この記事の結論

この記事で分かること

  • 介護福祉士350,050円 vs 保有資格なし290,620円。差は月59,430円・年間約71万円です(令和6年度介護従事者処遇状況等調査・保有資格別)。
  • ただし平均勤続年数は10.4年と5.8年。4.6年の勤続差が含まれた数字です。
  • 実務者研修327,260円と初任者研修324,830円の差は2,430円。大きく変わるのは介護福祉士からです。
  • 資格手当の額は事業所が独自に決めます。月5,000円の事業所も20,000円の事業所もあります。
  • 社会福祉士397,620円・介護支援専門員388,080円はさらに上の水準です。
  • 介護福祉士は生活相談員(353,950円)とほぼ同水準。相談職へ進む道もあります。

「介護福祉士を取ったら、いくら上がるの?」
「資格手当って、月1万円くらい?」
「取っても変わらないって聞いたけど……」

数字で答えます。厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」の保有資格別の集計では、介護福祉士の平均給与額は350,050円。保有資格なしの290,620円と比べて、月59,430円の差があります。年間にすると約71万円です。

ただし、この差をすべて資格手当と考えるのは正確ではありません。介護福祉士の平均勤続年数は10.4年、保有資格なしは5.8年。勤続の差も含まれた数字です。

この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、保有資格別の実際の金額、資格手当の考え方、他資格との比較、そして年収を上げる順番を整理します。

この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」統計表第89表(介護職員・月給・常勤の者、保有資格別、令和6年9月
 全体 338,200円(前年同月比+13,960円/平均勤続年数9.5年)
 保有資格あり 339,960円(+13,290円/9.6年)
 介護福祉士 350,050円(+12,890円/10.4年
 社会福祉士 397,620円(+20,410円/9.3年)
 介護支援専門員 388,080円(+10,480円/14.0年)
 実務者研修 327,260円(+13,770円/6.9年)
 介護職員初任者研修 324,830円(+13,540円/8.8年)
 保有資格なし 290,620円(+19,540円/5.8年
・注記:「実務者研修」とは実務者研修、介護職員基礎研修およびヘルパー1級をいう/「介護職員初任者研修」とは介護職員初任者研修およびヘルパー2級をいう/保有資格は複数回答
平均給与額=基本給(月額)+手当+一時金(4〜9月支給金額の1/6)
・調査対象は介護職員等処遇改善加算Ⅰ〜Ⅴを取得(届出)している事業所

統計は調査年により改定されます。金額は全国平均であり、個別の給与を示すものではありません。保有資格は複数回答のため、各区分は重複を含みます。実際の支給額は事業所・雇用形態・夜勤回数・地域などにより異なります。

結論|保有資格なしとの差は月59,430円です

保有資格平均給与額資格なしとの差平均勤続年数
社会福祉士397,620円+107,000円9.3年
介護支援専門員388,080円+97,460円14.0年
介護福祉士350,050円+59,430円10.4年
(介護職員 全体)338,200円+47,580円9.5年
実務者研修327,260円+36,640円6.9年
介護職員初任者研修324,830円+34,210円8.8年
保有資格なし290,620円5.8年

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(介護職員・月給・常勤の者、保有資格別、令和6年9月)。保有資格は複数回答。

この表の読み方|勤続年数も見てください

差をすべて「資格を取ったから上がった分」と考えるのは正確ではありません。介護福祉士の平均勤続年数は10.4年、保有資格なしは5.8年です。4.6年の勤続差が含まれています。

資格を取るには実務経験3年が必要ですから、そもそも介護福祉士のほうが長く働いている人が多いという構造があります。この点を踏まえて数字を見てください。

実務者研修との差は22,790円です

介護福祉士実務者研修
平均給与額350,050円327,260円22,790円
平均勤続年数10.4年6.9年3.5年

実務者研修を修了した段階で、初任者研修(324,830円)とはほとんど差がありません(2,430円)。大きく変わるのは、そこから介護福祉士を取ったときです。

つまり実務者研修は、それ自体で給与が上がる資格というより、介護福祉士へ進むための通り道と考えるのが実態に近いということです(実務者研修は意味ない?)。

資格手当の実際

統計の差は、次の要素が合わさったものです。

要素内容
資格手当事業所が独自に決めます。法令で額は定められていません
基本給の等級資格の有無で等級が分かれている事業所があります
勤続年数介護福祉士のほうが4.6年長い
役職リーダー・主任などに就いている人の割合が高くなります
処遇改善加算の配分資格や経験年数に応じて配分を変える事業所があります

だから求人票では「資格手当いくらか」を聞いてください

介護福祉士の資格手当は月額いくらでしょうか。基本給の等級は、資格の有無で分かれていますか。処遇改善加算の配分に、資格は影響しますか」

同じ介護福祉士でも、手当が月5,000円の事業所と月20,000円の事業所があります。統計の平均だけを見て「取れば6万円上がる」と考えると、実際とずれます。

他の資格と比べると

社会福祉士(397,620円)が最も高い

介護福祉士より47,570円高い水準です。ただし平均勤続年数は9.3年と介護福祉士より短く、資格そのものの評価が高いことがうかがえます。

介護支援専門員(388,080円)

介護福祉士より38,030円高い水準ですが、平均勤続年数は14.0年と最も長くなっています。受験資格の要件が厳しく、長く働いた人が取る資格だからです(ケアマネの受験資格)。

