この記事の結論

この記事で分かること

  • 要件は①実務研修5年以上(うち3年以上は認定看護分野)②教育課程の修了 ③認定審査の3段階です。
  • 最大の難所は、教育課程に通う間の身分と収入です。研修派遣・休職・退職のどれになるかを先に確認してください。
  • 1〜2年ごとの異動があると「うち3年以上」が積み上がりません。分野に留まる期間の確保が要ります。
  • 学費支援には「取得後◯年以内の退職は返還」という取り決めがあることがあります。書面で確認を。
  • 更新は5年ごとの書類審査。取得後もその分野に関わり続けられる環境が前提です。
  • 年収を上げるのが主目的なら、統計上は勤務先の規模を変えるほうが即効性があります(規模差 約100万円)。

「認定看護師になりたいけど、何から始めればいいの?」
「働きながら通えるの?費用はどのくらい?」
「更新って大変?」

認定看護師になる道筋自体は、はっきりしています。①実務研修を通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野)②認定看護師教育機関に入学・修了 ③認定審査に合格。この3段階です。

難しいのは要件そのものではなく、②の教育課程に通う期間、仕事と生活をどうするかです。そしてもう一つ、取得を決める前に必ず確認してほしいことがあります。資格手当の額は法令で定められておらず、設定のない職場もあるということです。

この記事では、看護師の求人情報サービスを運営する立場から、要件の中身、教育課程に通う間の現実、費用と支援制度の落とし穴、そして5年ごとの更新を整理します。

この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
・公益社団法人日本看護協会「認定看護師」ページ
 要件:日本国の看護師免許を有すること/看護師免許取得後、実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)認定看護師教育機関への入学・修了認定審査に合格
 更新5年ごとに更新(書類審査)
 課程の区分:A課程=特定行為研修を組み込んでいない21分野/B課程=特定行為研修を組み込んでいる19分野A課程の認定看護師教育機関を修了した者に対する認定審査は2029年度をもって終了
・同協会の資格認定制度ページでは、2026年度から審査方法・合格基準が変更されたこと、認定看護分野の名称の見直しが進行中であることが示されています
特定行為研修は保健師助産師看護師法に基づく研修制度で、厚生労働大臣が指定する「指定研修機関」で履修します

要件・審査方法・教育機関の情報は変更されることがあります。受講・受験を検討される場合は、必ず日本看護協会および各教育機関の最新の公表情報をご確認ください。費用は教育機関により異なります。

結論|要件は3段階。難所は「教育課程に通う期間」です

段階内容難所
①実務研修通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野)異動が多いと3年が積み上がりません
②教育課程認定看護師教育機関に入学・修了ここが最大の難所です
③認定審査認定審査に合格2026年度から審査方法・合格基準が変更
その後5年ごとに更新(書類審査)実践実績を積み続ける必要があります

①実務研修|「うち3年以上は認定看護分野」が効きます

看護師免許を取得してから通算5年以上、そのうち3年以上はこれから認定を受けようとする分野の実務研修である必要があります。

ここでつまずきやすいのは異動です

  • 1〜2年ごとに部署が変わると、3年が積み上がりません
  • 転職して分野が変わった場合も、その前後で分断されます
  • 分野を決めたら、その分野に留まる期間を意識的に確保する必要があります

逆に言えば、いま働いている分野が、実質的に選べる分野です。興味だけで分野を選ぶと、要件を満たすまでに何年もかかります(認定看護師とは)。

②教育課程|働き方をどうするかが最大の課題です

認定看護師教育機関に入学し、修了する必要があります。この期間の勤務の扱いは、勤務先の方針次第で大きく変わります。

勤務先の扱い負担
研修派遣(給与が出る)最も負担が軽い形です
休職(無給)生活費を自分で確保する必要があります
退職して通う収入がなくなり、復職先も未定になります

「研修派遣で行かせてもらえるか」は、勤務先を選ぶ段階から効いてくる条件です。大きな病院ほど制度が整っていることが多く、これは企業規模による賞与の差と同じ構造です(勤務先別の看護師の給料)。

教育機関の場所も条件になります

  • 希望する分野の課程が、通える範囲にあるとは限りません
  • 遠方の場合、住居費が別途かかります
  • B課程(特定行為研修を組み込んだ課程)の設置状況も分野により差があります

③認定審査|2026年度から方法が変わっています

日本看護協会は、2026年度から審査方法・合格基準を変更したと示しています。受験を予定している方は、必ず最新の実施要項を確認してください。

またA課程の認定看護師教育機関を修了した者に対する認定審査は、2029年度をもって終了するとされています。これから目指す方は、B課程を前提に計画を立てることになります。

費用|教育課程・受験・登録・更新でかかります

かかるもの内容
教育課程の学費教育機関により異なります
通学・滞在の費用遠方の場合は住居費も
認定審査の費用受験・登録に係る費用
更新の費用5年ごと
教育課程中の収入減休職・退職の場合は最も大きい負担です

