この記事の結論

この記事で分かること

  • サービス等利用計画を作る職種です。立ち位置は居宅介護支援事業所のケアマネジャーとほぼ同じ。
  • 国家試験はありません。実務経験+相談支援従事者初任者研修(7日間)の修了で要件を満たします。
  • 5年に1回の現任研修(4日間)で資格を継続します。主任研修の修了は現任研修とみなされます。
  • サビ管との違いは立ち位置。外から全体を組むのが相談支援専門員、事業所の中で計画を作るのがサビ管です。
  • 老人福祉施設・老健・訪問介護などの介護経験が実務経験の対象に含まれます。
  • 負担は1人あたりの担当件数とモニタリングの期限管理に集中します。

「相談支援専門員って、ケアマネの障害福祉版?」
「サビ管とは何が違うの?」
「介護の経験は活かせるの?」

いちばん短い説明はこうです。相談支援専門員は、障害のある方の「サービス等利用計画」を作る職種です。介護保険でいえば、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに当たる立場になります。

混同されやすいサービス管理責任者(サビ管)との違いもはっきりしています。相談支援専門員は事業所の外から利用者全体の計画を組み立て、サビ管は事業所の中で自分たちの支援計画を作ります。ケアマネとサービス提供責任者の関係とほぼ同じ構造です。

この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、実際の業務、ケアマネ・サビ管との違い、介護経験の活かし方、そして負担になりやすい点を整理します。

この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・相談支援専門員は、①相談支援従事者研修の受講 ②実務経験(3年・5年・10年)を要件とします(東京都「相談支援専門員の要件」)
相談支援従事者初任者研修:講義2日と演習5日(演習の間に実習を含む)の合計7日間の全課程を修了する必要があります
相談支援従事者現任研修:初任者研修を修了し現に相談支援事業所に従事している者が5年に1回受講することで資格を継続できます。講義1日と演習3日の合計4日間。なお「相談支援従事者主任研修」(5日間課程)を修了した場合は、現任研修を修了したものとみなされます
・実務経験の根拠:平成24年3月30日 厚生労働省告示第227号「指定計画相談支援の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの」(令和6年3月15日 厚生労働省告示第3号改正現在)
・実務経験となる業務には、障害者支援施設・老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院・保険医療機関・訪問看護事業所・障害福祉サービス事業・老人居宅介護等事業などでの相談支援業務・介護等の業務が含まれます

研修の日程・実施回数・実務経験の判定は都道府県により異なります。ご自身の該当可否は、必ず都道府県または指定権者にご確認ください。

結論|「サービス等利用計画」を作る、障害福祉の相談職です

項目内容
置かれる場所指定特定相談支援事業所・指定一般相談支援事業所など
作る計画サービス等利用計画(障害児は障害児支援利用計画)
資格実務経験+相談支援従事者初任者研修(7日間)の修了
更新5年に1回の現任研修(4日間)
介護経験の扱い老人福祉施設・老健・訪問介護などの経験が対象に含まれます
夜勤原則ありません

ケアマネジャー・サビ管との違い

相談支援専門員ケアマネジャーサービス管理責任者
根拠法障害者総合支援法介護保険法障害者総合支援法
対象障害のある方要介護の高齢者障害のある方
立ち位置事業所の外から全体を組む事業所の外から全体を組む事業所の中で支援計画を作る
作る計画サービス等利用計画居宅サービス計画個別支援計画
資格の取り方実務経験+初任者研修実務経験+試験+研修実務経験+基礎研修・実践研修
更新5年ごとの現任研修5年ごとの更新研修更新研修

相談支援専門員には国家試験がありません。実務経験を満たしたうえで、都道府県の初任者研修(7日間)を修了すれば要件を満たします。ケアマネジャーとの大きな違いはここです(ケアマネの受験資格)。

仕事内容|5つに整理できます

1.相談受付とアセスメント

本人・家族から生活の状況や困りごとを聞き取ります。障害の内容だけでなく、家族関係、住まい、経済状況、これからどう暮らしたいかまで含めて把握します。

2.サービス等利用計画の作成

市町村の支給決定の前提となる計画です。どのサービスを、どのくらい、どの事業所から受けるかを組み立てます。ここが業務の中心です。

3.サービス担当者会議の開催

  • 本人・家族、各サービス事業所、市町村の担当者を集めます
  • 計画案を共有し、役割分担を確認します
  • 意見を反映して計画を確定します

4.モニタリング

計画どおりに進んでいるか、定期的に訪問して確認します。状況が変われば計画を見直します。モニタリングの頻度は市町村が定めます。

5.関係機関との調整

市町村の障害福祉担当課、医療機関、就労先、学校、時には生活保護の担当部署とも連絡を取ります。制度をまたいで調整する場面が多い職種です。

介護の経験はどう活きるか

実務経験の対象には、障害者支援施設・老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院・障害福祉サービス事業・老人居宅介護等事業(訪問介護など)・保険医療機関・訪問看護事業所などが含まれています。

