この記事の結論

この記事で分かること

  • 万人向けの「1位」はありません。ランキングの順位が記事ごとに違うのは、調査集団も基準も違うからです。
  • 厚生労働省「人材サービス総合サイト」で全事業者の実績が公開されています。就職者数・採用後6か月以内の離職者数・手数料実績率・返戻金制度の4つです。
  • 令和7年4月1日から、職種ごとの平均手数料率等の掲載が職業紹介事業者に義務づけられました。看護師は「023 看護師、准看護師」で検索できます。
  • いちばん重要なのは6か月以内の離職者数です。既卒採用者の離職率は16.1%(新卒8.4%)で、続く職場を選べているかが問われます。
  • タイプは①求人広告型 ②人材紹介型 ③公的サービスの3つ。登録は2〜3社までにしてください。
  • 厚労省は「適正な有料職業紹介事業者」を認定・公表しています。ランキングより基準が明示されています。
  • ハローワークの人材確保対策コーナーとナースセンターは無料。紹介手数料が発生しないぶん、病院側の採用コストがゼロです。

「結局どの転職サイトを使えばいいの?」
「ランキング記事を5つ見たけど、1位がぜんぶ違う」
「口コミは書いた人の状況が分からないから、信じていいのか迷う」

看護師転職サイトのおすすめを調べると、「独自アンケート317名」「利用者1,122名調査」といったランキングが並びます。それぞれ順位が違うのは、調査した集団も、順位のつけ方も、記事ごとに違うからです。

ここでお伝えしたいのは、別のやり方です。厚生労働省の「人材サービス総合サイト」では、国内すべての職業紹介事業者について、あっせんした就職者数、そのうち採用後6か月以内に離職した人数、紹介手数料の実績、返戻金制度の有無が公開されています。

さらに令和7年4月1日から、職種ごとの平均手数料率などの実績を掲載することが、職業紹介事業者に義務づけられました。看護師は「023 看護師、准看護師」という職種で検索できます。

アンケートは回答者の主観ですが、こちらは事業者が国に届け出た実績です。この記事では、看護師の求人情報サービスを運営する立場から、公開データで自分に合うサービスを見極める手順を具体的に示します。

この記事で参照した公開情報(2026年8月31日確認)
・厚生労働省「人材サービス総合サイト」(jinzai.hellowork.mhlw.go.jp)…国内全ての職業紹介事業者について①あっせんした就職者数 ②就職者数のうち採用後6か月以内の離職者数 ③紹介手数料の実績 ④返戻金制度の有無・内容を確認できます。「詳細情報」からは過去5年分の就職者数・離職者数と職種ごとの手数料実績も確認できます
・厚生労働省「医療・介護・保育分野の人手確保のために」…職業安定法施行規則の一部改正により、令和7年4月1日以降、職種毎の平均手数料率等の実績を人材サービス総合サイトに掲載することが職業紹介事業者に義務付けられています。(各事業者の取扱い上位5職種に限り、常用就職の紹介実績が10件以下の場合は掲載対象外)
・同資料…厚生労働省は医療・介護・保育の団体の協力を得て定めた基準を満たす有料職業紹介事業者を「適正な有料職業紹介事業者」として認定・公表しています
・同資料…契約や利用条件のトラブルは、都道府県労働局の「『医療・介護・保育』求人者向け特別相談窓口」で相談を受け付けています
・日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(2026年3月31日公表)…2024年度の離職率は正規雇用看護職員11.0%、新卒採用者8.4%、既卒採用者16.1%

結論|看護師転職サイトのおすすめは、実績データで自分で決められます

先に結論をお伝えします。

  • 万人向けの「1位」はありません。強い地域も、得意な施設種別も、事業者ごとに違います
  • ただし比べるための客観的な数字は公開されています。就職者数、6か月以内の離職者数、手数料実績率、返戻金制度の4つです
  • 見るべきは「就職者数の多さ」より「6か月以内に辞めた人の割合」です。決めさせるのが上手いことと、続く職場を紹介できることは別だからです
  • そのうえでタイプが3つあることを知っておけば、自分が使うべきものは絞れます

