この記事の結論

この記事で分かること

  • 通信制の実務経験要件は、令和8年4月1日から7年以上→5年以上に短縮されています。古い情報が多く残っています。
  • ルートは全日制2年/定時制3年(昼間・夜間)/通信制2年の3つです。
  • 全日制・定時制は、准看護師資格があれば実務経験は不要(中学校卒業の場合のみ3年以上)。
  • 通信制もスクーリングと実習があります。勤務先の理解と協力が前提です。
  • 年収差は約97万円。残りの就業年数が10年以上あれば、年収の面でも検討の価値があります。
  • ケアマネの受験資格、認定・専門看護師の対象になるなど、キャリアの選択肢も広がります。

「通信制は実務経験7年以上でしょ?まだ足りない」
「働きながら看護師になれるの?」
「今から進学して、元は取れる?」

最初に、情報の更新をお伝えします。看護師学校養成所2年課程(通信制)の入学要件は、実務経験7年以上でしたが、令和8年(2026年)4月1日から5年以上に短縮されています。

日本看護協会の「准看護師のための進学特設サイト」でも、通信制の要件として「実務経験7年以上」と示したうえで、「実務経験5年以上:令和8年4月1日から」と注記されています。「まだ7年に届かない」と諦めていた方は、条件が変わっている可能性があります。

この記事では、看護師の求人情報サービスを運営する立場から、3つの進学ルート、それぞれの入学資格、働きながら通う方法、そして年収差から見た判断材料を整理します。

この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・公益社団法人日本看護協会「准看護師のための進学特設サイト」より、看護師学校養成所2年課程の進学ルート
 全日制:教育年限2年。入学資格=准看護師資格を有すること(中学校卒業の場合は実務経験3年以上
 定時制:教育年限3年(昼間・夜間があります)。入学資格は全日制と同じ
 通信制:教育年限2年。入学資格=准看護師資格を有すること(実務経験7年以上)。※注記として「実務経験5年以上:令和8年4月1日から」と示されています
・この見直しは、平成30年(2018年)の保健師助産師看護師学校養成所指定規則の改正に、施行から3年以内に入学要件を見直す旨が含まれていたことを受けたものとされています
保健師助産師看護師法 第5条・第6条:看護師は厚生労働大臣の免許、准看護師は都道府県知事の免許で医師・歯科医師・看護師の指示を受けて業務を行います
・厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」:看護師 推定年収524万7,200円/准看護師 推定年収427万5,200円(差約97万円)。准看護師の平均年齢51.8歳、看護師42.1歳

入学要件・修業年限・出願方法・学費は学校により異なり、制度も改正されることがあります。進学を検討される場合は、必ず日本看護協会および志望校の最新の募集要項をご確認ください。

結論|3つのルートがあり、通信制の要件が緩和されました

課程教育年限入学資格
全日制2年准看護師資格(中学校卒業の場合は実務経験3年以上
定時制3年同上(昼間・夜間があります
通信制2年実務経験7年以上 →【令和8年4月1日から5年以上】

高校を卒業している准看護師の方は、全日制・定時制であれば実務経験がなくても進学できます。実務経験の要件が課されるのは、中学校卒業の場合と、通信制の場合です。

通信制の要件が7年から5年へ

ここが今回いちばんお伝えしたい点です。

時期通信制の入学要件
令和8年3月31日まで実務経験7年以上
令和8年4月1日から実務経験5年以上

出典:日本看護協会「准看護師のための進学特設サイト」の注記。実際の出願要件は志望校の募集要項でご確認ください。

「7年に届かないから無理」と思っていた方へ

  • 実務経験5年で通信制に出願できるようになりました
  • この見直しは、平成30年の指定規則改正に「施行から3年以内に入学要件を見直す」旨が含まれていたことを受けたものとされています
  • 実務経験の数え方(対象となる施設・職種、期間の算定)は学校が定めます。必ず募集要項で確認してください
  • 古い情報のまま「7年以上」と書いている記事が多く残っています

