この記事の結論

この記事で分かること

  • 福祉用具貸与・販売の事業所に2名以上の配置が求められる職種です。
  • 旧ヘルパー1級・2級と介護職員基礎研修は、平成27年4月1日から対象外になりました。指定講習の受講が必要です。
  • 指定講習は計50時間。受講に実務経験も学歴も要りません(修了試験あり)。
  • 介護福祉士・看護師など指定された資格があれば、講習なしで要件を満たします。
  • 搬入・設置の体力仕事と、ケアマネへの営業という側面があります。楽になるとは限りません。
  • 応募前に営業の有無・搬入を誰がやるか・担当エリアを確認してください。

「福祉用具専門相談員って、介護職から目指せるの?」
「ヘルパー2級を持っていればなれるって聞いたけど……」
「体力的には楽になる?」

まず、いちばん誤解の多い点を訂正させてください。訪問介護員養成研修1級・2級課程や介護職員基礎研修課程の修了者は、平成27年4月1日から福祉用具専門相談員の対象から除外されています。いまは指定講習(50時間)を修了するか、指定された国家資格等を持っているかのどちらかが必要です。

そしてこの職種には、介護保険法上の位置づけがあります。福祉用具貸与・販売の事業所には、福祉用具専門相談員を2名以上配置することが求められています。事業所の数だけ需要がある職種、ということです。

この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、実際の業務、資格の取り方、配置基準、そして「きつい」と言われる理由を整理します。

この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
福祉用具貸与・販売の事業所には、福祉用具専門相談員を2名以上配置することが指定基準で求められています
資格要件福祉用具専門相談員指定講習(計50時間)を修了し、修了試験に合格すること。または介護福祉士・看護師・准看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・義肢装具士など、指定された資格を有すること
訪問介護員養成研修1級・2級課程修了者および介護職員基礎研修課程修了者は、平成27年4月1日から除外されています
指定講習の受講に要件は定められておらず、経歴や学歴を問わず受講できます
・福祉用具専門相談員は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)にも職業として掲載されています

配置基準・資格要件・講習の運用は指定権者(都道府県)により細部が異なる場合があります。受講先や実際の要件は、都道府県の案内および指定講習の実施機関でご確認ください。

結論|介護保険の事業所に2名以上必要な職種です

項目内容
置かれる場所福祉用具貸与・特定福祉用具販売の事業所
配置2名以上
資格指定講習(50時間)の修了+修了試験合格、または指定された国家資格等
受講要件ありません。経歴・学歴を問わず受講できます
中心業務用具の選定相談、利用計画(サービス計画)の作成、納品・調整、モニタリング
夜勤原則ありません

受講に実務経験の要件がない点は、介護の資格のなかでは珍しい特徴です。未経験からでも、講習を修了すれば要件を満たせます。

仕事内容|5つに整理できます

1.選定の相談

利用者の身体状況、住まいの環境、家族の介護力を踏まえて、どの用具が合うかを一緒に考えます。ケアマネジャーからの依頼で動くことが多い業務です。

2.福祉用具サービス計画の作成

利用目標、選定した用具とその理由を記載した計画を作ります。ケアプランの内容に沿っている必要があります。

3.納品・搬入と適合(フィッティング)

  • ベッド、車いす、手すり、スロープ、歩行器などの搬入・設置
  • 身体に合わせた高さ・角度の調整
  • 使い方の説明(本人・家族・ヘルパーへ)

4.モニタリング

導入後に訪問して、使えているか、身体状況の変化に合っているかを確認します。合わなくなっていれば別の用具に変更します。

5.メンテナンス・回収

貸与した用具の点検、消毒、故障対応、利用終了時の回収を行います。

資格の取り方|指定講習は50時間です

ルート内容
指定講習を受ける計50時間の講習を修了し、修了試験に合格
指定された資格を持っている介護福祉士、看護師、准看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、義肢装具士など
使えなくなったもの訪問介護員養成研修1級・2級課程、介護職員基礎研修課程(平成27年4月1日から除外)

「ヘルパー2級があるから大丈夫」は誤りです

旧ヘルパー1級・2級と介護職員基礎研修は、平成27年4月1日から福祉用具専門相談員の対象外になっています。これらの資格をお持ちでも、指定講習の受講が必要です。

一方で介護福祉士をお持ちであれば、講習なしで要件を満たします。介護福祉士の取得を検討している方は、この点も判断材料になります(介護の資格は何から取る?)。

受講に条件はありません

  • 実務経験も学歴も問われません
  • 計50時間のため、数日〜1週間程度の日程で実施されることが一般的です
  • 修了試験がありますが、講習の内容を確認する位置づけのものです
  • 費用と日程は実施機関により異なります

「きつい」と言われる理由

不利益になりやすい点なので、はっきり書きます。

負担の中身内容
搬入・設置の体力仕事介護ベッドや車いすを運びます。階段のみの住居もあります
営業の側面があるケアマネジャーへの営業・提案が業務に含まれる事業所があります
移動が多い1日に複数件を回り、運転時間が長くなります
緊急対応ベッドの故障などは待ってもらえません
知識の更新用具の種類が多く、制度改定も追う必要があります
介護保険の知識要介護度による貸与種目の制限などを理解する必要があります

