この記事の結論
この記事で分かること
- 実務経験証明書は勤務先が作成する書類です。自分では書けません。書式は試験センター指定のものを使います。
- 働いた事業所ごとに1枚必要で、退職した職場の分も必要です。
- 従事日数に有給・欠勤・休職の日は含まれません(従業期間には含められます)。
- 依頼は受験申込の1か月前が目安。法人の決裁や担当者の交代で時間がかかります。
- 事業所が閉鎖している・断られた場合は、諦める前に試験センターへ相談してください。
- 提出前に、合計が1,095日・540日を満たすか自分で計算してください。
「実務経験証明書って、自分で書くの?」
「辞めた職場にも頼まないといけないの?」
「従事日数って、どうやって数えるの?」
実務経験証明書は、受験者本人が書く書類ではありません。勤務先(事業所・法人)に作成してもらう証明書です。書式は社会福祉振興・試験センターが指定したものを使います。
そして最も多いつまずきが、退職した職場の分も必要になるという点です。3年のあいだに転職した方は、前の職場にも依頼しなければなりません。
もう一つ。従事日数は、在籍していた日数ではありません。実際に介護等の業務に従事した日数です。有給休暇や欠勤の日は含まれません。ここを取り違えると、提出後に日数不足が発覚します。
この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、取得の手順、依頼の仕方、従事日数の数え方、そして出してもらえないときの対処を整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・実務経験証明書は、受験者の自己申告ではなく勤務先による証明が必要な書類で、書式は公益財団法人 社会福祉振興・試験センター指定のものを使用します
・実務経験ルートの要件:従業期間1,095日(3年)以上、かつ従事日数540日以上、および実務者研修の修了
・従業期間とは、実務経験の対象となる施設・事業の対象職種で在職していた期間を指し、産休・育休・病休などの休職期間を含めることができます
・従事日数とは、雇用契約に基づき実際に介護等の業務に従事した日数で、休暇・欠勤・出張・研修などで実際に従事しなかった日は含みません
・実務経験の対象となる施設・事業および職種の範囲は、試験センターが公表しています
様式・提出方法・記入要領・提出期限は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが定めています。制度や様式は変更されることがあるため、必ずその年度の「受験の手引き」と試験センターの最新の公表情報をご確認ください。この記事は一般的な手順を整理するものです。
結論|勤務先が書く書類です。自分では書けません
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が書くか | 勤務先(事業所・法人) |
| 様式 | 社会福祉振興・試験センター指定の書式 |
| 何枚必要か | 働いた事業所ごとに1枚。退職先の分も必要 |
| 証明する内容 | 従業期間・従事日数・従事した職種・施設の種別 |
| 入手先 | 受験の手引きに同封、または試験センターの案内から |
「自分の記憶で日数を書く」ことはできません。勤務先が勤務記録をもとに証明します。
取得の手順
- 受験の手引きを取り寄せる(様式と記入要領が入っています)
- 実務経験の対象になる期間を洗い出す(在籍した事業所を全部)
- 事業所ごとに証明書の作成を依頼する
- 退職した事業所にも連絡して依頼する
- 受け取った証明書の内容を確認する(日数・職種・期間)
- 受験申込書に添えて提出する
依頼は早めに。1か月前が目安です
- 事業所の担当者が慣れていないことがあります
- 法人本部での決裁が必要な場合、時間がかかります
- 退職先は、担当者が代わっていることがあります
- 受験申込には期限があります。間に合わなければその年は受験できません
「介護福祉士国家試験を受験するため、実務経験証明書の作成をお願いしたいのですが、どなたにお願いすればよいでしょうか。様式はこちらでご用意しています。◯月◯日までにいただけると助かります」
退職した職場への依頼
気が重い作業ですが、避けて通れません。退職の経緯にかかわらず、事業所には証明する立場があります。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 普通に退職した | 電話か書面で依頼。返信用封筒を同封すると進みやすくなります |
| 気まずい辞め方をした | 書面で依頼するほうが進みやすいことがあります |
| 担当者が代わっている | 法人の総務・人事に連絡します |
| 事業所が閉鎖・法人が変わった | 次の章を参照してください |
依頼するときに添えるもの
- 試験センター指定の様式(記入してもらう用紙)
- 自分の在籍期間(入職・退職の年月日)
- 担当していた職種と、勤務していた事業所名
- 返信用封筒(切手を貼ったもの)
- 希望する返送期日
従事日数の数え方
ここが最も誤解されます。従事日数は「在籍日数」でも「勤務すべきだった日数」でもありません。
| 従業期間(1,095日以上) | 従事日数(540日以上) | |
|---|---|---|
| 数えるもの | 在職していた期間 | 実際に介護等の業務に従事した日数 |
| 産休・育休 | 含められます | 含められません |
| 病休・休職 | 含められます | 含められません |
| 有給休暇 | 期間には含まれます | 含められません |
| 欠勤 | 期間には含まれます | 含められません |
| 出張・研修 | 期間には含まれます | 介護業務に従事していなければ含められません |
勤務日数から逆算しておく
| 勤務日数 | 年間の目安 | 3年間の合計 |
|---|---|---|
| 週5日 | 約240日 | 約720日(足りる) |
| 週4日 | 約200日 | 約600日(足りる) |
| 週3日 | 約150日 | 約450日(足りない) |
目安です。実際の日数は勤務実績によります。正確な数字は勤務先の記録で確認してください。
