この記事の結論

この記事で分かること

  • 実務経験ルートは従業期間1,095日(3年)以上 かつ 従事日数540日以上 + 実務者研修です。
  • 従業期間には産休・育休・病休を含められますが、従事日数には含められません。ここが最大のつまずきです。
  • 週3日勤務では3年で540日に届きません(年約150日×3年=約450日)。
  • 複数の職場の経験を合算できます。ただし退職先の実務経験証明書も必要です。
  • 実務者研修は2〜6か月。受験年の直前に慌てないよう先に取っておくのが安全です。
  • 合格しただけでは名乗れません。登録して初めて介護福祉士になります。

「実務経験3年って、いつから数えるの?」
「パート勤務でも3年で受けられる?」
「実務者研修は先に取らないとダメ?」

介護福祉士の受験資格でつまずく方の多くは、「3年」という言葉だけを覚えていて、もう一つの条件を知りません。

実務経験ルートの要件は2つあります。従業期間が1,095日(3年)以上あること、そして従事日数が540日以上あること。この両方を満たす必要があります。週3日勤務の方は、3年在籍していても540日に届かないことがあります。

そしてもう一つ。従業期間には産休・育休・病休などの休職期間を含められますが、従事日数には含められません。ここが実務経験証明書でつまずく最大の原因です。

この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、4つの取得ルート、実務経験の数え方、実務者研修のタイミング、そして養成施設ルートの経過措置の現状を整理します。

この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・介護福祉士の資格は社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)に基づき、国家試験に合格または養成施設を修了した者が所定の登録を受けることで取得できます(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
・受験資格のルートは①実務経験ルート ②養成施設ルート ③福祉系高校ルート ④経済連携協定(EPA)ルートに区分されています
実務経験ルートの要件従業期間1,095日(3年)以上、かつ従事日数540日以上、および実務者研修の修了
従業期間とは、実務経験の対象となる施設・事業の対象職種で在職していた期間を指し、産休・育休・病休などの休職期間を含めることができます
従事日数とは、雇用契約に基づき実際に介護等の業務に従事した日数で、休暇・欠勤・出張・研修などで実際に従事しなかった日は含みません
実務経験証明書は受験者の自己申告ではなく勤務先による証明が必要で、書式は社会福祉振興・試験センター指定のものを使用します
養成施設ルートの経過措置:現行では令和8年度(2026年度)までの卒業者が対象とされてきましたが、2026年に、この経過措置を令和13年度(2031年度)卒業者まで延長する方針が示され、関連する法改正が進められていると報じられています

受験資格の要件・対象施設・対象職種・手続きは、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターおよび厚生労働省が定めています。制度は改正されることがあるため、受験にあたっては必ず試験センターの最新の受験の手引きをご確認ください。とくに養成施設ルートの経過措置については、検討・改正の段階にある内容を含むため、最新の公表情報でご確認ください。

結論|実務経験ルートは「1,095日」と「540日」の両方が必要です

条件内容つまずきやすい点
①従業期間1,095日(3年)以上休職期間を含められます
②従事日数540日以上休暇・欠勤の日は含められません
③実務者研修修了していること受験申込時に「修了見込み」で申し込める場合があります

540日は、3年で割ると年180日です。週4日勤務なら年間約200日なので満たせますが、週3日勤務だと年間約150日となり、3年では届きません。

4つの取得ルート

ルート対象要件の概要
①実務経験ルート働きながら目指す方従業期間1,095日+従事日数540日+実務者研修
②養成施設ルート介護福祉士養成施設の学生養成施設の卒業(経過措置あり)
③福祉系高校ルート福祉系高校の卒業者所定の科目・単位の修得
④EPAルート経済連携協定に基づく外国人介護福祉士候補者所定の要件

すでに介護の現場で働いている方は、ほぼ①のルートになります。この記事も①を中心に解説します。

「従業期間」と「従事日数」の違い

ここを取り違えると、申請時に足りないことが発覚します。

従業期間(1,095日以上)従事日数(540日以上)
数えるもの対象施設・対象職種で在職していた期間実際に介護等の業務に従事した日数
産休・育休含められます含められません
病休・休職含められます含められません
有給休暇・欠勤期間には含まれます含められません
出張・研修期間には含まれます介護業務に従事していなければ含められません

週の勤務日数から逆算してください

勤務日数年間の目安3年で540日に届くか
週5日約240日届きます(約720日)
週4日約200日届きます(約600日)
週3日約150日届きません(約450日)
週2日約100日届きません(約300日)

上の数字は目安です。実際の従事日数は勤務実績によります。正確な日数は勤務先に確認してください。

週3日以下で働いている方は、3年では受験できません。従事日数が540日に達するまで働き続けるか、勤務日数を増やす必要があります。

複数の職場の経験を合算できます

実務経験は1つの事業所で満たす必要はありません。複数の職場での経験を合算できます。

  • それぞれの事業所から実務経験証明書を出してもらう必要があります
  • 退職した職場の分も必要です
  • 同一法人内で異動した場合も、対象施設・対象職種であれば通算できます
  • 期間が重複している場合の扱いは、試験センターの手引きで確認してください

証明書の取り方と、出してもらえないときの対処は介護福祉士の実務経験証明書にまとめました。

実務者研修はいつ取るか

実務経験ルートでは、実務者研修の修了が必須です。取るタイミングには考え方があります。

タイミングメリット注意点
実務経験を満たす前に取る受験年に慌てずに済みます費用が先にかかります
受験する年に取る費用を後ろ倒しにできます修了が間に合わないと受験できません

