すものではありません。実際の支給額は勤務先・雇用形態・夜勤回数・扶養の状況などにより異なります。最新の数値は厚生労働省および日本看護協会の公表資料をご確認ください。
結論|平均年収524万7,200円は「42.1歳・勤続9.8年・夜勤あり」の数字です
| 項目 | 金額 | 意味 |
|---|---|---|
| きまって支給する現金給与額(月) | 36万5,900円 | 毎月決まって支払われる額(夜勤・残業分を含む) |
| うち所定内給与額 | 33万3,200円 | 夜勤・残業分を除いた額 |
| 差額=超過労働給与額 | 3万2,700円 | 時間外・深夜・休日・宿日直・交替手当 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 85万6,400円 | 前年1年間の賞与など |
| 推定年収 | 524万7,200円 | 月額×12+賞与 |
| 平均年齢/勤続年数 | 42.1歳/9.8年 | この年齢層の平均だという点が重要です |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(企業規模計10人以上)。2026年8月27日確認。
比べる相手を間違えると、必ず「低い」と感じます
この524万円は、20代の看護師の数字ではありません。42歳前後で、夜勤に入っていて、10年近く同じ職場にいる方の平均です。
ですから、20代・日勤のみ・転職して間もない、という条件のどれかに当てはまる方が「平均より低い」のは、当然の結果です。比べるなら、年齢別・勤務先別の数字を見てください(年代別/勤務先別)。
月36万5,900円のうち3万2,700円は、夜勤と残業の分です
ここが、この記事で最もお伝えしたい点です。厚生労働省の定義では、「所定内給与額」=きまって支給する現金給与額から「超過労働給与額」を差し引いた額とされています。
| 超過労働給与額に含まれるもの |
|---|
| ① 時間外勤務手当 |
| ② 深夜勤務手当 |
| ③ 休日出勤手当 |
| ④ 宿日直手当 |
| ⑤ 交替手当 |
看護師の夜勤は、②の深夜勤務手当と⑤の交替手当に該当します。つまり36万5,900円 − 33万3,200円 = 3万2,700円が、夜勤と残業で積み上がっている分です。
これが意味すること
- 夜勤をやめると、月3万円前後・年間で約40万円が減る計算になります
- 日勤のみのクリニックへ移ると年収が下がるのは、この部分が消えるためです
- 逆に夜勤専従は、この部分を厚くする働き方です(夜勤専従の看護師は72時間ルールの対象外)
- 「夜勤なしで年収を維持したい」は、基本給の高い職場を探すという別の課題になります
「平均賃金」と「平均年収」で数字が違うのはなぜか
調べていると、看護師の平均が「33万円」と書かれていたり「36万円」と書かれていたりします。どちらも間違いではありません。
| 言葉 | 指している金額 | 看護師の額 |
|---|---|---|
| 賃金(概況での用法) | 所定内給与額 | 33万3,200円 |
| 月収・給与 | きまって支給する現金給与額 | 36万5,900円 |
| 年収 | 月額×12+年間賞与 | 524万7,200円 |
厚生労働省の概況では、「賃金」という語を所定内給与額の意味で使っています。記事によって数字が違って見えるのは、どちらを引いているかの差です。
この金額は手取りではありません|控除前の額です
調査の定義に「所得税等を控除する前の額」と明記されています。ここから健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税が引かれます。
手取りの計算方法と目安は看護師の手取りはいくら?にまとめました。額面36万円台であれば、手取りはおおむね28万〜29万円台が目安になります(加入する健康保険・自治体・扶養の状況により変わります)。
調査の読み方|6月分の賃金と、前年の賞与を足した推計です
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 賃金の対象月 | 令和7年6月分 |
| 賞与の対象期間 | 原則として令和6年1月〜12月の1年間 |
| 調査対象の事業所 | 5人以上の常用労働者を雇用する民営事業所と、10人以上の公営事業所 |
| 集計の区分 | 一般労働者(短時間労働者を除く) |
つまり6月という特定の1か月分を12倍した推計です。6月は賞与月ではないため賞与は別集計ですが、繁忙や夜勤回数の季節差までは均されていません。「実際の年収」ではなく「比較のための物差し」だと考えてください。
短時間勤務の方はこの数字に含まれていません
パート・時短で働く方は「短時間労働者」として別に集計されています。常勤換算されていないため、パート勤務の方がこの524万円と比べても意味がありません。
年齢で100万円以上変わります
| 年齢 | 推定年収 |
|---|---|
| 20〜24歳 | 440万1,400円 |
| 25〜29歳 | 501万4,900円 |
| 30〜34歳 | 490万5,200円 |
| 35〜39歳 | 518万8,600円 |
| 40〜44歳 | 548万3,800円 |
| 50〜54歳 | 577万7,000円(ピーク) |
| 60〜64歳 | 502万8,700円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。年齢階級別の推定年収。
30代前半でいったん横ばいになる点も含めて、看護師の年収は何歳がピークかで詳しく扱っています。
勤務先の規模で100万円変わります
| 企業規模 | 推定年収 | 年間賞与 |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 569万8,700円 | 105万7,100円 |
| 100〜999人 | 506万2,800円 | 77万400円 |
| 10〜99人 | 469万8,200円 | 62万4,200円 |
差が最も大きいのは賞与です。1,000人以上と10〜99人で、年間賞与に43万円以上の開きがあります。月給の差より賞与の差のほうが大きい、という点は転職先を選ぶときに効きます。
勤務先の種類(クリニック・訪問看護・美容クリニックなど)による違いは勤務先別の看護師の給料、病院単位の傾向は看護師の給料が高い病院ランキングをご覧ください。
