この記事の結論

この記事で分かること

  • 掛け持ちは2〜3社が上限です。1社では比較の基準が持てず、4社以上は重複応募のリスクと連絡の管理負担が急に上がります。
  • 掛け持ちしていること自体は、まったく問題ありません。各社に隠す必要もなく、最初に伝えておくほうがむしろ進めやすくなります。
  • 絶対に避けるべきは、同じ施設への重複応募です。採用側は手数料の支払先が変わるため確認の手間が生じ、両方の選考が止まることがあります。
  • 応募先の一覧を自分で管理してください。「施設名・どの会社経由か・選考の段階・回答期限」の4項目だけで、事故はほぼ防げます。
  • 行きたい施設が決まっている場合は、掛け持ちより直接応募です。採用側に手数料がかからないぶん、通りやすくなることがあります。

「転職サイトは何社登録すればいいの?」
「掛け持ちしてるって、バレたらまずい?」
「連絡が増えて対応しきれない」

結論からお伝えします。掛け持ちは2〜3社が上限です。1社では判断の基準が持てず、4社以上になると重複応募のリスクと連絡の管理負担が急に跳ね上がります。

そして掛け持ちしていること自体は、まったく問題ありません。隠す必要もありません。各社に最初から伝えておくほうが、むしろスムーズに進みます。

本当に気をつけるべきなのは、掛け持ちそのものではなく「同じ施設に、別の会社経由で応募してしまうこと」です。この記事では、なぜそれが問題なのかを紹介手数料の仕組みから説明し、防ぎ方まで具体的に書きます。

この記事で参照した公開情報(2026年8月25日確認)
・職業安定法(求職者からの手数料徴収の原則禁止、有料職業紹介事業の手数料)
・厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」(個人情報の取扱いルールの整備/令和4年10月1日施行)

制度は改正により変わります。最新の内容は厚生労働省の公表資料でご確認ください。各サービスの運用は事業者により異なります。

結論|2〜3社が上限になる理由は「重複応募」と「管理負担」

登録数起きること評価
1社求人の幅が狭い。担当者の質にすべて左右される。提示条件が相場に合っているか判断できない不足
2社比較の基準ができる。管理も無理がない推奨
3社求人の幅が最大になる。管理はぎりぎり可能上限
4社以上重複応募のリスクが急上昇。連絡の管理だけで消耗する非推奨

1社だけでは「その条件が普通なのか」が分かりません

担当者から「この条件は 良い方ですよ」と言われても、比べる相手がいなければ検証できません。2社目の存在価値は、求人数ではなく「基準を持てること」にあります。

4社以上で何が起きるか

  • 同じ施設の求人が、複数の会社から提案される——気づかず両方に応募すると重複応募になります
  • 連絡が1日に何件も入る——在職中であれば対応しきれません
  • どこに何を伝えたか分からなくなる——条件の希望がずれていきます
  • 断る作業だけで疲れる

なぜ重複応募がまずいのか|紹介手数料の仕組みから説明します

ここを理解すると、以降の話がすべてつながります。

看護師が無料で使えるのは、費用を採用側が払っているから

職業安定法では、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を徴収することは原則として禁止されています(一部の職業を除く)。費用は採用する医療機関・施設が支払います。

方式金額
上限制手数料6か月間の雇用に係る賃金について、支払われた賃金額の11.0%が上限(免税事業者は10.3%)
届出制手数料あらかじめ届け出た料率による。年収の20〜30%程度が相場とされる

出典:職業安定法。相場は事業者により異なり、公的な統計ではありません。

だから「どちらの紹介か」で、施設が払う相手が変わります

あなたが同じ病院にA社経由とB社経由の両方から応募すると、採用側は「この人はどちらの紹介として扱えばよいのか」という問題を抱えます。年収450万円なら100万円前後の支払先が変わる話です。

採用側で起きることあなたへの影響
どちらの紹介か確認する作業が発生する選考が止まる
A社とB社の間で調整が必要になる両方の担当者から連絡が来る
手間を避けるため選考を見送る判断もあり得る両方とも不採用になることがある
「管理ができていない人」という印象が残る面接前の印象が下がる

