この記事の結論
この記事で分かること
- まず勤務先が社会福祉法人かを確認してください。特養は95.6%、ショートステイは85.5%が社会福祉法人ですが、訪問介護は72.2%が営利法人です(令和5年介護サービス施設・事業所調査)。
- 社会福祉法人の多くは福祉医療機構の退職手当共済に加入。掛金は法人負担で、給与から引かれません。
- 退職手当金=計算基礎額(退職前6か月の平均本俸月額)×支給乗率(被共済職員期間)。手当ではなく基本給で決まります。
- 基本給25万円なら10年で130万5,000円、11年で193万1,400円。10年目と15年目に支給乗率が跳ね上がります。
- 被共済職員期間1年未満は支給されません。請求期限は退職日の翌日から5年間、支給まで概ね3か月です。
- 3年以内に別の加入法人へ移れば合算制度で期間をつなげます。ただし請求書を提出した後は合算できません。
- 基本給が大きく下がる転職では、合算せずいったん請求したほうが有利なことがあります(機構の比較例で213万6,720円の差)。
「介護職に退職金なんてあるの?」
「10年働いたら、いくらもらえるんだろう」
「転職したら、それまでの分は消えてしまう?」
介護職の退職金は、勤務先が社会福祉法人かどうかで、話がまったく変わります。
社会福祉法人が経営する施設の多くは、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の「社会福祉施設職員等退職手当共済制度」に加入しています。掛金は法人が負担し、職員の給与からは1円も引かれません。金額は公表されている早見表で確認でき、基本給25万円・勤続10年なら130万5,000円です。
一方、訪問介護の事業所は72.2%が営利法人(会社)です。社会福祉法人ではないので、この共済は使えません。退職金があるかどうかは、その会社が独自に制度を持っているかどうかにかかっています。
この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、自分の職場に退職金があるかの見分け方、退職手当共済の早見表、そして転職しても期間をつなげる「合算制度」とその落とし穴を、一次情報だけで整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月28日確認)
・独立行政法人福祉医療機構「社会福祉施設職員等退職手当共済制度について」…令和8年度単位掛金額49,500円。特定介護保険施設等職員・申出施設等職員は49,500円×3で、原則として公費補助はありません
・福祉医療機構「退職される皆さまへ ~福祉医療機構 退職手当共済制度のご案内~」…退職手当金=「計算基礎額(退職前6か月の平均本俸月額で決定)」×「支給乗率(被共済職員期間(年単位)で決定)」。請求の対象は被共済職員期間1年以上の方。請求期限は退職日の翌日から5年間
・厚生労働省「令和5年介護サービス施設・事業所調査の概況」…介護老人福祉施設の95.6%が社会福祉法人、訪問介護の72.2%が営利法人(会社)
・厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」…「医療,福祉」で退職給付制度がある企業割合75.5%、退職一時金の準備形態は中小企業退職金共済制度が42.0%
・国税庁「退職金を受け取ったとき(退職所得)」…退職所得控除額は勤続20年以下が40万円×勤続年数
まず「勤務先が社会福祉法人か」を確認してください
退職手当共済に加入できるのは、社会福祉法人です。株式会社や有限会社が経営する事業所は、そもそも対象になりません。
そして介護業界は、サービスの種類によって経営主体の構成がまったく違います。
| サービスの種類 | 社会福祉法人 | 営利法人(会社) | 医療法人 |
|---|---|---|---|
| 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 95.6% | ― | ― |
| 短期入所生活介護(ショートステイ) | 85.5% | 9.7% | 2.7% |
| 認知症対応型通所介護 | 41.6% | 38.7% | 11.3% |
| 通所介護(デイサービス) | 34.8% | 54.4% | 7.0% |
| 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 24.8% | 54.7% | 15.3% |
| 居宅介護支援事業所 | 23.5% | 53.6% | 15.0% |
