この記事の結論
この記事で分かること
- 読まれているのは「事業所の種別・利用者の介護度・担当範囲」の3点です。
- 「介護業務全般」は具体的な業務名に置き換えてください。食事・入浴・排泄・移乗・記録まで分解します。
- 定員・介護度の幅・認知症の割合・夜勤体制まで書くと、採用側が配置を想像できます。
- 資格は正式名称で。介護福祉士は「登録」、研修は「修了」です。ヘルパー2級は旧名称のままで構いません。
- 運転免許の有無は必ず書いてください。送迎のある事業所では採否に直結します。
- 未経験でも書けます。前職の業務のうち介護でも使うものを選んでください。
「介護の職務経歴書、何を書けばいいの?」
「毎日やっていることを書くと『介護業務全般』で終わってしまう」
「未経験だから、書く職歴がない」
介護職の職務経歴書は、看護や事務職ほど書き方が知られていません。そのため本来なら評価される情報が、当たり前すぎるという理由で削られてしまうことがよく起こります。
採用側が知りたいのは、「どの種別の事業所で、どのくらいの介護度の方を、何人体制で見ていたか」です。ここが読み取れれば、自分の事業所で任せられる範囲の見当がつきます。特養で要介護4〜5の方の身体介護をしていた方と、デイサービスで送迎とレクを担当していた方では、入職後の立ち上がりがまったく違うからです。
この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、事業所情報の書き方、「介護業務全般」を具体に変える手順、資格の正式名称、そして未経験の方の書き方を整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月26日確認)
・職務経歴書に法令上の定型様式はありません。厚生労働省は「ジョブ・カード」の様式(職務経歴シート)を公開しており、書式に迷う場合の下敷きとして使えます
・介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法に基づく国家資格で、登録を受けて名称を用いる資格です。書類には登録年月を記載します
・ホームヘルパー2級は、2013年度から介護職員初任者研修に移行しています。修了済みの方は旧資格名のまま記載できます
・採用選考では、本籍・出生地、家族の職業や収入、住宅状況、思想信条など「本人に責任のない事項」「本来自由であるべき事項」を把握しないことが厚生労働省の「公正な採用選考の基本」として示されています
応募書類の要否・様式・提出方法は事業所により異なります。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。個別の取扱いは応募先にご確認ください。
結論|「事業所の種別・利用者の状態・自分の担当範囲」の3点で判断されます
| 読まれる順 | 見られている項目 | 何を判断しているか |
|---|---|---|
| 1 | 事業所の種別と規模 | 自事業所と近い働き方か |
| 2 | 利用者の介護度・認知症の有無 | 身体介護をどこまで担ってきたか |
| 3 | 担当していた業務の範囲 | 入職後すぐ任せられる業務 |
| 4 | 資格と在籍期間 | 配置基準・加算への算入と、定着の見込み |
同じ「介護職員」でも、特養とデイサービスと訪問介護では中身が別物です。種別を書いただけで終わらせず、利用者の状態まで書いてください。
履歴書との違い|職歴の一覧が履歴書、業務の中身が職務経歴書
| 履歴書 | 職務経歴書 | |
|---|---|---|
| 目的 | 本人と経歴の確認 | 担当業務の説明 |
| 様式 | 市販・厚生労働省の様式例など | 指定なし(自由様式) |
| 職歴 | 入職・退職の年月と事業所名 | 種別・規模・利用者像・担当業務 |
| 枚数 | 1枚 | A4で1〜2枚 |
履歴書の書き方は介護職の履歴書の書き方にまとめています。資格欄の正式名称や、厚生労働省の様式例で変わった点はそちらをご確認ください。
求められないことも多い書類です
介護の求人では履歴書のみで選考が進むことがよくあります。それでも用意する価値はあります。職務経歴書に書いた内容は、面接で聞かれる内容とほぼ同じだからです(介護職の面接で聞かれる質問)。
事業所情報は「種別・定員・介護度・職員体制」まで書きます
ここが介護の職務経歴書で最も差がつく部分です。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 伝わらない | ◯◯苑 介護職員 |
| 伝わる | ◯◯苑(特別養護老人ホーム/定員◯◯名/ユニット型) 要介護3〜5の方が中心、認知症のある方が約◯割 日勤◯名・夜勤1ユニット1名(2交代)/夜勤 月◯回 |
書き添えると判断されやすくなる項目
- 事業所の種別(特養・老健・有料・サ高住・グループホーム・デイ・訪問介護など)
- 定員または1日の利用者数
- ユニット型か従来型か
- 利用者の介護度の幅と、認知症のある方の割合
- 夜勤の有無・体制・月の回数
- 一人で担当していた人数(訪問なら1日の訪問件数)
- 送迎の有無と運転の可否
利用者数や介護度の割合は、ご自身が把握している範囲でお書きください。不確かな数字は「約」を付けるか、記載を控えて差し支えありません。
「介護業務全般」を具体的な業務名に置き換えます
| ぼんやりした表現 | 置き換えた表現 |
|---|---|
| 介護業務全般 | 食事介助、入浴介助、排泄介助、移乗、口腔ケア、記録 |
| 身体介護 | 全介助の方の移乗(2人介助を含む)、機械浴・個浴の介助 |
