この記事の結論

この記事で分かること

  • 看護師の副業は、法律で一律に禁止されているわけではありません。可否を決めているのは勤務先の就業規則です。まずそこを確認してください。
  • ただし公立病院など公務員は、国家公務員法・地方公務員法により兼業が制限されます。許可なく行うことはできません。
  • 労働時間は、事業場が異なっても通算されます(労働基準法)。単発バイトを入れる回数は、本業と合わせて考える必要があります。
  • 「普通徴収にすればバレない」は、副業がアルバイト(給与所得)の場合には成り立ちません。給与所得は原則として特別徴収になるためです。
  • 副業の所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告が必要な場合があります。

「看護師って副業していいの?」
「バレたらまずいよね…」
「何をやれば効率がいいんだろう」

結論からお伝えします。看護師の副業は、法律で一律に禁止されているわけではありません。可否を決めているのは、勤務先の就業規則です。

ただし例外があります。公立病院などに勤める公務員は、国家公務員法・地方公務員法により兼業が制限されます。許可なく行うことはできません。

そしてもう一つ、多くの記事が正確に書いていない点があります。「確定申告で普通徴収を選べばバレない」——これは、副業がアルバイト(給与所得)の場合には成り立ちません。看護師の副業は単発バイトが中心になりやすいため、ここは正確に知っておいてください。

この記事で参照した公開情報(2026年8月26日確認)
・労働基準法:労働時間は事業場が異なっても通算されます
・国家公務員法・地方公務員法:公務員の兼業は制限されています
・所得税:副業の所得が年20万円を超える場合は確定申告が必要(20万円以下でも住民税の申告が必要な場合があります)
・住民税:アルバイト等の給与所得は原則として特別徴収となり、普通徴収への切り替えは難しくなります

税・社会保険の取扱いは個別の状況により異なります。具体的な申告や手続きについては、税務署、お住まいの自治体、年金事務所にご確認ください。就業規則の内容と副業の可否は、必ず勤務先にご確認ください。

結論|決めているのは法律ではなく、勤務先の就業規則です

勤務先副業の扱いまずやること
公立病院など(公務員)法律により兼業が制限されます人事担当部署に確認。無断で行わない
民間の病院・クリニック就業規則によります(禁止/許可制/届出制/自由)就業規則の「副業」「兼業」の項目を読む
介護施設同上同上
派遣・パート就業規則および派遣元との契約によります派遣元に確認する

「看護師は副業禁止」という決まりはありません。まず就業規則を確認するところから始めてください。

「なぜダメ」と言われる4つの理由|どれも合理的です

頭ごなしの禁止ではなく、理由があります。理由が分かると、申請するときの説明もしやすくなります。

理由中身
1本業に支障が出る懸念疲労が蓄積すると、医療事故のリスクが上がります
2労働時間の通算事業場が異なっても労働時間は通算されるため、勤務先が労務管理上の責任を負います
3守秘義務患者情報の取扱いに関わる懸念
4競業の問題同業他社での就業に関する懸念

2番が、実は最も重要です

労働基準法上、労働時間は事業場が異なっても通算されます。本業でフルタイム勤務をしている場合、副業分を加えると法定労働時間を超えやすくなります。

これは「勤務先が管理責任を負う」という意味でもあり、だからこそ許可制や届出制にしている法人が多いのです。隠して行うと、勤務先が把握できない状態になります。

就業規則の確認方法と、申請の仕方

手順やること
1就業規則の「副業」「兼業」の項目を読む(事業場に備え付けられているか、社内システムで閲覧できます)
2禁止・許可制・届出制・記載なし のどれかを確認する
3許可制・届出制なら、申請書の様式と提出先を確認する
4記載がない場合は、人事担当に確認する

申請するときの伝え方

「副業について確認させてください。本業に支障が出ない範囲で、月1〜2回程度の単発勤務を検討しています。労働時間が通算されることは理解していますので、勤務時間を含めてご相談させていただければと思います。申請が必要でしたら、様式を教えていただけますでしょうか」

「労働時間の通算を理解している」と伝えるのが効きます。勤務先が懸念しているのはまさにそこだからです。回数と時間を具体的に示すと、判断してもらいやすくなります。

禁止されている場合は、無断で行わないでください

就業規則違反として処分の対象になる可能性があります。禁止されている場合は、次のいずれかを検討してください。

  • なぜ禁止なのかを確認し、個別の許可が可能か相談する
  • 本業の勤務形態を変える(夜勤の回数、時間外の相談)
  • 転職して、副業が可能な職場を選ぶ

労働時間の通算|単発を入れる回数はここで決まります

ここを知らずに始めると、後で問題になります。

考え方内容
労働時間の通算労働基準法上、事業場が異なっても労働時間は通算されます
本業がフルタイムの場合副業分を加えると、法定労働時間を超えやすくなります
現実的な始め方まず月1〜2回から。本業のシフトに影響が出ない範囲で
夜勤がある場合夜勤明けに副業を入れるのは避けてください

