この記事の結論
この記事で分かること
- 平均給与額353,950円。介護職員より月15,750円・年間約19万円高い水準です。
- 平均基本給等の差は23,990円で、給与差(15,750円)より大きくなっています。夜勤手当が乗らないためです。
- 基本給が高いことは、賞与と退職金の算定に効きます。
- 処遇改善加算を生活相談員に配分している事業所は50.8%。約半数は配分していません。
- 平均給与額の12倍(約425万円)は賞与を含んだ年収の近似として読んでください。
- 介護職から移るときは直近の夜勤手当の総額と、提示された基本給を並べて比べてください。
「生活相談員になると、給料はどのくらい上がるの?」
「夜勤がなくなる分、下がるんじゃないの?」
「相談員は処遇改善加算の対象になるの?」
数字で答えます。厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、生活相談員・支援相談員の平均給与額は月353,950円。介護職員の338,200円より15,750円高い水準です(いずれも月給・常勤の者、令和6年9月)。
さらに大事なのは基本給の差です。平均基本給等では生活相談員277,800円に対し介護職員253,810円で、差は23,990円。つまり基本給の差(約24,000円)のほうが、実際の給与差(約15,750円)より大きいという関係になっています。
この差の意味は一つです。生活相談員には夜勤手当が乗らないため、基本給の差ほどには総額が開かないということです。この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、実際の水準、他職種との比較、処遇改善加算の扱い、そして年収の見積もり方を整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(月給・常勤の者、令和6年9月)
平均給与額:生活相談員・支援相談員 353,950円(前年同月比+13,800円)/介護職員 338,200円(+13,960円)/看護職員 384,620円/介護支援専門員 375,410円/PT・OT・ST又は機能訓練指導員 362,800円/事務職員 317,620円
平均基本給等:生活相談員・支援相談員 277,800円(+10,680円)/介護職員 253,810円(+11,130円)/看護職員 290,590円/介護支援専門員 290,340円
・同調査の定義:平均給与額=基本給(月額)+手当+一時金(4〜9月支給金額の1/6)。平均基本給等=基本給(月額)+毎月決まって支払われる手当(通勤手当・扶養手当・超過労働給与額等は含まない)
・同調査の介護職員等処遇改善加算の配分状況:生活相談員・支援相談員へ配分している事業所は50.8%(看護職員51.9%、介護支援専門員34.3%。複数回答)
・調査対象は介護職員等処遇改善加算Ⅰ〜Ⅴを取得(届出)している事業所
統計は調査年により改定されます。金額は全国平均であり、個別の給与を示すものではありません。実際の支給額は事業所・雇用形態・地域・経験年数などにより異なります。
結論|介護職員より月15,750円、年間で約19万円高い水準です
| 職種 | 平均給与額 | 平均基本給等 | その差 |
|---|---|---|---|
| 看護職員 | 384,620円 | 290,590円 | 94,030円 |
| 介護支援専門員 | 375,410円 | 290,340円 | 85,070円 |
| PT・OT・ST又は機能訓練指導員 | 362,800円 | — | — |
| 生活相談員・支援相談員 | 353,950円 | 277,800円 | 76,150円 |
| 介護職員 | 338,200円 | 253,810円 | 84,390円 |
| 事務職員 | 317,620円 | 248,410円 | 69,210円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(月給・常勤の者、令和6年9月)。「その差」は平均給与額と平均基本給等の差で、毎月決まって支払われる手当以外の手当と一時金にあたる部分です。
この表の読み方
一番右の列に注目してください。介護職員の84,390円に対し、生活相談員は76,150円。生活相談員のほうが8,240円小さくなっています。
平均基本給等には超過労働給与額(時間外・深夜・休日出勤の手当)が含まれないと定義されています。つまりこの差は、夜勤手当や残業代にあたる部分です。生活相談員は原則として夜勤がないため、ここが薄くなります。
基本給では約24,000円の差があります