| 認知症の方の対応 | 帰宅願望や不穏時の対応、生活歴に基づく声かけの共有 |
| レクをしていた | 週◯回のレクリエーションの企画・進行、季節行事の準備 |
| 記録をつけていた | 介護記録の入力、申し送り、ヒヤリハットの報告 |
| 新人の指導をした | 新任職員◯名の指導(OJT)、手順書の作成 |
| 家族対応 | ご家族への状況報告、面会時の対応、苦情の一次対応 |
| 送迎をしていた | 送迎業務(普通自動車/1日◯件、乗降介助を含む) |
医療的ケアは資格の範囲を明記します
喀痰吸引や経管栄養は、実施できる資格・研修の範囲が定められています。担当していた場合は、研修の修了区分まで書いてください。資格の裏づけがない状態で「経験あり」とだけ書くのは避けてください。
資格は正式名称で書きます
| 資格 | 書き方 | 日付 |
|---|---|---|
| 介護福祉士 | 介護福祉士 登録 | 登録年月 |
| 初任者研修 | 介護職員初任者研修 修了 | 修了年月 |
| 実務者研修 | 介護福祉士実務者研修 修了 | 修了年月 |
| ヘルパー2級 | 訪問介護員養成研修2級課程 修了(旧資格名のまま記載できます) | 修了年月 |
| ケアマネジャー | 介護支援専門員証 交付 | 交付年月 |
| 認知症介護基礎研修 | 認知症介護基礎研修 修了 | 修了年月 |
| 普通自動車免許 | 普通自動車第一種運転免許 取得 | 取得年月 |
送迎のある事業所では、運転免許の有無が採否に直結します。必ず書いてください。資格の取り方と順番は介護の資格は何から取る?を参照してください。
未経験・無資格の方の書き方
職務経歴書は、介護の経験がなくても書けます。前職の業務のうち、介護でも使うものを選んで書いてください。
| 前職 | 介護に接続する書き方 |
|---|---|
| 接客・販売 | ご高齢のお客様への対応、クレームの一次対応、立ち仕事 |
| 飲食 | 複数の作業を同時に進める段取り、衛生管理 |
| 製造・倉庫 | 手順の遵守、安全確認、体力を要する業務の継続 |
| 事務 | 記録・報告書の作成、電話対応、パソコン操作 |
| 運転職 | 安全運転の実績(送迎業務に直結します) |
| 子育て・家族の介護 | 家族の介護経験(期間と内容を1〜2行で) |
末尾に資格取得の予定を1行入れてください。未経験からの進め方は介護へ未経験・無資格から転職するには?にまとめています。
転職回数が多い方は、短期の在籍をまとめて書けます
介護は事業所の異動や派遣での勤務が多い業界です。職歴を省くことはできませんが、まとめて書くことはできます。
- 短期の在籍:事業所名と期間は残し、業務の説明を数行にまとめます
- 派遣・単発:「◯年◯月〜◯年◯月 派遣として◯事業所に勤務(特養・デイ)」とまとめられます
- 同一法人内の異動:法人名を1行にし、配属先を下にぶら下げます
転職理由の伝え方は介護の転職で後悔する原因は入職前に9割わかりますも参考になります。
そのまま組み立てられる構成例
特別養護老人ホーム(経験5年)
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 職務要約 | 特別養護老人ホームで5年間、要介護3〜5の方の身体介護を中心に担当。ユニットリーダーとして新任職員の指導も行いました。 |
| 事業所 | ◯◯苑(特別養護老人ホーム/定員◯◯名/ユニット型) |
| 利用者 | 要介護3〜5が中心、認知症のある方が約◯割 |
| 担当業務 | 食事・入浴・排泄介助、移乗(2人介助含む)、口腔ケア、記録、申し送り |
| 体制 | 2交代・夜勤 月◯回(1ユニット1名) |
| 役割 | ユニットリーダー(◯年)、新任職員◯名のOJT、事故防止委員会 |
| 資格 | 介護福祉士(◯年◯月登録)、実務者研修 修了、普通自動車免許 |
デイサービスから入居施設へ移りたい方
身体介護の経験を前に出します。デイでも入浴介助や移乗を担当していたなら、その人数と頻度まで書いてください。送迎経験は入居施設では使わないため、後ろに回します。
入居施設から訪問介護へ移りたい方
一人で判断した場面、記録と報告、ご家族とのやり取りを前に出します。訪問は単独行動が前提です(訪問介護への転職はきつい?)。
やってはいけないこと
| 避けること | 理由 |
|---|---|
| 例文をそのまま貼る | 面接で掘り下げられると答えられません |
| 資格の裏づけのない医療的ケアを書く | 実施できる範囲が定められています |
| 前職の批判を書く | 退職理由が人間関係でも、事実だけを書きます |
| 利用者の個人情報が特定できる書き方 | 守秘義務の観点から避けてください |
| 空白期間の未記載 | 履歴書と突き合わせた時点で分かります |
| 「介護業務全般」だけで終える | 判断材料になりません |
提出前のチェックリスト
- □ A4で1〜2枚に収まっている
- □ 直近の事業所が最初に来ている
- □ 事業所の種別と定員が書いてある
- □ 利用者の介護度の幅が書いてある
- □ 「介護業務全般」を具体的な業務名に置き換えた
- □ 夜勤の体制と月の回数が書いてある
- □ 資格を正式名称で書いた(介護福祉士は「登録」)
- □ 運転免許の有無を書いた
- □ 在籍期間が履歴書と一致している
- □ 利用者が特定できる記述がない
- □ 日付は提出日になっている
- □ メール提出ならPDFに変換した
よくある質問
介護の職務経歴書に決まった様式はありますか?