悪意がなくても起きます。だからこそ、防ぐ仕組みを自分で持つ必要があります。

重複応募を防ぐ方法|4項目のメモだけで足ります

難しい管理は要りません。次の4項目を、応募するたびに書き足すだけです。

記録する項目書き方なぜ必要か
①施設名正式名称で系列に似た名前の施設があるため。略称だと重複に気づけません
②どの会社経由かA社/B社/直接応募最重要。ここが重複応募を防ぐ要
③選考の段階書類/面接/内定/辞退今どこにいるかを把握するため
④回答期限◯月◯日まで急かされたときに、自分の判断軸になります

紙でもスマートフォンのメモでも構いません

◯◯総合病院/A社経由/一次面接済/回答は9/5まで
△△クリニック/B社経由/書類提出済
□□介護老人保健施設/直接応募/見学予約 9/2

これだけです。この3行があるかどうかで、事故の起きる確率がまったく変わります。

応募前に、必ず自分で確認する一言

担当者から求人を提案されたとき、応募の返事をする前に自分のメモを見てください。すでに他社経由で応募していれば、こう伝えます。

「申し訳ありません、そちらの施設は他社経由ですでに応募済みです。重複を避けたいので、今回は見送らせてください」

これを言われて怒る担当者はいません。むしろ事前に分かるほうが、担当者にとっても助かります。

掛け持ちしていることは伝えるべきか|伝えたほうが進めやすい

結論として、伝えてください。掛け持ちは一般的なことで、各社も前提として想定しています。

伝えること伝えなくてよいこと
他社も利用していること他社の会社名(聞かれたら答える程度で可)
すでに応募済みの施設名他社の担当者名
選考が進んでいる場合はその段階他社で提示された具体的な条件
回答の期限が迫っている場合はその日付他社の担当者の対応への不満

伝えると、こう変わります

  • 重複応募の確認がしやすくなる——「その施設はもう応募済みです」と言える関係になります
  • 担当者が丁寧に動くことがある——他社で決まる前に、という動機が働きます
  • スケジュールを合わせてもらいやすい——「◯日までに回答が必要」と共有できます

初回面談での伝え方の例
「他にも1社利用しています。重複応募を避けたいので、ご提案いただいた施設が応募済みの場合は、その都度お伝えします。よろしくお願いします」

「専任にしてほしい」と言われたら

まれに「うちだけに絞ってもらえませんか」と言われることがあります。応じる義務はありません。どのサービスを使うかは求職者が決めることです。

「複数を比較したうえで判断したいので、このまま進めさせてください」と伝えれば足ります。それで対応が変わる担当者であれば、その担当者を選ばない判断材料になります。

掛け持ちが職場にバレるのか|制度と、自分でできる備え

転職サイトが現職に伝えることはありません

2022年10月施行の改正職業安定法により、個人情報の取扱いに関するルールが整備されています。事業者は業務の目的の範囲内で個人情報を収集・使用・保管する必要があり、求職者の情報を本人の同意なく現職に伝えることはありません。

それでも、ゼロではない経路があります

経路備え方
応募先が現職と同じ系列だった法人名で避けたいリストを渡す(施設名だけでは系列が漏れます)
応募先に知人が勤めているその施設も避けたいリストに入れる
地域が狭く、看護師同士のつながりが強い避けたい範囲を地域単位で伝える
職場で電話に出てしまう連絡をメールのみに指定する
面接の日程調整で有給を集中して取る面接は休日・夜勤明けに設定できないか相談する