| 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等) | 21.5% | 69.5% | 6.7% |
| 介護老人保健施設 | 15.7% | ― | 75.6% |
| 訪問介護 | 14.4% | 72.2% | 5.4% |
| 福祉用具貸与 | 1.8% | 94.9% | 1.2% |
出典:厚生労働省「令和5年介護サービス施設・事業所調査の概況」表4・表5(令和5年10月1日現在)。介護保険施設と事業所で調査区分が異なるため一部は「―」としています(2026年8月28日確認)
特養なら95.6%、ショートステイなら85.5%が社会福祉法人です。この2つで働いているなら、退職手当共済がある可能性はかなり高いといえます。
逆に、訪問介護・福祉用具貸与・有料老人ホームは営利法人が多数派です。ここで働いている方は、共済ではなく会社独自の制度があるかどうかを確認することになります。
法人の種類は求人票の「事業所名」ではわかりません。「社会福祉法人◯◯会」と書かれていれば社会福祉法人ですが、施設の愛称しか載っていないことも多いので、運営法人名まで確認してください。
退職手当共済は、掛金を職員が負担しません
社会福祉施設職員等退職手当共済制度は、福祉医療機構が運営しています。掛金を負担するのは共済契約者、つまり経営者である法人です。職員の給与から天引きされることはありません。
ただし、介護分野の掛金は他分野より重く設定されています。
| 区分 | 令和8年度の単位掛金額 | 公費補助 |
|---|---|---|
| 社会福祉施設等職員 | 49,500円 | 国・都道府県の補助金あり |
| 特定介護保険施設等職員 申出施設等職員 | 49,500円 × 3 | 原則としてなし |
出典:独立行政法人福祉医療機構「社会福祉施設職員等退職手当共済制度について」(2026年8月28日確認)
介護保険サービスを担う施設の職員については、掛金が3倍で、しかも公費補助がありません。法人が全額を自己負担します。
これは職員にとって直接の損得ではありませんが、「社会福祉法人なら必ず共済に入っている」とは限らない理由になります。法人にとって負担が重い制度である以上、加入していない法人や、新規加入をさせない届出をしている施設もあります。入職時・転職時には、共済に加入しているかを必ず確認してください。
いくらもらえるか|早見表で確認できます
退職手当金の計算式は公表されています。
退職手当金=「計算基礎額(退職前6か月の平均本俸月額で決定)」×「支給乗率(被共済職員期間(年単位)で決定)」
ポイントは「本俸月額」=基本給で計算されることです。夜勤手当や処遇改善加算による手当は含みません。介護職員の平均基本給等は月253,810円(令和6年度介護従事者処遇状況等調査)ですので、ここでは計算基礎額25万円の場合を見てみます。
| 被共済職員期間 | 退職手当金(計算基礎額25万円) | 前年からの増加額 |
|---|---|---|
| 1年 | 130,500円 | ― |
| 3年 | 391,500円 | 130,500円 |
| 5年 | 652,500円 | 130,500円 |
| 10年 | 1,305,000円 | 130,500円 |
| 11年 | 1,931,400円 | 626,400円 |
| 13年 | 2,314,200円 | 191,400円 |
| 15年 | 2,697,000円 | 191,400円 |
| 16年 | 3,347,325円 | 650,325円 |
| 20年 | 5,111,250円 | ― |
出典:福祉医療機構「退職される皆さまへ」掲載の退職手当金額早見表および受取額の比較例。制度改正で変わることがあるため、実際の請求前には最新の早見表と機構の計算シミュレーションでご確認ください(2026年8月28日確認)
ここに10年目と15年目という2つの節目があります。10年までは1年あたり130,500円ずつ増えていきますが、11年目に入った途端に626,400円増えます。15年から16年でも650,325円増えます。支給乗率が段階的に上がる設計だからです。
言い換えると、勤続10年0か月で辞めるのと、10年を過ぎて11年目に入ってから辞めるのとでは、62万円以上違うということです。退職日を自分で決められる状況なら、これは知っておく価値があります。
1年未満は支給されません。請求期限は5年です
制度の要件として、押さえておきたい点が3つあります。
- 請求できるのは被共済職員期間1年以上の方です。1年未満で辞めた場合、退職手当金は支給されません
