この記事の結論
この記事で分かること
- 要件は①実務経験(3年・5年・10年) ②相談支援従事者初任者研修の修了です。
- 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級相当)を修了していれば5年、無資格なら10年になります。
- 特養・老健・介護医療院・訪問介護などの介護経験が対象に含まれます。
- サービス管理責任者とは年数も対象資格も違います。サビ管は3年・5年・8年、相談支援専門員は3年・5年・10年です。
- 3年なら540日以上という従事日数の要件があります。
- 初任者研修は7日間で全課程の修了が必要。日程確保が最大の壁です。
「相談支援専門員になるには、何年の実務経験が要るの?」
「介護の仕事しかしてこなかったけれど、対象になる?」
「サビ管と同じ年数だと思っていいの?」
最初に、混同されやすい点をはっきりさせておきます。相談支援専門員とサービス管理責任者は、実務経験の要件が違います。年数の区切りも、対象になる資格の範囲も一致していません。片方の情報でもう片方を判断すると、間違えます。
相談支援専門員の要件は3年・5年・10年の3本立てです。介護職の方にとって決定的なのは、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級相当)を修了しているかどうかで、5年と10年に分かれるという点です。
この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、要件の中身、対象になる職場、日数の数え方、そして研修の受け方を整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・出典:東京都「相談支援専門員の要件」。平成24年3月30日 厚生労働省告示第227号「指定計画相談支援の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの」の要約(令和6年3月15日 厚生労働省告示第3号改正現在)
・要件は①相談支援従事者研修の受講 ②実務経験(3年・5年・10年)の2つ
・実務経験の区分:①第1の期間が通算3年以上/②第2・第3・第5・第6の期間が通算5年以上/③第4の期間が通算10年以上/④第2〜第6の期間が通算3年以上かつ第7の期間が通算5年以上
・第3=社会福祉主事任用資格者等が、障害者支援施設・老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院・療養病床・障害福祉サービス事業・障害児通所支援事業・老人居宅介護等事業・保険医療機関・保険薬局・訪問看護事業所などで介護等の業務に従事した期間
・第4=第3と同じ場所で、社会福祉主事任用資格者等でない者が介護等の業務に従事した期間(10年)
・「社会福祉主事任用資格者等」=社会福祉主事任用資格を有する者、介護職員初任者研修(訪問介護員2級以上)に相当する研修を修了した者、保育士、児童指導員任用資格者、精神障害者社会復帰指導員任用資格者
・第7=医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、精神保健福祉士、公認心理師が、その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間
・年数の数え方:3年以上の実務経験とは、業務に従事した期間が通算3年以上であり、かつ当該業務に従事した日数が540日以上であること
・研修:初任者研修は講義2日+演習5日の合計7日間。現任研修は5年に1回、講義1日+演習3日の合計4日間
実務経験の判定・研修の運用は都道府県により異なります。区分の当てはめは業務内容によって変わるため、ご自身の該当可否は必ず都道府県または指定権者にご確認ください。制度は改正されることがあります。
結論|介護職の方に関係するのは、5年か10年です
| あなたの状況 | 必要な実務経験 | 区分 |
|---|---|---|
| 社会福祉主事任用資格を持って介護に従事 | 5年 | 第3 |
| 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級相当)を修了して介護に従事 | 5年 | 第3 |
| 無資格で介護に従事 | 10年 | 第4 |
| 相談支援の業務に従事 | 5年 | 第2 |
| 看護師・介護福祉士など国家資格に基づく業務 | 5年(+第2〜第6が3年以上) | 第7+ |
初任者研修を修了しているかどうかで、5年変わります。サービス管理責任者では3年の差でしたが、相談支援専門員では5年の差になります。
サービス管理責任者との違い
混同しやすいので、並べておきます。
| 相談支援専門員 | サービス管理責任者 | |
|---|---|---|
| 年数の区切り | 3年・5年・10年 | 3年・5年・8年 |