金額は教育機関・年度により異なるため、この記事では具体額を示しません。必ず各教育機関と日本看護協会の公表情報でご確認ください。

支援制度には返還の取り決めがあることがあります

勤務先が学費を負担する制度がある場合、「取得後◯年以内に退職した場合は費用を返還」という取り決めが設けられていることがあります。

教育課程に通う間の身分と給与はどうなりますか。学費の支援がある場合、返還の条件はどのように定められていますか。金額と期間を、就業規則または規程で確認させていただけますか」

口頭の説明だけで進めないでください。金額と期間は必ず書面で確認してください。

更新|5年ごとの書類審査です

  • 5年ごとに更新(書類審査)が必要です
  • 更新には実践の実績などが求められます
  • つまり、取得後もその分野に関わり続けられる環境が前提になります
  • 異動で分野から離れると、更新の要件を満たしにくくなります

取得後に「認定看護師として活動する時間が確保されるか」は、面接や上司との面談で確認しておく価値があります。資格はあるのに現場業務だけで手一杯、という状態は珍しくありません。

取得後の待遇|資格手当は法令で定められていません

ここは正直に書きます。認定看護師の資格手当の額は、勤務先が独自に決めるものです。手当が設定されていない職場もあります。

  • 勤務先の賃金規程に「資格手当」の項目はあるか
  • 認定看護師は対象に含まれているか。月額いくらか
  • □ 役職・専従の扱いになるか
  • 転職した場合、移った先で手当が付くか

年収を上げることが主目的であれば、資格より勤務先の規模を変えるほうが即効性があります。統計上、企業規模1,000人以上と10〜99人では年収に約100万円の差があります(看護師が給料を上げる方法)。

始める前に決めておく3つ

  1. 分野を決める(いま働いている分野で3年以上を積めるか)
  2. 教育課程に通う間の身分を決める(研修派遣・休職・退職のどれか)
  3. 取得後にやりたいことを言語化する(指導か、相談か、仕組みづくりか)

専門看護師という選択肢もあります。違いは専門看護師とは、医療行為の幅を広げたい場合は特定行為研修とはをご覧ください。

よくある質問

認定看護師になるための要件を教えてください。

日本国の看護師免許を有すること、看護師免許取得後に実務研修が通算5年以上あり、うち3年以上が認定を受けようとする認定看護分野の実務研修であること、認定看護師教育機関に入学・修了すること、認定審査に合格することの4つです。取得後は5年ごとに更新(書類審査)が必要です。

働きながら取得できますか?

教育課程に通う期間は、勤務先の扱いによって負担が大きく変わります。研修派遣として給与が出る形、休職して無給になる形、退職して通う形があります。まず勤務先に「教育課程に通う間の身分と給与はどうなるか」を確認してください。大きな病院ほど支援制度が整っていることが多い傾向があります。

費用はどのくらいかかりますか?

教育課程の学費、通学や滞在の費用、認定審査と登録の費用、5年ごとの更新の費用がかかります。金額は教育機関や年度により異なるため、各教育機関と日本看護協会の公表情報でご確認ください。休職や退職を選ぶ場合は、その間の収入減が最も大きい負担になります。

勤務先が学費を出してくれる場合の注意点はありますか?

「取得後◯年以内に退職した場合は費用を返還」という取り決めが設けられていることがあります。金額と期間を、就業規則または規程で必ず確認してください。口頭の説明だけで進めるのは避けたほうが無難です。

分野はどう選べばよいですか?

実務研修の要件が「うち3年以上は認定看護分野」となっているため、いま働いている分野が実質的に選べる分野になります。1〜2年ごとに異動があると3年が積み上がりません。分野を決めたら、その分野に留まる期間を意識的に確保する必要があります。

A課程とB課程、どちらを目指せばよいですか?

日本看護協会は、A課程の認定看護師教育機関を修了した者に対する認定審査を2029年度をもって終了すると公表しています。これから目指す方は、特定行為研修を組み込んだB課程を前提に計画を立てることになります。ただしB課程の設置状況は分野により差があるため、通える範囲に課程があるかを先に確認してください。

更新は大変ですか?

5年ごとの書類審査で、実践の実績などが求められます。つまり取得後もその分野に関わり続けられる環境が前提になります。異動で分野から離れると更新の要件を満たしにくくなるため、取得後の配置についても勤務先と話し合っておくとよいです。

取得すると給料は上がりますか?

資格手当の額は法令で定められておらず、勤務先が独自に決めます。手当が設定されていない職場もあります。年収を上げることが主目的であれば、統計上は勤務先の規模を変えるほうが即効性があります。企業規模1,000人以上と10〜99人では年収に約100万円の差があります。

まとめ|要件より、通う間の身分を先に決めてください

  • 要件は①実務研修5年以上(うち3年以上は認定看護分野)②教育課程 ③認定審査
  • 最大の難所は、教育課程に通う間の身分と収入です
  • 研修派遣・休職・退職のどれになるかを、着手前に確認してください
  • 学費支援には返還の取り決めがあることがあります。金額と期間を書面で確認を
  • 更新は5年ごと。取得後もその分野に関わり続けられる環境が前提です
  • 資格手当は法令で定められていません。賃金規程を先に確認してください

認定看護師は、取ること自体より取ったあとにその役割で働けるかどうかが重要な資格です。制度の全体像は認定看護師とはをご覧ください。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

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