3つのルートの選び方

全日制(2年)定時制(3年)通信制(2年)
働きながら難しいできます(昼間・夜間)できます
期間最短1年長い最短
実務経験不要(中卒は3年以上)不要(中卒は3年以上)5年以上(令和8年4月〜)
通学毎日週数回スクーリングと実習が中心
向いている方短期集中で取りたい収入を維持したい実務経験が長く、通学が難しい

通信制でも実習はあります

通信制は「自宅学習だけで完結する」ものではありません。スクーリング(面接授業)と、臨地実習にあたる学習が組み込まれています。

  • 勤務先の理解と協力が前提になります
  • スクーリングの日程で勤務調整が必要になります
  • 勤務先に「進学したい」と伝えるタイミングを、出願前に考えておいてください

看護師の資格取得を目指したいと考えています。通信制の課程に進む場合、スクーリングや実習で勤務の調整をお願いすることになります。支援の制度や、勤務の扱いについて教えていただけますか」

費用と支援

制度内容
勤務先の奨学金・修学資金「卒業後◯年勤務すれば返還免除」という条件が付くことが多くあります
都道府県の看護師等修学資金県内の指定施設で一定期間勤務することで返還が免除される制度があります
日本学生支援機構などの奨学金課程により対象が異なります
教育訓練給付対象講座かどうかは制度によります

学費は課程・学校により大きく異なります。支援制度の要件・返還免除の条件は、必ず書面でご確認ください。

返還免除の条件を先に確認してください

  • 免除に必要な勤務年数
  • 途中退職した場合の返還額と返還方法
  • □ 卒業後の配属や勤務先を選べるか
  • 在学中の勤務形態(常勤のままか、短時間か)
  • □ 在学中の給与の扱い

年収差から見た判断

看護師准看護師
推定年収524万7,200円427万5,200円97万2,000円
残りの就業年数差額(年97万円で試算)
5年約485万円
10年約970万円
15年約1,455万円
20年約1,940万円

年97万2,000円の差を単純に掛けたものです。実際には在学中の収入減、学費、勤続のリセット、年齢による昇給の差などを差し引く必要があります。判断のための目安としてご覧ください。

差し引いて考えること

  • 在学中の収入の減少(全日制なら大きく、通信制なら小さい)
  • 学費(課程により差があります)
  • 同年代で比べると差はもっと大きい(看護師の50〜54歳は577万7,000円)
  • 進学の負担は年齢とともに重くなります

残りの就業年数が10年以上あるなら、年収の面では検討する価値のある差です。あわせて、認定看護師・専門看護師・ケアマネジャーの受験資格といったキャリアの選択肢が広がる点も判断材料になります(准看護師と看護師の違い)。

年収以外に変わること

変わること内容
応募できる求人大学病院などの大規模病院は看護師に限定している施設が多くあります
認定看護師・専門看護師要件は看護師免許を有すること(認定看護師とは
特定行為研修看護師が対象です(特定行為研修とは
ケアマネジャー受験資格に含まれるようになりますケアマネの受験資格
保健師・助産師進学の前提になります
看護計画の立案指示を受ける立場から、担当する立場へ

企業規模の大きい職場ほど年収が高い傾向があります(1,000人以上で569万8,700円、10〜99人で469万8,200円)。応募できる職場が広がること自体が、収入に効いてきます(勤務先別の看護師の給料)。

進学の準備手順

  1. 自分の実務経験年数を数える(通信制なら5年以上/令和8年4月1日から)
  2. 最終学歴を確認する(中学校卒業の場合、全日制・定時制は実務経験3年以上)
  3. 通える範囲の学校を探す(全日制・定時制・通信制)
  4. 募集要項で入学要件と実務経験の数え方を確認する
  5. 学費と支援制度を調べる
  6. 勤務先に相談する(勤務調整・支援制度・返還条件)
  7. 出願

「実務経験の数え方」は学校が定めます。対象となる施設・職種、期間の算定方法を必ず募集要項で確認してください。

よくある質問

准看護師から看護師になるルートを教えてください。

看護師学校養成所2年課程に進学します。全日制(教育年限2年)、定時制(3年、昼間・夜間あり)、通信制(2年)の3つがあります。全日制・定時制の入学資格は准看護師資格を有することで、中学校卒業の場合は実務経験3年以上が必要です。通信制は実務経験7年以上でしたが、令和8年4月1日から5年以上に短縮されています。

通信制の実務経験は何年必要ですか?

