この記事の結論
この記事で分かること
- 要件は①実務経験 ②サービス管理責任者等研修(基礎研修・実践研修)の修了の2つです。
- 国家資格なら3年、初任者研修・実務者研修なら5年、無資格なら8年が目安です。
- 特養・老健・デイサービス・訪問介護での介護経験が対象に含まれます。
- 国家資格等による業務と、相談支援・直接支援業務の期間が重複する場合は、どちらとしてもカウントできます(合計6年にはなりません)。
- 1年あたり180日以上の従事日数が必要です(5年なら900日以上)。パート勤務の方は要注意。
- 研修は都道府県ごとに定員があります。早めに案内を確認してください。
「介護の経験だけで、サビ管の要件は満たせるの?」
「5年って聞いたり8年って聞いたりするけど、どっち?」
「介護福祉士があれば3年で足りる?」
サービス管理責任者になるには、①実務経験 ②サービス管理責任者等研修の修了の2つが必要です。そして年数が「5年」「8年」「3年」と割れて見えるのは、持っている資格によって必要な年数が変わるからです。
結論を先に書きます。介護福祉士などの国家資格があれば3年、初任者研修や実務者研修を修了していれば5年、無資格で介護をしてきた場合は8年。そして特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービス、訪問介護での経験は、いずれも対象に含まれます。
この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、3つの要件の中身、年数の数え方、見落とされやすい180日ルール、そして研修の受け方を整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・サービス管理責任者の実務経験要件(厚生労働省告示第544号ほか。栃木県のサービス管理責任者等研修 実務経験要件一覧より)──次の①〜③のいずれかに該当する者
① a(相談支援の業務)およびb(有資格者等による直接支援の業務)の期間が通算して5年以上
② c(有資格者等でない者による直接支援の業務)の期間が通算して8年以上
③ a〜cの期間が通算して3年以上、かつ d(国家資格等に基づく業務)の期間が通算して3年以上
・bの「資格」:社会福祉主事任用資格を有する者/訪問介護員養成研修1級・2級課程修了、介護職員基礎研修修了、介護職員初任者研修修了、実務者研修修了、介護福祉士/保育士/児童指導員任用資格者・精神障害者社会復帰指導員任用資格者
・dの国家資格等:医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士
・年数の数え方:「1年以上の実務経験」とは、従事した期間が1年以上であり、かつ実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上であること。5年以上なら900日以上(平成18年6月23日 厚生労働省事務連絡)
・期間の重複カウント:国家資格等による業務に従事した期間と、相談支援業務・直接支援業務に従事した期間が重複している場合はどちらとしてもカウントしてよいとされています(同事務連絡、平成29年3月29日改正告示)
・研修:基礎研修を修了したあと一定期間の実務を経て実践研修を受講します。東京都の案内では、令和5年6月30日の告示改正により、基礎研修と相談支援従事者初任者研修の講義部分の両方を修了した者が実践研修を受講する場合は2年以上、基礎研修受講開始時に既に実務経験者であり個別支援計画の作成の一連の業務に従事して届け出ている場合は6月以上とされています
実務経験の判定・研修の運用は都道府県により異なります。ご自身が要件を満たすかどうかは、必ず受講予定・勤務予定の都道府県にご確認ください。制度は改正されることがあります。
結論|資格によって、必要な年数が変わります
| 持っている資格 | 必要な実務経験 | 該当する要件 |
|---|---|---|
| 介護福祉士・看護師など国家資格 | 3年 | 要件③ |
| 介護職員初任者研修・実務者研修 修了 | 5年 | 要件① |
| 訪問介護員養成研修1級・2級課程 修了 | 5年 | 要件① |
| 社会福祉主事任用資格 | 5年 | 要件① |
| 無資格 | 8年 | 要件② |
実際の判定は業務内容と施設種別を含めて行われます。上の表は目安としてご覧ください。
初任者研修を修了しているかどうかで、3年変わります。無資格のまま介護を続けている方は、この点だけでも初任者研修を受ける理由になります。
①相談支援の業務(a)とは
障害のある方や、環境上の理由で日常生活に支障がある方の自立に関する相談に応じ、助言・指導その他の支援を行う業務です。次のような場所での従事が該当します。
- 地域生活支援事業、障害児相談支援事業、身体障害者・知的障害者相談支援事業
- 児童相談所、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所、福祉事務所、発達障害者支援センター