まず、看護師の転職サイトには3つのタイプがあります

「転職サイト」と一括りにされがちですが、法律上の位置づけも、費用の出どころも違います。

①求人広告型②人材紹介型③公的サービス
仕組み求人を掲載し、自分で応募担当者が求人を紹介し、入職まで支援国・都道府県が運営
代表例求人検索サイト、病院の採用ページ看護師向けの人材紹介会社ハローワーク、ナースセンター
費用の出どころ掲載料(病院が負担)紹介手数料(病院が負担)公費(無料)
連絡の量少ない多い少ない
向いている人自分で調べて決めたい非公開求人や条件交渉を頼みたい急がず、地元で探したい

人材紹介型は有料職業紹介事業にあたり、厚生労働大臣の許可が必要です。許可番号は事業者のサイトに表示されており、人材サービス総合サイトで実在するかを確認できます。

①と②は併用できます。むしろ、②で紹介された求人が①でも公開されていることは珍しくありません。同じ求人に別ルートから応募すると混乱するので、掛け持ちは2〜3社までにとどめてください。

厚労省のサイトで、看護師転職サイトの実績はすべて公開されています

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

厚生労働省の「人材サービス総合サイト」では、国内すべての職業紹介事業者について、次の情報が公開されています。

公開されている項目何が分かるか
許可・受理番号/許可年月日正規の許可を受けた事業者か
あっせんした就職者数実際に何人を就職させているか(規模)
就職者数のうち採用後6か月以内の離職者数紹介した先に定着しているか
手数料実績率(職種ごと)病院がいくら払っているか
返戻金制度の有無・内容早期離職時に返金があるか

出典:厚生労働省「人材サービス総合サイト」および同省「医療・介護・保育分野の人手確保のために」(2026年8月31日確認)

そして令和7年4月1日から、職種ごとの平均手数料率などの実績を掲載することが、職業紹介事業者に義務づけられました。(各事業者の取扱い上位5職種に限り、常用就職の紹介実績が10件以下の場合は掲載対象外です)

つまり、「独自調査◯名」を待たなくても、事業者が国に届け出た数字を誰でも見られます。

看護師転職サイトの実績を調べる手順

厚生労働省が案内している手順に沿うと、次のようになります。

  1. 人材サービス総合サイト(jinzai.hellowork.mhlw.go.jp)を開き、「職業紹介事業」を選びます
  2. 都道府県を選択します(必須)。業界全体の傾向を見たいなら「全国」、地元の傾向なら該当の都道府県を選びます
  3. 「詳細検索条件」をクリックします
  4. 「職業紹介事業の運営 法第32条の16第3項に関する事項(情報提供)その②」の「取扱業務の職種」から職種を選びます
  5. 看護師の場合は「023 看護師、准看護師」を選択します
  6. 必要に応じて「手数料実績率・額」で範囲を指定します(率なら0.1〜999.9の間で入力)
  7. 「OK」→「検索」で一覧が表示されます

一覧では手数料実績率で並べ替えができます。事業者名をクリックすると「詳細情報」が開き、過去5年分の就職者数・離職者数と、職種ごとの手数料実績を確認できます。

厚生労働省の資料に示された表示例では、看護師・准看護師の手数料実績率として12.6%、18.3%、20.0%といった数字が挙げられています。

公開データで見るべき3つの数字

①6か月以内の離職者数|いちばん重要です

就職者数に対して、採用後6か月以内に辞めた人が何人いるか。この比率が高い事業者は、決めさせるのは上手いが、続く職場を選べていない可能性があります。

日本看護協会の調査では、2024年度の既卒採用者(転職して入職した人)の離職率は16.1%で、新卒採用者の8.4%の約2倍でした。転職そのものが続きにくい以上、紹介した先での定着状況は、事業者を選ぶうえで最も実質的な指標です。

単年ではなく過去5年分の推移で見てください。詳細情報から確認できます。

②就職者数|規模と、自分の地域での実績

全国規模で就職者数が多くても、自分の住む都道府県での実績が少なければ、紹介できる求人は限られます。手順②で都道府県を絞って検索すると、地域ごとの実績が見えます。

③手数料実績率|高いほど悪いわけではありません

手数料は病院が払うもので、求職者の負担ではありません。ただし手数料が高いほど、病院にとっては採用コストが重くなります。そのぶん「すぐ辞められると困る」という力学が働き、早期離職に対する返戻金制度の有無とセットで意味を持ちます。

