この記事の結論
この記事で分かること
- 20〜24歳440万1,400円 → 50〜54歳577万7,000円がピーク。年齢で約137万円の幅があります。
- 伸びが最大なのは20代後半(約61万円)。夜勤に完全に入れるようになることが主因です。
- 30〜34歳だけ年収が下がります。産休・育休後の夜勤免除や時短がこの年代に集中しているためと考えられます。
- 40代以降の伸びは、夜勤手当ではなく役職と勤続によるものです。
- 60〜64歳で約71万円下がります。再雇用の条件は50代のうちに確認してください。
- 平均勤続年数は9.8年。看護師にとって転職は例外的な行動ではありません。
「20代のうちは、どのくらいもらえるのが普通なの?」
「30代に入ってから、昇給した実感がない」
「今から転職して、年収は上がるの?下がるの?」
看護師の年収は、年齢によって130万円以上の幅があります。20〜24歳の440万1,400円から、ピークの50〜54歳では577万7,000円です。
ただし、この上がり方は一直線ではありません。25〜29歳でいったん501万円まで上がったあと、30〜34歳で490万円に下がります。この「30代前半のへこみ」は、看護師のキャリアを考えるうえで無視できない特徴です。
この記事では、看護師の求人情報サービスを運営する立場から、年齢階級ごとの実際の金額、30代前半で下がる理由、ピークが50代前半にある意味、そして年代ごとに打てる手を整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」。看護師の推定年収は524万7,200円、平均年齢42.1歳・平均勤続年数9.8年(企業規模計10人以上)
・同調査の年齢階級別 推定年収:20〜24歳 440万1,400円/25〜29歳 501万4,900円/30〜34歳 490万5,200円/35〜39歳 518万8,600円/40〜44歳 548万3,800円/45〜49歳 561万1,800円/50〜54歳 577万7,000円/55〜59歳 573万5,300円/60〜64歳 502万8,700円/65〜69歳 424万505円/70歳〜 386万7,100円
・同調査の定義:これらは所得税等を控除する前の額で、月額には超過労働給与額(時間外・深夜・休日・宿日直・交替手当)を含みます
・日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」:新卒看護師の初任給(手当込み)は大卒 29万2,527円/高卒+3年課程 28万5,078円
統計は調査年により改定されます。金額は全国平均であり、個別の給与を示すものではありません。実際の支給額は勤務先・雇用形態・夜勤回数などにより異なります。
結論|年齢別の年収はこうなっています
| 年齢 | 推定年収 | 平均との差 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 440万1,400円 | −84万5,800円 |
| 25〜29歳 | 501万4,900円 | −23万2,300円 |
| 30〜34歳 | 490万5,200円 | −34万2,000円(下がります) |
| 35〜39歳 | 518万8,600円 | −5万8,600円 |
| 40〜44歳 | 548万3,800円 | +23万6,600円 |
| 45〜49歳 | 561万1,800円 | +36万4,600円 |
| 50〜54歳 | 577万7,000円(ピーク) | +53万円 |
| 55〜59歳 | 573万5,300円 | +48万8,100円 |
| 60〜64歳 | 502万8,700円 | −21万8,500円(下がります) |
| 65〜69歳 | 424万505円 | −100万6,695円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。全体平均は524万7,200円。
読み取れることは3つです。①20代後半で一気に上がる ②30代前半で一度下がる ③50代前半が頂点で、60代で大きく下がる。
20代前半が440万円台になる理由
新卒の初任給は手当込みで28万〜29万円台です。ここに夜勤手当が乗り、賞与が加わって440万円台になります。
| 時期 | 年収に効くこと |
|---|---|
| 1年目 | 夜勤に入る時期が遅く、手当が乗りきりません。賞与も満額ではないことが多いです |
| 2年目 | 夜勤が本格化して額面は上がりますが、住民税が始まって手取りは伸び悩みます |
| 3年目以降 | 夜勤回数が安定し、賞与も満額になります |
