この記事の結論
この記事で分かること
- 採用側が見ているのは勤務先の規模・配属科・担当した処置の3点です。ここが書けていれば文章の巧さは問われません。
- 「看護業務全般」は具体的な処置名に置き換えてください。それだけで情報量が変わります。
- 病床数・診療科・看護配置・夜勤体制まで書くと、採用側が配属先を想像できます。
- A4で1〜2枚、直近の職場から並べる(逆編年体)のが読まれやすい形です。
- 転職回数が多い方は短期の在籍をまとめて書けます。職歴の省略はできません。
- 例文の丸写しと前職の批判は避けてください。面接で掘り下げられた時点で崩れます。
「看護師の職務経歴書って、何を書けばいいの?」
「『看護業務全般』としか書けることがない」
「テンプレートを埋めたけれど、これで通るのか分からない」
職務経歴書でつまずく方の多くは、書く材料がないのではありません。看護師にとって当たり前すぎる情報を、書く価値がないと判断して落としてしまっているだけです。
採用側が知りたいのは、あなたの人柄より先に「どの規模の、どんな患者層を診る職場で、どこまでの処置を任されていたか」です。ここが読み取れれば、配属先の見当がつきます。逆にここが書かれていないと、面接に呼ぶかどうかを判断できません。
この記事では、看護師の求人情報サービスを運営する立場から、採用担当が職務経歴書のどこを読んでいるのか、ぼんやりした表現を具体に変える手順、そして提出前に確認すべきことを整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月26日確認)
・職務経歴書に法令上の定型様式はありません。厚生労働省は「ジョブ・カード」の様式(職務経歴シート)を公開しており、書式に迷う場合の下敷きとして使えます
・看護師免許は保健師助産師看護師法に基づく厚生労働大臣の免許で、看護師籍に登録されます。書類には登録(取得)の年月を記載します
・採用選考では、本籍・出生地、家族の職業や収入、住宅状況、思想信条など「本人に責任のない事項」「本来自由であるべき事項」を把握しないことが厚生労働省の「公正な採用選考の基本」として示されています
応募書類の要否・様式・提出方法は施設により異なります。募集要項に指定がある場合は、そちらが優先されます。個別の取扱いは応募先にご確認ください。
結論|書けているかどうかは「施設規模・配属科・担当処置」の3点で決まります
採用担当が職務経歴書を開いてから、面接に呼ぶかどうかを判断するまでは短時間です。その間に探されているのは、次の4項目です。
| 読まれる順 | 見られている項目 | 何を判断しているか |
|---|---|---|
| 1 | 勤務先の規模と種別 | 急性期か慢性期か、忙しさの水準が自院と近いか |
| 2 | 配属科と担当した患者層 | 自院のどの部署に配属できるか |
| 3 | 担当していた処置・業務の範囲 | 入職後すぐ任せられる業務がどこまでか |
| 4 | 在籍期間と転職の間隔 | 定着の見込みと、空白期間の理由 |
この4項目が書けていれば、文章の巧さは問われません。逆に、丁寧な自己PRが並んでいても1〜3が読み取れない書類は、面接前に判断ができないため後回しになります。
「看護業務全般」と書いてしまう理由
看護師の業務は施設ごとの差が大きく、しかも本人にとっては毎日の当たり前です。そのため「わざわざ書くほどのことではない」と感じて、まとめてしまいがちです。
ところが採用側は他院の内情を知りません。同じ「一般病棟」でも、看護配置7対1の急性期と、療養病床とでは1日の動き方がまったく違います。ここを書き分けるだけで、書類の情報量は大きく変わります。
履歴書との違い|経歴の「一覧」が履歴書、経歴の「中身」が職務経歴書
| 履歴書 | 職務経歴書 | |
|---|---|---|
| 目的 | 本人と経歴の確認 | 実務内容の説明 |
| 様式 | 市販・厚生労働省の様式例など | 指定なし(自由様式) |
| 職歴の書き方 | 入職・退職の年月と施設名 | 施設の規模、配属、担当業務まで |
| 枚数 | 1枚(両面) | A4で1〜2枚 |
| 志望動機 | 記入欄がある場合が多い | 入れないことが多い |
履歴書の書き方は看護師の履歴書の書き方にまとめています。免許欄の正式名称や、厚生労働省の様式例で変わった点はそちらをご確認ください。
提出を求められない施設もあります