求職者として知っておく意味は、担当者が熱心に勧めてくる背景に、手数料という経済的な動機があると理解しておくことにあります。仕組みの詳細は看護師の転職エージェントで解説しています。

厚労省の認定を受けた事業者という選び方もあります

厚生労働省は、医療・介護・保育の団体の協力を得て定めた基準を満たす有料職業紹介事業者を、「適正な有料職業紹介事業者」として認定・公表しています。

認定制度の特設サイトは jesra.or.jp/tekiseinintei/ で公開されています。数多くある事業者のなかから、安心して利用できる事業者を選ぶ基準の一つとして案内されているものです。

ランキング記事の順位より、こちらのほうが基準が明示されています。

無料で使える公的サービスも選択肢に入れてください

おすすめを比べるときに抜けがちですが、公費で運営されている無料のサービスがあります。

サービス特徴
ハローワーク(人材確保対策コーナー)医療・福祉分野のマッチング支援を強化するため、全国の主要なハローワークに設置されています。職場見学会や就職面接会も随時開催されています
ナースセンター都道府県の看護協会が運営。ハローワークと連携しています

出典:厚生労働省「医療・介護・保育分野の人手確保のために」(2026年8月31日確認)

紹介手数料が発生しないぶん、病院側の採用コストがゼロです。「手数料を払ってでも採りたい」求人ばかりを見せられるのが不安な方は、公的サービスも並行して使う価値があります。連絡の量も少なくて済みます。

タイプ別|あなたが使うべき看護師転職サイトはどれか

あなたの状況向いているタイプ
行きたい病院がもう決まっている①求人広告型/直接応募
電話やメールが多いのが苦手①求人広告型、③公的サービス(電話なしで使う方法
非公開求人を見たい/条件交渉を頼みたい②人材紹介型
ブランクがあり、相談しながら進めたい②人材紹介型、③ナースセンター
地元の中小規模の職場を探したい③ハローワーク、②の地域密着型
急いでいない/じっくり比べたい①+③。②は連絡が増えます
今の職場に知られたくない②人材紹介型(在職中の配慮を依頼できます)

なお、転職サイトを使わないという判断もあります。判断材料は看護師転職サイトは使わない方がいい?にまとめています。

登録する前に決めておく3つのこと

どのサービスを選ぶにせよ、登録前に条件を決めておかないと、提案された求人を評価できません。

  • 譲れない条件を2つに絞る(数字にしてください。手順は看護師の転職準備
  • 連絡手段と時間帯を指定する(「メールのみ」「平日18時以降」など。最初に伝えると後が楽です)
  • 入職可能日を計算しておく(賞与・有給・退職申出期限から逆算。看護師の転職時期

トラブルになったときの相談先

契約や利用条件をめぐってトラブルになった場合、都道府県労働局に設置された「『医療・介護・保育』求人者向け特別相談窓口」で相談を受け付けています。

また、労働条件が求人票と違っていた場合は、労働基準法第15条第2項により、労働者は即時に労働契約を解除できます。求人票は印刷やスクリーンショットで保存しておいてください。

よくある質問

看護師転職サイトのおすすめランキングは信用できますか?

順位のつけ方が記事ごとに違うため、記事によって1位が変わります。調査した集団の属性(地域・年代・経験年数)も異なります。参考にはなりますが、それだけで決めないでください。厚生労働省の人材サービス総合サイトでは、就職者数、採用後6か月以内の離職者数、手数料実績率、返戻金制度の有無が公開されています。事業者が国に届け出た数字なので、順位づけの主観が入りません。

看護師転職サイトは何社に登録すべきですか?