「避けたい施設リスト」は初回面談で渡してください

「恐れ入りますが、次の法人には推薦しないでください。現職の系列と、知人が勤めている施設です。◯◯会、△△福祉会、□□病院です」

後から言うより、最初に渡すほうが確実です。掛け持ちしている場合は、各社に同じリストを渡してください。1社にだけ伝えても意味がありません。

連絡が増えたときの止め方|3段階で必ず収まります

掛け持ちの最大のデメリットは、連絡の量です。ただしこれは対処できます。

段階やることポイント
1メールで連絡方法と頻度を指定する口頭ではなく記録が残る形で。担当者が変わっても引き継がれます
2守られなければ担当変更を申し出る担当者本人ではなく会社の問い合わせ窓口へ
3それでも改善しなければ退会2〜3社のうち1社を入れ替えるだけです

登録時に、この一文を書いておいてください

「日中は勤務のため電話に出られません。ご連絡はメールでお願いします。お電話が必要な場合は、平日◯時以降または◯曜日にいただけますと幸いです」

登録フォームの備考欄に書いておくだけです。掛け持ちする場合は、必ず全社に同じことを書いてください。1社でも抜けると、そこから電話が集中します。

登録直後に電話が集中する理由

これは担当者の性格の問題ではなく、早く接触したほうが決まりやすいという業界の慣行によるものです。仕組みを知っておくと、腹が立ちにくくなります。そして最初に条件を指定しておけば、大半は防げます。

断り方のテンプレート|言いにくさで進めてしまわないために

提案された求人を断るとき

「ご紹介ありがとうございます。今回は◯◯の条件が合わないため、見送らせてください。引き続き、◯◯を優先した求人をお願いできますと幸いです」

理由を1つ添えると、次の提案の精度が上がります。断ることは失礼ではなく、むしろ担当者にとって有益な情報です。

他社で決まったと伝えるとき

「ご対応いただきありがとうございました。他社経由で決まりましたので、今回は終了とさせてください。お力添えいただき、感謝しております」

「他社で決まった」は、そのまま伝えて構いません。掛け持ちは前提として想定されています。どこで決まったかを詳しく説明する必要もありません。

内定を辞退するとき

「大変申し訳ありませんが、検討の結果、今回は辞退させていただきます。ご調整いただいたにもかかわらず、申し訳ございません」

辞退は求職者の権利です。引き止められても、同じ言葉を繰り返せば足ります。詳しい理由を説明する義務はありません。

掛け持ち自体をやめるとき(1社を減らす)

「検討の結果、応募先を絞ることにしました。今回は利用を終了させてください。登録情報の削除もお願いできますでしょうか」

掛け持ちの正しい使い方|比較すべきは「求人」ではなく「説明」

多くの方が「求人数を増やすため」に掛け持ちしますが、本当の価値は別のところにあります。

比較するもの何が分かるか
同じ施設についての説明A社「残業は少ない」/B社「あそこは残業が多め」→ 突っ込んで確認すべき点が見つかる
提示される条件の相場感その年収・夜勤回数が、地域の水準として妥当かどうか
担当者の質デメリットも説明するか、断ったときの対応はどうか
求人の種類の偏りA社は病院中心、B社はクリニック・施設が多い、など

同じ施設について違う説明が出たら、それが最大の収穫です

担当者が施設に足を運んでいるかどうかで、説明の中身は変わります。説明が食い違ったときは、こう聞いてください。

「別の会社では◯◯と伺ったのですが、実際のところはいかがでしょうか。施設には見学に行かれていますか」

「見学に行っているか」への答え方で、その担当者の情報の確度が分かります。

条件を競わせるのは、うまくいきません

「A社よりいい条件を出してほしい」という使い方は機能しません。同じ施設の求人であれば、どの会社を経由しても提示される条件は基本的に同じだからです。決めているのは施設であって、紹介会社ではありません。

競わせようとすると重複応募になり、かえって選考が止まります。掛け持ちの目的は、条件の吊り上げではなく情報の検証です。

掛け持ちしない方がよい4つのケース

ケース1|行きたい施設がすでに決まっている

直接応募のほうが通りやすいことがあります。採用側に紹介手数料がかからないためです。同じ経歴の応募者が2人いて、片方は費用ゼロ、片方は百万円前後——判断に影響しないほうが不自然です。