| 無資格での介護 | 10年 | 8年 |
| 初任者研修修了での介護 | 5年 | 5年 |
| 国家資格の扱い | 第7として5年(+他が3年以上) | 3年(重複カウント可) |
| 研修 | 初任者研修7日間 | 基礎研修+実践研修 |
| 更新 | 5年ごとの現任研修(4日間) | 更新研修 |
両者は根拠となる告示が異なるため、対象資格の一覧にも差があります。片方の要件を満たしていても、もう片方を満たすとは限りません。
介護福祉士をお持ちの方はとくに注意してください
サービス管理責任者の要件では、介護福祉士は「訪問介護員2級以上に相当する研修を修了した者等」にも国家資格にも位置づけられ、3年で要件を満たし得ます。
一方、相談支援専門員の要件で示されている「社会福祉主事任用資格者等」の一覧に、介護福祉士は明示されていません。介護福祉士は第7の国家資格として扱われ、その場合は第2〜第6が通算3年以上かつ第7が通算5年以上という組み合わせになります。
ただし、介護福祉士の多くは初任者研修(旧ヘルパー2級)相当の研修を経ています。その場合は第3として5年で該当し得ます。ここは判断が分かれるところなので、必ず都道府県に確認してください。
対象になる職場|介護の現場は幅広く含まれます
第2(相談支援の業務)=5年
- 一般相談支援事業・特定相談支援事業・障害児相談支援事業などの従事者
- 介護保険法に規定する居宅介護支援事業、介護予防支援事業の従事者
- 児童相談所、身体障害者更生相談所、精神障害者地域生活支援センター、知的障害者更生相談所、福祉事務所、保健所、市町村役場
- 障害者支援施設、障害児入所施設、老人福祉施設、精神保健福祉センター、救護施設、更生施設、介護老人保健施設、介護医療院
- 保険医療機関の従業者(一定の資格要件があります)
第3・第4(介護等の業務)=5年 または 10年
| 対象の場所 | 例 |
|---|---|
| 老人福祉施設 | 特別養護老人ホーム、デイサービスセンターなど |
| 介護老人保健施設・介護医療院・療養病床 | 老健など |
| 老人居宅介護等事業 | 訪問介護など |
| 障害者支援施設・障害児入所施設 | 障害福祉の入所系 |
| 障害福祉サービス事業・障害児通所支援事業 | 居宅介護、生活介護など |
| 保険医療機関・保険薬局・訪問看護事業所 | 医療機関の従業者 |
働いていた場所は第3も第4も同じです。違うのは資格の有無だけで、それが5年と10年を分けます。
540日ルール|期間だけでは足りません
| 必要年数 | 必要な従事日数(目安) |
|---|---|
| 3年 | 540日以上 |
| 5年 | 同じ考え方で900日以上 |
| 10年 | 同じ考え方で1,800日以上 |
東京都の資料では「3年以上の実務経験とは、業務に従事した期間が通算して3年以上であり、かつ当該業務に従事した日数が540日以上」と示されています。他の年数の日数要件については、都道府県の案内でご確認ください。
週2〜3日のパート勤務が長い方は、在籍年数を満たしていても日数が足りないことがあります。実務経験証明書は勤務先に作成してもらうことになるため、心当たりのある方は早めに確認してください。
研修|初任者研修は7日間です
| 研修 | 日数 | 内容 |
|---|---|---|
| 相談支援従事者初任者研修 | 合計7日間 | 講義2日+演習5日(演習の間に実習を含む) |
| 相談支援従事者現任研修 | 合計4日間 | 講義1日+演習3日。5年に1回 |
| 相談支援従事者主任研修 | 5日間課程 | 修了すると現任研修を修了したものとみなされます |
受講のときに確認すること
- 全課程の修了が必要です。1日でも欠席すると修了になりません
- 実施主体は都道府県です。年間の実施回数と定員が決まっています
- 事業所を通じた申込を求める自治体があります
- 7日間の日程確保が最大の壁になります
- 受講費用と、研修日が勤務扱いになるかは勤務先の判断です
「相談支援従事者初任者研修の受講費用は事業所の負担になりますか。また、研修の7日間は勤務時間として扱われますか」
確認の手順
- 自分の資格を確認する(社会福祉主事任用資格・初任者研修・旧ヘルパー2級など)
- 働いてきた場所が対象に含まれるか確認する(特養・老健・訪問介護は含まれます)
- 該当しそうな区分(第2〜第7)を特定する
- 在籍期間と、実際に勤務した日数を数える
- 都道府県の「相談支援専門員の要件」の資料で確認する
- 判断が微妙なら、都道府県の担当課に問い合わせる
- 勤務先に実務経験証明書の作成を依頼する
初任者研修をこれから取る場合は介護職員初任者研修とは?、無料で取る方法は初任者研修を無料で取る4つの方法をご覧ください。仕事の中身は相談支援専門員とは、サビ管の要件はサービス管理責任者の資格要件にまとめています。
よくある質問
相談支援専門員になるには何年の実務経験が必要ですか?