- 請求期限は、退職日の翌日から5年間です。自動では振り込まれません。自分で請求書を提出する必要があります
- 支給までは書類到着から概ね3か月程度かかります。全国から請求が集中する4月〜8月頃は、さらに時間がかかることがあります
退職手当金は、退職した職場が作成する「被共済職員退職届」と、本人が作成する「退職手当金請求書」がセットで提出されて初めて支給されます。請求書だけでは支給されません。退職時に職場と手続きの流れを確認しておいてください。
「退職したのに振り込まれない」の多くは、請求手続きが済んでいないか、書類に不備があるケースです。機構は金額や支給時期の事前通知を行っていないため、待っていても連絡は来ません。
転職しても期間をつなげる「合算制度」があります
ここが、介護職にとっていちばん有利で、しかもあまり知られていない仕組みです。
退職手当共済には、退職後に別の加入法人へ移った場合、前後の被共済職員期間をつなぐ「合算制度」があります。勤続がリセットされないということです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 加入期間が1年以上の方 |
| 提出書類 | 約款様式第7号の3「合算制度利用申出書」 |
| 手続き | 退職時に1回目部分を記入して前の法人へ提出。再就職後に、控えの2回目部分を記入して新しい法人へ提出 |
| 復帰期限 | 退職日から3年以内に、加入法人へ再就職して制度に加入すること |
| 同一法人内で対象外施設へ異動した場合 | 復帰期限は異動になった日から5年間(手続きは法人が行います) |
出典:福祉医療機構「退職される皆さまへ」(2026年8月28日確認)
先ほどの早見表を思い出してください。10年で1,305,000円、11年で1,931,400円でした。5年勤めた職場を辞めて、別の社会福祉法人で6年勤めた場合、合算すれば11年として計算されます。合算せずに5年と6年で別々に受け取れば、652,500円+783,000円=1,435,500円。合算すれば1,931,400円です。差は495,900円になります。
ただし、「退職手当金請求書」を提出した後は、合算制度を利用できません。受け取ってしまうと、その期間はもう繋げられません。転職先が決まっていない段階でも、社会福祉法人に戻る可能性が少しでもあるなら、請求せずに合算申出書を出しておくという選択肢があることを知っておいてください。
なお、法人側の都合で1日の間もなく別の共済契約者へ異動した場合は、本人の手続きは不要です。法人が届出を行って期間が通算されます。
ただし「つないだほうが損」になることもあります
合算制度は常に有利とは限りません。福祉医療機構自身が、注意点として次のように示しています。
「被共済職員期間が長い方が支給乗率は上がりますが、退職前の本俸額が下がると計算基礎額が低くなります」
退職手当金は「計算基礎額 × 支給乗率」の掛け算です。期間をつないで乗率を上げても、退職直前6か月の基本給が下がっていれば、掛ける相手が小さくなります。
機構が公表している比較例が、この構造をよく表しています。正職員として20年勤めた後、パート職員として2年勤めて退職するケースです。
| 選択 | 雇用形態 | 期間 | 退職前6か月の 平均本俸月額 | 受取額 |
|---|---|---|---|---|
| 正職員のうちに いったん請求 | 正職員 | 20年 | 250,000円 | 5,111,250円 |
| パート職員 | 2年 | 130,000円 | 135,720円 | |
| 合計 | 5,246,970円 | |||
| 請求せず 加入を継続 | パート職員 | 22年 | 130,000円 | 3,110,250円 |
出典:福祉医療機構「退職される皆さまへ」受取額の比較例(2026年8月28日確認)
この例では、いったん請求したほうが213万6,720円多く受け取れます。22年ぶんの乗率で計算しても、計算基礎額が25万円から13万円に下がってしまうと、20年ぶんを25万円で計算した額に届かないからです。
つまり判断の分かれ目は、こうなります。
- 次の職場で基本給が上がる、または同程度…合算したほうが有利になりやすい
- 正職員からパートへ、常勤から非常勤へなど、基本給が大きく下がる…下がる前にいったん請求したほうが有利なことがある
雇用契約を変更する前、あるいは合算を申し出る前に、機構のホームページにある「退職手当金計算シミュレーション」で両方のパターンを試算してください。加入日・退職日・退職前6か月平均の本俸月額を入力すれば目安が出ます。