2〜3社が上限です。理由は、同じ求人に複数のルートから応募すると重複応募になり、病院側の混乱を招くこと、そして連絡の管理が現実的でなくなることの2つです。詳しくは看護師の転職サイトは掛け持ちすべき?で解説しています。タイプの違うもの(人材紹介型+公的サービスなど)を組み合わせるほうが、同じ型を増やすより効果があります。

人材サービス総合サイトでは何が分かりますか?

国内すべての職業紹介事業者について、①許可・受理番号 ②あっせんした就職者数 ③就職者数のうち採用後6か月以内の離職者数 ④紹介手数料の実績 ⑤返戻金制度の有無・内容を確認できます。「詳細情報」からは過去5年分の就職者数・離職者数も見られます。看護師は「023 看護師、准看護師」の職種で検索してください。令和7年4月1日から、職種ごとの平均手数料率などの掲載が事業者に義務づけられています。

紹介手数料が高い転職サイトは避けたほうがいいですか?

手数料は病院が払うもので、求職者の負担ではありません。高いことが直ちに悪いわけではなく、支援が手厚い場合もあります。ただし病院にとって採用コストが重くなるため、早期離職を避けたい力学が働きます。返戻金制度の有無とあわせて見てください。求職者として大事なのは、担当者の熱心さの背景に経済的な動機があると理解しておくことです。

無料の転職サイトはなぜ無料なのですか?

費用を負担しているのが求職者ではなく病院側だからです。人材紹介型では、入職が決まった時点で病院が紹介手数料を支払います。求人広告型では掲載料です。仕組み自体は適法で、有料職業紹介事業は厚生労働大臣の許可制です。仕組みの詳細は看護師の転職エージェントで解説しています。

ハローワークやナースセンターは使ったほうがいいですか?

選択肢に入れる価値はあります。厚生労働省は医療・福祉分野のマッチング支援を強化するため、全国の主要なハローワークに「人材確保対策コーナー」を設置し、職場見学会や就職面接会を随時開催しています。ナースセンターとも連携しています。紹介手数料が発生しないため、病院側の採用コストがゼロで、中小規模の職場の求人が出やすいという特徴があります。連絡の量も少なくて済みます。

「適正な有料職業紹介事業者」とは何ですか?

厚生労働省が、医療・介護・保育の団体の協力を得て定めた基準を満たす有料職業紹介事業者を認定・公表している制度です。特設サイト(jesra.or.jp/tekiseinintei/)で公開されており、厚生労働省は「安心して利用できる事業者を選ぶ基準の一つ」として案内しています。ランキング記事の順位より、基準が明示されている点で判断材料になります。

転職サイトとトラブルになったらどこに相談できますか?

都道府県労働局に設置された「『医療・介護・保育』求人者向け特別相談窓口」で、雇用仲介事業のサービスに関するトラブルの相談を受け付けています。また労働条件が求人票と違っていた場合は、労働基準法第15条第2項により即時に労働契約を解除できます。そのため求人票の保存と、労働条件通知書の書面での受け取りを習慣にしてください。

まとめ|看護師転職サイトのおすすめは、公開データで自分で決められます

  • 万人向けの1位はありません。ランキングの順位が記事ごとに違うのは、調査集団も基準も違うからです
  • 厚生労働省「人材サービス総合サイト」で、全事業者の実績が公開されています。就職者数、採用後6か月以内の離職者数、手数料実績率、返戻金制度の4つです
  • 令和7年4月1日から、職種ごとの平均手数料率等の掲載が事業者に義務づけられました
  • 看護師は「023 看護師、准看護師」で検索できます。詳細情報から過去5年分が見られます
  • いちばん重要なのは6か月以内の離職者数です。既卒採用者の離職率は16.1%(新卒は8.4%)で、続く職場を選べているかが問われます
  • タイプは①求人広告型 ②人材紹介型 ③公的サービスの3つ。登録は2〜3社までにしてください
  • ハローワークの人材確保対策コーナーとナースセンターは無料です。並行して使えます
  • トラブルは都道府県労働局の特別相談窓口へ。求人票は必ず保存しておいてください

使うサービスが決まったら、次は条件の整理です。看護師の転職準備で譲れない条件を数字にしてから、看護師の転職時期で動く月を逆算してください。この順番で進めると、提案された求人を同じ基準で比べられます。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。

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