また「なぜこの施設なのか」を自分の言葉で説明できるため、志望度の高さが伝わります。

ケース2|公立病院・公的病院を希望している

自治体立の病院などは公募と採用試験による採用が中心で、人材紹介の対象になっていないことが多くあります。募集は各自治体・病院の公式サイトで公表されます。何社掛け持ちしても、この求人は出てきません。

ケース3|在職中で、対応できる時間が限られている

掛け持ちの数だけ、面談・連絡・断りの作業が増えます。時間が取れない方は2社に絞ったほうが、結果的に早く進みます。3社目を足すのは、2社で求人の幅が足りないと分かってからで十分です。

ケース4|まず現場を見てから決めたい

求人票と面接だけでは、スタッフ同士の関係も実際の忙しさも分かりません。1日単位の単発勤務で現場に入るほうが、確実に多くのことが分かります。

スキマかんごでは、看護助手・介護助手を含む1日単位ではたらける単発のお仕事と、掲載施設へ直接応募できる求人をご案内しています。担当者からの営業連絡はありません。「2社で情報を集めつつ、気になる施設は1日だけ働いて確かめる」という組み合わせができます。

「掛け持ち」には2つの意味があります|仕事の掛け持ちを探している方へ

「看護師 掛け持ち」で調べる方には、2つのまったく違う意図があります。ここまでは①の話でしたが、②を探している方のために整理します。

意味論点
①転職サイトの掛け持ち複数の転職サイト・エージェントに登録すること重複応募・連絡の管理
②仕事の掛け持ち本業を持ちながら他でも働くこと(ダブルワーク・副業)就業規則・社会保険・確定申告

看護師のダブルワークは、法律で禁止されているわけではありません

法律で一律に禁止されているものではありません。可否を決めているのは、勤務先の就業規則です。ただし例外があります。

勤務先扱い
公立病院など(公務員)国家公務員法・地方公務員法により兼業が制限されます。許可なく行うことはできません
民間の病院・施設就業規則によります。禁止・許可制・届出制・自由と、法人により異なります
派遣・パート就業規則および派遣元との契約によります

まず就業規則を確認してください。「副業」「兼業」の項目に、禁止か許可制かが書かれています。許可制であれば、申請すれば認められることもあります。

ダブルワークで見落とされやすい3点

内容
①労働時間の通算労働基準法上、労働時間は事業場が異なっても通算されます。長時間労働にならないよう注意が必要です
②社会保険加入要件を満たす勤務先が複数ある場合、手続きが必要になることがあります
③確定申告給与所得者で副業の所得が年20万円を超える場合、確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告が必要な場合があります

※税・社会保険の取扱いは個別の状況により異なります。詳細は税務署・お住まいの自治体・年金事務所にご確認ください。

単発勤務なら、始めやすく管理もしやすい

ダブルワークを考える方に多いのが、「本業を続けながら、他の職場も見てみたい」という動機です。この場合、常勤の副業ではなく1日単位の単発勤務が現実的です。

  • 働く日を自分で選べるため、本業のシフトと調整しやすい
  • 別の職場の実際の雰囲気が分かる——転職を考えるときの判断材料になります
  • 収入を少し増やしながら、次の職場を探せる

ただし必ず、本業の就業規則を先に確認してください。許可制の場合は申請が必要です。無断で行って問題になると、本業の立場が悪くなります。ここは順番を守ってください。

2社目・3社目はどう選ぶか|同じ種類を増やしても意味がない

掛け持ちで最も多い失敗が、「看護師特化の大手」を3社登録してしまうことです。求人が重複し、同じ施設を3回提案されるだけになります。

種類強み弱み
看護師特化の大手求人数が多い。相場が分かる担当1人あたりの担当者数が多く、対応が事務的になりやすい
地域密着型担当が施設に足を運んでいる。実情に詳しい求人の総数は少ない。エリア外は対応できない
分野特化(訪問看護・美容など)その分野の求人と情報が深い他分野への切り替えには向かない
求人サイト(直接応募型)担当者がつかない。営業連絡がない条件交渉は自分で行う
ナースセンター(公的)無料・営業連絡なし・復職支援研修がある求人の探索は自分主体