- 障害者支援施設、障害児入所施設、老人福祉施設、精神保健福祉センター、救護施設、更生施設、介護老人保健施設、地域包括支援センター
- 障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター
- 特別支援学校(進路指導・教育相談)
- 保険医療機関(一定の資格要件あり)
②直接支援の業務(b・c)とは|介護経験はここに入ります
入浴、排せつ、食事その他の介護を行う業務や、日常生活における基本的な動作の指導、訓練等を行う業務です。対象施設に介護保険のサービスが幅広く含まれているのが要点です。
| 対象になる施設・事業 | 具体例 |
|---|---|
| 老人福祉施設 | 特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター |
| 介護老人保健施設 | 老健 |
| 老人居宅介護等事業 | 訪問介護など |
| 障害者支援施設・障害児入所施設 | 障害福祉の入所系 |
| 障害福祉サービス事業・障害児通所支援事業 | 居宅介護、生活介護、就労支援など |
| 保険医療機関の療養病床 | 療養病床の従業者 |
| 保険医療機関・保険薬局・訪問看護事業所 | 従業者 |
bとcの違いが、5年と8年の分かれ目です
| b(5年) | c(8年) | |
|---|---|---|
| 働いていた場所 | 同じです(上の表の施設) | |
| 違い | 資格を持って従事した | 資格を持たずに従事した |
| 該当する資格 | 社会福祉主事任用資格/初任者研修・実務者研修・旧ヘルパー1級2級・介護職員基礎研修/介護福祉士/保育士/児童指導員任用資格者など | — |
同じ特養で同じ介護をしていても、初任者研修を修了していれば5年、していなければ8年という違いになります。
③国家資格等による3年ルール|重複カウントが認められます
ここが最も見落とされやすい部分です。要件③は「a〜cが通算3年以上」かつ「d(国家資格等に基づく業務)が通算3年以上」という書き方をしています。合計6年必要に見えます。
しかし厚生労働省の事務連絡では、国家資格等による業務に従事した期間と、相談支援業務・直接支援業務に従事した期間が重複している場合は、どちらとしてもカウントしてよいとされています。
介護福祉士として特別養護老人ホームで3年間、介護に従事した場合
・その3年は「c(直接支援業務)」にも「d(介護福祉士として資格に基づく業務)」にも当たります
→ 6年ではなく、3年で要件③を満たすという考え方になります
この取扱いは平成18年6月23日の厚生労働省事務連絡および平成29年3月29日改正告示に基づくものとして、複数の自治体資料に記載されています。実際の判定は指定権者が行うため、必ず確認してください。
180日ルール|期間だけでは足りません
もうひとつ見落とされやすい点です。
| 必要年数 | 必要な従事日数 |
|---|---|
| 1年 | 180日以上 |
| 3年 | 540日以上 |
| 5年 | 900日以上 |
| 8年 | 1,440日以上 |
週2〜3日のパート勤務が長い方は、在籍年数を満たしていても日数が足りないことがあります。実務経験証明書は勤務先に作成してもらうことになるため、心当たりのある方は早めに確認してください。
研修|基礎研修 → 実務 → 実践研修
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 基礎研修 | 実務経験の要件に近づいた段階で受講できます(都道府県により運用が異なります) |
| 実務(OJT) | 東京都の案内では、実践研修の受講に「2年以上」、一定の場合は「6月以上」 |
| 実践研修 | 修了するとサービス管理責任者として配置できます |
| 更新研修 | 修了後、一定期間ごとに受講が必要とされています |
受講申込は都道府県ごとです
- 実施主体は都道府県(または指定を受けた機関)です
- 定員があり、応募多数で受講できないことがあります
- 事業所を通じた申込を求める自治体と、個人での申込を受け付ける自治体があります
- 受講費用と、研修日が勤務扱いになるかは勤務先の判断です
「サービス管理責任者等研修の受講費用は事業所の負担になりますか。また、研修日は勤務時間として扱われますか」
確認の手順
- 自分の資格を確認する(初任者研修・実務者研修・介護福祉士など)
- 働いてきた施設が対象に含まれるか確認する(特養・老健・デイ・訪問介護は含まれます)
- 在籍期間と、実際に勤務した日数を数える(1年あたり180日以上)
- 該当しそうな要件(①②③)を特定する
- 受講予定の都道府県の実務経験要件一覧で確認する
- 判断が微妙なら、都道府県の担当課に問い合わせる
- 勤務先に実務経験証明書の作成を依頼する
初任者研修をこれから取る場合は介護職員初任者研修とは?、実務者研修は実務者研修の最短期間をご覧ください。仕事の中身はサービス管理責任者とはにまとめています。
よくある質問
サービス管理責任者になるには何年の実務経験が必要ですか?
