この記事の結論
この記事で分かること
- 聞かれることは「書類の確認・退職理由・勤務条件」の3つに収まります。中途採用の面接は配属とシフトを検討する場です。
- 準備するのは6問(自己紹介・退職理由・志望動機・できる処置・夜勤と入職日・逆質問)です。
- 本籍・家族の職業・信条などは、答える義務がありません。厚生労働省が採用選考で把握すべきでないとしている事項です。
- 逆質問は情報を取りに行く時間です。配属・夜勤・教育・時間外・業務の変更の範囲を聞いてください。
- できない処置は正直に伝えてください。「できる前提」で配置されて困るのはご本人です。
- 面接が短時間で終わっても、それだけで結果は判断できません。
「面接で何を聞かれるのか分からない」
「退職理由を正直に話していいの?」
「逆質問、何も思いつかない」
看護師の中途採用の面接で聞かれることは、実はほとんど決まっています。応募書類に書いた内容の確認と、退職理由、そして勤務条件の3つです。奇をてらった質問はまず出ません。
そして、もう一つ知っておいていただきたいことがあります。面接で聞かれても答える必要がない質問があります。本籍や家族の職業、支持する政党といった事項は、厚生労働省が「採用選考で把握すべきでない」と示しているものです。これを知っているだけで、面接の緊張はかなり減ります。
この記事では、看護師の求人情報サービスを運営する立場から、実際に聞かれる質問と答え方、答えなくてよい質問、逆質問で確認すべきこと、そして落ちやすい受け答えを整理します。
この記事で参照した公開情報(2026年8月26日確認)
・厚生労働省の「公正な採用選考の基本」では、本人に責任のない事項(本籍・出生地、家族の職業・収入、住宅状況、生活環境など)と本来自由であるべき事項(宗教、支持政党、人生観・信条、尊敬する人物、購読新聞・愛読書、労働組合や学生運動など社会運動に関することなど)を採用選考で把握しないこととされています
・あわせて、身元調査の実施や、合理的・客観的に必要性が認められない健康診断も、就職差別につながるおそれがあるとされています
・2024年4月から労働条件明示のルールが改正され、すべての労働者に「就業場所・業務の変更の範囲」の明示が必要になりました。有期契約では更新上限の有無、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件の明示も加わっています
面接の進め方・質問内容・勤務条件は施設により異なります。個別の取扱いは応募先にご確認ください。
結論|聞かれることは「書類の確認・退職理由・勤務条件」の3つに収まります
| 分類 | 代表的な質問 | 何を確かめているか |
|---|---|---|
| 書類の確認 | 自己紹介、経験してきた科、できる処置 | どの部署に配属できるか |
| 退職理由 | なぜ辞めたか、なぜ当院か | 同じ理由でまた辞めないか |
| 勤務条件 | 夜勤の可否、入職可能日、通勤 | シフトに組み込めるか |
| 人物 | 長所短所、これからやりたいこと | チームに入れるか |
中途採用の面接は、意欲を測る場ではなく、配属とシフトを検討する場です。この前提が分かっていると、答え方が定まります。
必ず準備しておく6問|これだけで大半をしのげます
1.自己紹介をお願いします
1分程度。経歴の朗読ではなく、これまでの経験のうち応募先に関係する部分を選んで話します。
◯◯と申します。◯◯病院の外科病棟で5年間、周術期の看護を担当してまいりました。術後の状態変化を早期に捉えることを大切にしており、プリセプターとして新人指導も担当しております。本日はよろしくお願いいたします。
2.退職理由を教えてください
最も答えにくく、最も見られている質問です。事実を短く述べ、すぐに「次にどうしたいか」へ移すのが基本です。
| 実際の理由 | 面接での答え方 |
|---|---|
| 人間関係 | チームで情報を共有しながら進める体制のもとで働きたいと考えました |
| 夜勤の負担 | 日勤帯で継続して患者さんに関わる看護に軸足を移したいと考えました |
| 給与 | 経験や役割が評価される環境で長く働きたいと考えました |
| 忙しすぎた | 一人ひとりに時間をかけた看護を実践したいと考えました |
| 体調 | 体調を崩し休職しましたが、現在は就業に支障ありません |
前職の批判は避けてください。内容が事実であっても、「同じことをうちでも言う」と受け取られます。
3.なぜ当院を志望したのですか
履歴書に書いた志望動機と同じ内容を話します。違う話をすると、書類が使い回しだと分かります。組み立て方は看護師の志望動機の書き方を参照してください。
4.経験のある科と、できる処置を教えてください
ここは配属の検討そのものです。できること・できないことを分けて答えてください。できない処置を言わずにおくと、入職後に困るのはご本人です。
点滴・採血、創傷処置、ドレーン管理は日常的に担当しておりました。人工呼吸器の管理は経験がありませんので、入職後に教えていただければと考えております。
5.夜勤は可能ですか/いつから入職できますか
ここは正直に答えてください。合わせようとして曖昧に答えると、入職後の条件調整でこじれます。夜勤ができない事情がある場合は、その場で伝えるほうが早く決まります。
6.何か質問はありますか(逆質問)
次の章で扱います。「特にありません」は避けてください。
逆質問は「入職後に困ること」を先に潰す時間です