実務者研修は保有資格により2〜6か月かかります実務者研修の最短期間)。スクールの日程と定員もあるため、受験年の直前に慌てて申し込むのは避けたほうが無難です。

養成施設ルートの経過措置|見直しが進んでいます

養成施設を卒業した方については、国家試験に合格していなくても一定期間は介護福祉士として登録できる経過措置が設けられてきました。

この経過措置は令和8年度(2026年度)までの卒業者が対象とされてきましたが、2026年に、対象を令和13年度(2031年度)卒業者まで延長する方針が示され、関連する法改正が進められていると報じられています。

この内容は検討・改正の段階にあるものを含みます。対象年度、必要な要件、国家試験合格の扱いについては、必ず厚生労働省および社会福祉振興・試験センターの最新の公表情報をご確認ください。

実務経験ルートで受験する方には、この経過措置は関係ありません。混同しないようご注意ください。

受験までの流れ

  1. 対象施設・対象職種で働いているか確認する
  2. 従業期間と従事日数を数える(1,095日/540日)
  3. 実務者研修を受講・修了する
  4. 勤務先に実務経験証明書の作成を依頼する(退職先の分も)
  5. 受験の手引きを取り寄せ、申し込む
  6. 国家試験を受験
  7. 合格後、登録の手続きを行う(登録して初めて介護福祉士を名乗れます)

合格しただけでは名乗れません

介護福祉士は登録制の資格です。国家試験に合格したあと、所定の登録を受けることで資格を取得できます。履歴書には「介護福祉士 登録」と書き、登録の年月を記載します(介護職の履歴書の書き方)。

取得後に何が変わるか

保有資格平均給与額資格なしとの差
介護福祉士350,050円+59,430円
実務者研修327,260円+36,640円
介護職員初任者研修324,830円+34,210円
保有資格なし290,620円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(介護職員・月給・常勤の者、令和6年9月)。「実務者研修」には介護職員基礎研修・ヘルパー1級、「介護職員初任者研修」にはヘルパー2級を含みます。

詳しくは介護福祉士の年収にまとめています。資格の有無で月59,430円、年間で約71万円の差があります。

よくある質問

介護福祉士の受験資格を教えてください。

実務経験ルートの場合、従業期間が1,095日(3年)以上あり、かつ従事日数が540日以上あること、そして実務者研修を修了していることが要件です。このほか養成施設ルート、福祉系高校ルート、経済連携協定(EPA)ルートがあります。すでに介護の現場で働いている方は、ほぼ実務経験ルートになります。

「3年」と「540日」の両方が必要ですか?

両方が必要です。従業期間1,095日(3年)以上と、従事日数540日以上のどちらも満たす必要があります。540日は3年で割ると年180日にあたるため、週4日勤務なら満たせますが、週3日勤務では3年では届きません。

産休・育休の期間はどう扱われますか?

従業期間には含められますが、従事日数には含められません。従業期間は在職していた期間を指し、産休・育休・病休などの休職期間を含むことができます。一方、従事日数は実際に介護等の業務に従事した日数なので、休職中の日は数えられません。ここが最もつまずきやすい点です。

パート勤務でも受験できますか?

できますが、従事日数540日を満たす必要があります。週5日なら年約240日、週4日なら年約200日で3年以内に届きますが、週3日だと年約150日となり3年では届きません。ご自身の勤務日数から逆算して、いつ受験できるかを確認してください。

複数の職場の経験を合算できますか?

合算できます。ただし、それぞれの事業所から実務経験証明書を出してもらう必要があり、すでに退職した職場の分も必要になります。同一法人内での異動も、対象施設・対象職種であれば通算できます。期間が重複する場合の扱いは、試験センターの受験の手引きで確認してください。

実務者研修はいつまでに修了すればよいですか?

受験申込時に「修了見込み」で申し込める場合がありますが、要件と期限は受験の手引きで確認してください。実務者研修は保有資格により2〜6か月かかり、スクールの日程と定員もあります。受験年の直前に慌てて申し込むのは避け、実務経験を満たす前から準備しておくほうが安全です。

養成施設を卒業すれば国家試験は不要ですか?

養成施設ルートには経過措置が設けられてきました。現行では令和8年度(2026年度)までの卒業者が対象とされてきましたが、2026年にこの経過措置を令和13年度(2031年度)卒業者まで延長する方針が示され、関連する法改正が進められていると報じられています。検討・改正の段階にある内容を含むため、必ず厚生労働省と試験センターの最新情報をご確認ください。実務経験ルートで受験する方には関係のない話です。

合格すればすぐ介護福祉士を名乗れますか?

名乗れません。介護福祉士は登録制の資格で、国家試験に合格したあと所定の登録を受けることで資格を取得できます。履歴書には「介護福祉士 登録」と書き、合格発表日ではなく登録の年月を記載します。

まとめ|「3年」だけを覚えていると足りません

  • 実務経験ルートは従業期間1,095日(3年)以上 かつ 従事日数540日以上 + 実務者研修です
  • 従業期間には休職を含められますが、従事日数には含められません
  • 週3日勤務では3年で540日に届きません。勤務日数から逆算してください
  • 複数の職場の経験を合算できます。退職先の証明書も必要です
  • 実務者研修は2〜6か月。直前に慌てないよう先に取っておくのが安全です
  • 合格しただけでは名乗れません。登録して初めて介護福祉士になります

受験資格でつまずく原因は、ほとんどが従事日数540日の見落としです。まず自分の勤務日数を数え、いつ受験できるかを確定させてください。証明書の取り方は介護福祉士の実務経験証明書をご覧ください。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

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