この記事の結論

この記事で分かること

  • 訪問介護事業所に必置。利用者40人またはその端数を増すごとに1人以上と基準で定められています。
  • 中心業務は訪問介護計画の作成・ヘルパーの調整と指導・ケアマネジャーとの連携です。
  • 「常勤の訪問介護員等のうち」から選ばれるため、訪問に出ながら計画を作ることになります。これが「きつい」の中身です。
  • 50人特例の要件は3つ。うち②は「訪問介護員としてのサービス提供時間が月30時間以内の者を1人以上配置」です。
  • 利用者数は前3月の平均値。通院等乗降介助のみの利用者は0.1人として計算します。
  • 負担は利用者数とサ責の人数の比でほぼ決まります。応募前に必ず両方を聞いてください。

「サービス提供責任者って、ヘルパーと何が違うの?」
「サ責はきついと聞くけれど、何がきついの?」
「1人で利用者何人まで見ることになるの?」

サービス提供責任者(サ責)は、訪問介護事業所に必ず置かなければならない職種です。人数も決まっていて、利用者40人またはその端数を増すごとに1人以上と国の基準で定められています。

「きつい」と言われる理由も、この基準から説明がつきます。サ責は「常勤の訪問介護員等のうち」から選ばれるため、多くの事業所でヘルパーとして訪問しながら、計画作成と調整をこなす形になります。訪問に出ている時間は、書類の時間ではありません。

この記事では、介護の求人情報サービスを運営する立場から、実際の業務、配置基準の計算方法、ヘルパー兼務の実態、そして負担が重くなりやすい条件を整理します。

この記事で参照した公開情報(2026年8月27日確認)
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第5条第2項:「指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに、常勤の訪問介護員等のうち、利用者の数が四十又はその端数を増すごとに一人以上の者をサービス提供責任者としなければならない
同第5条第4項:サービス提供責任者は「介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者であって、専ら指定訪問介護に従事するもの
同第5条第5項(平成27年基準改正):①常勤のサービス提供責任者を3人以上配置 ②サービス提供責任者の業務に主として従事する者を1人以上配置 ③サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている場合──のすべてを満たすときは、利用者50人につき1人とすることができます
利用者の数は前3月の平均値。通院等乗降介助のみを利用した者は0.1人として計算します(東京都「サービス提供責任者の配置基準について」)
・「サービス提供責任者の業務に主として従事する者」とは、訪問介護員として行ったサービス提供時間(待機時間・移動時間を除く)が1月あたり30時間以内である者
非常勤のサービス提供責任者は、常勤職員の勤務時間の2分の1以上の勤務が必要です

基準の運用・解釈は指定権者(都道府県・市町村)により異なる場合があります。個別の取扱いは指定権者または勤務先にご確認ください。

結論|サ責は「訪問介護計画を作り、ヘルパーを動かす」職種です

項目内容
置かれる場所訪問介護事業所(必置)
人数利用者40人またはその端数を増すごとに1人以上
選ばれ方常勤の訪問介護員等のうちから
資格介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者(詳細
中心業務訪問介護計画の作成、ヘルパーの調整と指導、ケアマネとの連携
ヘルパー業務兼ねるのが一般的です

サ責は管理職ではありません。管理者(事業所の責任者)とは別の位置づけで、兼務している事業所もあれば、分かれている事業所もあります。

仕事内容|6つに整理できます

1.訪問介護計画の作成

ケアマネジャーが作る居宅サービス計画(ケアプラン)を受けて、訪問介護として何をどう提供するかを具体化した計画を作ります。これがサ責の中核業務です。

2.アセスメントとモニタリング

  • 利用開始前の訪問と聞き取り
  • 自宅の環境、家族の状況、本人の意向の確認
  • 提供開始後の状況確認と、計画の見直し

3.ヘルパーの調整(シフト組み)