クリニックや小規模の事業所では、履歴書だけで選考が進むことがあります。それでも用意しておく価値はあります。理由は面接対策になるからです。
職務経歴書に書いた内容は、面接で聞かれる質問とほぼ重なります。先に文章にしておくと、面接で言葉に詰まりにくくなります。看護師の面接で聞かれる質問と併せて準備してください。
枚数はA4で1枚|経験が多い方でも2枚に収めます
| 経験年数の目安 | 枚数 | 書き方 |
|---|---|---|
| 1〜3年・1施設のみ | A4 1枚 | 1施設を厚く書きます |
| 4〜10年・2〜3施設 | A4 1〜2枚 | 直近を厚く、古いものは簡潔に |
| 転職回数が多い方 | A4 2枚まで | 短期の在籍はまとめて書きます |
3枚以上になると、読み手が要点を拾いにくくなります。古い職歴を削るのではなく、直近以外の記述を短くして調整してください。職歴自体を書かないと、履歴書との食い違いになります。
並べる順番は「直近の職場から」|逆編年体が読みやすくなります
| 形式 | 並び順 | 向いている方 |
|---|---|---|
| 逆編年体 | 新しい職場が上 | ほとんどの方(推奨) |
| 編年体 | 古い職場が上 | 経験が1〜2施設で、成長の流れを見せたい方 |
| キャリア形式 | 業務分野ごと | 複数科をまたいで同じ業務を重ねた方 |
採用側が最も知りたいのは「今、何ができるか」です。直近の職場が最初に来る逆編年体のほうが、その情報に早くたどり着けます。
施設情報は「病床数・診療科・看護配置」まで書きます
ここが看護師の職務経歴書で最も差がつく部分です。施設名だけでは、規模も忙しさも伝わりません。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 伝わらない | ◯◯総合病院 看護師 |
| 伝わる | ◯◯総合病院(一般病床◯◯床/診療科◯科/看護配置 7対1) 消化器外科・整形外科混合病棟(◯床)/看護師◯名・夜勤2人体制 |
書き添えると判断されやすくなる項目
- 病床数と病棟の規模(例:一般病床◯◯床、担当病棟◯床)
- 診療科・混合病棟かどうか
- 看護配置(7対1・10対1・13対1・15対1など)
- 夜勤の体制と回数(2交代/3交代、月◯回、夜勤人数)
- 受け持ち人数(日勤◯名程度)
- チームでの立場(リーダー、プリセプター、委員会)
施設の内部情報にあたる数値は、公表されている範囲・ご自身が把握している範囲でお書きください。不確かな数字は「約」を付けるか、記載を控えて差し支えありません。
職務内容は「担当した処置の名前」で書きます
「看護業務全般」は、書いていないのとほぼ同じ扱いになります。具体的な処置名に置き換えると、そのまま経験の証明になります。
| ぼんやりした表現 | 置き換えた表現 |
|---|---|
| 看護業務全般 | バイタル測定、点滴・採血、与薬管理、記録、入退院対応 |
| 処置の介助 | 創傷処置、褥瘡処置、ドレーン管理、胃瘻・経管栄養の管理 |
| 術後の患者を担当 | 周術期看護(術前オリエンテーション、術後疼痛管理、離床支援) |
| 急変対応もしていた | 急変時の一次対応、医師への報告、記録(BLS修了) |
| 新人指導をしていた | プリセプターとして新卒看護師◯名を担当(◯年間) |
| 患者さんとよく話した | 退院支援における家族面談、多職種カンファレンスへの参加 |
できない処置を書かないことも情報になります
経験のない処置を書かないのは、隠しているのではなく正確に伝えているということです。入職後に「できる前提」で配置されると、困るのはご本人です。
不安がある領域は、面接で「経験が浅いので教育体制を確認したい」と伝えるほうが、結果的に定着します。
転職回数が多い方は、短期の在籍をまとめて書けます
職歴を省略することはできませんが、短期間の在籍を1つのブロックにまとめる書き方は認められています。
| 状況 | 書き方 |
|---|---|
| 1年未満の在籍が複数 | 施設名と期間は書き、業務の説明は数行にまとめます |
| 派遣・単発の勤務が複数 | 「◯年◯月〜◯年◯月 派遣看護師として◯施設に勤務」とまとめられます |
| 直近が長い | 直近を厚く書き、過去は行数を削ります |
転職回数そのものの扱いは看護師の転職10回以上は不利?採用側の本音と通る職務経歴書で詳しく扱っています。
ブランクがある方は、空白期間に1行の説明を入れます