職種を変えるという選択肢

職種平均給与額
看護職員384,620円
介護支援専門員375,410円
生活相談員・支援相談員353,950円
介護職員(全体)338,200円
事務職員317,620円

出典:同調査の職種別集計(月給・常勤の者、令和6年9月)。

介護福祉士(350,050円)は、生活相談員(353,950円)とほぼ同じ水準です。介護福祉士を取ったうえで相談職へ移る、という道もあります(生活相談員とは)。

年収に換算すると

月額×12の目安
介護福祉士350,050円約420万円
保有資格なし290,620円約349万円
59,430円約71万円

この調査の平均給与額は基本給+手当+一時金(4〜9月支給金額の1/6)という定義です。12倍した金額は、賞与を含んだ年収の近似として読んでください。「月35万円もらえて、さらにボーナスが別にある」と読むと実態より高く見積もることになります。

年収を上げる順番

  1. 介護福祉士を取る(保有資格なしとの差は月59,430円)
  2. 資格手当のある事業所を選ぶ(額は事業所が決めます)
  3. 夜勤に入る(介護職員の給与差の大きな部分です)
  4. 役職・相談職へ進む(生活相談員353,950円、ケアマネ375,410円)
  5. 処遇改善加算の配分がある事業所を選ぶ

最初の一歩として、介護福祉士の効果は明確です。受験資格の要件は介護福祉士の受験資格、費用は介護福祉士の取得費用はいくら?にまとめています。

「認定介護福祉士」はどうか

介護福祉士の上位に位置づけられる認定介護福祉士という認定がありますが、これは国家資格ではなく民間の認定です。手当の扱いも事業所によります(認定介護福祉士とは)。

よくある質問

介護福祉士の平均給料はいくらですか?

厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」の保有資格別の集計では、介護福祉士の平均給与額は月350,050円です(介護職員・月給・常勤の者、令和6年9月)。介護職員全体の338,200円より11,850円高い水準です。平均給与額は基本給+手当+一時金(4〜9月支給金額の1/6)で計算されています。

資格を取るといくら上がりますか?

統計上、介護福祉士350,050円と保有資格なし290,620円の差は月59,430円、年間で約71万円です。ただしこの差には勤続年数の違いも含まれます。介護福祉士の平均勤続年数は10.4年、保有資格なしは5.8年で4.6年の差があります。実際の増加額は事業所の資格手当と基本給の等級によります。

実務者研修を取るだけでは上がりませんか?

実務者研修修了者の平均給与額は327,260円、介護職員初任者研修は324,830円で、差は2,430円にとどまります。一方、介護福祉士は350,050円で、実務者研修との差は22,790円です。実務者研修はそれ自体で給与が大きく上がる資格というより、介護福祉士へ進むための通り道と考えるのが実態に近いといえます。

資格手当はいくらが相場ですか?

資格手当の額は事業所が独自に決めるもので、法令で定められているわけではありません。同じ介護福祉士でも、手当が月5,000円の事業所と月20,000円の事業所があります。統計の平均差だけを見て判断せず、求人票や面接で「介護福祉士の資格手当は月額いくらか」「基本給の等級は資格の有無で分かれているか」を確認してください。

介護福祉士より給料が高い資格はありますか?

同調査では社会福祉士が397,620円、介護支援専門員が388,080円で、いずれも介護福祉士の350,050円より高い水準です。ただし介護支援専門員は平均勤続年数が14.0年と最も長く、受験資格の要件も厳しくなっています。社会福祉士は平均勤続年数9.3年で、資格そのものの評価が高いことがうかがえます。

年収にするといくらですか?

平均給与額350,050円を12倍すると約420万円です。ただしこの調査の平均給与額は基本給+手当+一時金(4〜9月支給金額の1/6)という定義なので、12倍した金額は賞与を含んだ年収の近似として読んでください。保有資格なしの290,620円は約349万円で、差は約71万円になります。

介護福祉士を取っても変わらないと聞きました。

資格手当を設定していない事業所や、額が小さい事業所では、変化を実感しにくいことがあります。統計上は保有資格なしとの間に月59,430円の差がありますが、これは全国平均で、勤続年数の違いも含まれた数字です。取得後に待遇が変わらない場合、資格手当のある事業所へ移ることで差が出ることがあります。

資格を取ったあと、さらに収入を上げるには?

資格手当のある事業所を選ぶこと、夜勤に入ること、相談職や役職へ進むことが基本の順序です。生活相談員は353,950円、介護支援専門員は375,410円という水準です。介護福祉士は生活相談員とほぼ同じ水準なので、介護福祉士を取ったうえで相談職へ移るという道もあります。

まとめ|差は月59,430円。ただし勤続の差も含まれます

  • 介護福祉士350,050円 vs 保有資格なし290,620円。差は月59,430円・年間約71万円です
  • ただし平均勤続年数は10.4年と5.8年。4.6年の差が含まれた数字です
  • 実務者研修327,260円と初任者研修324,830円の差は2,430円。大きく変わるのは介護福祉士からです
  • 資格手当の額は事業所が独自に決めます。月5,000円の事業所も20,000円の事業所もあります
  • 社会福祉士397,620円・介護支援専門員388,080円はさらに上の水準です
  • 介護福祉士は生活相談員(353,950円)とほぼ同水準。相談職へ進む道もあります

介護福祉士は、介護職として最初に取るべき国家資格であることが、数字ではっきり出ています。受験の要件は介護福祉士の受験資格、介護職全体の給与水準は介護士の給料はいくら?をご覧ください。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

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