実務上、最も時間と神経を使う部分です。登録ヘルパーの都合、利用者の希望時間、移動距離を合わせてシフトを組みます。急な休みが出れば、その場で組み替えます。

4.ヘルパーへの指示・技術指導

  • 手順書の作成と説明
  • 同行訪問による指導
  • 報告を受けての判断と、ケアマネへの連絡

5.ケアマネジャー・関係機関との連携

サービス担当者会議への出席、状態変化の報告、計画変更の相談などを担当します。利用者の状態が変わったときに最初に動く立場です。

6.訪問介護員としての訪問

ヘルパーが足りないときは、サ責自身が訪問に入ります。ここが「きつい」と言われる最大の理由です。

配置基準の計算|利用者40人につき1人以上

基準の条文はこうです。

「指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに、常勤の訪問介護員等のうち、利用者の数が四十又はその端数を増すごとに一人以上の者をサービス提供責任者としなければならない」(指定居宅サービス等基準 第5条第2項)

利用者の数必要なサ責の人数
40人以下1人
40人超80人以下2人
80人超120人以下3人
120人超160人以下4人
160人超200人以下5人

利用者数の数え方

  • 前3月の平均値を使います(暦月ごとの実利用者数を合算して3で割った数)
  • 新規に指定を受ける場合は推定数によります
  • 通院等乗降介助のみを利用した方は0.1人として計算します
  • 一体的に介護予防訪問介護の指定を受けている場合は、その利用者も含みます

常勤換算による配置もできます

利用者の数に応じて常勤換算方法によることもできます。この場合は利用者数を40で割った数(小数点第1位に切り上げ)が必要な員数です。

ただし注意点があります。非常勤のサービス提供責任者は、常勤職員の勤務時間の2分の1以上の勤務が必要です。そのため常勤換算で1.4人が必要な場合、実際の配置は1.5人以上になります。

50人特例|3つの要件をすべて満たす場合

平成27年の基準改正により、次の3つをすべて満たす事業所は利用者50人につき1人の配置が認められます。

要件内容
常勤のサービス提供責任者を3人以上配置している
サービス提供責任者の業務に主として従事する者を1人以上配置している
サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている

②の「主として従事する者」の定義が重要です

「訪問介護員として行ったサービス提供時間(待機時間や移動時間を除く)が1月あたり30時間以内である者」と定められています。

つまり月30時間を超えて訪問に出ているサ責は、「主として従事する者」に当たらないということです。この定義は、応募先を見るときの目安になります。

サービス提供責任者は何名配置されていますか。そのうち、訪問に出る時間が月30時間以内の方はいらっしゃいますか。

この質問への答えで、その事業所のサ責がどれだけ訪問に出ているかが分かります。

③の「効率的に行われている」とは

訪問介護計画の作成やヘルパーの勤務調整について、省力化・効率化や、利用者に関する情報を職員間で円滑に共有するため、ソフトウェアやネットワークシステムの活用等の業務の効率化が図られているものとされています。

「きつい」と言われる理由

不利益になりやすい点なので、はっきり書きます。

負担の中身なぜ起きるか
訪問と事務の両立「常勤の訪問介護員等のうち」から選ばれるため、訪問に出ながら計画を作ります
穴埋めが回ってくる登録ヘルパーが急に休むと、代わりに入るのはサ責です
シフト調整が終わらない利用者の希望時間と、ヘルパーの都合と、移動距離を合わせる作業です
板挟みになる利用者・家族、ヘルパー、ケアマネジャーのあいだに立ちます
書類が期限で動く計画の作成・変更・実績報告に期限があります
1人配置だと休めない利用者40人以下の事業所ではサ責1人ということがあります

負担の大きさは、事業所の規模とサ責の人数でほぼ決まります。利用者100人でサ責3人の事業所と、利用者40人でサ責1人の事業所では、同じ職種でも働き方がまったく違います。

応募前に確認すべき8項目

  • 利用者数は何人か(前3月の平均)
  • サ責は何名配置されているか
  • サ責の訪問時間は月およそ何時間か(30時間が一つの目安)
  • 登録ヘルパーは何名いるか(穴埋めの頻度に直結します)
  • □ 記録・計画作成にソフトを使っているか
  • □ 管理者とサ責は兼務か、別か
  • □ オンコール・緊急対応の当番はあるか
  • □ 時間外労働の実績

面接での聞き方は介護職の面接で聞かれる質問、訪問介護そのものの実情は訪問介護への転職はきつい?にまとめています。

なるための資格と給料

サ責になれるのは「介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者」です。実務者研修の修了でも要件を満たせます。具体的な要件と、すでに終了した経過措置についてはサービス提供責任者になるにはにまとめました。

実務者研修でできることの全体像は実務者研修でできる仕事をご覧ください。

よくある質問

サービス提供責任者とはどんな仕事ですか?