社会福祉法人でない職場の退職金
営利法人や医療法人の事業所では、退職手当共済は使えません。この場合の選択肢は、勤務先が独自に持っている制度です。
令和5年就労条件総合調査によると、「医療,福祉」で退職給付制度がある企業割合は75.5%。およそ4社に1社には制度がありません。規模別では30〜99人の企業で70.1%と、小規模なほど下がります。
制度がある場合、その形態は次のとおりです。
| 制度の形態 | 「医療,福祉」の割合 |
|---|---|
| 退職一時金制度のみ | 86.9% |
| 退職年金制度のみ | 1.7% |
| 両制度併用 | 11.4% |
出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」第16表。退職給付制度がある企業を100とした割合(2026年8月28日確認)
また、退職一時金の準備方法として「中小企業退職金共済制度(中退共)」が42.0%で使われています。規模30〜99人では48.5%と、社内準備(49.6%)に並びます。中退共の場合、退職金は勤務先ではなく共済から直接支払われます。
なお、退職金を支払うことは法律上の義務ではありません。労働基準法第89条は、退職手当の定めをする場合に限って、適用範囲・計算方法・支払時期などを就業規則に記載するよう求めています。定めがなければ、支給されなくても違法ではありません。
税金は、ほとんどのケースでかかりません
退職金は給与とは別に「退職所得」として課税され、退職所得控除という大きな控除があります。
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2
控除額は勤続20年以下なら40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)です。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 | 早見表の受取額(基本給25万円) |
|---|---|---|
| 5年 | 200万円 | 65万2,500円 |
| 10年 | 400万円 | 130万5,000円 |
| 15年 | 600万円 | 269万7,000円 |
| 20年 | 800万円 | 511万1,250円 |
国税庁「退職金を受け取ったとき(退職所得)」の計算式と、福祉医療機構の早見表にもとづく比較です(2026年8月28日確認)
どの年数でも、控除額のほうが受取額より大きくなっています。介護職の退職手当共済で所得税がかかることは、まずありません。
さらに、福祉医療機構の退職手当金については、機構が住民税や所得税を差し引いた状態で支給するため、確定申告は不要とされています。送金と同日に、送金通知書と退職所得の源泉徴収票が本人あてに届きます。
転職前に確認したい5つのこと
- 勤務先の法人格。社会福祉法人かどうかで、使える制度が変わります
- 退職手当共済に加入しているか。社会福祉法人でも、加入していない場合や、新規加入をさせない届出をしている施設があります
- いまの被共済職員期間が何年か。10年目・15年目の直前なら、退職日を数か月ずらすだけで受取額が60万円以上変わることがあります
- 次の職場も加入法人か。加入法人なら、3年以内の再就職で合算できます。請求書を出す前に判断してください
- 次の職場の基本給。大きく下がるなら、合算せずにいったん請求したほうが有利なことがあります
退職金だけで職場を選ぶ必要はありませんが、いま在籍している職場の制度を知らないまま辞めてしまうと、取り戻せません。給与そのものの水準は介護職の給料、資格による差は介護福祉士の年収もあわせてご覧ください。
よくある質問
介護職の退職金の相場はいくらですか?
介護職に限定した公的な平均額の統計はありませんが、社会福祉法人の退職手当共済であれば早見表で具体的な金額が確認できます。計算基礎額(退職前6か月の平均本俸月額)が25万円の場合、5年で65万2,500円、10年で130万5,000円、20年で511万1,250円です。基本給が違えばこの比率で変わります。営利法人の事業所は、その会社の退職金規程しだいです。
退職手当共済の掛金は給料から引かれますか?
引かれません。掛金を負担するのは共済契約者(経営者である法人)です。職員本人の負担はありません。なお令和8年度の単位掛金額は49,500円で、特定介護保険施設等職員・申出施設等職員についてはその3倍かつ原則として公費補助がないため、法人にとっては負担の重い制度になっています。
1年で辞めたら退職金はもらえますか?