逆質問は評価される場ではなく、こちらが情報を取りに行く数少ない機会です。聞くべきことは決まっています。
| 聞くこと | そのまま使える言い方 |
|---|---|
| 配属先 | 配属予定の部署と、そこでの1日の流れを教えていただけますか |
| 夜勤の体制 | 夜勤は月何回程度で、何人体制でしょうか |
| 入職後の教育 | 入職直後はどのような手順で業務を覚えていきますか |
| 残業と記録 | 記録は勤務時間内に終えられていますか。時間外はどの程度でしょうか |
| 業務の変更の範囲 | 就業場所や担当業務が将来変わる可能性の範囲を教えていただけますか |
| 有給の取得 | 有給休暇はどのくらい取得されていますか |
| 見学 | 可能であれば、配属予定の部署を見学させていただけますか |
2024年4月の労働条件明示ルールの改正により、就業場所・業務の変更の範囲は労働条件として明示すべき事項に加わっています。面接の段階で確認しておくと、内定後の条件確認がしやすくなります。
聞かないほうが無難な逆質問
- 調べれば分かること(病床数、診療科など)
- 「残業はありますか」だけの聞き方(「どの程度か」まで聞きます)
- 給与の交渉を面接の最初に持ち出すこと(条件は内定前後に確認します)
答えなくてよい質問があります|聞かれたときの対処
これは知っておくと安心できる情報です。厚生労働省の「公正な採用選考の基本」では、次のような事項を採用選考で把握しないこととされています。
| 区分 | 該当する事項 |
|---|---|
| 本人に責任のない事項 | 本籍・出生地、家族の職業や収入・地位、住宅の状況、生活環境や家庭環境 |
| 本来自由であるべき事項 | 宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合や学生運動など社会運動、購読新聞・雑誌・愛読書 |
| 選考の方法 | 身元調査、合理的・客観的に必要性が認められない健康診断 |
聞かれてしまったときの答え方
その場で指摘する必要はありません。答えたくない場合は、答えを避けても選考上の不利益を受ける筋合いはありません。
「そちらは業務と直接の関わりがないかと思いますので、お答えは控えさせてください。勤務に関することでしたら、お答えいたします」
ご家族の状況について聞かれた場合も同様です。ただし、ご自身の勤務に関わる範囲(急な休みへの対応など)は、伝えたほうが入職後が楽になります。「答える義務はないが、伝えたほうが得な情報かどうか」で判断してください。
服装は「スーツ」で問題ありません
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 服装 | スーツ(紺・黒・グレー)。ケーシーや白衣で行く必要はありません |
| インナー | 白または淡い色のブラウス・シャツ |
| 「私服可」と言われたら | オフィスカジュアル。デニム・サンダルは避けます |
| 髪 | 顔にかからないようにまとめます |
| 爪 | 短く整えます。装飾は外します |
| 香り | 香水は使いません(患者さんへの配慮を見られます) |
| 持ち物 | A4が入る鞄、書類の予備、筆記具、募集要項の控え |
夏場に「クールビズで」と案内された場合は、ジャケットなしでも構いません。指示があればそれに従うのが最も無難です。
落ちやすい受け答え|ここは不利になります
不利になる点なので、はっきり書きます。
| 受け答え | どう受け取られるか |
|---|---|
| 前職の批判が長い | 同じことを当院でも言うと判断されます |
| 退職理由と志望動機がつながらない | また同じ理由で辞めると見られます |
| 書類と違う内容を話す | 書類が使い回しだと分かります |
| できない処置を「できます」と答える | 入職後の配置で本人が苦しみます |
| 夜勤の可否を曖昧にする | 条件確認が入職後にずれ込みます |
| 逆質問で「特にありません」 | 入職後の姿を考えていないと受け取られます |
| 給与の話から面接を始める | 条件が合えばどこでもよいと見られます |
「面接が短かった=不採用」ではありません
人員がすぐ必要な部署では、条件が合えば短時間で終わります。逆に長く話したのに見送りになることもあります。面接時間の長短から結果を推し量る必要はありません。
面接前に確認しておく条件7項目
内定後に「聞いていない」となりやすい項目です。面接か、その後の条件確認で必ず押さえてください。
- □ 基本給と、手当の内訳(夜勤手当・資格手当・住宅手当)
- □ 夜勤の回数と体制
- □ 時間外労働の実績と、記録の時間の扱い
- □ 就業場所・業務の変更の範囲(2024年4月から明示事項です)
- □ 有期契約の場合の更新上限の有無
- □ 試用期間の有無と、その間の条件
- □ 入職日と、配属予定の部署
労働条件は、書面等での明示を受けたうえでご確認ください。口頭の説明だけで入職を決めることは避けたほうが無難です。
面接の前に職場を見ておく方法
面接で聞ける情報には限りがあります。実際の忙しさや職員同士のやり取りは、その場にいないと分かりません。
見学を申し込むほかに、単発の勤務で一度入ってみてから応募するという順番も選べます。1日でも現場に入っていれば、逆質問の中身が変わります。
よくある質問
看護師の転職面接では、どんな質問が多いですか?