空白期間があること自体は、選考でよくある状況です。説明がないまま数年空いていると、採用側は理由を推測するしかなくなります。1行で足ります。
- 育児のため離職(◯年◯月〜◯年◯月)
- 家族の介護に専念(◯年◯月〜◯年◯月)
- 療養のため離職。現在は就業に支障ありません
復職の準備や面接での伝え方は看護師のブランク復職|不安の解消法と面接の伝え方にまとめています。
自己PRは職務経歴書の最後に3〜5行だけ置きます
職務経歴書の自己PRは、長く書くほど読まれなくなります。履歴書の自己PR欄と同じ内容を繰り返さず、実務の裏づけがある強みを1つに絞ってください。
強みの選び方と例文は看護師の自己PRの書き方で扱っています。志望動機は職務経歴書には入れず、履歴書か面接で伝えます(看護師の志望動機の書き方)。
そのまま組み立てられる構成例
病棟看護師(経験5年・1施設)
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 職務要約 | 急性期病院の外科系混合病棟で5年間勤務。周術期看護を中心に、プリセプターとして新人教育も担当しました。 |
| 勤務先 | ◯◯病院(一般病床◯◯床/看護配置7対1)/外科・整形外科混合病棟(◯床) |
| 担当業務 | 周術期看護、創傷・ドレーン管理、点滴・採血、入退院支援、記録 |
| 体制 | 2交代制・夜勤月◯回(夜勤2人体制)/日勤受け持ち◯名 |
| 役割 | プリセプター(◯年)、感染対策委員会 |
| 資格 | 看護師免許(◯年◯月取得)、BLS修了 |
クリニックへ移りたい方
外来対応・予約管理・器具の洗浄滅菌・電子カルテの操作など、病棟では書き落としがちな業務を明記します。クリニックは少人数のため、看護以外の周辺業務ができるかどうかが判断材料になります。
訪問看護へ移りたい方
単独で判断した経験、医師への報告、家族への説明、在宅で使う医療機器の管理経験を前に出します。訪問看護は一人で訪問するため、報告・連絡の実績が読まれます。
経験2年目・第二新卒にあたる方
実務が短い分、研修の受講歴、受け持ち人数、独り立ちした時期を書きます。2年目の転職の考え方は看護師2年目の転職を参照してください。
手書きとPC、どちらでもかまいません|提出方法だけ注意します
| 手書き | PC作成 | |
|---|---|---|
| 評価の差 | 職務経歴書については、どちらでも不利にはなりません | |
| 向いている場面 | 持参・郵送 | メール提出、修正が多い場合 |
| 注意点 | 修正液は使わず書き直します | PDFに変換して送ります |
メールで送るときの3点
- PDFに変換して送ります。編集可能な形式のままだと、相手の環境で崩れます
- ファイル名は「職務経歴書_氏名_日付」のように、開かなくても分かる名前にします
- 本文に、応募する職種と氏名・連絡先を書き添えます
やってはいけないこと|例文の丸写しと、前職の批判
ここは不利になりやすい点なので、はっきり書きます。
| 避けること | 理由 |
|---|---|
| 例文をそのまま貼る | 同じ文面が複数の応募者から届きます。面接で掘り下げられると答えられません |
| 前職の批判を書く | 退職理由が人間関係でも、書類には事実だけを書きます |
| 経験のない処置を書く | 入職後の配置で困るのはご本人です |
| 誇張した実績 | 面接で数字の根拠を聞かれます |
| 空白期間の未記載 | 履歴書と突き合わせた時点で分かります |
なお、採用選考にあたって本籍・出生地、家族の職業や収入、住宅状況、思想信条などを応募者に尋ねることは、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」で適切でないとされています。応募書類にこれらを自ら書き添える必要はありません。
提出前のチェックリスト
- □ A4で1〜2枚に収まっている
- □ 直近の職場が最初に来ている
- □ 施設ごとに病床数・診療科・看護配置が書いてある
- □ 「看護業務全般」を具体的な処置名に置き換えた
- □ 夜勤の形態と回数が書いてある
- □ 在籍期間が履歴書と一致している
- □ 空白期間に1行の説明がある
- □ 自己PRが3〜5行に収まっている
- □ 資格に免許の取得年月が入っている
- □ 誤字脱字・施設名の正式名称を確認した
- □ 日付は提出日になっている
- □ メール提出ならPDFに変換した
よくある質問
看護師の職務経歴書に決まった様式はありますか?