| 生活相談員・支援相談員 | 介護職員 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 平均基本給等 | 277,800円 | 253,810円 | +23,990円 |
| 平均給与額 | 353,950円 | 338,200円 | +15,750円 |
この2つの差を比べると、生活相談員という職種の性格が見えてきます。
- 土台(基本給)は高い。資格要件のある職種として評価されています
- 夜勤手当が乗らないぶん、総額の差は縮まる
- 基本給が高いことは、賞与と退職金に効きます(多くの事業所で基本給を基準に計算されるため)
つまり「夜勤を外れても手取りが大きくは下がらない」のが、介護職から生活相談員に移るときの実際の姿です。夜勤を続けている方が移ると、一時的に総額が下がることもあります。
年収の見積もり方|単純に12倍しないでください
ここは間違えやすいところです。この調査の「平均給与額」は、基本給+手当+一時金(4〜9月支給金額の1/6)という定義です。
| やり方 | 結果 | 注意 |
|---|---|---|
| 353,950円 × 12 | 約425万円 | 一時金の一部が月額に均されて含まれた数字です |
| 基本給等277,800円 × 12+賞与 | 賞与の月数によります | 賞与4か月なら約444万円 |
この調査の平均給与額を12倍した金額は、賞与を含んだ年収の近似として読むのが妥当です。「月35万円もらえて、さらにボーナスが別にある」と読むと、実態より高く見積もることになります。
一時金の算入方法(4〜9月支給金額の1/6)は調査上の定義です。実際の賞与の支給時期・回数・月数は事業所により異なります。
処遇改善加算は、生活相談員にも配分されています
| 職種 | 加算を配分している事業所の割合 |
|---|---|
| 看護職員 | 51.9% |
| 生活相談員・支援相談員 | 50.8% |
| 介護支援専門員 | 34.3% |
| PT・OT・ST又は機能訓練指導員 | 32.8% |
| 事務職員 | 37.9% |
| 管理栄養士・栄養士 | 20.4% |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(複数回答)。介護職員等処遇改善加算の届出をしていると回答した施設・事業所の状況。
介護職以外の職種のなかでは、看護職員に次いで配分されている職種です。ただし裏を返せば、約半数の事業所では配分されていません。面接で確認しておく価値があります。
「介護職員等処遇改善加算は、生活相談員にも配分されていますか。配分される場合、月額でおよそいくらになりますか」
給与が上がりやすい条件
| 条件 | 効き方 |
|---|---|
| 処遇改善加算の配分がある事業所 | 約半数の事業所が配分しています。ここで差が出ます |
| 社会福祉士を持っている | 資格手当が設定されている事業所があります |
| 介護支援専門員を併せ持つ | ケアマネ職の平均は375,410円です |
| 相談員が複数配置の事業所 | 休みが取りやすく、時間外が抑えられます |
| 法人規模が大きい | 賞与の月数が安定している傾向があります |
| 管理者・生活相談員主任などの役職 | 役職手当が付きます |
介護支援専門員へ進む道はケアマネの受験資格、年収の上限はケアマネで年収1000万は可能?で扱っています。
求人票で確認すべき7項目
- □ 月給の内訳(基本給がいくらか)
- □ 賞与は年何か月分か。基礎になるのは基本給か
- □ 処遇改善加算の配分はあるか。月額いくらか
- □ 介護業務・送迎の兼務はあるか(兼務があると時間外が増えます)
- □ 相談員は何名配置か
- □ 資格手当(社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員)の有無と金額
- □ 時間外労働の実績
面接での聞き方は介護職の面接で聞かれる質問の逆質問の章にまとめています。
介護職から移るときの注意点
不利益になりうる点なので、はっきり書きます。
| 起きること | 内容 |
|---|---|
| 夜勤手当がなくなる | 夜勤を多く入っていた方は、総額が一時的に下がることがあります |
| 時間外が読みにくい | 家族対応や急な相談は、時間で区切れません |
| 兼務だと業務量が増える | 現場に入りながら相談業務を残業で処理する形になりがちです |
| 加算の配分がない事業所がある | 約半数は配分していません |
「相談員になれば楽になって給料も上がる」と単純化しないでください。上がるのは基本給、増えるのは調整業務、というのが実際です。仕事の中身は生活相談員とはをご覧ください。
よくある質問
生活相談員の平均給料はいくらですか?