推奨する組み合わせ

状況おすすめの組み合わせ
標準(迷ったらこれ)看護師特化の大手1社+地域密着1社
特定分野を狙う大手1社+分野特化1社
電話が苦手大手1社+求人サイト(直接応募型)
急かされたくない・ブランクがあるナースセンター+大手1社
行きたい施設が決まっている直接応募のみ(掛け持ち不要)

「大手1社+地域密着1社」が最も情報が補い合います。大手で求人の幅と相場を把握し、地域密着でその施設の実情を聞く。役割が違うため、同じ施設について違う角度の説明が得られます。

掛け持ちを始める前に決めておく3つ

決めておくことなぜ
1絶対に譲れない条件(1〜2つ)各社に同じ条件を伝えるため。ぶれると提案がばらけます
2いつまでに決めるか複数社から急かされたとき、自分の軸になります
3避けたい施設・法人のリスト全社に同じものを渡すため

条件は3層に分けて、全社に同じものを伝える

絶対条件「夜勤は月2回まで」「通勤45分以内」
優先条件「年収は現状維持したい」
譲れる条件「診療科は問わない」「規模は問わない」

掛け持ちしているのに各社へ違う条件を伝えると、比較の意味がなくなります。同じ条件を渡してこそ、提案の差が担当者の力量の差として見えます。

掛け持ちの進め方|週単位のスケジュール例

時期やること掛け持ちならではの注意
1週目2社に登録。連絡方法をメールに指定両社に同じ備考を書く
1〜2週目初回面談(各30〜60分)同じ条件・同じ避けたいリストを渡す
2〜3週目求人の提案を受ける提案が来たらメモに追記。重複がないか毎回確認
3〜4週目応募・見学の調整応募した瞬間にメモへ記録
4〜6週目面接日程が重ならないよう、両社に予定を共有
6〜8週目内定・条件確認回答期限を各社に明示。片方を待たせる場合は正直に伝える
その後辞退の連絡・退会決まったら速やかに他社へ連絡する

内定が同時期に出たときの伝え方

「ありがとうございます。他社経由で選考が進んでいる先があり、そちらの結果が◯日に出ます。比較したうえで判断したいので、◯日まで回答をお待ちいただけますでしょうか」

正直に伝えて構いません。隠して引き延ばすほうが、後で角が立ちます。多くの場合、数日であれば待ってもらえます。

掛け持ちでよくあるトラブル5つと対処

トラブルなぜ起きるか対処
1同じ施設に重複応募してしまった提案された施設名を記録していない気づいた時点で両社に正直に伝える。隠すと悪化します
2面接の日程が重なった両社に予定を共有していない候補日をまとめて各社に渡す。確定したら即座に他社へ共有
3各社に違う条件を伝えてしまった面談のたびに希望が変わる条件を紙に書いて、同じものを全社に渡す
4連絡が多すぎて対応できない連絡方法を指定していないメールで「メールのみ・◯時以降」を全社に送る
5片方を待たせて関係が悪くなった回答を曖昧に引き延ばした「◯日まで待ってほしい」と日付を明示する

1番が起きてしまったときの伝え方

「申し訳ありません。確認したところ、◯◯病院に他社経由でも応募していました。私の管理不足です。先に応募していたのは◯社ですので、そちらで進めさせてください。ご迷惑をおかけします」

隠さず、早く、どちらで進めるかを自分で決めて伝えるのが最善です。放置すると採用側で調整が発生し、両方の選考が止まるおそれがあります。

5番|待たせるときは日付を必ず出す

「もう少し考えさせてください」だけでは、採用側も担当者も動けません。「◯日まで」と日付を出せば、多くの場合は待ってもらえます。期限を切るのは失礼ではなく、むしろ誠実な進め方です。

よくある質問

看護師の転職サイトは何社くらい掛け持ちすべきですか?

