この記事の結論
この記事で分かること
- 入学資格は中学校卒業以上、修業年限2年。高校を卒業していなくても目指せます。
- 准看護師試験は国家試験ではなく、各都道府県知事が実施します。免許も都道府県知事が与えます。
- 働きながら通える課程があります。医師会立の学校が多くあります。
- 奨学金には「卒業後◯年勤務で返還免除」の条件が付きます。年数と返還方法を書面で確認してください。
- 中学校卒業で取得した場合、看護師課程(全日制・定時制)への進学に実務経験3年以上が必要です。
- 養成所は減少しています。通える範囲に学校があるかを先に確認してください。
「中卒でも准看護師になれるって本当?」
「働きながら通えるの?」
「試験は国家試験じゃないの?」
准看護師の資格取得ルートは、看護師より入口が広く設定されています。准看護師学校養成所の入学資格は中学校卒業以上、修業年限は2年。そして准看護師試験は国家試験ではなく、各都道府県知事が実施します。
この「中学校卒業以上・2年」という設計には理由があります。日本看護協会の説明では、准看護師は「中学校卒業を要件に看護師を補助する資格として発足」したものです。看護師の3年課程(高校卒業以上が中心)と比べると、入口が広く、期間が1年短いという位置づけになります。
この記事では、看護師の求人情報サービスを運営する立場から、入学資格、学校の種類、働きながら通う方法、試験、そして取得後の道筋を整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・准看護師学校養成所:入学資格は中学校卒業以上、修業年限は2年。課程を修了すると各都道府県知事が行う准看護師試験の受験資格が得られます
・保健師助産師看護師法 第6条:准看護師とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定すること(療養上の世話又は診療の補助)を行うことを業とする者
・学校・養成所の指定は保健師助産師看護師学校養成所指定規則に基づきます
・公益社団法人日本看護協会は、准看護師について「中学校卒業を要件に看護師を補助する資格として発足」した資格であると説明し、「准看護師制度が創設された当時から、一貫して准看護師養成の停止に取り組んでいます」としています
・看護師学校養成所2年課程(准看護師からの進学):全日制2年/定時制3年/通信制2年。全日制・定時制の入学資格は准看護師資格(中学校卒業の場合は実務経験3年以上)、通信制は実務経験7年以上(※令和8年4月1日から5年以上)
・厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査」:准看護師の推定年収 427万5,200円/就業経験0年の月額 22万3,800円
学校ごとの入学資格・選抜方法・学費・修業年限は各校が定めています。試験の日程・出願方法は都道府県により異なります。必ず志望校および都道府県の看護行政担当課の最新の案内をご確認ください。
結論|中学校卒業以上・2年・都道府県の試験です
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入学資格 | 中学校卒業以上 |
| 修業年限 | 2年 |
| 学ぶ場所 | 准看護師学校養成所(各都道府県の指定を受けた学校・養成所) |
| 試験 | 各都道府県知事が実施する准看護師試験(国家試験ではありません) |
| 免許 | 都道府県知事の免許 |
| その後 | 看護師への進学ルートが用意されています |
看護師の資格取得と比べたときの最大の違いは、入学の間口と期間です。高校を卒業していなくても目指せる医療系の資格は限られています。
看護師のルートとの比較
| 准看護師 | 看護師 | |
|---|---|---|
| 入学資格 | 中学校卒業以上 | 高等学校卒業以上が中心 |
| 修業年限 | 2年 | 3年課程・4年制大学など |
| 試験 | 都道府県知事が実施 | 国家試験 |
| 免許 | 都道府県知事 | 厚生労働大臣 |
| 働きながら | 通いやすい課程があります | 課程によります |
働きながら通えるか
准看護師学校養成所には、働きながら通える形の課程があります。これがこのルートの実務的な利点です。
- 午後や夜間に授業を行う課程を設けている学校があります
- 医療機関や介護施設で働きながら通う方が実際にいます
- 准看護師学校を運営しているのは、医師会立の学校が多くあります
- 勤務先が学費を支援する制度を設けている場合があります
授業の時間帯・通学の負担・学費は学校により大きく異なります。必ず志望校の募集要項でご確認ください。
看護助手として働きながら目指す方もいます
看護助手(看護補助者)は、必須の資格がない職種です。医療現場で働きながら准看護師を目指すという順序を取る方もいます(看護助手に必須の資格はありません)。
介護の現場から目指す場合も同様です。介護職の経験は、看護の学びと重なる部分があります。
学費の支援制度
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 勤務先の奨学金・修学資金 | 「卒業後◯年勤務すれば返還免除」という条件が付くことが多くあります |
| 都道府県の看護師等修学資金 | 県内の指定施設で一定期間勤務することで返還が免除される制度があります |
| 日本学生支援機構などの奨学金 | 学校により対象が異なります |
| 教育訓練給付 | 対象講座かどうかは制度により異なります |
返還免除の条件は必ず書面で確認してください
病院の奨学金には「卒業後◯年間、当院に勤務すること」という条件が付くのが一般的です。途中で退職すると返還が必要になります。
- 免除に必要な勤務年数
- 途中退職した場合の返還額と返還方法
- 勤務先や配属を選べるか
- 進学(看護師課程)した場合の扱い
奨学金の条件は制度ごとに異なります。契約前に書面で確認し、不明な点は必ず質問してください。
試験|国家試験ではありません
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 各都道府県知事 |
| 受験資格 | 准看護師学校養成所の課程を修了した者など |
| 免許 | 合格後、都道府県知事の免許を受けます |
