この記事の結論
この記事で分かること
- 国家資格ではありません。一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構による民間の認定です(2015年制度化)。
- 要件は介護福祉士としての実務経験5年以上+認定介護福祉士養成研修(全22科目・計600時間)です。
- Ⅰ類345時間・Ⅱ類255時間。初任者研修130時間の4倍以上の時間がかかります。
- 公的統計に「認定介護福祉士」の区分はありません。出典のない年収の数字は根拠になりません。
- 配置基準・加算の要件としての位置づけは限られます。ここが「意味ない」と言われる理由です。
- 法人の支援(費用・勤務時間)がなければ現実的ではありません。「役割のため」に取る認定です。
「認定介護福祉士って、介護福祉士の上位資格?」
「国家資格なの?」
「意味ないって言われるのはなぜ?」
まず位置づけをはっきりさせます。認定介護福祉士は国家資格ではありません。一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構が実施する民間の認定です。2015年に、介護福祉士の上位に位置づける形で制度化されました。
そして「意味ない」と検索される理由も、数字を見れば見当がつきます。養成研修は全22科目・Ⅰ類345時間+Ⅱ類255時間の計600時間。受講には介護福祉士としての実務経験5年以上が必要です。働きながら600時間を確保するのは、相当な負担です。
この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、制度の位置づけ、要件と研修の中身、「意味ない」と言われる理由、そして取る価値がある場面を整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・認定介護福祉士は、一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構が実施する民間の認定です。2015年に、介護福祉士の上位資格として制度化されました
・受講の要件:介護福祉士としての実務経験が5年以上あること
・研修:認定介護福祉士養成研修を受講し、全22科目を修了する必要があります
・カリキュラムはⅠ類とⅡ類を合わせて600時間。Ⅰ類は345時間(医療、リハビリテーション、福祉用具と住環境、認知症、心理・社会的支援など)、Ⅱ類は255時間(介護の実践力・応用力、チーム運営、サービス管理、人材育成・マネジメントなど)
・厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(介護職員・月給・常勤の者、保有資格別、令和6年9月):介護福祉士 350,050円/社会福祉士 397,620円/介護支援専門員 388,080円/保有資格なし 290,620円。「認定介護福祉士」という区分は集計されていません
受講要件・カリキュラム・費用・実施機関は、認定介護福祉士認証・認定機構および各研修実施機関が定めており、変更されることがあります。受講を検討される場合は、必ず同機構の最新の公表情報をご確認ください。この記事は特定の資格の取得を勧めるものではありません。
結論|国家資格ではなく、民間の認定です
| 介護福祉士 | 認定介護福祉士 | |
|---|---|---|
| 性格 | 国家資格(社会福祉士及び介護福祉士法) | 民間の認定 |
| 実施 | 国家試験+登録(社会福祉振興・試験センター) | 一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構 |
| 要件 | 実務経験3年+実務者研修+国家試験 | 介護福祉士として実務経験5年以上+養成研修600時間 |
| 制度化 | 1987年(昭和62年) | 2015年 |
| 配置基準・加算 | 配置基準や加算の要件になっています | 要件として定められた場面は限られます |
これは看護の「認定看護師」とは性格が違います。認定看護師は日本看護協会の認定ですが、認定看護師教育機関やB課程など制度としての整備が進んでいます(認定看護師とは)。認定介護福祉士は、制度としてはまだ新しい段階にあります。
養成研修|600時間・全22科目
| 区分 | 時間 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Ⅰ類 | 345時間 | 医療、リハビリテーション、福祉用具と住環境、認知症、心理・社会的支援など |
| Ⅱ類 | 255時間 | 介護の実践力・応用力、チーム運営、サービス管理、人材育成・マネジメント |
| 合計 | 600時間・全22科目 | — |
600時間がどれくらいか
- 介護職員初任者研修は130時間(介護職員初任者研修とは?)
- 実務者研修は保有資格により2〜6か月(実務者研修の最短期間)
- 認定介護福祉士養成研修は600時間。初任者研修の4倍以上です
働きながら600時間を確保するのが、この認定の最大のハードルです。研修は複数年にわたって受講する形になります。
「意味ない」と言われる理由
検索されている理由には、根拠があります。正直に整理します。
| 言われる理由 | 実際のところ |
|---|---|
| 国家資格ではない | 事実です。民間の認定です |
| 配置基準や加算の要件になっていない | 介護福祉士のように必置・加算要件として広く位置づけられてはいません |
| 研修が600時間と長い | 事実です。働きながらの受講は大きな負担になります |
| 手当が付かないことがある | 手当の有無と額は事業所が独自に決めます |
| 公的統計に区分がない | 処遇状況等調査に「認定介護福祉士」の集計はありません |
| 実施機関が限られる | 受講できる地域と時期に制約があります |
「取れば給与が上がる」ことを期待して受講すると、期待とずれる可能性が高い認定です。
公的統計に区分がありません
厚生労働省の介護従事者処遇状況等調査には、介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員・実務者研修・初任者研修・保有資格なしという区分はありますが、認定介護福祉士の区分はありません。
つまり「認定介護福祉士の平均年収は◯◯万円」と書かれている記事の数字には、公的な裏づけがありません。判断の根拠にしないほうが無難です。
それでも価値がある場面
否定するための記事ではないので、価値がある場面も書きます。
| 場面 | 内容 |
|---|---|