退職手当共済では、請求できるのは被共済職員期間が1年以上の方です。1年未満では支給されません。1年以上あれば、計算基礎額25万円の場合で130,500円が支給対象になります。営利法人の独自制度の場合は、規程で「勤続3年以上」などの下限を設けていることが多いので、就業規則を確認してください。
転職すると退職金はリセットされますか?
退職手当共済には合算制度があり、退職日から3年以内に別の加入法人へ再就職して制度に加入すれば、前後の被共済職員期間をつなげます。ただし「退職手当金請求書」を提出して受け取ってしまうと、その期間は合算できなくなります。社会福祉法人に戻る可能性があるなら、請求する前に合算制度を検討してください。手続きは「合算制度利用申出書」(約款様式第7号の3)で行います。
合算はしたほうが得ですか?
基本給が下がらないなら有利です。退職手当金は「計算基礎額×支給乗率」で計算されるため、期間をつないで乗率を上げても、退職前6か月の基本給が下がっていれば受取額が減ることがあります。機構の比較例では、正職員20年(本俸25万円)でいったん請求してからパート2年を新規加入した場合の合計5,246,970円に対し、継続して22年(本俸13万円)で受け取ると3,110,250円と、213万6,720円の差がついています。正職員からパートに変わるときは、機構のシミュレーションで両方を試算してください。
退職金はいつ振り込まれますか?
退職手当共済の場合、書類が業務委託先に到着してから概ね3か月程度が目安です。全国から請求が集中する4月〜8月頃は、さらに時間がかかることがあります。自動的には支払われず、法人が作成する「被共済職員退職届」と本人が作成する「退職手当金請求書」がセットで提出される必要があります。請求期限は退職日の翌日から5年間です。
退職手当共済のお金に確定申告は必要ですか?
不要とされています。福祉医療機構は住民税や所得税を差し引いた状態(源泉徴収をした状態)で支給し、送金と同日に退職所得の源泉徴収票を本人あてに送付します。そもそも退職所得控除(勤続10年なら400万円)のほうが受取額より大きくなるケースがほとんどで、所得税がかからないのが通常です。
株式会社が運営するデイサービスに退職金はありますか?
会社ごとに異なります。退職金の支払いは法律上の義務ではありません。令和5年就労条件総合調査では「医療,福祉」で退職給付制度がある企業割合は75.5%、規模30〜99人では70.1%でした。制度がある場合は86.9%が「退職一時金のみ」で、その準備方法として中小企業退職金共済制度が42.0%使われています。求人票の「退職金あり」だけでは支給条件がわからないので、退職金規程を確認してください。
まとめ|法人格を確認し、10年目と15年目を意識してください
- まず勤務先が社会福祉法人かを確認します。特養は95.6%、ショートステイは85.5%が社会福祉法人。訪問介護は72.2%が営利法人です
- 社会福祉法人の多くは退職手当共済に加入しています。掛金は法人負担で、職員の給与からは引かれません
- 退職手当金=計算基礎額(退職前6か月の平均本俸月額)×支給乗率(被共済職員期間)。基本給で決まるため、手当は反映されません
- 基本給25万円なら10年で130万5,000円、11年で193万1,400円。10年目と15年目に乗率が跳ね上がります
- 1年未満は支給されません。請求期限は退職日の翌日から5年間、支給まで概ね3か月です
- 3年以内に別の加入法人へ移れば、合算制度で期間をつなげます。ただし請求書を出した後は合算できません
- 基本給が大きく下がる転職や雇用契約の変更では、合算せずいったん請求したほうが有利なことがあります
- 社会福祉法人でない職場では、退職給付制度がある企業は75.5%。4社に1社には制度がありません
介護職の退職金は、金額そのものより「知っていれば取り戻せたのに、知らずに請求してしまった」という失い方をしやすいのが特徴です。辞めると決める前に、いまの被共済職員期間と、次の職場の法人格だけは確認しておいてください。辞めるかどうかの判断そのものは介護職を辞めたい9つの理由、職場を変えて解決するかは介護職を辞めたいときで整理しています。看護師の退職金については看護師の退職金はいくら?をご覧ください。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
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