| 日程・出願 | 都道府県により異なります |
試験の日程、出願の方法、受験手数料は都道府県ごとに定められています。複数の都道府県で受験できる場合もありますが、扱いは各都道府県の案内でご確認ください。
取得後の年収
| 金額 | |
|---|---|
| 准看護師の推定年収 | 427万5,200円 |
| 就業経験0年の月額 | 22万3,800円(諸手当込み、年間賞与0円) |
| 看護師の推定年収 | 524万7,200円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。所得税等を控除する前の額。
詳しくは准看護師の給料と年収をご覧ください。
取得後の進路|看護師への道が用意されています
准看護師の資格を取ったあと、看護師を目指すルートが制度として整えられています。
| 課程 | 年限 | 入学資格 |
|---|---|---|
| 全日制 | 2年 | 准看護師資格(中学校卒業の場合は実務経験3年以上) |
| 定時制 | 3年 | 同上(昼間・夜間があります) |
| 通信制 | 2年 | 実務経験7年以上(※令和8年4月1日から5年以上) |
中学校卒業で准看護師になった場合、看護師課程(全日制・定時制)への入学には実務経験3年以上が必要になります。この点は進学の計画を立てるときに効いてきます。
詳しくは准看護師から看護師になるにはにまとめています。
取る前に知っておきたいこと
不利益になりやすい点なので、はっきり書きます。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 養成所が減っています | 日本看護協会は一貫して准看護師養成の停止に取り組んでおり、養成所を停止した地域もあります |
| 大規模病院の求人は限られます | 大学病院などは看護師に限定している施設が多くあります |
| キャリアの選択肢に制限があります | 認定看護師・専門看護師・保健師・助産師・ケアマネジャーはいずれも対象外です |
| 年収差が約97万円 | 看護師との差です |
| 通える学校が近くにない場合がある | 地域により学校数に差があります |
「まず准看護師を取り、働きながら看護師を目指す」という順序を前提に考えると、この資格の位置づけが定まります。制度の今後は准看護師制度は廃止されるのかで扱っています。
よくある質問
准看護師になるにはどうすればよいですか?
准看護師学校養成所(入学資格は中学校卒業以上、修業年限2年)で所定の課程を修了し、各都道府県知事が実施する准看護師試験に合格して、都道府県知事の免許を受けます。看護師の3年課程(高校卒業以上が中心)と比べて、入学の間口が広く期間が1年短い設計になっています。
中卒でもなれますか?
なれます。准看護師学校養成所の入学資格は中学校卒業以上です。高校を卒業していなくても目指せる医療系の資格は限られており、これがこのルートの特徴です。ただし中学校卒業で准看護師になった場合、その後の看護師課程(全日制・定時制)への入学には実務経験3年以上が必要になります。
働きながら通えますか?
午後や夜間に授業を行う課程を設けている学校があり、医療機関や介護施設で働きながら通う方がいます。准看護師学校は医師会立の学校が多く、勤務先が学費を支援する制度を設けている場合もあります。授業の時間帯や通学の負担は学校により大きく異なるため、志望校の募集要項で確認してください。
試験は国家試験ですか?
国家試験ではありません。准看護師試験は各都道府県知事が実施します。合格後の免許も都道府県知事が与えます。試験の日程、出願方法、受験手数料は都道府県ごとに定められているため、受験を予定する都道府県の案内をご確認ください。
病院の奨学金を使う場合の注意点はありますか?
「卒業後◯年間、当院に勤務すること」という返還免除の条件が付くのが一般的です。途中で退職すると返還が必要になります。免除に必要な勤務年数、途中退職した場合の返還額と返還方法、勤務先や配属を選べるか、看護師課程へ進学した場合の扱いを、契約前に書面で確認してください。
取得後すぐに看護師を目指せますか?
ルートによります。全日制(2年)・定時制(3年)は准看護師資格があれば進学でき、中学校卒業の場合のみ実務経験3年以上が必要です。通信制(2年)は実務経験7年以上が要件でしたが、令和8年4月1日から5年以上に短縮されています。高校を卒業している方であれば、准看護師取得後すぐに全日制・定時制へ進学することも可能です。
これから取っても意味がありますか?
介護施設やクリニックでは准看護師の求人が多くあり、資格として機能しています。ただし日本看護協会は一貫して准看護師養成の停止に取り組んでおり、養成所を停止した地域もあります。また認定看護師・専門看護師・ケアマネジャーなどキャリアの選択肢に制限があります。「まず准看護師を取り、働きながら看護師を目指す」という順序を前提に考えるのが現実的です。
看護師との年収差はどのくらいですか?
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」では、准看護師の推定年収427万5,200円に対し看護師は524万7,200円で、差は約97万円です。就業経験0年の准看護師の月額は22万3,800円(諸手当込み、年間賞与0円)です。
まとめ|入口が広く、期間が短いルートです
- 入学資格は中学校卒業以上、修業年限2年。高校を卒業していなくても目指せます
- 准看護師試験は国家試験ではなく、各都道府県知事が実施します
- 働きながら通える課程があります。医師会立の学校が多くあります
- 奨学金には返還免除の条件が付きます。年数と返還方法を書面で確認してください
- 中学校卒業で取得した場合、看護師課程への進学に実務経験3年以上が必要です
- 養成所は減少しています。キャリアの選択肢にも制限があります
この資格は、「働きながら医療職として一歩目を踏み出す」ための入口として設計されています。その先に看護師への進学ルートがあることまで含めて計画を立ててください。看護師との違いは准看護師と看護師の違いをご覧ください。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
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