とくに夜勤明けの副業は避けてください。睡眠不足の状態で医療・介護の現場に入るのは、利用者にとっても自分にとっても危険です。収入より安全を優先してください。

看護師に現実的な副業7つ|税の扱いが変わる点に注意

副業所得の区分時間単価特徴
単発の看護師業務(健診・イベント・施設の応援)給与所得高い資格と経験がそのまま活きます
看護助手・介護助手の単発給与所得体力的な負担が比較的軽い場合があります
訪問入浴の同行給与所得高め看護師として同行。件数は多め
ツアーナース給与所得宿泊を伴うことがあり、まとまった休みが必要
医療系の記事執筆・監修雑所得・事業所得案件による在宅でできる。単価は案件により大きく異なります
医療系の相談・監修業務雑所得・事業所得案件による実績が必要になることが多い
本業と無関係のアルバイト給与所得低い資格が活きず、時給が下がりやすい

「給与所得か、雑所得・事業所得か」で税の扱いが変わります

この違いが、次の章の「バレる・バレない」に直結します。アルバイトとして雇われる形なら給与所得、業務委託なら雑所得・事業所得になるのが一般的です。

「普通徴収にすればバレない」の誤解

ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。

まず、バレる仕組み

副業で所得が増えると住民税額も増えます。勤務先が住民税を給与から天引き(特別徴収)している場合、通知書の金額が前年より増えていることから、経理・人事が気づくことがあります。

そして、よくある説明の落とし穴

よくある説明実際
確定申告で「自分で納付」を選べばバレない副業が業務委託など(雑所得・事業所得)の場合は選べます
副業がアルバイト等の給与所得の場合は、原則として特別徴収となり、普通徴収への切り替えは難しくなります

看護師の副業は、単発バイトなど「雇われる形」が中心になりやすいという特徴があります。つまり給与所得であることが多く、この方法は使えないケースが多いのです。

だからこそ、この記事では「隠す方法」をおすすめしません。就業規則を確認し、許可制なら申請する——これが結果的に最も安全で、後から問題にならない進め方です。禁止されていない職場も多くあります。

※住民税の徴収方法の取扱いは、お住まいの自治体により運用が異なる場合があります。詳細は自治体の窓口にご確認ください。

確定申告が必要になるライン

副業の所得所得税の確定申告住民税
年20万円を超える必要です確定申告により処理されます
年20万円以下不要とされています住民税の申告が必要な場合があります

「20万円以下なら何もしなくてよい」ではありません。所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は別に必要になる場合があります。

また副業がアルバイト(給与所得)の場合、本業と合わせた年末調整が行われないため、確定申告が必要になることがあります。源泉徴収票は必ず保管してください。

※申告の要否は個別の状況により異なります。税務署またはお住まいの自治体にご確認ください。

社会保険への影響も確認してください

確認すること内容
副業先での加入要件労働時間により、副業先でも加入要件を満たす場合があります
複数の勤務先で要件を満たす場合届出などの手続きが必要になることがあります
扶養に入っている場合収入によっては扶養から外れる可能性があります

※社会保険の取扱いは個別の状況により異なります。年金事務所または加入している保険者にご確認ください。

体力と両立させる|最初は月1〜2回から

やること理由
まず月1〜2回から始める本業への影響を確かめてから増やす
夜勤明けには入れない睡眠不足の状態で現場に入るのは危険です
連休の初日に入れない回復のための休みが削られます
本業の繁忙期は避ける体調を崩すと本業に支障が出ます
体調のサインが出たら止める眠れない・食欲がない場合は、収入より休養を優先

副業で本業に支障が出ると、禁止の理由をこちらから証明してしまうことになります。職場の理解を得ながら続けるためにも、無理のない範囲から始めてください。

副業が転職につながることもあります

単発勤務には、収入以外の効果があります。

得られるもの内容
他の職場の実際を知れる求人票にも面接にも出てこない、職員同士の関係や忙しさが分かります
自分に合う施設種別が分かるデイサービス、訪問、病棟——実際に入ってみると印象が変わります
ブランクの解消復職前の慣らしとして使えます
転職先の候補が見つかる「ここなら常勤で働けそうだ」と判断してから応募できます

既卒採用者の離職率は16.1%で、新卒採用者の8.4%の約2倍です(日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」)。転職して入った職場ほど続きにくいという現実がある中で、先に1日働いて確かめられるのは大きな利点です。

やめておいたほうがよい副業

避けたほうがよいもの理由
就業規則で禁止されているのに無断で行う処分の対象になる可能性があります
夜勤明けの勤務安全に関わります
本業と競合する同業他社での就業競業の問題になることがあります
患者情報に関わる内容の発信守秘義務に反します。SNSでの投稿も含みます
収入が不確実なもの(投資・情報商材など)本記事の範囲外です。当サイトは投資に関する助言は行いません

4番はとくに注意してください。執筆や監修の副業をする場合でも、実際の患者さんの事例を特定できる形で扱うことは避けてください。これは副業の可否以前の問題です。

スキマかんごでは、看護助手・介護助手を含む1日単位ではたらける単発のお仕事と、掲載施設へ直接応募できる求人をご案内しています。「まず月1回から試したい」という始め方ができ、担当者からの営業連絡もありません。※本業の就業規則は必ず事前にご確認ください。

よくある質問

看護師は副業してもいいですか?

