この記事の結論
この記事で分かること
- 准看護師制度の廃止は決まっていません。時期も定められていません。
- 免許に有効期限はなく、失効の予定もありません。更新も不要です。
- 日本看護協会は「創設当時から一貫して准看護師養成の停止に取り組んでいる」と明言しています。
- 実際に養成所は減少し、平均年齢は51.8歳と看護師より約10歳高くなっています。
- 一方で通信制の実務経験要件は令和8年4月1日から5年以上に短縮され、進学のハードルは下がっています。
- 判断すべきは廃止の有無ではなく、残りの就業年数と年収差97万円です。
「准看護師って、廃止されるって本当?」
「いつからなくなるの?」
「今持っている免許は使えなくなる?」
結論から書きます。准看護師制度の廃止は決まっていません。廃止の時期も定められていません。そして現に免許をお持ちの方の資格が失われることも、予定されていません。
では、なぜ「廃止」という言葉が繰り返し検索されるのか。理由は日本看護協会の方針にあります。同協会は「准看護師制度が創設された当時から、一貫して准看護師養成の停止に取り組んでいます」と明言しています。
ここで区別すべきは、「制度の廃止」と「養成の停止」は別のことだという点です。前者は決まっていませんが、後者は実際に進んでいます。准看護師の平均年齢が51.8歳と、看護師(42.1歳)より約10歳高いのは、その結果です。
この記事では、看護師の求人情報サービスを運営する立場から、「廃止」をめぐる事実関係、いま起きていること、そして准看護師として働く方が取るべき現実的な判断を整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・公益社団法人日本看護協会は、准看護師制度について「准看護師制度が創設された当時から、一貫して准看護師養成の停止に取り組んでいます」としています
・同協会は准看護師について「中学校卒業を要件に看護師を補助する資格として発足」した資格であり、「看護を行うには看護師等の指示が必要な資格」「教育内容、時間ともに不足している」と説明しています
・保健師助産師看護師法 第6条:准看護師とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定すること(療養上の世話又は診療の補助)を行うことを業とする者
・厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」:准看護師の推定年収 427万5,200円/平均年齢51.8歳/勤続13.6年/就業経験0年の月額22万3,800円。看護師は推定年収524万7,200円/平均年齢42.1歳/勤続9.8年
・看護師学校養成所2年課程(通信制)の入学要件は実務経験7年以上でしたが、令和8年4月1日から5年以上に短縮されています(日本看護協会「准看護師のための進学特設サイト」)
制度の見直しに関する議論は継続しています。この記事は確認時点の公開情報に基づく整理であり、将来の制度変更を予測するものではありません。最新の状況は厚生労働省および関係団体の公表情報をご確認ください。
結論|廃止は決まっていません。ただし養成は減っています
| 問い | 答え |
|---|---|
| 制度は廃止されるのか | 廃止は決まっていません |
| いつから廃止されるのか | 時期は定められていません |
| 今の免許は使えなくなるのか | 失効の予定はありません |
| 養成は減っているのか | 減っています。養成を停止した地域があります |
| 求人はあるのか | 介護施設・クリニックを中心に多くあります |
「廃止される」という言い方と「養成が減っている」という事実は、切り分けて理解してください。
なぜ「廃止」と言われるのか
日本看護協会は、准看護師制度について明確な立場を示しています。
「日本看護協会では、准看護師制度が創設された当時から、一貫して准看護師養成の停止に取り組んでいます」(公益社団法人日本看護協会)
協会が挙げている理由
| 指摘されている点 | 内容 |
|---|---|
| 発足の経緯 | 「中学校卒業を要件に看護師を補助する資格として発足」 |
| 業務の位置づけ | 「看護を行うには看護師等の指示が必要な資格」 |
| 教育 | 「教育内容、時間ともに不足している」 |
この主張は「養成の停止」を求めるものであり、現に働いている准看護師の資格を取り上げるという趣旨ではありません。
実際に起きていること
①平均年齢が10歳高い
| 准看護師 | 看護師 | |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 51.8歳 | 42.1歳 |
| 平均勤続年数 | 13.6年 | 9.8年 |
| 推定年収 | 427万5,200円 | 524万7,200円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(企業規模計10人以上)。
平均年齢が約10歳高いということは、新しく入ってくる人が少ないということです。就業経験0年の准看護師の月額が22万3,800円であることからも、新規参入の規模が限られていることがうかがえます。
②養成所が減っています
- 准看護師学校養成所の数は減少しています
- 養成を停止した地域があります
- 通える範囲に養成所がない地域も出てきています
③一方で、進学の要件は緩和されています
看護師学校養成所2年課程(通信制)の入学要件は、実務経験7年以上から、令和8年4月1日に5年以上へ短縮されました。
これは「准看護師のまま働き続ける」より「看護師へ進学しやすくする」方向の変更と読めます。制度全体として、准看護師から看護師への移行を進めやすくしているという見方ができます(准看護師から看護師になるには)。
准看護師として働いている方が取るべき判断
「廃止されるかどうか」を心配するより、確実に分かっている事実から判断するほうが実務的です。
| 確実に分かっていること | そこから言えること |
|---|---|
| 年収差は約97万円 | 進学の経済的な効果は明確です |
| 大規模病院は看護師限定の求人が多い | 応募できる職場に差があります |