持っている資格によって変わります。相談支援業務と有資格者等による直接支援業務が通算5年以上、有資格者等でない直接支援業務なら通算8年以上、国家資格等に基づく業務が通算3年以上ある場合は3年以上(ほかの業務と合わせて)というのが基本の枠組みです。介護福祉士などの国家資格があれば3年、初任者研修や実務者研修の修了があれば5年、無資格なら8年が目安になります。
特別養護老人ホームでの介護経験は対象になりますか?
なります。直接支援業務の対象施設には老人福祉施設が含まれ、特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、軽費老人ホームなどが該当します。介護老人保健施設や、訪問介護などの老人居宅介護等事業も対象です。障害福祉での経験がなくても要件を満たせる可能性があります。
介護福祉士なら3年で足りますか?
要件③は「相談支援業務・直接支援業務が通算3年以上」かつ「国家資格等に基づく業務が通算3年以上」という書き方ですが、厚生労働省の事務連絡では両者の期間が重複する場合はどちらとしてもカウントしてよいとされています。介護福祉士として特別養護老人ホームで3年間介護に従事した場合、その3年が両方に当たるため、合計6年ではなく3年で足りるという考え方になります。判定は指定権者が行うため確認してください。
無資格で介護をしてきましたが、何年必要ですか?
要件②に当たり、通算8年以上が必要です。ただし介護職員初任者研修を修了していれば要件①の5年に変わります。同じ施設で同じ介護をしていても、資格の有無で3年変わることになるため、無資格のまま続けている方は初任者研修の受講を検討する価値があります。
パート勤務でも実務経験になりますか?
なりますが、日数の要件があります。「1年以上の実務経験」とは、従事した期間が1年以上であり、かつ実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上であることをいいます。5年なら900日以上、8年なら1,440日以上です。週2〜3日の勤務が長い方は、在籍年数を満たしていても日数が足りないことがあるため、早めに確認してください。
研修はどのような流れですか?
基礎研修を修了したあと、一定期間の実務を経て実践研修を受講する流れです。東京都の案内では、基礎研修と相談支援従事者初任者研修の講義部分の両方を修了した者が実践研修を受講する場合は2年以上、基礎研修受講開始時に既に実務経験者であり個別支援計画の作成の一連の業務に従事して届け出ている場合は6月以上とされています。運用は都道府県により異なります。
研修はいつでも受けられますか?
実施主体は都道府県(または指定を受けた機関)で、年間の実施回数と定員が決まっています。応募多数で受講できないこともあります。事業所を通じた申込を求める自治体と、個人での申込を受け付ける自治体があるため、受講予定の都道府県の案内を確認してください。
看護師の経験も対象になりますか?
国家資格等の一覧には保健師、助産師、看護師、准看護師が含まれています。またこれらの資格に基づき保険医療機関や訪問看護事業所で業務に従事した期間は、直接支援業務としても扱われる場合があります。判定は業務内容によるため、指定権者にご確認ください。
まとめ|「初任者研修の有無」で3年変わります
- 要件は①実務経験 ②サービス管理責任者等研修の修了の2つです
- 国家資格なら3年、初任者研修・実務者研修なら5年、無資格なら8年が目安です
- 特養・老健・デイ・訪問介護での介護経験は対象に含まれます
- 国家資格等の期間は重複カウントが認められます(合計6年にはなりません)
- 1年あたり180日以上の従事日数が必要です。パート勤務の方は要注意
- 研修は都道府県ごとに定員があります。早めに案内を確認してください
実務経験の要件を読むと、介護現場での経験が正面から評価される制度であることが分かります。まず自分の資格と、勤務日数を数えるところから始めてください。仕事の中身はサービス管理責任者とはをご覧ください。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
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