令和8年(2026年)4月1日から5年以上に短縮されています。それ以前は7年以上でした。日本看護協会の進学特設サイトでも、通信制の入学資格に「実務経験7年以上」と示したうえで「実務経験5年以上:令和8年4月1日から」と注記されています。古い情報のまま7年以上と書いている記事が多く残っているため、必ず志望校の最新の募集要項で確認してください。

高校を卒業していれば実務経験は不要ですか?

全日制・定時制については、准看護師資格があれば実務経験は要件になっていません。実務経験3年以上が求められるのは、中学校卒業で准看護師になった場合です。ただし通信制は最終学歴にかかわらず実務経験(令和8年4月1日から5年以上)が必要です。

働きながら通えますか?

定時制(昼間・夜間)と通信制であれば働きながら通えます。ただし通信制も自宅学習だけで完結するものではなく、スクーリングと実習が組み込まれています。勤務先の理解と協力が前提になるため、出願前に勤務先へ相談するタイミングを考えておいてください。

進学すると年収はどのくらい上がりますか?

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」では、看護師524万7,200円と准看護師427万5,200円の差は約97万円です。単純に試算すると残りの就業年数が10年なら約970万円、15年なら約1,455万円の差になります。ここから在学中の収入減、学費、勤続のリセットを差し引いて判断してください。同年代で比べると差はさらに大きくなります。

年収以外に何が変わりますか?

応募できる求人が広がります。大学病院などの大規模病院は看護師に限定している施設が多く、企業規模の大きい職場ほど年収が高い傾向があります。また認定看護師・専門看護師・特定行為研修の対象になり、ケアマネジャーの受験資格にも含まれるようになります。保健師・助産師への進学の前提にもなります。

奨学金を使う場合の注意点はありますか?

勤務先の奨学金には「卒業後◯年勤務すれば返還免除」という条件が付くことが多くあります。免除に必要な勤務年数、途中退職した場合の返還額と返還方法、卒業後の配属や勤務先を選べるか、在学中の勤務形態と給与の扱いを、契約前に書面で確認してください。都道府県の看護師等修学資金にも同様の条件があります。

何歳までに進学すべきですか?

年齢の制限はありませんが、残りの就業年数が判断の目安になります。年収差97万円で試算すると、残りが10年以上あれば年収の面では検討する価値があります。ただし進学の負担は年齢とともに重くなるため、判断は早いほうが有利です。准看護師の平均年齢は51.8歳で、これは新しく准看護師になる人が減っていることも示しています。

まとめ|通信制の要件が5年に変わりました

  • 通信制の実務経験要件は、令和8年4月1日から7年以上→5年以上に短縮されています
  • ルートは全日制2年・定時制3年・通信制2年の3つ
  • 全日制・定時制は、准看護師資格があれば実務経験は不要(中学校卒業の場合のみ3年以上)
  • 通信制もスクーリングと実習があります。勤務先の協力が前提です
  • 年収差は約97万円。残りの就業年数が10年以上あれば検討の価値があります
  • ケアマネの受験資格、認定・専門看護師の対象になるなど、選択肢も広がります

「7年に届かないから」と諦めていた方は、いま条件を確認し直す価値があります。資格の位置づけは准看護師とは、制度の今後は准看護師制度は廃止されるのかをご覧ください。

あわせて読みたい准看護師という資格

執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

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