| 事業所が受講を支援してくれる | 費用と勤務時間の扱いが整っていれば、負担は大きく下がります |
| 教育・人材育成の役割を担いたい | Ⅱ類はチーム運営・サービス管理・人材育成が中心です |
| 法人内で指導的立場に進みたい | 役職への昇任と組み合わせる形なら、収入にもつながり得ます |
| 多職種連携の理解を深めたい | Ⅰ類で医療・リハビリ・福祉用具・認知症を体系的に学べます |
「給与のため」ではなく「役割のため」に取る認定だと考えるのが、実態に近い見方です。
ほかの選択肢と比べる
介護福祉士を取ったあと、次に何を目指すか。収入と役割の両方から比べてください。
| 選択肢 | 平均給与額 | 要件の重さ |
|---|---|---|
| 社会福祉士 | 397,620円 | 受験資格の要件が別途あります |
| 介護支援専門員 | 388,080円 | 実務経験5年900日+試験+研修 |
| 生活相談員 | 353,950円(職種別) | 資格要件は自治体により異なります |
| サービス管理責任者 | — | 実務経験+基礎研修・実践研修 |
| 認定介護福祉士 | 公表統計に区分なし | 介護福祉士5年+600時間 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(月給・常勤の者、令和6年9月)。社会福祉士・介護支援専門員は介護職員の保有資格別、生活相談員は職種別の数値です。
- ケアマネの受験資格 → ケアマネの受験資格
- 相談職へ → 生活相談員の資格要件
- 障害福祉へ → サービス管理責任者の資格要件
- 現場以外の選択肢 → 介護福祉士が現場以外で働ける17職種
受講を検討するなら、先に確認すること
- □ 介護福祉士としての実務経験5年以上を満たしているか
- □ 通える範囲に研修の実施機関があるか
- □ 受講費用は事業所が負担してくれるか
- □ 研修日は勤務時間として扱われるか
- □ 費用支援がある場合、返還の取り決めはあるか
- □ 修了後に手当が付くか。月額いくらか
- □ 修了後に、どの役割を任せてもらえるか
「認定介護福祉士養成研修の受講費用は、法人で負担していただけますか。研修の日は勤務時間として扱われますか。修了後の手当と、担っていただきたい役割を教えてください」
この認定は、法人の支援がなければ現実的ではありません。600時間の研修を自費・自分の休日だけで終えるのは、負担が大きすぎます。
よくある質問
認定介護福祉士とは何ですか?
一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構が実施する民間の認定です。2015年に、介護福祉士の上位に位置づける形で制度化されました。国家資格ではありません。受講には介護福祉士としての実務経験が5年以上必要で、認定介護福祉士養成研修(全22科目・計600時間)の修了が求められます。
国家資格ですか?
国家資格ではありません。介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法に基づく国家資格ですが、認定介護福祉士は一般社団法人が実施する民間の認定です。この違いが、配置基準や加算の要件としての扱いにも表れています。
研修はどのくらいの時間がかかりますか?
認定介護福祉士養成研修はⅠ類345時間、Ⅱ類255時間の計600時間で、全22科目を修了する必要があります。介護職員初任者研修が130時間であることと比べると、4倍以上の時間です。働きながらの受講は複数年にわたる形になり、この時間の確保が最大のハードルになります。
「意味ない」と言われるのはなぜですか?
国家資格ではないこと、介護福祉士のように配置基準や加算の要件として広く位置づけられていないこと、研修が600時間と長いこと、手当が付かない事業所があること、公的統計に区分がなく収入への効果が見えにくいことが理由です。「取れば給与が上がる」ことを期待して受講すると、期待とずれる可能性が高い認定です。
認定介護福祉士の年収はいくらですか?
公的な統計はありません。厚生労働省の介護従事者処遇状況等調査には、介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員・実務者研修・初任者研修・保有資格なしという保有資格別の区分はありますが、認定介護福祉士の区分は集計されていません。出典のない平均年収の数字は判断の根拠にしないでください。
それでも取る価値はありますか?
「給与のため」ではなく「役割のため」に取る認定だと考えると、価値がある場面はあります。Ⅱ類はチーム運営・サービス管理・人材育成が中心で、法人内で指導的立場に進みたい方には内容が合います。ただし事業所が費用と勤務時間を支援してくれることが前提です。600時間を自費・自分の休日だけで終えるのは負担が大きすぎます。
介護福祉士の次に目指すなら何がよいですか?
収入で見るなら、社会福祉士397,620円、介護支援専門員388,080円という水準です(介護職員の保有資格別)。役割で見るなら、生活相談員やサービス管理責任者という道もあります。認定介護福祉士は、収入への効果が統計で確認できない一方、研修の負担が大きい選択肢です。何を得たいかを決めてから比べてください。
認定看護師とは違うのですか?
性格が異なります。看護の認定看護師は日本看護協会の認定で、認定看護師教育機関や特定行為研修を組み込んだ課程など、制度としての整備が進んでいます。認定介護福祉士は2015年に制度化された比較的新しい認定で、配置基準や加算の要件としての位置づけも限られています。
まとめ|「役割のため」に取る認定です
- 国家資格ではなく、認定介護福祉士認証・認定機構による民間の認定です(2015年制度化)
- 要件は介護福祉士としての実務経験5年以上+養成研修600時間(全22科目)
- Ⅰ類345時間・Ⅱ類255時間。初任者研修130時間の4倍以上です
- 公的統計に「認定介護福祉士」の区分はありません。出典のない年収の数字は根拠になりません
- 配置基準・加算の要件としての位置づけは限られます
- 法人の支援(費用・勤務時間)がなければ現実的ではありません
介護福祉士を取ったあと、次に何を目指すか。収入を動かしたいなら、統計で差が確認できる選択肢を先に検討する価値があります。介護福祉士そのものの効果は介護福祉士の年収をご覧ください。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
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