法令上の定型様式はありません。A4サイズで自由に作成して差し支えありません。書式に迷う場合は、厚生労働省が公開しているジョブ・カードの職務経歴シートを下敷きにする方法があります。応募先が独自の様式を指定している場合は、そちらが優先されます。
「介護業務全般」としか書けません。どうすればよいですか?
食事介助、入浴介助、排泄介助、移乗、口腔ケア、記録、申し送りのように、実際に手を動かしていた業務名に分解してください。あわせて事業所の種別、定員、利用者の介護度の幅、夜勤の体制を書くと、それだけで分量は足ります。介護職にとって当たり前の内容ほど、他事業所の採用担当は知らない情報です。
介護福祉士は「取得」と「登録」のどちらで書きますか?
「介護福祉士 登録」と書き、登録年月を記載します。介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、登録を受けて名称を用いる資格です。日付は試験の合格日ではなく登録の年月になります。介護福祉士登録証でご確認ください。
ホームヘルパー2級は今どう書けばよいですか?
「訪問介護員養成研修2級課程 修了」と、修了当時の正式名称で書いて差し支えありません。ホームヘルパー2級は2013年度から介護職員初任者研修に移行しています。初任者研修を改めて受け直す必要はありません。
未経験ですが、職務経歴書は書けますか?
書けます。前職の業務のうち介護でも使うものを選んで書いてください。接客であればご高齢のお客様への対応、飲食であれば複数作業の段取り、事務であれば記録や報告書の作成が該当します。運転職であれば送迎業務に直結します。末尾に資格取得の予定を1行添えてください。
喀痰吸引の経験は書いてもよいですか?
実施できる資格・研修の範囲が定められている行為のため、修了した研修の区分まで明記してください。資格の裏づけがない状態で「経験あり」とだけ書くのは避けてください。研修の区分が分からない場合は、修了証で確認するか、記載を控えて差し支えありません。
転職回数が多い場合、どう書けばよいですか?
職歴を省くことはできませんが、短期間の在籍は事業所名と期間だけを残し、業務の説明をまとめて書けます。派遣での勤務は「派遣として複数事業所に勤務(特養・デイ)」とまとめる書き方もあります。同一法人内の異動は、法人名を1行にして配属先を下にぶら下げると読みやすくなります。
求められていない場合も職務経歴書を出したほうがよいですか?
介護の求人では履歴書のみで選考が進むことがよくあります。提出は任意ですが、用意しておくと面接が進めやすくなります。書いた内容が面接で聞かれる内容とほぼ重なるためです。募集要項で「履歴書のみ」と指定がある場合は、その指示に従ってください。
まとめ|種別と介護度を書くだけで、書類は伝わるようになります
- 読まれているのは「事業所の種別・利用者の状態・担当範囲」の3点です
- 「介護業務全般」は具体的な業務名に置き換えます
- 定員・介護度の幅・夜勤体制まで書くと、採用側が配置を想像できます
- 資格は正式名称で。介護福祉士は「登録」、ヘルパー2級は旧名称のままで構いません
- 運転免許の有無は必ず書きます。送迎のある事業所では採否に直結します
- 未経験でも書けます。前職の業務から介護に接続するものを選びます
職務経歴書は、うまく書く書類ではなく正確に思い出す書類です。まず勤めていた事業所の種別と定員、そして担当していたフロアの利用者の状態を書き出してみてください。そこから削るほうが、埋めようとするより早く仕上がります。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
スキマかんご
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