2〜3社が現実的です。1社だけでは求人の幅が狭く、担当者の質にすべてが左右されるうえ、提示された条件が相場に合っているかを判断できません。一方4社以上になると、同じ施設に別の会社経由で応募してしまうリスクが上がり、連絡の管理だけで負担が大きくなります。まず2社で始めて、求人の幅が足りなければ3社目を足すのが安全です。

掛け持ちしていることは各社に伝えるべきですか?

伝えたほうが進めやすくなります。掛け持ちは一般的なことで、隠す必要はありません。伝えておくと重複応募を避けるための確認がしやすくなり、担当者も丁寧に動くことがあります。ただし他社の担当者名や、他社で提示された具体的な条件まで細かく伝える必要はありません。

同じ病院に複数の転職サイトから応募するとどうなりますか?

避けてください。採用側は「どちらの紹介か」によって紹介手数料の支払先が変わるため、確認の手間が生じ、印象が悪くなります。場合によっては両方の選考が止まることがあります。応募前に必ず「この施設に他社経由で応募していないか」を自分で確認してください。応募先の一覧を作っておけば防げます。

掛け持ちが今の職場にバレることはありますか?

転職サイトが求職者の情報を本人の同意なく現職に伝えることはありません。2022年10月施行の改正職業安定法で、個人情報の取扱いに関するルールが整備されています。ただし応募先が現職と同じ系列や近い地域である場合、選考の過程で人づてに伝わる可能性はゼロではありません。心配な場合は、応募を避けたい施設名・法人名を最初にリストで伝えてください。

掛け持ちすると連絡が増えて大変ではありませんか?

増えます。だからこそ2〜3社が上限です。負担を減らすには、登録時に「連絡はメールのみ・平日◯時以降」と各社に指定してください。口頭ではなくメールなど記録が残る形で伝えるのが重要です。守られない場合は担当変更を申し出られます。それでも改善しなければ、そのサービスの利用をやめて構いません。

断るときはどう伝えればいいですか?

「今回は見送らせてください」で十分です。理由を詳しく説明する義務はありません。他社で決まった場合も「他で決まりました」と伝えれば足ります。引き止められても、同じ言葉を繰り返せば問題ありません。辞退は求職者の権利です。

掛け持ちしない方がよいケースはありますか?

あります。行きたい施設がすでに決まっている場合は、直接応募のほうが通りやすいことがあります。採用側に紹介手数料がかからないためです。また公立病院など公募・採用試験による採用が中心の施設は、そもそも紹介の対象外であることが多くなります。在職中で時間が限られている方も、2社に絞ったほうが結果的に早く進みます。

掛け持ちして条件を競わせることはできますか?

おすすめしません。同じ施設の求人であれば、どの会社を経由しても提示される条件は基本的に同じです。競わせようとすると重複応募になり、かえって選考が止まります。掛け持ちの目的は条件を吊り上げることではなく、求人の幅を広げ、同じ施設について複数の説明を突き合わせることにあります。

まとめ|掛け持ちは2〜3社。守るべきは「重複応募をしないこと」だけ

  • 2〜3社が上限。1社では比較の基準が持てず、4社以上は重複応募と連絡の管理で消耗します
  • 掛け持ちは隠す必要がありません。最初に伝えておくほうが進めやすくなります
  • 絶対に避けるのは、同じ施設への重複応募。手数料の支払先が変わるため、選考が止まることがあります
  • 「施設名・どの会社経由か・選考の段階・回答期限」の4項目のメモだけで、事故はほぼ防げます
  • 2社目は種類の違うものを選んでください(大手+地域密着が基本)
  • 行きたい施設が決まっている/公立病院を希望する場合は、掛け持ちより直接応募です

掛け持ちの価値は、求人数を増やすことではありません。同じ施設について複数の説明を突き合わせ、どこまでが本当かを見極められることにあります。説明が食い違ったときこそ、確認すべき点が見つかった瞬間です。

そして最後に。何社掛け持ちしても、求人票と面接だけでは分からないことがあります。決める前に見学へ行き、できれば1日でも現場に立ってみてください。それが最も確実な情報になります。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

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