介護での経験相談支援専門員で活きる場面
身体介護の実務必要な支援量の見立てが具体的になります
記録・報告の習慣計画・モニタリング記録に直結します
家族対応意向の聞き取りとすり合わせに使えます
ケアマネとのやり取り今度は自分がその立場になります
多職種連携担当者会議の進行に活きます

具体的な年数の要件は相談支援専門員の資格要件にまとめました。無資格で介護をしてきた場合と、初任者研修を修了している場合で、必要な年数が5年変わります。

負担になりやすい点

不利益になりやすい点なので、はっきり書きます。

負担の中身内容
担当件数が多くなりやすい相談支援専門員の数が足りず、1人あたりの担当が積み上がる地域があります
モニタリングの期限管理件数が増えるほど、訪問と記録の負担が重なります
制度をまたぐ調整障害・介護・医療・生活保護など、担当外の制度も理解が要ります
収入の構造計画作成とモニタリングが報酬の中心のため、事業所の経営が安定しにくい面があります
1人事業所が多い相談できる同僚がいない環境になりがちです
5年ごとの現任研修4日間の日程確保が必要です

応募前に確認すべき7項目

  • 1人あたりの担当件数はどのくらいか
  • 相談支援専門員は何名在籍しているか
  • 主任相談支援専門員はいるか(相談できる体制があるか)
  • □ 計画作成とモニタリングの件数の目安
  • □ 記録・計画作成にソフトを使っているか
  • □ 移動(訪問)の範囲と、車両の有無
  • 現任研修の受講費用と勤務時間の扱い

面接での聞き方は介護職の面接で聞かれる質問にまとめています。

よくある質問

相談支援専門員とはどんな仕事ですか?

障害のある方の「サービス等利用計画」を作成する職種です。相談の受付とアセスメント、計画の作成、サービス担当者会議の開催、モニタリング、関係機関との調整を担当します。介護保険でいえば居宅介護支援事業所のケアマネジャーに当たる立場で、事業所の外から利用者全体のサービスを組み立てます。

ケアマネジャーとの違いは何ですか?

根拠法と対象が異なります。ケアマネジャーは介護保険法に基づき要介護の高齢者の居宅サービス計画を作成し、相談支援専門員は障害者総合支援法に基づき障害のある方のサービス等利用計画を作成します。取得方法も違い、ケアマネジャーには国家試験がありますが、相談支援専門員は実務経験を満たしたうえで都道府県の相談支援従事者初任者研修(7日間)を修了すれば要件を満たします。

サービス管理責任者との違いは何ですか?

立ち位置が違います。相談支援専門員は事業所の外から利用者全体のサービス等利用計画を組み立て、サービス管理責任者は事業所の中でその事業所としての個別支援計画を作ります。介護保険でいうケアマネジャーとサービス提供責任者の関係にほぼ相当します。

試験はありますか?

国家試験はありません。実務経験の要件を満たしたうえで、都道府県が実施する相談支援従事者初任者研修を修了することが要件です。初任者研修は講義2日と演習5日(演習の間に実習を含む)の合計7日間で、全課程の修了が必要です。

資格に更新はありますか?

あります。初任者研修を修了し現に相談支援事業所に従事している方は、5年に1回、相談支援従事者現任研修を受講することで資格を継続できます。現任研修は講義1日と演習3日の合計4日間です。なお相談支援従事者主任研修(5日間課程)を修了した場合は、現任研修を修了したものとみなされます。

介護の経験は活かせますか?

活かせます。実務経験の対象には老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、老人居宅介護等事業(訪問介護など)、保険医療機関、訪問看護事業所などが含まれています。また身体介護の実務経験があると、必要な支援量の見立てが具体的になり、記録や家族対応の経験もそのまま業務に直結します。

相談支援専門員は足りていないのですか?

地域によって差がありますが、1人あたりの担当件数が積み上がりやすいという声はよく聞かれます。応募前に「1人あたりの担当件数」「在籍している相談支援専門員の人数」「主任相談支援専門員がいるか」を確認してください。1人事業所では相談できる同僚がいない環境になりがちです。

夜勤はありますか?

原則としてありません。訪問と面談が中心の働き方になります。ただし利用者や家族の都合に合わせて夕方以降の面談が入ることや、緊急の連絡に対応する場面はあります。移動の範囲と車両の有無もあわせて確認してください。

まとめ|障害福祉版のケアマネジャーで、試験はありません

  • サービス等利用計画を作る職種です。立ち位置はケアマネジャーとほぼ同じ
  • 国家試験はありません。実務経験+初任者研修(7日間)で要件を満たします
  • 5年に1回の現任研修(4日間)で資格を継続します
  • サビ管との違いは立ち位置。外から全体を組むのが相談支援専門員です
  • 老人福祉施設・老健・訪問介護などの介護経験が実務経験の対象に含まれます
  • 負担は担当件数とモニタリングの期限管理に集中します

介護から相談援助へ移りたい方にとって、試験がないという点は現実的に大きな違いです。まずは資格要件で、自分が何年で届くのかを確認してください。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

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