准看護師との差は約97万円です
| 看護師 | 准看護師 | |
|---|---|---|
| 推定年収 | 524万7,200円 | 427万5,200円 |
| 月額 | 36万5,900円 | 30万3,200円 |
| 年間賞与 | 85万6,400円 | 63万6,800円 |
| 平均年齢 | 42.1歳 | 51.8歳 |
注意したいのは平均年齢です。准看護師のほうが約10歳高いのに年収は約97万円低いという関係になっています。詳しくは准看護師の給料と年収で扱います。
初任給は月28万〜29万円台です
| 区分 | 手当込み | 手当を除く |
|---|---|---|
| 大卒 | 29万2,527円 | 22万1,883円 |
| 高卒+3年課程卒 | 28万5,078円 | 21万6,416円 |
出典:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」。新卒看護師の初任給。
手当込みと手当を除いた額で7万円前後の差があります。求人票の「月給28万円」がどちらを指しているかで、実際の受け取りは大きく変わります。基本給がいくらかを必ず確認してください。賞与は基本給を基準に計算されることが多いためです。
給料を上げる方法は3つに整理できます
- 夜勤の回数を増やす(超過労働給与額を厚くする)
- 規模の大きい職場へ移る(賞与の差が最も大きい)
- 役職・認定・専門の資格を取る(所定内給与額そのものを上げる)
それぞれの現実的な効き方と、年収1,000万円が可能かどうかは看護師が給料を上げる方法にまとめています。
介護職の給料と比べると
同じ現場で働く介護職の平均は月33万8,200円前後です(介護士の給料はいくら?)。看護師との差は、資格の位置づけと夜勤手当の水準の違いによるものです。
「高すぎる」と言われることについて
「看護師 給料 高すぎ」という検索が月1,500件ほどあります。夜勤と残業を含んだ額で語られることが多く、比較の前提がずれています。この点は看護師の給料は高すぎる?で扱っています。
よくある質問
看護師の平均年収はいくらですか?
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の推定年収は524万7,200円です(企業規模計10人以上)。内訳はきまって支給する現金給与額が月36万5,900円、年間賞与その他特別給与額が85万6,400円です。平均年齢42.1歳、平均勤続年数9.8年の集計値であり、所得税等を控除する前の額です。
自分の年収が平均より低いのですが、おかしいですか?
おかしくありません。この平均は42.1歳・勤続9.8年・夜勤ありの看護師の数字です。20代の方、日勤のみの方、転職して間もない方は、条件が異なるため下回るのが自然です。比べるのであれば、年齢階級別や勤務先の規模別の数値をご覧ください。20〜24歳の推定年収は440万1,400円です。
36万5,900円は手取りですか?
手取りではありません。賃金構造基本統計調査の定義では「所得税等を控除する前の額」とされています。ここから健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税が差し引かれます。額面36万円台であれば、手取りはおおむね28万〜29万円台が目安ですが、加入する健康保険や自治体、扶養の状況により変わります。
記事によって「33万円」と「36万円」があるのはなぜですか?
引用している項目が違うためです。33万3,200円は「所定内給与額」で、夜勤手当や残業代にあたる超過労働給与額を除いた額です。36万5,900円は「きまって支給する現金給与額」で、それらを含んだ額です。厚生労働省の概況では「賃金」という語を所定内給与額の意味で使っているため、記事の引用元により数字が変わります。
夜勤をやめると年収はどのくらい下がりますか?
平均値で見ると、きまって支給する現金給与額と所定内給与額の差は月3万2,700円です。単純計算で年間約39万円がこの部分にあたります。実際の減少幅は夜勤回数と手当額により異なりますが、日勤のみの職場へ移ると年収が下がる主因はここです。基本給の水準が高い職場を選ぶことで、ある程度は補えます。
パートで働いています。この平均と比べられますか?
比べられません。この数値は「一般労働者」の集計で、短時間労働者は別に集計されています。パート・時短で働く方の賃金は時給ベースで比較するほうが実態に合います。常勤へ戻したときの見込みを知りたい場合は、年齢階級別の数値を目安にしてください。
賞与はどのくらいもらえますか?
年間賞与その他特別給与額の平均は85万6,400円です。ただし企業規模による差が大きく、1,000人以上で105万7,100円、10〜99人で62万4,200円と43万円以上の開きがあります。月給の差より賞与の差のほうが大きいため、転職先を選ぶときは賞与の支給月数を確認してください。
看護師の初任給はいくらですか?
日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」によると、新卒看護師の初任給は手当込みで大卒29万2,527円、高卒+3年課程卒28万5,078円です。手当を除くとそれぞれ22万1,883円、21万6,416円で、7万円前後の差があります。賞与は基本給を基準に計算されることが多いため、求人票では基本給の額を確認してください。
まとめ|524万円は「42歳・夜勤あり・控除前」の数字です
- 看護師の推定年収は524万7,200円(令和7年賃金構造基本統計調査)
- 平均年齢42.1歳・勤続9.8年の数字です。20代や日勤のみの方が下回るのは当然です
- 月36万5,900円のうち3万2,700円は夜勤・残業分(超過労働給与額)です
- 所得税等を控除する前の額で、手取りではありません
- 規模による差は賞与に出ます。1,000人以上と10〜99人で年間43万円以上の開き
- 年齢のピークは50〜54歳の577万7,000円です
平均と自分の差を見るときは、まず「年齢」「夜勤の有無」「勤務先の規模」の3つを揃えてから比べてください。この3つを揃えると、多くの場合ずれは説明がつきます。それでも差が大きいなら、そこが動かす余地です。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
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