「介護職より体力的に楽」とは限りません。身体介護はありませんが、重量物の運搬と長時間の運転があります。負担の種類が変わると考えるのが実際に近い見方です。

介護職からの移り方

介護での経験福祉用具で活きる場面
移乗・移動の介助どの用具が本当に使えるかの見立てに直結します
住環境を見た経験訪問介護の経験があると、住まいの制約が読めます
ケアマネとのやり取り依頼元との連携がそのまま業務になります
家族への説明使い方の説明に活きます
記録福祉用具サービス計画・モニタリング記録に直結します

実際に身体を支えた経験がある人の提案は、カタログだけで選ぶ提案とは説得力が違います。これは介護職からこの職種に移る最大の強みです。

応募前に確認すべき8項目

  • 営業(ケアマネへの提案)はどの程度あるか。目標数字はあるか
  • 搬入・設置は自分でやるか、配送業者がいるか
  • 担当エリアの広さと、1日の訪問件数
  • □ 社用車の有無、運転免許の要否
  • □ 緊急対応の当番はあるか
  • □ 相談員は何名配置されているか(下限は2名)
  • □ 指定講習の費用を事業所が負担してくれるか
  • □ 給与に営業の成果が反映されるか

「搬入は業者が行い、相談員は選定と調整に専念する」事業所と、「相談員が全部やる」事業所があります。体力的な負担が大きく変わる分かれ目です。面接での聞き方は介護職の面接で聞かれる質問にまとめています。

よくある質問

福祉用具専門相談員とはどんな仕事ですか?

介護保険の福祉用具貸与・販売の事業所で、利用者に合った福祉用具を選定し、福祉用具サービス計画を作成して、納品・調整・モニタリング・メンテナンスまでを担当する職種です。ケアマネジャーからの依頼で動くことが多く、事業所には2名以上の配置が求められています。

資格を取るにはどうすればよいですか?

福祉用具専門相談員指定講習(計50時間)を修了し、修了試験に合格する方法が基本です。受講に実務経験や学歴の要件はなく、誰でも受講できます。また介護福祉士、看護師、准看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、義肢装具士などの資格をお持ちの場合は、講習なしで要件を満たします。

ホームヘルパー2級を持っていればなれますか?

なれません。訪問介護員養成研修1級・2級課程および介護職員基礎研修課程の修了者は、平成27年4月1日から福祉用具専門相談員の対象から除外されています。これらの資格をお持ちでも、指定講習の受講が必要です。古い情報が残っている分野なので注意してください。

介護福祉士があれば講習は不要ですか?

介護福祉士は指定された資格に含まれているため、講習を受けずに要件を満たします。ただし実務では福祉用具や介護保険の貸与種目に関する知識が必要になるため、事業所によっては入職後の研修が用意されています。

体力的には介護職より楽ですか?

身体介護はありませんが、介護ベッドや車いすなどの重量物を搬入・設置する作業があります。階段のみの住居もあり、1日に複数件を回るため運転時間も長くなります。負担の種類が変わると考えるほうが実際に近い見方です。搬入を配送業者が行う事業所もあるため、面接で確認してください。

営業の仕事もあるのですか?

ケアマネジャーへの提案や情報提供が業務に含まれる事業所があります。目標数字が設定されている場合もあるため、応募前に「営業がどの程度あるか」「目標数字はあるか」「給与に成果が反映されるか」を確認してください。事業所によって位置づけが大きく異なる部分です。

介護の経験は活かせますか?

大いに活かせます。移乗や移動の介助をしてきた経験は、どの用具が実際に使えるかの見立てに直結します。訪問介護の経験があれば住まいの制約も読めます。ケアマネジャーとのやり取りや家族への説明、記録の習慣もそのまま業務になります。実際に身体を支えた経験がある人の提案は説得力が違います。

求人は多いですか?

福祉用具貸与・販売の事業所には2名以上の配置が求められているため、事業所の数だけ需要があります。ただし1事業所あたりの人数は限られるため、介護職員の求人ほど数は多くありません。運転免許が必要な求人が多い点も確認してください。

まとめ|受講に条件がない、珍しい入口です

  • 福祉用具貸与・販売の事業所に2名以上の配置が求められる職種です
  • 指定講習は計50時間。受講に実務経験も学歴も要りません
  • 旧ヘルパー1級・2級と介護職員基礎研修は平成27年4月1日から対象外です
  • 介護福祉士など指定された資格があれば、講習なしで要件を満たします
  • 体力仕事と営業の側面があります。楽になるとは限りません
  • 応募前に営業の有無・搬入を誰がやるか・担当エリアを確認してください

介護現場で「この人にはこの用具が合う」と感じてきた経験は、この職種でそのまま価値になります。他のキャリアの選択肢は介護福祉士が現場以外で働ける17職種、相談職は生活相談員とはもご覧ください。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

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