法律で一律に禁止されているわけではありません。可否を決めているのは勤務先の就業規則です。禁止、許可制、届出制、自由と、法人によって扱いが異なります。ただし公立病院などに勤める公務員の場合は、国家公務員法・地方公務員法により兼業が制限され、許可なく行うことはできません。まず就業規則の「副業」「兼業」の項目を確認してください。

看護師の副業はなぜダメと言われるのですか?

理由は4つあります。①長時間労働により本業に支障が出る懸念②労働時間が事業場をまたいで通算されるため、勤務先が労務管理上の責任を負う③患者情報など守秘義務に関わる懸念④同業他社での就業による競業の問題。いずれも合理的な理由で、頭ごなしの禁止ではありません。だからこそ、許可制であれば申請すれば認められることがあります。

副業は職場にバレますか?

住民税の額から気づかれる可能性があります。副業で所得が増えると住民税額も増えるため、勤務先の経理が前年との差に気づくことがあるためです。「確定申告で普通徴収を選べばよい」と説明されることがありますが、副業がアルバイトなど給与所得の場合は原則として特別徴収となり、普通徴収への切り替えは難しくなります。看護師の副業は単発バイトが中心になりやすいため、この点は重要です。

確定申告は必要ですか?

副業の所得が年間20万円を超える場合、所得税の確定申告が必要です。20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告が必要になる場合があります。副業がアルバイトなど給与所得の場合は、本業と合わせて年末調整が行われないため、確定申告が必要になることがあります。詳細は税務署またはお住まいの自治体にご確認ください。

単発バイトは何回くらいまで入れられますか?

回数の上限が法律で決まっているわけではありませんが、労働基準法上、労働時間は事業場が異なっても通算されます。本業がフルタイムであれば、副業分を加えると法定労働時間を超えやすくなります。体力面も含め、本業のシフトに影響が出ない範囲で始めることをおすすめします。まず月1〜2回から試すのが現実的です。

就業規則で禁止されている場合、どうすればいいですか?

無断で行うのは避けてください。就業規則違反として処分の対象になる可能性があります。まず「なぜ禁止なのか」を確認し、許可制への変更や個別の許可が可能か相談してみてください。それでも難しい場合は、副業ではなく本業の勤務形態を変える(夜勤を増やす、時間外の相談をする)ほうが現実的なことがあります。

看護師におすすめの副業はありますか?

資格を活かせるものとしては、単発の看護師業務(健診、イベントナース、施設の応援)、看護助手・介護助手としての単発勤務、医療系の記事執筆・監修などがあります。単発勤務は資格と経験がそのまま活き、収入も比較的高くなります。一方、本業と関係のない業種は時給が下がりやすく、体力面でも両立が難しくなりがちです。

副業がきっかけで転職することはありますか?

あります。単発で複数の職場を経験すると、求人票や面接では分からない実際の雰囲気が分かります。「この施設なら常勤で働けそうだ」と判断してから応募するという進め方ができるため、入職後のミスマッチが起きにくくなります。

公立病院に勤めていますが、副業できますか?

国家公務員法・地方公務員法により兼業が制限されており、許可なく行うことはできません。任命権者の許可が必要とされる場合があり、内容によっては認められないこともあります。まず勤務先の人事担当部署に確認してください。無断で行うと処分の対象になる可能性があります。

副業を始める前に確認することは何ですか?

5つあります。①就業規則の「副業」「兼業」の項目②許可制の場合の申請方法③本業と副業を合わせた労働時間④確定申告と住民税の扱い⑤社会保険の加入要件に影響がないか。とくに①と③は必ず確認してください。無断で始めて後から問題になると、本業の立場が悪くなります。

まとめ|隠す方法を探すより、就業規則を確認するのが近道です

  • 法律で一律に禁止されてはいません。決めているのは就業規則です。まずそこを読んでください
  • 公立病院など公務員は、法律により兼業が制限されます。無断で行わないでください
  • 労働時間は事業場が異なっても通算されます。単発を入れる回数は本業と合わせて考えてください
  • 「普通徴収にすればバレない」は、副業がアルバイト(給与所得)では成り立ちません
  • 副業の所得が年20万円超で確定申告が必要。20万円以下でも住民税の申告が必要な場合があります
  • 夜勤明けの副業は避けてください。収入より安全が先です

「バレない方法」を探している方が多いのですが、看護師の副業は単発バイトが中心になりやすく、給与所得であることが多いため、隠し通すのは現実的ではありません。

それより、就業規則を読んで、許可制なら申請する。「月1〜2回、本業に支障のない範囲で」と具体的に伝えれば、認められる職場は少なくありません。そのほうが後々まで安心して続けられます。

そして単発勤務には、収入以外の効果もあります。他の職場を実際に見られることです。転職を考えたときに、求人票と面接だけで決めるより確実な判断ができます。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

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