依頼する前に、自分でおおよその日数を把握しておいてください。足りないと分かれば、その年の申込を見送って翌年に回すという判断ができます。
証明書が出ないとき
不利益になりやすい場面なので、はっきり書きます。
| 状況 | 対応の考え方 |
|---|---|
| 事業所が閉鎖した/法人が変わった | 事業を承継した法人、または当時の法人の本部に連絡します |
| 断られた・応じてもらえない | 試験センターに事情を伝えて相談してください |
| 記録が残っていないと言われた | 雇用保険の記録、給与明細、シフト表など手元の資料を示せないか検討します |
| 担当者が書き方を分からない | 記入要領を一緒に渡すと進みます |
自分で判断して諦める前に、必ず試験センターに相談してください。個別の事情に応じた取扱いが案内される場合があります。
証明書が得られない場合の取扱いは、試験センターが個別に判断します。この記事は一般的な考え方を示すものです。
受け取ったら確認すること
- □ 従業期間の年月日が正しいか
- □ 従事日数が記載されているか
- □ 職種が対象のものになっているか
- □ 施設・事業の種別が正しいか
- □ 事業所名・所在地・代表者名と押印(求められている場合)
- □ 複数事業所分がすべて揃っているか
- □ 合計で1,095日・540日を満たしているか
提出前に自分で合計を出してください。足りないまま提出すると、受験できずに次の年を待つことになります。
介護職以外の職種で働いていた期間
実務経験の対象となる施設・事業と職種の範囲は、試験センターが公表しています。介護に直接携わらない職種の期間は、対象にならないことがあります。
- 送迎の運転のみを担当していた期間
- 事務職として在籍していた期間(介護事務とは)
- 調理職として在籍していた期間
- 生活相談員として在籍していた期間の扱いは、業務内容によります
判断が微妙な場合は、事業所ではなく試験センターに確認するのが確実です。
証明書を出したあとの流れ
- 受験申込書と実務経験証明書を提出
- 受験票の受け取り
- 国家試験の受験
- 合格後、登録の手続き(登録して初めて介護福祉士を名乗れます)
受験資格全体の考え方は介護福祉士の受験資格、取得後の待遇は介護福祉士の年収にまとめています。
よくある質問
実務経験証明書は自分で書くのですか?
いいえ。受験者の自己申告ではなく、勤務先(事業所・法人)による証明が必要な書類です。書式は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが指定したものを使用します。勤務先が勤務記録をもとに、従業期間・従事日数・職種・施設の種別を証明します。
退職した職場の分も必要ですか?
必要です。実務経験は複数の職場の分を合算できますが、事業所ごとに証明書を出してもらう必要があります。退職の経緯にかかわらず、事業所には証明する立場があります。担当者が代わっていることも多いため、法人の総務・人事に連絡してください。
従事日数はどう数えるのですか?
雇用契約に基づき、実際に介護等の業務に従事した日数です。在籍日数ではありません。有給休暇、欠勤、産休・育休・病休などの休職、介護業務に従事しない出張や研修の日は含まれません。一方、従業期間(1,095日以上)には休職期間を含めることができます。この違いが最もつまずきやすい点です。
いつ依頼すればよいですか?
受験申込の1か月前を目安に依頼してください。事業所の担当者が作成に慣れていないことや、法人本部での決裁が必要な場合があり、時間がかかります。退職先は担当者が代わっていることも多く、さらに時間を見ておく必要があります。受験申込の期限に間に合わなければ、その年は受験できません。
事業所が閉鎖してしまった場合はどうすればよいですか?
事業を承継した法人、または当時の法人の本部に連絡してください。それでも証明が得られない場合は、自分で諦める前に社会福祉振興・試験センターに事情を伝えて相談してください。個別の事情に応じた取扱いが案内される場合があります。
証明書の作成を断られたらどうすればよいですか?
まず記入要領を一緒に渡して、書き方が分からないことが理由でないかを確認してください。それでも応じてもらえない場合は、試験センターに相談してください。雇用保険の記録や給与明細、シフト表など手元にある資料が参考になる場合もあります。
送迎や事務の期間も実務経験になりますか?
実務経験の対象となる施設・事業と職種の範囲は試験センターが公表しており、介護に直接携わらない職種の期間は対象にならないことがあります。送迎の運転のみを担当していた期間や、事務職・調理職として在籍していた期間は注意が必要です。判断が微妙な場合は、事業所ではなく試験センターに確認するのが確実です。
受け取ったら何を確認すればよいですか?
従業期間の年月日、従事日数の記載、職種が対象のものになっているか、施設・事業の種別、事業所名や代表者名などを確認してください。そのうえで、複数事業所分の合計で従業期間1,095日以上・従事日数540日以上を満たしているかを、提出前にご自身で計算してください。
まとめ|早めに依頼し、合計は自分で確かめてください
- 実務経験証明書は勤務先が作成する書類です。自分では書けません
- 働いた事業所ごとに1枚。退職先の分も必要です
- 従事日数に、有給・欠勤・休職の日は含まれません(従業期間には含められます)
- 依頼は受験申込の1か月前が目安。決裁や担当者の交代で時間がかかります
- 証明書が得られないときは、諦める前に試験センターへ相談してください
- 提出前に、合計が1,095日・540日を満たすか自分で確認してください
この書類は、受験できるかどうかを最後に決めるものです。年に一度の試験ですから、間に合わなければ1年待つことになります。受験を決めたら、まず在籍した事業所を全部書き出すところから始めてください。要件の全体像は介護福祉士の受験資格をご覧ください。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
スキマかんご
次の働き方を、まず1日から確かめませんか?
スキマかんごなら、単発の補助のお仕事から始めて、職場の雰囲気を確かめながら次の働き方を選べます。
- 登録無料
- 単発・パート・常勤
- 掲載施設へ直接応募
気になる求人が見つかったら、掲載施設へ直接応募できます。