この記事の結論

この記事で分かること

  • 介護職の夜勤回数に、法律上の上限はありません。実質的な上限は、労働時間の上限と事業所の夜勤協定によって決まります。
  • 収入が高いのは、深夜割増があるためです。22時〜5時の労働には、労働基準法により25%以上の割増賃金が支払われます。
  • 施設種別で負担がまったく違います。特養の2人夜勤とグループホームの1人夜勤では、担う責任も体力の消耗も別物です。
  • 「何人体制か」を確認せずに応募しないでください。2人夜勤か3人夜勤かで、仮眠が取れるかどうかが変わります。
  • 収入は上がりますが、生活リズムと健康への影響は避けられません。まず単発や月数回から試して、続けられるか確かめる方法もあります。

「夜勤専従って月何回まで入れるの?」
「収入は上がるみたいだけど、体は持つ?」
「1人夜勤って実際どうなの?」

まず、よく検索される疑問に答えます。介護職の夜勤回数に、法律上の上限はありません。

実質的な上限を決めているのは労働時間の上限と、事業所ごとの夜勤協定です。「月8回まで」といった数字を見かけますが、法令の定めではなく運用上の目安です。

そして収入が高い理由もはっきりしています。労働基準法により、22時から5時までの労働には25%以上の割増賃金が支払われます。これに夜勤手当が加わるため、日勤中心の働き方より収入が上がります。

この記事で参照した公開情報(2026年8月26日確認)
・労働基準法:深夜労働(22時〜5時)には25%以上の割増賃金
介護職の夜勤回数を直接制限する法令はありません(実質的な上限は労働時間の上限と夜勤協定によります)
・看護職の「月平均夜勤時間72時間以下」は入院基本料の施設基準に関するもので、介護職には適用されません

労働条件・夜勤協定の内容・手当の額は事業所により異なります。個別の労働条件は勤務先または応募先にご確認ください。判断に迷う場合は労働基準監督署にご相談ください。

結論|回数の上限は法律ではなく、事業所の運用で決まります

よくある疑問答え
夜勤は月何回まで?法律上の回数制限はありません
では何が上限を決めるのか労働時間の上限(法定労働時間・36協定)と、事業所の夜勤協定
「月8回まで」という数字は法令ではなく、運用上の目安として語られているものです
1回16時間の場合の目安月9〜10回程度が一つの目安(事業所により異なります)
看護師の「72時間ルール」は?入院基本料の施設基準に関するもの。介護職には適用されません

混同されやすい「72時間ルール」について

看護の分野には「月平均夜勤時間72時間以下」という基準がありますが、これは入院基本料の施設基準に関するもので、対象は看護職員です。介護職には適用されません。

介護の夜勤専従で回数を確認したい場合は、「この事業所では夜勤協定で上限を決めていますか」と直接聞くのが確実です。

収入が高くなる仕組み|深夜割増と夜勤手当

要素内容
深夜割増賃金22時〜5時の労働に、通常の賃金の25%以上を割り増し(労働基準法)
夜勤手当多くの事業所が別途設けています(金額は事業所により異なります
時間外割増法定労働時間を超えた場合に加算されます
休日割増法定休日の労働に加算されます

求人票の「1回◯円」に、深夜割増が含まれているか確認してください

ここは最も見落とされる点です。「夜勤手当1回8,000円」と書かれていても、それが深夜割増を含んだ額なのか、別に支払われるのかで手取りが変わります。

面接で、この聞き方をしてください。
夜勤1回あたりの支給額はいくらでしょうか。その金額に深夜割増は含まれていますか、それとも別に計算されますか
この1問で、実際の収入がかなり見えます。

「月収◯万円可能」の読み方

求人票の表示確認すること
「月収30万円可能」月何回の夜勤を前提とした金額か
「高収入」基本給と手当の内訳
「夜勤手当あり」1回いくらか。深夜割増を含むか
賞与の有無、社会保険の加入

「可能」と書かれている金額は、月の最大回数で計算されていることがあります。実際に入れる回数と、体力的に続けられる回数は別です。

施設種別で、夜勤の中身はまったく違います

同じ「介護の夜勤専従」でも、施設によって別の仕事だと考えてください。

施設一般的な体制負担の中身
特別養護老人ホーム2人以上のことが多い利用者数が多く、排泄介助と体位変換の回数が多い
介護老人保健施設2人以上のことが多い医療的な対応が発生することがあります
グループホーム1ユニット1人のことが多い1人で判断する場面が多い。ただし利用者は9名程度
有料老人ホーム施設により幅が大きい入居者の状態により負担が変わります
ショートステイ施設により異なる利用者が入れ替わるため、状態の把握が難しい