2年目に「昇給したのに手取りが増えない」と感じるのは、住民税が前年の所得に対して1年遅れで始まるためです(看護師の手取りはいくら?)。
大卒と3年課程卒の差は初任給で7,000円台です
日本看護協会の調査では、手当込みの初任給は大卒29万2,527円、高卒+3年課程28万5,078円で、差は7,000円台です。ただし3年課程卒のほうが1年早く働き始めます。生涯の収入で見れば、この1年分の差は小さくありません。
25〜29歳で501万円まで上がります
20代前半から約61万円の伸びで、生涯で最も上昇幅が大きい時期です。理由ははっきりしています。
- 夜勤に完全に入れるようになる(超過労働給与額が厚くなります)
- 賞与が満額になる
- 定期昇給が数年分積み上がる
- リーダーや委員会など、手当のつく役割が回り始める
この時期に転職を考える方は多いですが、年収だけを見れば、動かなくても上がる局面です。1〜2年目の転職を検討している方は看護師1年目の転職、看護師2年目の転職もあわせてご覧ください。
30〜34歳で下がります|これは統計の見え方でもあります
25〜29歳の501万4,900円に対し、30〜34歳は490万5,200円で約11万円下がります。年齢が上がって年収が下がるのは、この階級だけです。
考えられる背景
| 要因 | 年収への効き方 |
|---|---|
| 産休・育休からの復帰 | 復帰後しばらくは夜勤を外れることが多く、手当分が減ります |
| 時短勤務 | 所定労働時間が短くなり、給与も比例して下がります |
| 夜勤免除 | 月3万円前後にあたる超過労働給与額が消えます |
| 転職による勤続リセット | 勤続に応じた手当や賞与の算定が下がることがあります |
つまり「30代になると給料が下がる」のではなく、「夜勤を外れる人がこの年代に集中している」という読み方が実態に近いはずです。
この時期に働き方を変える場合、夜勤を外すなら基本給の水準が高い職場を選ぶことが、収入を保つ現実的な方法になります(勤務先別の看護師の給料)。
40代で平均を超え、50代前半がピークです
| 年齢 | 年収 | この時期に効くもの |
|---|---|---|
| 35〜39歳 | 518万8,600円 | 復帰後に夜勤へ戻る、役割手当 |
| 40〜44歳 | 548万3,800円 | 主任・係長級などの役職手当 |
| 45〜49歳 | 561万1,800円 | 師長級への昇任、勤続手当 |
| 50〜54歳 | 577万7,000円 | 役職と勤続が最大になる時期 |
40代以降の伸びは、夜勤手当ではなく役職と勤続によるものが中心です。裏を返せば、40代で転職して勤続がリセットされると、この伸びは効きにくくなります。
ただし、これは「40代以降は転職しないほうがよい」という意味ではありません。基本給の水準そのものが高い職場へ移れば、勤続のリセットを上回ることもあります。50代の転職の実際は50代看護師の転職は難しい?で扱っています。
60歳を境に大きく下がります
55〜59歳の573万5,300円から、60〜64歳は502万8,700円へ約71万円下がります。65〜69歳では424万505円です。
- 定年後の再雇用で、給与体系が変わることが多いためです
- 役職を外れることで役職手当がなくなります
- 夜勤の回数を減らす方が増えます
それでも65〜69歳で424万円という水準は、他の職種と比べれば高い部類です。看護師免許に有効期限はなく、更新も不要であることが、長く働ける前提を支えています。
平均勤続年数9.8年が意味すること
看護師の平均勤続年数は9.8年です。平均年齢42.1歳と合わせると、多くの看護師が30代前半までに少なくとも一度は職場を変えているという姿が見えてきます。
| 看護師 | 准看護師 | |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 42.1歳 | 51.8歳 |
| 平均勤続年数 | 9.8年 | 13.6年 |
准看護師のほうが年齢も勤続も長いのに年収は低い、という関係については准看護師の給料と年収で扱っています。
年代別に打てる手
| 年代 | 効きやすい打ち手 |
|---|---|
| 20代 | 動かなくても上がる時期。夜勤に入れる体制を整えることが最優先 |
| 30代前半 | 夜勤を外すなら基本給の高い職場へ。時短でも賞与の支給月数を確認 |
| 30代後半〜40代 | 役職・認定看護師など所定内給与額そのものを上げる方向へ |
| 50代 | 年収のピーク。定年後の再雇用条件を先に確認しておく |
| 60代 | 夜勤の回数と勤務日数で調整する働き方へ |
具体的な上げ方は看護師が給料を上げる方法にまとめています。
よくある質問
20代看護師の平均年収はいくらですか?