| 認定・専門看護師、ケアマネの受験資格は対象外 | キャリアの選択肢に制限があります |
| 通信制の要件が5年に短縮された | 進学のハードルは下がっています |
| 介護施設・クリニックの求人は多い | 働く場所自体はあります |
判断の目安は「残りの就業年数」です
| 残りの就業年数 | 年収差97万円での試算 |
|---|---|
| 5年 | 約485万円 |
| 10年 | 約970万円 |
| 15年 | 約1,455万円 |
単純に掛けた目安です。在学中の収入減、学費、勤続のリセットを差し引いて判断してください。
残りの就業年数が10年以上あるなら、進学は年収の面でも検討する価値があります。逆に、あと数年で退職を予定している方が、廃止を心配して急いで進学する必要はありません。
免許は失効しません
不安を煽る情報が出回りやすい分野なので、はっきり書きます。
- 准看護師免許に有効期限はありません。更新も不要です
- 制度が見直された場合でも、既に取得した免許を遡って無効にするような扱いは、通常は想定されません
- 過去に他の資格制度が移行した際も、既取得者には経過措置が設けられるのが一般的です
- 「もうすぐ使えなくなる」といった説明を見かけたら、出典を確認してください
将来の制度変更について確約するものではありません。制度の動向は厚生労働省および関係団体の公表情報でご確認ください。
これから准看護師を目指す方へ
これから取得を検討している方は、次の点を踏まえて判断してください。
| 考慮すべき点 | 内容 |
|---|---|
| 養成所が減っています | 通える範囲に学校があるかを先に確認してください |
| 入口は広い | 中学校卒業以上・2年課程。働きながら通える課程もあります |
| その先に進学ルートがある | 「准看護師→看護師」を前提に計画すると位置づけが定まります |
| キャリアの制限 | 認定・専門看護師、ケアマネの受験資格は対象外です |
「准看護師で終わり」と考えるか、「看護師への入口」と考えるかで、この資格の評価は変わります。取得の道筋は准看護師になるにはをご覧ください。
よくある質問
准看護師制度は廃止されるのですか?
廃止は決まっていません。時期も定められていません。「廃止」という言葉が広く検索されるのは、日本看護協会が「准看護師制度が創設された当時から、一貫して准看護師養成の停止に取り組んでいます」という方針を示しているためです。これは養成の停止を求めるものであり、現に働いている准看護師の資格を取り上げるという趣旨ではありません。
いつから廃止されるのですか?
廃止の時期は定められていません。制度の見直しに関する議論は継続していますが、廃止が決定した事実はありません。最新の状況は厚生労働省および関係団体の公表情報でご確認ください。
今持っている准看護師免許は使えなくなりますか?
失効の予定はありません。准看護師免許に有効期限はなく、更新も不要です。仮に制度が見直された場合でも、既に取得した免許を遡って無効にするような扱いは通常は想定されず、過去に他の資格制度が移行した際も既取得者には経過措置が設けられるのが一般的です。「もうすぐ使えなくなる」という説明を見かけたら、出典を確認してください。
日本看護協会はなぜ養成停止を求めているのですか?
同協会は、准看護師が「中学校卒業を要件に看護師を補助する資格として発足」したこと、「看護を行うには看護師等の指示が必要な資格」であること、「教育内容、時間ともに不足している」ことを挙げています。制度が発足した当時と現在では医療の状況が変わっていることが、主張の背景にあります。
准看護師の求人はなくなりますか?
現在も介護施設やクリニックを中心に多くの求人があります。ただし大学病院などの大規模病院では看護師に限定している施設が多く、応募できる職場に差があります。養成所の減少により准看護師の人数は今後さらに減っていくと見られますが、それは求人がなくなることとは別の話です。
准看護師の平均年齢が高いのはなぜですか?
新しく准看護師になる人が減っているためです。厚生労働省の調査では准看護師の平均年齢は51.8歳で、看護師(42.1歳)より約10歳高くなっています。就業経験0年の准看護師の月額が22万3,800円であることからも、新規参入の規模が限られていることがうかがえます。
廃止が心配なので、急いで進学すべきですか?
廃止を理由に急ぐ必要はありません。判断すべきは残りの就業年数です。看護師との年収差は約97万円で、残りが10年以上あれば年収の面では検討する価値があります。逆に、あと数年で退職を予定している方が廃止を心配して急いで進学する必要はありません。なお通信制の実務経験要件は令和8年4月1日から5年以上に短縮されており、進学のハードルは下がっています。
これから准看護師を目指すのはやめたほうがよいですか?
目的によります。中学校卒業以上・2年課程という入口の広さは、他の医療系資格にはない特徴です。ただし養成所は減少しており、通える範囲に学校があるかを先に確認する必要があります。また認定看護師・専門看護師・ケアマネジャーの受験資格は対象外です。「准看護師で終わり」ではなく「看護師への入口」と位置づけて計画するのが現実的です。
まとめ|「制度の廃止」と「養成の停止」は別の話です
- 准看護師制度の廃止は決まっていません。時期も定められていません
- 免許に有効期限はなく、失効の予定もありません
- 日本看護協会は「一貫して准看護師養成の停止に取り組んでいる」と明言しています
- 実際に養成所は減少し、平均年齢は51.8歳と看護師より約10歳高くなっています
- 一方で通信制の実務経験要件は令和8年4月1日から5年以上に短縮されました
- 判断すべきは廃止の有無ではなく、残りの就業年数と年収差97万円です
不安を軸に判断すると、動くべきときに動けず、急ぐ必要のないときに焦ることになります。確実に分かっている数字から決めてください。進学ルートは准看護師から看護師になるには、資格の位置づけは准看護師とはをご覧ください。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
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