訪問介護事業所に必ず置かれる職種で、訪問介護計画の作成、利用開始前のアセスメント、ヘルパーのシフト調整と技術指導、ケアマネジャーや関係機関との連携を担当します。あわせて訪問介護員として利用者宅を訪問することも一般的です。指定基準では「常勤の訪問介護員等のうち」から選ぶこととされているためです。

サ責は利用者何人につき1人必要ですか?

指定居宅サービス等基準第5条第2項により、利用者の数が40またはその端数を増すごとに1人以上と定められています。利用者数は前3月の平均値で、通院等乗降介助のみを利用した方は0.1人として計算します。一定の要件を満たす事業所では、利用者50人につき1人とすることも認められています。

50人につき1人になる条件は何ですか?

①常勤のサービス提供責任者を3人以上配置していること、②サービス提供責任者の業務に主として従事する者を1人以上配置していること、③サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われていること、の3つをすべて満たす場合です。②の「主として従事する者」とは、訪問介護員として行ったサービス提供時間(待機・移動時間を除く)が1月あたり30時間以内の者を指します。

サ責はヘルパーの仕事もするのですか?

する事業所が一般的です。指定基準がサ責を「常勤の訪問介護員等のうち」から選ぶこととしているためです。登録ヘルパーが急に休んだ場合の穴埋めも回ってきます。訪問時間が月30時間以内かどうかは、その事業所のサ責がどれだけ訪問に出ているかの目安になるので、面接で確認してください。

サービス提供責任者はきついですか?

負担の大きさは事業所の規模とサ責の人数でほぼ決まります。訪問に出ながら計画作成とシフト調整を行うこと、登録ヘルパーの急な休みの穴埋めが回ってくること、利用者・ヘルパー・ケアマネジャーの板挟みになりやすいことが主な負担です。利用者40人以下でサ責1人の事業所では休みが取りにくくなります。

サ責と管理者は違いますか?

別の位置づけです。管理者は事業所全体の運営責任者で、サービス提供責任者は訪問介護計画の作成とサービス提供の管理を担う職種です。ただし小規模な事業所では兼務していることもあります。応募前に、管理者とサ責が分かれているかを確認してください。

非常勤でもサービス提供責任者になれますか?

常勤換算方法を採用する事業所では、非常勤のサービス提供責任者を置くことができます。ただし常勤職員の勤務時間の2分の1以上の勤務が必要とされています。なお基準では常勤のサービス提供責任者を一定数置くことが求められる場合があるため、詳しくは指定権者または事業所にご確認ください。

サ責が足りないとどうなりますか?

人員基準を満たさない状態となり、介護報酬の減算や指導の対象になり得ます。そのため事業所は毎月、実利用者数と前3か月の平均値、必要なサ責の配置人数を記録・保存することが求められています。応募先の利用者数とサ責の人数を聞けば、余裕のある配置かどうかの見当がつきます。

まとめ|「40人に1人」が、この仕事の重さを決めます

  • 訪問介護事業所に必置。利用者40人またはその端数を増すごとに1人以上です
  • 中心業務は訪問介護計画の作成・ヘルパーの調整と指導・ケアマネとの連携
  • 「常勤の訪問介護員等のうち」から選ばれるため、訪問と事務を両立することになります
  • 50人特例の要件②が「訪問は月30時間以内」。事業所を見るときの目安になります
  • 負担は利用者数とサ責の人数の比でほぼ決まります
  • 応募前に利用者数・サ責の人数・登録ヘルパーの人数を必ず聞いてください

サ責は、訪問介護のなかで現場の経験がそのまま判断力になる職種です。資格要件と給与はサービス提供責任者になるにはにまとめています。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。

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