一般的な傾向です。人員体制は施設の規模・方針により異なります。応募先に直接ご確認ください。

「何人体制か」を確認せずに応募しないでください

2人夜勤か1人夜勤かで、仕事の中身が変わります。

2人以上の夜勤1人夜勤
移乗・体位変換2人で対応できます1人で行います
急変時1人が対応、1人が連絡すべて1人で判断・対応
仮眠交代で取れる運用の施設があります実質的に取りにくいことがあります
精神的な負担相談できる相手がいます大きくなります
向いている人チームで動きたい方1人で判断できる方/経験のある方

未経験や経験の浅い方が、いきなり1人夜勤に入るのはおすすめしません。日勤で一定期間経験を積んでからのほうが安全です。

応募前に確認する7項目

  1. 夜勤の人数体制——2人か1人か。最も重要です
  2. 1回あたりの支給額と、深夜割増の扱い——含むか別かで手取りが変わります
  3. 月の想定回数と、夜勤協定の有無——上限が決められているか
  4. 仮眠が何時間取れるか。実際に取れているか——制度と運用は別です
  5. 入職後の研修期間——日勤での研修がどのくらいあるか
  6. 急変時の連絡体制——看護師やオンコールの医師に何分でつながるか
  7. 移乗リフト等の導入状況——夜間は特に負担が大きくなります

5番は必ず確認してください。研修なしでいきなり夜勤に入れる施設は、人員体制そのものに余裕がない可能性があります。それは入職後の働きやすさに直結します。

健康への影響|収入と引き換えになるもの

正直にお伝えします。夜勤専従は収入が上がる一方で、生活リズムと健康への影響は避けられません。

起きやすいこと対策
睡眠の質が下がる遮光カーテン、就寝前のスマートフォンを控える
食生活が乱れる夜勤中の食事の時間を決めておく
日中の予定が組みにくい家族や友人との時間をあらかじめ確保する
体調の変化に気づきにくい定期健康診断を必ず受ける
孤立しやすい日勤帯の職員との情報共有の機会を持つ

続けないほうがよいサイン

  • 休みの日も眠れない/眠っても回復しない
  • 食欲がない、体重が減った
  • 日中も体が重く、集中できない
  • 気持ちが落ち込む状態が続く

これらが続く場合は、無理を続けないでください。夜勤の回数を減らす、日勤に戻すという選択もあります。かかりつけ医や産業医、自治体の健康相談にご相談ください。

向いている人・向いていない人

向いている向いていない
短期間で収入を増やしたい生活リズムを崩したくない
日中に自由な時間がほしいもともと睡眠が浅い
1人で判断することが苦にならない常に相談できる相手がいてほしい
介護の経験が一定以上ある未経験・経験が浅い
出勤日数を減らしたい家族の生活時間に合わせたい
静かな環境で働きたい持病があり、生活リズムの管理が必要

いきなり専従にせず、まず試す方法もあります

夜勤専従は収入が上がる一方で、生活が大きく変わります。常勤で切り替える前に、確かめる方法があります。

試し方分かること
いまの職場で夜勤の回数を増やしてもらう環境を変えずに体への影響を確認できます
単発の夜勤に入ってみる別の施設の夜勤体制を実際に見られます
月数回から始める続けられるか判断してから増やせます

「月8回の夜勤専従」がどういう生活になるかは、想像では分かりません。まず回数を増やしてみて、体調と生活が保てるかを確認してから決めるほうが安全です。

スキマかんごでは、介護助手・看護助手を含む1日単位ではたらける単発のお仕事と、掲載施設へ直接応募できる求人をご案内しています。「夜勤専従に切り替える前に、他の施設の夜勤を1回だけ体験する」という使い方ができます。担当者からの営業連絡はありません。※現在お勤めの場合は、副業・兼業に関する就業規則を必ず事前にご確認ください。

よくある質問

介護の夜勤専従は月何回まで働けますか?

法律上、介護職の夜勤回数に上限は定められていません。実質的な上限は、労働基準法の労働時間の上限(法定労働時間および36協定の範囲)と、事業所ごとに締結されている夜勤協定によって決まります。1回16時間の夜勤であれば、月9〜10回程度が一つの目安になりますが、事業所の運用により異なります。応募先に直接確認してください。

夜勤専従はなぜ収入が高いのですか?