3年・5年・10年の3本立てです。相談支援の業務や、社会福祉主事任用資格者等として介護等の業務に従事した場合は5年、資格を持たずに介護等の業務に従事した場合は10年が目安です。国家資格に基づく業務の場合は、他の業務と合わせた組み合わせの要件になります。判定は都道府県が行います。
介護の経験だけで要件を満たせますか?
満たせる可能性があります。実務経験の対象には老人福祉施設(特別養護老人ホーム、デイサービスセンターなど)、介護老人保健施設、介護医療院、老人居宅介護等事業(訪問介護など)が含まれています。ただし介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級相当)を修了しているかどうかで、必要年数が5年と10年に分かれます。
サービス管理責任者と同じ年数ですか?
違います。サービス管理責任者は3年・5年・8年、相談支援専門員は3年・5年・10年です。無資格での介護経験の場合、サビ管は8年、相談支援専門員は10年になります。根拠となる告示が異なるため、対象資格の一覧にも差があります。片方の要件を満たしていても、もう片方を満たすとは限りません。
介護福祉士を持っていれば有利ですか?
相談支援専門員の要件で示されている「社会福祉主事任用資格者等」の一覧に、介護福祉士は明示されていません。介護福祉士は国家資格(第7)として扱われ、その場合は他の業務と合わせた組み合わせの要件になります。ただし介護福祉士の多くは初任者研修(旧ヘルパー2級)相当の研修を経ているため、その場合は5年で該当し得ます。判断が分かれる部分なので、必ず都道府県に確認してください。
パート勤務でも実務経験になりますか?
なりますが、日数の要件があります。東京都の資料では「3年以上の実務経験とは、業務に従事した期間が通算して3年以上であり、かつ当該業務に従事した日数が540日以上」と示されています。週2〜3日の勤務が長い方は、在籍年数を満たしていても日数が足りないことがあるため、早めに確認してください。
研修は何日間ですか?
相談支援従事者初任者研修は講義2日と演習5日(演習の間に実習を含む)の合計7日間で、全課程の修了が必要です。1日でも欠席すると修了になりません。資格を継続するための現任研修は5年に1回、講義1日と演習3日の合計4日間です。主任研修(5日間課程)を修了した場合は現任研修を修了したものとみなされます。
試験はありますか?
国家試験はありません。実務経験の要件を満たしたうえで、都道府県が実施する相談支援従事者初任者研修を修了することが要件です。ケアマネジャー(介護支援専門員)との大きな違いはこの点です。
研修はすぐに受けられますか?
実施主体は都道府県で、年間の実施回数と定員が決まっています。事業所を通じた申込を求める自治体もあります。また7日間の日程を確保することが実際には最大の壁になります。受講費用と、研修日が勤務時間として扱われるかを勤務先に確認しておいてください。
まとめ|「初任者研修の有無」で5年変わります
- 要件は①実務経験(3年・5年・10年) ②相談支援従事者初任者研修の修了
- 初任者研修(旧ヘルパー2級相当)を修了していれば5年、無資格なら10年です
- 特養・老健・訪問介護などの介護経験が対象に含まれます
- サビ管とは年数も対象資格も違います。混同しないでください
- 3年なら540日以上という日数の要件があります
- 初任者研修は7日間。全課程の修了が必要で、日程確保が最大の壁です
相談支援専門員は、介護の現場経験がそのまま年数として認められる数少ない相談職です。まず自分の資格と勤務日数を数え、都道府県の資料と突き合わせるところから始めてください。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
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