自己紹介、経験してきた診療科とできる処置、退職理由、志望動機、夜勤の可否と入職可能日、逆質問の6つでほとんどが占められます。中途採用の面接は配属先とシフトを検討する場であるため、実務と勤務条件に関する質問が中心になります。
退職理由が人間関係の場合、正直に話すべきですか?
事実を細かく話す必要はありません。前職の批判は、内容が正しくても「同じことを当院でも言う」と受け取られやすいためです。「チームで情報を共有しながら進める体制のもとで働きたいと考えました」のように、次に求める環境として述べ、志望動機へつなげてください。
面接で本籍や家族について聞かれたら答えないといけませんか?
答える義務はありません。本籍・出生地、家族の職業や収入、住宅の状況、思想信条などは、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」において採用選考で把握すべきでない事項とされています。「業務と直接の関わりがないかと思いますので、お答えは控えさせてください」と伝えて差し支えありません。ただし、急な休みへの対応など勤務に関わる範囲は、伝えたほうが入職後の調整が楽になります。
面接の服装はスーツでよいですか?
スーツで問題ありません。紺・黒・グレーが無難です。ケーシーや白衣で行く必要はありません。「私服可」と案内された場合はオフィスカジュアルにし、デニムやサンダルは避けてください。爪は短く整え、香水は使わないでください。
逆質問では何を聞けばよいですか?
入職後に困ることを先に確認してください。配属予定の部署と1日の流れ、夜勤の回数と体制、入職直後の教育の進め方、時間外労働と記録の時間の扱い、就業場所や業務の変更の範囲などです。可能であれば、配属予定の部署の見学を申し出るのもよい方法です。「特にありません」は避けてください。
できない処置を聞かれたら、どう答えればよいですか?
できることとできないことを分けて答えてください。経験のない処置を「できる」と答えると、入職後にその前提で配置され、困るのはご本人です。「経験がありませんので、入職後に教えていただければ」と伝えるほうが、結果として定着につながります。
面接が短時間で終わったのですが、不採用でしょうか?
時間の長短から結果を判断することはできません。人員がすぐに必要な部署では、条件が合えば短時間で終わることがあります。逆に長く話しても見送りになることもあります。結果の連絡時期を確認しておき、その期日まで待つほうが確実です。
給与や夜勤回数は、面接で聞いてもよいですか?
聞いて構いません。ただし面接の冒頭から条件の話を始めると、条件次第でどこでもよいと受け取られることがあります。逆質問の場面や、内定前後の条件確認で聞くのが無難です。2024年4月からは就業場所・業務の変更の範囲も労働条件の明示事項に加わっているため、あわせて確認してください。
まとめ|聞かれることは決まっています。準備すべきは6問です
- 質問は「書類の確認・退職理由・勤務条件」の3つに収まります
- 準備するのは6問。自己紹介・退職理由・志望動機・できる処置・夜勤と入職日・逆質問です
- 退職理由は事実を短く、すぐ「次にどうしたいか」へ移します
- 本籍・家族・信条などは答える義務がありません
- 逆質問は情報を取りに行く時間です。配属・夜勤・教育・時間外を聞きます
- できない処置は正直に伝えます。入職後に困るのはご本人です
面接で落ちる原因の多くは、能力ではなく書類と話した内容の食い違いです。提出した履歴書と職務経歴書を、面接の前にもう一度読み返してください。それが最も効きます。
執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)
WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者
- 職業紹介責任者講習 修了
- 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
- 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
- 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営
制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。
※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。
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