法令上の定型様式はありません。A4サイズで自由に作成して差し支えありません。書式に迷う場合は、厚生労働省が公開しているジョブ・カードの職務経歴シートを下敷きにする方法があります。応募先が独自の様式を指定している場合は、そちらが優先されます。
職務経歴書は手書きとパソコンのどちらがよいですか?
どちらでも不利にはなりません。分量が多い方や修正が発生しやすい方はパソコン作成が現実的です。メールで提出する場合はPDFに変換し、ファイル名を「職務経歴書_氏名_日付」のように開かなくても内容が分かる形にしてください。
経験が1施設しかなく、書くことがありません。
施設の情報を細かく書くと分量は足ります。病床数、診療科、看護配置、担当病棟の規模、夜勤の体制と回数、日勤の受け持ち人数、担当していた処置名、参加していた委員会や研修を並べてください。看護師にとって当たり前の内容ほど、他院の採用担当は知らない情報です。
転職回数が多く、書くと不利になりませんか?
職歴を省くことはできませんが、短期間の在籍は施設名と期間だけを残し、業務の説明をまとめて書くことができます。派遣や単発での勤務は「派遣看護師として複数施設に勤務」とまとめる書き方もあります。直近の職場を厚く書いて、現在できることを前に出してください。
ブランクがある期間はどう書きますか?
「育児のため離職(◯年◯月〜◯年◯月)」のように、1行で理由を書いてください。理由の詳細まで書く必要はありません。説明がないまま空白が続くと、採用側は推測することになります。復職に向けた研修を受けている場合は、その受講歴も書き添えられます。
職務経歴書に志望動機は書きますか?
通常は書きません。志望動機は履歴書の欄か面接で伝えます。職務経歴書に入れる場合も、末尾に短く添える程度にとどめ、実務の説明を圧迫しないようにしてください。
看護師免許はどのように書きますか?
資格欄に「看護師免許 ◯年◯月取得」と記載します。看護師免許は保健師助産師看護師法に基づく厚生労働大臣の免許で、看護師籍に登録された年月を書きます。准看護師の資格をお持ちの場合は「准看護師免許」と正式な名称で書き分けてください。
職務経歴書を求められていない場合も出したほうがよいですか?
提出は任意ですが、用意しておくと面接が進めやすくなります。職務経歴書に書いた内容は面接で聞かれる内容とほぼ重なるためです。募集要項で「履歴書のみ」と指定がある場合は、その指示に従ってください。
まとめ|当たり前だと思っている情報こそ、書く価値があります
- 読まれているのは施設規模・配属科・担当処置の3点です。ここが書けていれば文章の巧さは問われません
- 「看護業務全般」は具体的な処置名に置き換えます。それだけで情報量が変わります
- 病床数・看護配置・夜勤体制まで書くと、採用側が配属先を想像できます
- A4で1〜2枚、直近の職場から並べます
- 転職回数が多い方は短期在籍をまとめて書けます。省略はしません
- 例文の丸写しと前職の批判は避けてください。面接で不利に働きます
職務経歴書は、うまく書く書類ではなく正確に思い出す書類です。まず勤務先の規模と、去年1年間に自分が手を動かした処置を書き出してみてください。そこから削っていくほうが、埋めようとするより早く仕上がります。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
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