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、20〜24歳の推定年収は440万1,400円、25〜29歳は501万4,900円です。20代前半から後半にかけて約61万円上がり、生涯で最も上昇幅の大きい時期になります。夜勤に完全に入れるようになることと、賞与が満額になることが主な要因です。
看護師の年収はいつがピークですか?
50〜54歳の577万7,000円がピークです。次いで55〜59歳の573万5,300円となり、60〜64歳では502万8,700円まで下がります。40代以降の伸びは夜勤手当ではなく、役職手当と勤続によるものが中心です。
30代になって年収が下がったのですが、普通ですか?
統計上も、30〜34歳は25〜29歳より約11万円低くなっています。年齢が上がって年収が下がるのはこの階級だけです。産休・育休からの復帰後に夜勤を外れる、時短勤務になる、といった働き方の変化がこの年代に集中しているためと考えられます。夜勤手当にあたる超過労働給与額は月3万円前後の水準です。
大卒と3年課程卒で給料は違いますか?
日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」では、新卒の初任給は手当込みで大卒29万2,527円、高卒+3年課程28万5,078円で、差は7,000円台です。ただし3年課程卒は1年早く働き始めるため、生涯の収入で見ると単純に大卒が有利とは言えません。
40代で転職すると年収は下がりますか?
勤続に応じた手当や賞与の算定が下がることはあります。ただし基本給の水準そのものが高い職場へ移れば、勤続のリセットを上回ることもあります。40代以降の年収の伸びは役職と勤続によるものが中心なので、転職先で役割を任される見込みがあるかどうかが判断の軸になります。
60歳を過ぎても看護師として働けますか?
働けます。統計上も60〜64歳で502万8,700円、65〜69歳で424万505円という水準です。看護師免許に有効期限はなく、更新も不要です。ただし定年後の再雇用では給与体系が変わることが多いため、50代のうちに再雇用の条件を確認しておくことをおすすめします。
平均勤続年数9.8年というのは短いのですか?
平均年齢42.1歳に対して勤続9.8年ですから、多くの看護師が30代前半までに少なくとも一度は職場を変えている計算になります。看護師にとって転職は例外的な行動ではありません。ただし勤続に応じた手当や賞与の算定には影響するため、動く回数と得られる条件を見比べる必要があります。
これらの金額は手取りですか?
手取りではありません。賃金構造基本統計調査の定義では「所得税等を控除する前の額」とされています。手取りは額面のおおむね8割が目安です。また月額には夜勤手当や残業代にあたる超過労働給与額が含まれています。
まとめ|上がり方は一直線ではありません
- 20〜24歳440万円 → 50〜54歳577万円がピーク。差は約137万円です
- 20代後半の伸びが最大(約61万円)。夜勤に入れるようになることが主因です
- 30代前半だけ下がります。夜勤を外れる人がこの年代に集中しているためと考えられます
- 40代以降の伸びは役職と勤続によるものです
- 60歳で約71万円下がります。再雇用の条件は50代のうちに確認してください
- 平均勤続9.8年。看護師にとって転職は例外ではありません
年齢別の数字は、自分の位置を測る物差しです。今の年収が同年代の平均と大きく違うなら、その差は夜勤回数か勤務先の規模で説明がつくことがほとんどです。全体の内訳は看護師の給料・年収はいくら?をご覧ください。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
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