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、生活相談員・支援相談員の平均給与額は月353,950円です(月給・常勤の者、令和6年9月)。前年同月比で13,800円増えています。平均基本給等は277,800円です。調査対象は介護職員等処遇改善加算Ⅰ〜Ⅴを取得している事業所です。
介護職員と比べてどのくらい高いですか?
平均給与額では月15,750円高く、年間にすると約19万円の差になります。ただし平均基本給等で比べると23,990円の差があり、基本給の差のほうが大きくなっています。生活相談員には夜勤手当が乗らないため、基本給の差ほどには総額が開かないという構造です。
生活相談員の年収はいくらになりますか?
平均給与額353,950円を12倍すると約425万円です。ただしこの調査の平均給与額は基本給+手当+一時金(4〜9月支給金額の1/6)という定義なので、12倍した金額は賞与を含んだ年収の近似として読んでください。「月35万円もらえて、さらにボーナスが別にある」と読むと実態より高く見積もることになります。
処遇改善加算は生活相談員にも配分されますか?
配分している事業所は50.8%です(複数回答)。介護職以外の職種のなかでは看護職員の51.9%に次ぐ割合ですが、裏を返せば約半数の事業所では配分されていません。面接で「生活相談員にも配分されているか、月額でおよそいくらか」を確認してください。
夜勤がなくなると手取りは下がりませんか?
夜勤を多く入っていた方は、一時的に総額が下がることがあります。ただし平均基本給等では生活相談員のほうが23,990円高く、土台は上がります。基本給が高いことは賞与と退職金の算定にも効くため、長期で見れば不利とは限りません。ご自身の直近の夜勤手当の総額と、提示された基本給を比べて判断してください。
ケアマネジャーと比べるとどうですか?
介護支援専門員の平均給与額は375,410円で、生活相談員より21,460円高い水準です。平均基本給等では290,340円で、生活相談員の277,800円より12,540円高くなっています。ただし介護支援専門員は受験資格の要件が厳しく、資格取得までの時間がかかります。
給料を上げるにはどうすればよいですか?
処遇改善加算を配分している事業所を選ぶことが、最も分かりやすい差になります。次に資格手当で、社会福祉士や介護支援専門員に手当を設定している事業所があります。役職に就くこと、賞与の月数が安定している法人を選ぶことも効きます。求人票では基本給の額と賞与の支給月数を必ず確認してください。
非常勤・パートの生活相談員でも同じ水準ですか?
この記事の数値はすべて「月給・常勤の者」の集計です。非常勤やパートの場合は勤務時間に応じた金額になり、賞与や処遇改善加算の配分の扱いも異なることがあります。求人票で雇用形態ごとの条件を確認してください。
まとめ|上がるのは基本給、増えるのは調整業務です
- 平均給与額353,950円。介護職員より月15,750円・年間約19万円高い水準です
- 基本給の差は23,990円。給与差より基本給差のほうが大きいのがこの職種の特徴です
- 理由は夜勤手当が乗らないから。土台は高いが、上乗せが薄くなります
- 基本給が高いことは、賞与と退職金に効きます
- 処遇改善加算の配分は50.8%。約半数の事業所では配分されていません
- 平均給与額の12倍(約425万円)は賞与込みの年収の近似として読んでください
介護職から生活相談員へ移るときは、直近の夜勤手当の総額と、提示された基本給を並べて比べてください。それが最も実態に近い比較になります。要件の確認は生活相談員の資格要件から始めてください。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
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