深夜割増賃金があるためです。労働基準法により、22時から翌5時までの労働には通常の賃金の25%以上を割り増して支払うことが定められています。加えて多くの事業所が夜勤手当を設けており、この2つが重なることで日勤中心の働き方より収入が高くなります。

夜勤専従はきついですか?

身体的なきつさより、生活リズムの乱れによる負担のほうが大きいと言われます。ただし施設種別で大きく変わります。特別養護老人ホームの2人夜勤と、グループホームの1人夜勤では、担う責任も動き方も別物です。応募前に「何人体制か」「利用者は何名か」を必ず確認してください。

夜勤専従のルールを教えてください

介護職について、夜勤回数を直接制限する法令はありません。関係するのは、労働基準法の労働時間の上限、深夜割増賃金(22時〜5時は25%以上)、休憩時間の付与、そして事業所ごとに締結される夜勤協定です。看護職の「月平均夜勤時間72時間以下」は入院基本料の施設基準に関するもので、介護職には適用されません。

夜勤専従の介護職の月収はいくらですか?

1回あたりの夜勤手当と回数、深夜割増の計算方法によって大きく変わるため、一律には言えません。求人票で確認すべきは、①1回あたりの支給額②その額に深夜割増が含まれているか③月の想定回数④賞与や社会保険の扱い、の4点です。「月収◯万円可能」という表示は、月の最大回数で計算されていることがあります。

仮眠は取れますか?

施設と人員体制によります。2人夜勤で交代して仮眠を取る運用の施設もあれば、1人夜勤で仮眠が実質的に取りにくい施設もあります。なお、休憩時間として扱われていても呼び出しに対応する必要がある場合、その時間の扱いが問題になることがあります。応募前に「仮眠は何時間取れるか」「実際に取れているか」を確認してください。

未経験でも夜勤専従はできますか?

施設によります。ただし夜勤は少人数体制で、急変時の判断も求められるため、日勤で一定期間経験を積んでからのほうが安全です。未経験可の求人でも、日勤での研修期間がどのくらいあるかを必ず確認してください。研修なしでいきなり夜勤に入れる施設は、体制そのものを疑ったほうがよいでしょう。

健康への影響が心配です

夜勤による生活リズムの乱れは、睡眠の質や体調に影響することがあります。眠れない、食欲がない、日中も体が重いといった状態が続く場合は、無理を続けないでください。定期健康診断を必ず受け、気になる症状があればかかりつけ医や産業医にご相談ください。夜勤の回数を減らす、日勤に戻すという選択もあります。

まとめ|「何人体制か」を確認せずに応募しないでください

  • 介護職の夜勤回数に、法律上の上限はありません。労働時間の上限と事業所の夜勤協定で決まります
  • 看護職の「月平均夜勤時間72時間以下」は入院基本料の施設基準。介護職には適用されません
  • 収入が高いのは深夜割増(22時〜5時は25%以上)と夜勤手当があるためです
  • 求人票の「1回◯円」に深夜割増が含まれるかを必ず確認してください
  • 2人夜勤と1人夜勤は別の仕事です。仮眠が取れるかも変わります
  • 未経験でいきなり1人夜勤は避けてください。日勤での研修期間を確認してください

夜勤専従は、出勤日数を減らしながら収入を確保できる働き方です。ただし「月8回の夜勤専従」がどういう生活になるかは、やってみないと分かりません。

だからこそ、常勤で切り替える前に、いまの職場で夜勤の回数を増やしてみる、あるいは単発で他の施設の夜勤を体験してみる——この順番のほうが、後悔が少なくなります。

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執筆・監修:江波戸 純希(えばと よしき)

WEBBOX合同会社 代表社員/スキマかんご 編集責任者

  • 職業紹介責任者講習 修了
  • 有料職業紹介事業の許可を受けた株式会社GRADに在籍
  • 看護師専門の人材紹介サービス「ナースJJ」で、看護師の転職支援を担当
  • 現在は募集情報等提供事業として、看護・介護の求人情報サービス「スキマかんご」を運営

制度・報酬・求人条件は、厚生労働省をはじめとする行政および各サービスの公開情報を確認したうえで記載しています。制度は改定される場合があるため、最新の内容は各公式サイトでもご確認ください。

※スキマかんごは募集情報等提供事業です。求人者・求職者間の雇用のあっせん(職業紹介)は行いません。応募は掲載施設へ直接お届けしています。

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